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No.28166の一覧
[0] テスト[has](2011/10/11 16:29)
[1] <隠れ家>[has](2011/06/05 20:30)
[2] <敏感薬・上>[has](2011/07/03 17:51)
[3] <敏感薬・中>[has](2011/07/08 17:45)
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[28166] <敏感薬・中>
Name: has◆25fae20a ID:7ecfff6e 前を表示する
Date: 2011/07/08 17:45

 クロードのように魔法具を制作している人間は珍しくない。
 だが、その大半は〔ライト〕や〔結界〕などの消耗品を補充しているだけの下請けにすぎない。
 新しいマジックアイテムを開発できるのは才能と教養を兼ねそろえているもののみに許されている特権だ。資格制だ。
 そういった人材を育成する一面をランドセル学園は担っている。

 しかし――クロード・アス・ログフィートは別格だ。その功績は歴代の魔法具科の先輩たちとは比類にならないほど群を抜くものだったのだ。

 ライドセンス商会とスポンサー契約を結んだ彼は次々とこれまでにない品々を世に送り出してきた。
 一介の職人の立場ながら傾きかけていた一つの商会組合を立て直してしまうほどに。

 斬新な効果を持ったものを開発しているだけならばこうはならない。
 キラーコンテンツを売りだしたとしてもすぐよそに真似されてしまうのだから膨大な利益に繋がることはないからだ。
 とはいえ、一番最初に売りだすというのは中々の宣伝効果となっているために競うように開発されているが……それだけにすぎない。
 ……すぎなかったのだった。

 なのにクロードの作ったものは魔法のように売れていく。
 高所得者たちに。
 つまりは上級貴族たちに。
 個人の手で作られているもののために数は限られている。だからさらに値段は釣り上げられる。付加価値がついていく。
 いつしか優先的に商品を提供してもらうために貴族たちはライドセンス商会と優先的に取引するようになる。
 もちろんのように既得権益を奪うことになるわけだからいろいろと……イロイロとあったが、そのあたりはセリアの父親が苦労して、上手にパイを切り分けていった。
 いまだにいくつかの火種は残っているもののうまく回り始めている。

 何故、それほどクロードの作品は売れたのか?
 それは新商品のはずなのにまるで十年百年と再設計されてきたかのように完熟した機能を持っていることが大きい。
 それだけの機能を貶めないだけの芸術的な細工を施されていたことが決め手になっていた。

 マジックアイテムは大きい買い物だ。
 海のものとも山のものともわからない得体のしれないものを好んで買っていくものは少ない。
 爆発的に売れるようになるのは口コミで広まるようになってからなのだから。
 そうなるまでに買っていくのは奇人変人の類の風変わりな趣味人くらいしかいない。
 彼らの手に渡るのは基本的に新商品というよりかは試作品の類で、見た目が奇抜だったりするものが多い。
 外観にまで拘っていなく、さらには機能と関係のない部分の素材はてきとうなものを使っているためにどうしても安っぽくなる。
 あげくには誤動作・爆発は当たり前といったシロモノ。
 そんなものを趣味人たちが喜々として語っていったところで貴族階級にすぐさま広まっていくわけがないのだ。

 一方のクロードの作品は、貴族の屋敷に置かれていたって違和感のないデザインになっている。
 高級素材をふんだんに用いられているのと独特のセンスの良さで、調度品としてだけを評価したとしても貴族たちに認められるほどの格調を宿している至高の一品。
 そのうえこれまでにない機能のマジックアイテムを秘めているのだから評価額はどーんと跳ね上がる。
 クロードブランドのものを持っていれば確実に自慢ができる。
 クロードブランドのものを一つも持っていないのは恥ずかしい。
 いつのまにかそういった風潮ができていた。
 そのような流れをのりこなしていったために今現在のライドセンス商会の発展はある。

 要するに――国宝級の繊細な彫り物までこなすクロードの指は神の指なのだ。







 
「僕は昔から器用なほうだった。とはいったって、さすがに熟練の職人を軽々と越えるほどの器用さを持っていたわけじゃない。でも、望んだ品質を追い求めるのには『神技を為せるだけの器用さ』は必須だった。だからね……僕は器用さを高めるための魔法薬を開発することにしたんだ。そのときに開発できたのがこの<敏感薬>なんだよ」

 両方の掌全体に行き渡るように塗り込みながらクロードは朗々と語っていた。
 自分の作品を解説できるときというのは上機嫌になって口が軽くなるものと相場が決まっているがクロードもまた例外ではなかった。
 これまで公表してこなかった秘薬のことを最愛のセリアにだけは明かしてしまったのだった。

「それがあの出来栄えの秘密だというの?」
「そうだよ。足りないものがあるのならば己の想像力によって補わなければならない。僕たちはとくに」

 セリアはクロードを無言のまま睨みつけた。
 その腕前だけは尊敬していたのにそれがドーピングによるものだったことへの裏切られた思い。
 しかし、その魔法薬そのものを開発してしまった閃きと技量には関心してしまうというのもセリアの素直な気持ちだった。
 相反するようでいて一つの根っこで繋がっている二つの要素がセリアにただ睨むという行為をとらせていた。
 湧きおこってくるのは、同じ魔法具科に在籍していることに由来するライバル意識。
 自分がとにかく基礎知識を詰め込むことに必死になっている間にも、この男は、このような自分を補助する魔法薬を新開発していたのだ。まだ別の形でこのことを知ったのならばまだしもこのような形で知らされたことで、セリアは説明しがたい、己にも分析できないような複雑な心境に陥っていた。
 だが……クロードは塗り込むのをやめ、近づいてきている。
 上半身だけとはいえ下着姿を晒していることを思い出したセリアは身をよじって背中を向けるが、クロードはかまうことなく背後からそっと抱きしめる。

「ど、どうするつもりよ?」
「こうするつもりだよ」

 瞬間――クロードは雷光のように俊敏に動いていた。
 欲望の欲するままにセリアの双乳へ向かって腕を伸ばして思う存分に揉みほぐす。
 セリアがまだなにをされているのかはっきりと認識できていない、思考停止状態をめいっぱい用いて、肉塊をもにゅもにゅと味わっていく。

(こ、これを待ち望んでいたんだ……)

 制服という鎧を失った待望の乳房はたっぷたぷとクロードの掌に踊り、若々しい張りとほとばしるような弾力を一生懸命にアピールしてくるようで、まだ年若い青年の心をがっしりと掴んでいた。しっとりとした餅肌のような感触。そして、これまでの一連の流れの中でセリアが羞恥のあまりに噴き出した汗がなんともいえなく、わずかに湿っているブラの布地と乙女の柔肌が掌に吸いついてくるようだった。
 セリアのたわわに実った果実は、クロードの両手に屈服していてただひたすら揺れていっていた。
 クロードはセリアの髪の毛から漂ってくるフローラルな香りを胸いっぱいに吸い込みながら、両手を激しく動かしていく。
 すぐにでもズボンを脱ぎ捨ててギンギンになったペニスをセリアに擦りつけたい。
 しかし、クロードは若さの暴走をかろうじて堪えて、魅惑のおっぱいを揉むことだけに集中していっていた。
 まるでマジックアイテムを制作しているときのような真剣な眼差しで――

「なッ、何をするのよ――!」

 セリアは数瞬、自分の乳房をいやらしく揉まれているのを呆然と眺めていたが、ブラの上から乳首を刺激されるあたっては我に返った。
 両腕を覆うようにおっぱいへ伸ばされているクロードの腕から逃れようとするものの、恥じらって、上半身だけを後ろに向けていた姿勢から強い力を出せるわけがない。

(逃さないよ)
(もうちょっとで掴めるんだ……!)

 身体をよじるセリアを、クロードは〔ギアス〕によって縛ることすら忘却の彼方に追いやってとにかくバストを責め立てていっていた。
 これまでに多くの素材を加工してきた熟練の直感がもうすぐだと教えてくれていたのだ。

「ッ」

 セリアの身体がびくんと可愛らしくふるえた。
 一度だけではない。数秒もしないうちにもう一回ぴくぴくっとわずかに跳ねる。
 その反応をじっくりと確かめるようにクロードの手が止まった。自らの動きをなくすことで些細な前兆を際立たせる。
 クロードのそのような企みを知る由もないセリアはこのふってわいたチャンスに腕の中から抜け出ようとしてさらにもがき――

「あぁっ……」

 ――狙いすました一撃にまたも身体を震わした。
 ぷるぷるぷるんと巨乳が揺れる。
 クロードは布地をうまく操つりながら乳輪を挟んでしまい、乳首を刺激する。

 最初は偶然触れてしまっただけだった。だが、<敏感薬>によって鋭敏となった指先はセリアが心地いいと思ったときの反応を見逃さなく、クロードは高速かつ確実にセリアのおっぱいの仕組みを学習していってしまった。現在見つけたのは5パターンの触り方。それらを組み合わたコンビネーションを構築しつつ、さらなる発見を求め、これまでしていない触り方を試していっている。
 こうなってはもうクロードの独擅場だった。
 もう一つ、また一つと次々にセリアのおっぱいが解析されていく。
 新しい弱点を見つけられるたびにバストは熱を帯び、これまではなんてことのなかった刺激に反応してしまい、これまでにはなかった新たなウィークポイントが浮かび上がってくるという淫らな循環ができていく。

「あ、あっ、あっ、だっ、ダメなのよぉ!」
「何が?」

 ついには声を押し殺せなくなったなったセリアをクロードはさらにこねくりまわす。
 貴族にだけに許された手触りのいい布地は柔軟性に富んでいるのかクロードの指をずぶずぶと受け入れていた。
 まるでセリアの体がクロードの五指を求めているかのようですらある淫靡な光景となっていた。

「や、やめて、もうやめッ……!」

 セリアの言葉と体がビクンっと跳ねる。
 クロードは鼻血を出してしまいそうなほど躁状態になっていた。しかし、まるで死にかけたときの生存本能のような激しい衝動は自分を弱体化させて手を止めさせることなど許しはしなかった。なにかが乗り移っているかのような勢いで、クロードはセリアの双丘を愛撫し、若々しく反発してくる乳房の弾力から情報を読みとっていく。
 掌がとろけてしまったのではと思ってしまうほどの感動に浸りつつ、頭のどこかでは冷静にデータをとっている。
 理性と本能が仲よく和気あいあいとセリアを可愛がっていた。

「やめなさっ、いって……アぁん、……いまなら、いまなら許してあげるからぁ…………」

 セリアの声は弱まっていた。
 クロードの大好きないつもの張りのある声音はもはやない。
 甘く、どこか男に媚びてしまっている性質のものに変質してしまっている。無理はない。クロードがこねるようにゆっくりと掌を半回転するたびに喘ぎ声を洩らし、乳輪を刺激されるうちに快楽をたっぷりと溜め込んだバストはふくらみ、膨張しはじめているのだ。毎朝どこかの家庭ではパンがふくらんでいっているかのように自然の摂理に従い、女として、雌として、セリアのおっぱいはエロティックにふくらんできているのだ。自分の体の卑猥さを自覚させられると強がることすらセリアはできなくなっていた。
 男に劣情を催させる鼻にかかった甘い声でクロードに懇願するしかなくなっている。

「許してあげるって、それ、僕に言っているの?」
「くっ……ぅ……止め、て……くださ、ぃ……ン……」

 クロードは鏡を願っていた。
 背後から抱きしめられて好き勝手にバストを揉まれている≪ラザティートの人形姫≫が悔しそうにおねだりしているのだ。
 そのときの顔を真正面から見たいと思ってしまうのは当たり前のことだった。
 聞いているだけで、心臓が破裂してしまいそうなほど狂ったビートで脈打ちだしている。
 このままではそのうち死んでしまいそうだった。
 ペニスだって、いつ暴発したっておかしくないほどギンギンに堅くなっている。

「セリアって、ほんとうに胸が大きくてステキだよね」

 女性に直接言うべきじゃないことをクロードは口にしていた。

「自分の胸のことは好きなの?」
「知らないっ……」
「でも、こんなに気持ち良くなれるのならこれから大好きになっちゃうよね」
「そんなことないわ!」
「え、だって、毎日毎日揉まれるんだ。この先どんどん感度は開発されていってそのたびにもっともっと気持ちよくなっていくのに、好きにならないはずないじゃないか」
「最っ低ェ」
「君にだけだよ」

 クロードの乳揉みがツートップを狙って乳首をこよりのようにより合わせると、セリアは激しく身体をよじった。
 悪魔的なタッチでクロードはさらに責め立てていく。
 それにはセリアをこのまま絶頂させるのだという強い意志が感じられた。
 通常、これまでに性経験のない女性を上半身への刺激だけでイカせるなんていうことはありえない。
 それこそ媚薬でもつかっていなければ。
 が――

「あっ、ダメッ……」

 ふいに緊迫感のある声をあげ、セリアはその華奢な身体を陸にあげられたエビのように折り曲がらせた。
 ビク、ビク、ビクッ、としなやかな身体が痙攣する。
 セリアはこれまでバストを揉まれまくったことで身体が発情していることを恥じらい、できるだけ隠し通そうと己を抑制してきていた。だというのにそんなことを忘れてしまったかのように全身が快楽を表現してしまっている。血行のよくなった鮮やかな肌から汗を噴き出させ、まるでこらえきれないほどの衝動にイカれてしまったかのように肉体をひくつかせている。
 知性などみじんも感じさせない本能の仕草。

(イカせた! ……のか?)  

 クロードは経験のないことに半信半疑だったが、ある程度経験を積んだものにならば一目でバレてしまうほどはっきりとした絶頂だった。
 その疑問すらすぐに晴れることになった。
 熱く火照った乳房に五指を喰い込ませてみるとこれまでとは明らかに反応が違っているのだ。

「あぁっ、あぁっ……」

 茫然自失のセリアは刺激されるままに喘ぐようになっていた。
 クロードの愛撫を跳ね除けようとする動きはひどく緩慢になっているのに喘ぎ声だけは鋭く響かせてくれる。
 セリアはいまや天上の楽器となっているようだった。

「はぁ、はぁ、あぅっ!」

 セリアの双乳はさらに張りを増して、ひっきりなしに手のひらを押し返しつづけていた。重量級の量感も両手からあふれ返って、ブルンブルンと音を立てんばかりだ。

 乳首はブラ越しでもはっきりとわかるほど鋭く尖って、掌を突っついてきている。
 クロードは親指を乳房の裾野に当てると、今度は上下に揺さぶってみた。

「あ、あっ、あんっ、あぁ……」

 背後を陣取っているクロードに一方的に翻弄され、巨乳が激しく波打ち、エロティックに上下する。巨大な肉塊がのたうちまわっているようだ。
 クロードにはたまらない体験だった。
 ペニスは暴発寸前のところまで内圧を高め、乳房を揺さぶっているだけでイキそうになってしまっている。
 だが、どうもセリアの二度目のほうがはやいようだった。

 さきほどからセリアは意味のある言葉を発さなくなっている。
 イカされてしまったことを恥じらってのだんまりかとクロードは思っていたのだが、それにしては喘ぎすぎている。
 もうまともに喋れなくなってしまっているかもしれないのだった。

 今、彼女の顔を真正面から見れたらその目はどうなっているのだろうか?

 普通の女性の絶頂は膣かクリトリスを刺激されてのもののはずだ。
 けれど眼前のセリアはバストだけで前後不覚になっている。
 彼女の一つ一つが飛びぬけているパーツの中でそれだけが異色を放っている巨乳を弄り、もっと悶えさせてやる。
 クロードは暗くも青い情熱を燃やしていた。

 そしてそれはすぐだった。
 クロードは人差し指と中指で乳輪を挟み込むようにして、指全体を乳房に押しつける感じで揉みしだきにかかってからのすぐ。
 これまでの学習結果を総結集した猛攻に逆にセリアの意識ははっきりとしたようだった。
 おか、おかしくなるぅ――と猛烈に暴れだして必死に逃げようとするけど無駄な抵抗にしかならなかった。

「んーーーーーっ!」

 最後は歯をくいしばるような表情をした横顔を披露して、二度目の絶頂に到達した。
 声は押し殺していたが、イっていますと宣言しているような叫びだった。
 身体の反応もそれらを物語っている。
 イきそうになってからは細くくびれたウエストをくねらせてまるで腰で快感のダンスを舞っているみたいだったのだ。
 彼女は舞踏会にはほとんど出席していなかったが、このようなダンスをできるのなら会場中の視線を集められることだろう。

「セリア、大丈夫かい?」

 セリアの絶頂のあまりの勢いに心配になったのでクロードは声をかけたが反応はない。
 実際どのくらいまでセリアは意識を保っているのか気になったので、いったん、おっぱいを揉むのを中断。
 酔っ払い相手にするかのように目の前で手を振ってみたのになんのアクションもなかった。
 ぜーぜーと荒い息だけが聴こえてくる。

 その息が整ってくるのをクロードはじぃっと待った。
 弛緩しきった身体をもたれかけてくるセリアを厚い胸板で受け止めて、やわやわと、セリアのお腹を撫でていく。
 おっぱいもいいが、面積の広いすべすべのおなかをただ撫でているというのも気持ちのいいものだ。
 撫でるというかさすっているというか。
 我が子を孕んでくれた妊婦を労わるかのごとき優しさで掌を上下させていく。
 偶然にも、はじめてなのに立て続けにイカされて疲労しきったセリアの精神を直接癒していくかのような温かい愛撫となっていた。

「……バカじゃないの。あなたは限度というものを知らないの?」

 ややして――セリアはハアハアと息を乱れさせながらもどうにか喋れるようになった。
 おそらくもう動けるはずなのに逃げようとはしていない。
 いや、腰が抜けているのかもしれないが。

「限度ってナニが?」

 元気になってきたのを確認したのでクロードはまたおっぱいを揉み始めることにした。
 クロードがセリアの後ろから手を伸ばして薄紅く染まった豊乳に指先を食い込ませると、セリアは待っていたように甲高い喘ぎ声をほとばしらせた。無理矢理我慢しているときの声でもなく、意識を失いかけているときの身体だけが反応してしまっているときの声でもない、セリアの素直な表現だった。二度イカされてしまったことでなにかを割り切ってしまったのだろうか。
 力が抜けていく身体を当たり前のようにクロードに預けている。

「あ、あっ、あはっ、あはっ……」

 セリアはかすれたような吐息をもらしている。
 さらにピッチを上げ、中指に力を入れて乳輪を肉塊に押し込むようにして揉みしだくと、指が容赦なく乳房のかたまりに食い込んだ。

「あっ、イヤンっ」

 セリアの身体が丸まる。
 縮こまろうとするセリアを身体ごと抱きしめるように量感たっぷりの乳房に指全体を食い込ませる。
 ズブッ、ズブッと指先が豊球にめり込んだ。
 そのたびに、ずっしりとした重みが心地よい手応えとなって指を弾き返してくる。

(なんて凄いボリュームなんだ……)

 何度揉みまくっても、セリアの乳房は指を包み込んで反発してくる。
 あまりの興奮にペニスの先端からは先走りの汁が湧き出してしまっていた。

「セリア、気持ちいいの? 僕は君のことを気持ちよくさせてあげられている?」
「聞くなぁんて常識ない、わねェ」

 そう口にしてから数秒後、またしてもセリアの身体が折れ曲がり、制服のスカートに包まれた丸いヒップが跳ねて着地する衝撃をクロードに伝えた。
 
「ダメぇ……」
 
 全身が痙攣し、濡れた唇から苦しそうな息がこぼれた。
 回数を重ねるごとにタイムは縮まってきている。
 セリアは丸まったままじっとしていた。
 絶頂の体力消費は激しいのだろうかぐったりとしているようだった。

「イッた?」
「だからぁ……知らないっ!」
「バストだけでオーガズムを味わうなんて淫乱だね」
「ゃぁ……」
「僕は詳しくないけどそうはないことらしいよ」
 
 クロードの言葉責めにセリアはいやんいやんと首を振って抵抗していた。

「私はイってないわ……」
「そっか」

「じゃ、イクまで揉み続けるからさ――イったときは自己申告してね」

 クロードの残酷な宣言にセリアはおそれおののいた。
 こめまでの責め苦だけでとっくに限界を超えているというのに絶頂を自ら告げるまで延長すると言われたのだ。
 はじめての相手にこれほどひどい羞恥プレイはそうない。

「さっき『イッた?』と聞いたのはさ、僕は女性になれていないから判断できないからなんだよ。絶頂したかどうかも見分けられなかったらこの先困るでしょ。だから、セリアの口から教えてもらうのが一番いいかなって。いいよね」

 最後は確認しているようでいて命令だった。
 もう〔ギアス〕がとうのこうのではなく、ベッドの上の立場の強さからの強制的な言葉となっている。

 クロードはすでに<敏感薬>の効能もあって目を瞑っていても指先の感覚だけでセリアの絶頂を判断できるようになっている。
 故に、これは純粋に、西洋人形のごとき美貌を誇るセリアにいやらしいことを言わせたいという欲求からの発言だ。
 そのためにおっぱいに添えられた両手はスローダウンしている。
 さきほどまでの喋れなくなるほどの高速タッチは封印しての、そそり立った乳首をゆっくりとねったりといたぶっていく意地悪な行為だった。

「嫌ッ、やめてよそんなこと……」
「ダメだよ。僕は独りよがりのエッチをするような男にはなりたくないからさ――セリアの気持ちを確かめつつヤッていきたいんだ」
「もっとはじめの段階から私の気持ちを確かめなさいよ!」

 確かに。契約によって縛りつけ、セリアをベッドに連れ込んだクロードの言うことではない。

「それはそれだよ」

 けど、クロードは揺らぐことなくセリアの非難を切って捨てた。
 そのまままたもや乳を揉み始める。セリアはうつむき、堪えようとしていた。だが、ことさらゆっくりとバストに食い込ませていった指先でのろのろと乳首をしごかれてはたまらない。本来なら、痛くなってしまうくらいの握力なのに時間をかけられていることで錯覚的に麻痺してしまっている。乳房に詰まっている熱をかき集め、乳首のてっぺんから出るように絞られているような異様な感覚にセリアは嬌声をこぼすしかなかった。ガマンするとかしないとかの話ではない。気持ちよさが出ちゃう。説明のできない、けれど、圧迫されていたのが乳首で爆発していく感じは心の檻が吹っ飛んでしまうほどの破壊力を持っていた。

「あぐぅ! あ、あ、やぁ、ぁ・・ぁ・・はぐぅぅぅぅぅぅっ!!」

 乳輪を親指と人差し指のわっかで囲うようにして乳肉を絞り、じょじょに狭めていって、乳首へと至る。
 そのたびにセリアは小さなオーガズムを体感させられていた。
 快楽の熱によって淫らそのもののバストに調理されていなければ痛みしか感じなかったはずの行為に身悶えるということはセリアにとってはとても厳しいことだった。胸は、女性の自分にとっては馴染みのある存在だったのに、まるで自分の器官じゃないもののように思えてしまってくる。これまでに築き上げていた自分というものが打ち崩される。
 孤高ながらも優等生とやってきていたセリアの価値観は今日だけで幾度となく書き換えられていた。

「ちゃんとイクときは『イク』って言うんだよ」
「や、やぁ、そんな恥ずかしいことはいやぁ…………」
「『イク』っていうまでは終わらないよ。セリアがいつまでもおっぱいを揉まれていたいのなら話は変わるけど」
「その言い方はひきょ、お、ぉぉんっ……」
「口に出さずに何度イッたってそれは無効になるから気をつけて」
「あ、あぁ、はぁ、はぁ、はぁ、あ、あぁ、」

 クロードはそれまではまだ会話になっていたセリアが歓喜の声だけを上げはじめたことのを見て、左右のタイミングをずらした。
 これまでは両方一緒にしていたのをバラバラにしたことで、セリアは余計にわけわからなくなっていく。

「あぁん、い、いい、そ、そこぉ……だ、だめェ、ぁ、き、きもちいぃー!」

 遂にセリアから気持ちいいという言葉が引き出された。
 クロードはすぐにでもセリアを押し倒して、スカートをびりびりと破り、下着をずらして挿入したいという願望をぎりぎりのところで堪え、己にできる最高のバストタッチを続行した。

「あ、も、もう、だ、だめよ……、い、いく、いっちゃうのぉ……」

 学園の皆は、あのセリアがこんなに可愛らしくイクイク言うっている様子を想像できたのだろうか。
 少なくともクロードの妄想に登場してきた歴代のどのセリアよりもすばらしい声音だった。

「まだダメだよ。セリアはもうちょっと我慢しようね。そうだね――あと10カウントしたらイっていいよ」
「そんな。無理よ、ムリぃ……い、いっちゃうわ」
「10数えてからだよ。そのときはちゃんと『イク』と宣言しながらだって忘れないで」

 クロードに揉み揉みされながら指示をされるとセリアは狂ったように頭を振った。
 この部屋にきたときは、抱かれることを覚悟していたが、ここまでのことはやらされるとは想定できていなかったのだ。
 自分がこんなに悶えることになるなんて予想だにもしていなかった。

「はい、10ー、9ー、8ー、7ー……」
「やっ! それ、ここでそれはダメぇ……!」

 カウントしはじめたときからクロードのタッチが一気に変わった。
 ゆっくりと搾り取る動作から、見つけ出した弱点を続けざまに刺激していく高速なものに。
 快楽を熟成させられていたセリアのバストはあっというまにのぼりつめていく。

「6ー、5ー、4ー、3ー……ほら、もうちょっとだから頑張って」
「うぐぅー、ん、あぅぅー」

 クロードは唸りなが全身をブルブルと震わせているセリアに圧倒されながらもカウントしていった。
 乳首がかちかちに堅くなっていることに驚きながらも全力の愛撫をする。
 これまでは頭の中で組み立てたパターン通りの指使いをしていたけど、もはや、考えるまでもなく勝手に指が踊っていた。
 集中力が高まりすぎた結果、性の神が乗り移ったかのように自然とセリアを愛せている。

「2ー、1-……次、0って言ったら思いっきり絶頂するんだよ、セリア」
「あぁ、うぅぅぅ!」

 セリアはもう声になっていなかったけどクロードの言葉にはうなづいた。

「いいますよ。いいますよ。はい、ゼロぉ!!」
「は、はい、あ、い、イクぅー、イクぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」

 セリアの全身がガダガタとすさまじいまでに痙攣していた。
 後頭部が、打撃なんじゃないかっていうくらい強く強くクロードの胸に叩きつけられる。
 いつのまにかクロードのズボンを掴んでいたようでその部分が引きちぎられる。
 そしてセリアの下半身からも強烈な香りが立ち昇ってきていた。
 雌が発情したときにだす愛液のいやらしい、それでいて、貴族の子女にふさわしいフルーティな香ばしい匂いが。

 そのまま数度、ビクッ、ビクッ、ビクッ、とセリアの身体は痙攣していたがややすると力を失ってだらんと倒れてきた。
 クロードの胸にもたりかかり、そこでは止まらずにさらに横へと傾いていく。
 クロードはあわてて抱きかかえた。

 ベッドの上に膝立ちになって、セリアを枕のところまで運び、横たえる。
 ふと振り返るとセリアのいたところは酒一瓶を零したかのようにぐしゃぐしゃに濡れていた。
 そして、気付く――セリアの太ももの下になにかが挟まっていた。
 探ってみるとなんと<敏感薬>の小瓶だった。
 邪魔にならないようところにどけておいたのがセリアを運ぶときにちょうど下になってしまったのだろう。

 その<敏感薬>の小瓶を手に取り、クロードが呟く。

「そうだ。これを使うはずだったんだ……夢中になりすぎて忘れてた」

 クロードはようやく思い出した。
 自分の手に塗って、セリアの反応を鋭く探知できるようにして経験値を数倍獲得できるようにする――
 ――そんなことのために<敏感薬>を出したのではないと。

 それではうまくいって、経験豊富な大人に並べるところまでいくくらいだ。
 裏商売の、女性を調教することを専門とするような人間の技量はいくらなんでも超えられない。
 その道の達人には、自分をブーストしているだけではセリアを奪われてしまう可能性が残ったままだということを思い出した。

 クロードは知っている。
 貴族社会の中には、合法・非合法な手段で手に入れた女をその道のプロに頼んで自分用に調教してもらうことがあると。
 だから、自分は、そんなことがあっても、自分が助けにいくその瞬間までどのような調教を受けようとも心を奪われないようにしておくと思い定めているのだ。
 そのためならば己の魔法具と魔法薬の知識を最大限に活用してみせる。

(そうだ……たかがバストだけでオーガズムさせて気絶させたくらいで満足していてはいけないんだ)

 クロードは妖しく微笑むと小瓶のコルクを抜きとり、呪を唱えた。
 それは粘度のさほどない魔法薬にとろみをつけて水飴のようにする魔法だった。
 たらりと。
 ねばっこくなった<敏感薬>が傾けられる。
 落ちたのは――セリアの着用しているブラジャーの布地だった。

「そう。このためにブラジャーだけは脱がさなかったんだ。じれったいのに我慢したんだ」

 ゆっくりと琥珀色の液体が染み込んでいく。
 真っ白い布地を変色させ、半透明に透き通っていく下着はどこか不思議な魅力を発しているようで神秘的だった。
 冷たいだろうに気絶しているセリアは小さくうめいただけだった。
 寝ている美少女のブラがローションのごときねったりとした液体に浸食されていく。
 クロードはそのあまりの退廃的な美しさに目を離せなくなっていた。

 クロードはこれほど淫靡な光景があるのかと目を疑った。
 きっと、今この瞬間のセリアを観賞するためだけに邪神が降臨したとしてもがっちりと握手してしまいそうな、問答無用のカタルシス。
 この奇跡を一枚の絵画に写すことができたのならば見たものすべては拝むことになるだろう。

 で。
 魔法薬が。
 ブラに覆われている、うっすらと紅潮した肌にじんわりと浸透していく。

「<敏感薬>というのは麻酔の逆の、神経の反応を鋭くする薬品というわけじゃない。そんなのはただの薬でできること。魔法薬というのはそんなものじゃないんだ」
「根本的に、人を、魂から、造りかえる」

 聞くべきはずの人間が眠る中、クロードの独白は意味もなく壁に吸い込まれて消えていく。
 もしもセリアが起きていたらどう思ったのだろうか。

 だが、もう手遅れだ。
 
 セリアの水を弾く肌は魔法薬を吸い取ったブラジャーによって漬け込まれた。
 その効能を発揮するには十分なまでに。

 そのあとしばらく。
 部屋の中には、火傷を負った患者が痛みのあまりに悪夢をみてうなっているかのような音声が持続していた。
 魔法具・魔法薬の中には、はじめて使うとき、慣れるまでは苦痛を感じてしまうものも存在する。
 ただ<敏感薬>もそういうものだったというたったそれだけの話である。








【後書き】
 す、すみません! と、前回も謝っていましたが今回もまた謝ることが。
 不定期更新とはいえ3週間もお待たせして申し訳ないです。
 本当は『下』としてまとめて書こうとしていたことが増えていってしまったので『中』と『下』に分割したのに、それで『中』だけを8000字くらいにして先週の土日に投稿しようと思っていたら間に合わず、気付いたら12000字になって本日の投稿になっていました。文字数としてはそんなに多くないほうなのにこれだけ時間をかけてしまった自分の遅筆さが恨めしいです。

 性描写はやっぱ難しいですね。
 とくにエロシーンのときのセリアの言葉で困惑しました。
 思いっきり感じさせているときは喋らないほうがリアルティはありますけどそれは小説媒体では不向きですし。
 結局は、感じはじめるときは喋らせといて、一度絶頂させてからは喘がせるだけ。もう一回喋らせるまえには休憩入れて、言葉責めするときにはセリアにも喋らせるので愛撫はスローペースに。っていうように今回を気をつけていましたけど、流石に毎回そうやっていられないので、たぶんそのうち絶頂しながら淫語を連発するようになってしまいことでしょう。
 素人がへたにこだわっていると筆がまったく進まなくなってくるので。


 次回は、寝ている(気絶している)セリアにクロードが我慢できなくなってイタズラするあんま文字量のない閑話を予定しております。
 もっと過激な性描写のある『下』はさらに後になってしまうことをご了承ください。

 では、感想のほうをお待ちしております。



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