<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

XXXSS投稿掲示板




No.27351の一覧
[0] キスから始まる鬼畜なストーリー【ゼロ魔・鬼畜】[通りすがり……](2011/04/22 15:47)
[1] 異世界召喚[通りすがり……](2011/10/10 19:53)
[2] 反逆への道[通りすがり……](2011/04/23 10:43)
[3] 新しい関係[通りすがり……](2011/10/23 19:29)
[4] 最初の一夜[通りすがり……](2011/06/03 20:52)
[5] とある一日の風景[通りすがり……](2011/04/29 14:12)
[6] 第四の使い魔[通りすがり……](2011/05/02 19:47)
[7] 頼れる相棒[通りすがり……](2011/05/03 19:44)
[8] 最初の仕事[通りすがり……](2011/05/04 22:09)
[9] 強い心[通りすがり……](2011/05/06 10:27)
[10] 微熱の誘惑[通りすがり……](2011/05/07 20:31)
[11] 微熱から情熱へと[通りすがり……](2011/05/08 19:39)
[12] 情熱の行方[通りすがり……](2011/05/14 13:46)
[13] 決闘[通りすがり……](2011/05/15 21:05)
[14] 決闘の結末[通りすがり……](2011/05/17 19:13)
[15] 捜索隊結成[通りすがり……](2011/05/17 19:33)
[16] 森の広場[通りすがり……](2011/05/19 20:22)
[17] 奴隷が嗤うとき[通りすがり……](2011/05/21 15:50)
[18] 土くれのフーケ[通りすがり……](2011/10/11 20:00)
[19] 新しい一日の風景[通りすがり……](2011/06/03 20:16)
[20] トリスタニアの休日[通りすがり……](2011/06/03 20:38)
[21] 重大な決意[通りすがり……](2011/06/05 22:50)
[22] 卑劣なる男[通りすがり……](2011/06/09 23:54)
[23] 決断の時[通りすがり……](2011/06/15 20:12)
[24] 薔薇の行く末[通りすがり……](2011/06/21 23:03)
[25] 絶望のオスマン[通りすがり……](2011/10/23 19:27)
[26] 学院の支配者[通りすがり……](2011/10/23 20:05)
[27] 港町ラ・ロシェールにて[通りすがり……](2011/10/29 21:28)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[27351] 頼れる相棒
Name: 通りすがり……◆60293ed9 ID:52126834 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/05/03 19:44
「……なあデルフ。ルイズの覚えが悪いんだがどうしたらいいと思う?」

「そりゃ相棒、仕方がねーよ。虚無だって自覚してまだ間もねーんだ。使えるようになるまで時間も掛かるってもんだ」

「…………」

 ルイズの部屋であった。才人とデルフリンガーが相談をしていた。

「でもよー、それじゃあいつまで掛かるかわかったもんじゃねえぞ? デルフは早くルイズを泣き叫ばせたいとは思わないか? 隣を気にしないで責めて、んで喘がせてやりたいって思わないか?」

「くかかっ! 相棒も気の短いこったぜ。まだ一日しか経ってないじゃねーか。焦ることはねーって!」

「…………」

 才人は不満だった。直ぐに使えるようになると思っていたルイズのコモンマジックがいまだ成功しないのである。せめて片鱗くらいはと思っていたのだが、爆発、爆発、爆発……。ルイズによれば以前と比べて格段に威力が上がったとの事なので、虚無であることは間違いなさそうであったが、コモンマジックが使えなくては意味がないのだ。

「んな事言ってもよー、我慢なんてできないぜ。……っとなるとだ、デルフ。解決する方法は一つしかないと思わないか?」

「違いね。方法は一つしかないだろうよ」

「…………」

 ベッドの上で相談をする二人。その足元ではルイズが黙って奉仕の真っ最中である。リードを握られているルイズはじゅるじゅると水音を立てながら玉袋をすすり、ぷにぷにとした亀頭を擦っている最中であった。

 ……方法ってなんなの? どう考えても悪い予感しかしないんだけど……。

 予想が外れていてくれればと思いながらも、指先は肉棒へ刺激を与えるべく止まらない。手を変え、品を変えて、ルイズは奉仕へと熱中する。くっくっくと嗤う才人に、かっかっかっと高笑いするデルフリンガー。その度に肩がぴくっと震えそうになる。

「ってわけだ。ルイズ、聞いてたよな? 出してやるからとりあえず飲め。それが終わったら今夜は打ち合わせするぞ? キュルケと、あとモンモランシーを堕とす。順番に誘い出して支配する。その為のうまい手を考えるんだ」

「っぱはっ…はぁ、はぁ……っわ、わかったわ。とりあえず飲んでしまうわ。っそ、それから誘い出すうまい手を考えるわ。…っあむっ、…ちゅぱっ…ちゅぱっ…ちゅぱっ…れろれろれぉっ……」

 やはりそうであったかと絶望した。ルイズに使えないのなら、使える人材を引き込めばいいのである。それに同じ階にいる二人を引き込んでしまえば、何らかの理由でバレてしまう確率も低くなり、才人としては願ったり叶ったりの展開となろう。

「かかかっ! 相棒も悪い奴だーね! そんだけの理由で二人も堕としちまうってか? しばらくすりゃ、娘っ子もコモンマジックを使えるようになるんじゃねーのか?」

「なんだよ? デルフは反対するのか? これが一番いい手だと思うぜ?」

 一人の奴隷を存分に嬲るだけの手段として、更に奴隷を二人増やそうと言うのである。そんなことをしなくてもあと何日か、何週間かすれば、おそらくは必要がなくなるというのにだ。怖気が走るのを止めることは出来なかった。

「っんっ…んっ…んっ…んっ…ぱはっ…はぁ…はぁ…ぺろぺろぺろっっ……じゅっ、じゅるるるっ……!」

 まさしく鬼畜の所業と言えるであろう。ルイズはその片棒を担がされるのである。
 いくら仇敵たるキュルケでも、悪魔に売り渡すのに手を貸してしまう自分が情けない。巻き込んでしまうモンモランシーに申し訳がない。

「かかっ! 反対なんてする訳がねーって。おれ様が相棒に反対なんてする訳がねー。リーヴスラシルは遠慮なんてしなかったんだぜ? どんどんやれってもんさね!」

「おおっ! やっぱデルフは頼りになるぜ! そうだ! もっとリーヴスラシルのこと聞かせてくれっ!」

「かかっ! 任せろ相棒。いろいろ聞かせてやるから安心しな!」

「……じゅるるるるっ…ぬっぽぬっぽぬっぽぬっぽぬっぽ…べろべろっ……!」

 それでもルイズにあらがう事は出来なかった。考える事こそ許されるが、実際に行動に移すとなると不可能なのである。おそらく遠からずキュルケに、そしてモンモランシーへとにこやかに話し掛け、罠に落とすべく動いてしまうことになるだろう。
 今出来ることは辛い現実を忘れ、ただ肉棒への奉仕に熱中し、射精に導いて満足してもらう事だけだった。

「!?」

 じゅっぷっ、じゅっぷ、じゅっぷと頭を振る。熱い吐息を吐きかけながら手コキによって刺激を与える。その時であった。びくっと肉棒が震え、才人がルイズの顔へと射精する。

「っあ、ああん……す、凄いわサイト。こんなに一杯出してくれるなんて、嬉しくてわたしのおまんこ、びちょびちょになっちゃうぅ~~っ」

 本当に洒落にならないくらい凄かった。その精液の量はただでさえとんでもなかったというのに、リーヴスラシルを自覚した結果、前にもまして才人の射精は凄くなっていた。
 例えるならコップの水をぶちまかれる感じであろうか? 顔射などされようものなら顔全体が精液まみれになって、飛沫が髪にこびりついてしまうくらい凄くなっていた。

「じゅあ後始末するわね? ん~~っちゅっ!っべろっ…ぺろぺろぺろっ……!」

 それをルイズは後始末していく。才人が何を望んでいるかを瞬時に計算をする。 だから追従の言葉を発し、媚を売り、笑顔でルイズは後始末を始める。

 視界を確保するために顔を拭い、手のひらに集めた精液を舐めとる。これは手早くやらなければならない。でなければあまりの量にすぐさま床へと零れ落ちてしまうのだ。
 そうなればルイズは床を舐めて精液を集めなくてはならなくなる。粗相をしたとしつけられるだろう。
 より酷い屈辱を、苦痛を味わいたくなければ、逡巡など出来ようはずもなかった。

「…べろっ。ぺろぺろぺろっ…っんっ…んっ…んっ…んっ……」

 奥から拾うようにして先端に精液を集め、それを唇に被せることで体内へと取り込んでいく。奴隷の務めとして、ちんぽの使い魔に墜ちた身として、出されたものを飲まないと言う選択肢はなかった。

「っご、ごちそうさま。美味しかったわサイト。もっと舐めて、おちんぽのおしゃぶり続けたいんだけど……」

「くく……。ああ、残念ながら今日は打ち合わせだ。まんこもケツ穴も今日はお休みだな。……まあうまい手を考え付いたら褒美に入れてやってもいい。どっちの穴に入れて欲しいか今から考えておくんだな?」

「嬉しいわサイト、それじゃあ頑張って考えて、ご褒美貰えるようにしなくっちゃ!」

 ああ、ああ、と絶望しながら、ルイズは笑顔を振りまいていく。考えろと言われればうまい手を考えなくてはならない。ご褒美を楽しみにと言われれば、挿入してもらうのをどちらにするか考えておかなければならない。

 たとえ主人が悪企みをしていたとしても、ちんぽの使い魔とはその肉棒のためには何でもしなければならない。どんな事でも笑顔で協力しなければならないのである。

「よ~し、それじゃあ考えてくぜ? まずはキュルケからだな。性格とか、交友関係とか、利用出来そうなイベントとか、とにかく知ってることを出来る限り詳しく話してみろ」

「わ、わかったわ。ツェルプストーからね? それじゃあツェルプストーなんだけど……」

 にやにやと満足気な才人に、かかかかっとデルフリンガーの高笑いが響くルイズの部屋。そのルイズといえば顔面が精液まみれに微笑むしかない。これは才人が今まで穿いていたショーツやブラウスで拭え、あるいは必要に応じてタオルや水で洗えと言うまでそのままである、もしかしたら今日はこのまま眠ることになるのだろう。

 何故ならこの後の予定は打ち合わせあり、あるとしてもルイズを一回使うか使わないか。それくらいなら後ろからでも入れて腰を使えば済むことであり、ルイズの方から「入れてください」とディープキスでせがむ必要はないのだ。

 ……考えなかったわけじゃないわ。サイトはキュルケの胸に興味深々だったし、わたしだけじゃなくて、他の人も支配出来るってわかったんだから試してみたくなるに決まってるもの。……っで、でも考えたくなかった! もし本当に自在に人を操れて、しかも精液を取り込ませたら、っい、一生奴隷になっちゃうなんて考えたくもなかったわよぉぉ……!

 それでもルイズに否という選択肢は存在しない。犯罪だろうがなんだろうが言われるままに動き、しかも不審に思われないよう演技しながら行動しなければない。それが反逆の使い魔、リーヴスラシルの使い魔に墜ちてしまった虚無の使い手の運命なのである。

 引きつく頬を意識しながら、ルイズは情報を提供していくことにした。



 ルイズにとってキュルケとは仇敵である。野蛮なゲルマニア人であるというだけで気に食わないのに、実家のラ・ヴァリエールとフォン・ツェルプストーは隣り合っているので代々戦争の際には先鋒となって激しく争ってきた。
 恋人や妻までもが次々と寝取られ、自身は火のトライアングルと優秀であり、それでいて自分のことをゼロだのプライドだけのトリステイン人だの馬鹿にしてくる。
 負けているとはこれっぽっちも思っていないが中々の美貌を誇り、バストサイズに至っては比べるべくもない。性格のせいか友達らしい友達がいない自分と違って、女生徒にこそ忌み嫌われるているが、周囲には男どもをはべらしている。全く持って気に食わなかった。

 つまりである。何が言いたいかと言うと部屋が隣り合っているので無視をするわけにもいかず、だからと言って親交を結ぶ気にもなれず、故にこれまで顔を合わせれば憎まれ口ついでに挨拶を交わす程度の仲であったのだ。キュルケの事をよくは知らないのである。情報提供といっても大した知識はルイズにはなかった。

「ふん……まあそれは以前聞いたよな? 必要なのは不自然な状況じゃなくて一対一で会う事だけだ。んで飲ませてやるか、出来れば中に出してやりゃあ話は済むんだ。そのためには一時間ほどあればいい。呼び出して、そんでそのまま入れるくらい簡単にいくと思わないか?」

「……難かしいかもしれないわ。残念だけどツェルプストーはトライアングルだし、不審さに気付いて逃げたり反撃してきちゃうかもしれない。それに夜でもよく出かけるみたいだし、以前約束をすっぽかしたせいで、窓から直接部屋まで男子学生が訪ねてきたことがあったらしいの。確実に時間を作って、それでいて他の人が来ない保証っていわれると難しいと思うの……」

 ルイズの言葉に考える。

「……ふむ……確かにそうだな。そうすっとどうしたもんかね……」

 リスクがあるのは承知の上である。ルイズを犯した時などがそうだった。あの時などは半ばバレる覚悟だったのだ。目的さえ果たせればいいと、中出しに何度か成功したあとは相当な大声で怒鳴ったり、部屋中に響くような大きさでスパンキングした。

 だがそれも後がないからこそ出来たのだ。今となってはルイズを完全に服従させることに成功している。リーヴスラシルの能力を知り、上手くやりさえすればどんな女でも堕とせると知ってしまった今、なればこそ安全に事を運びたい。
 偶然か、必然か、幸いにもルイズでは上手くいってバレる事はなかった。だからこそもうそんな幸運をあてにして動くのは上手くないだろう。

 ……結局のところどんくらいの力があるかわからないのが問題なんだよな……。デルフを疑ってるわけじゃないけど実際に確認したわけじゃないし。と、なると……

「……なあ、デルフ」

「なんだ? 相棒」

「リーヴスラシルについて教えてくれ。実際にどんな事をしてたんだ? それとだ。デルフを疑ってるわけじゃないが確証が欲しい。安全、確実に確かめるにはどうしたらいいと思う?」

 迂遠に思えるがまずは能力の確認をすればいいだろう。急がば回れなのである。

「ん? くかかっ! やけに慎重じゃねーか! 相棒はおれ様の言う事が信じられないってのか? 心配ねーよ、こうなればいいって思いながら命令すればいーんだ。そうすりゃなんでも思い通りになるぜ!」

「いやいや、俺がデルフを疑うわけないだろ? ただ使い方がよくわからないしさ、まずは慣れるまでいろいろ試してみたいんだよ」

 苦笑しながら才人は説明する。今回のことは切っ掛けに過ぎない。元々才人はこのハルキゲニアという世界が気に食わないのだ。貴族はプライドばかり高くて傲慢だし、実際にルイズは才人を奴隷として扱おうとしていた。身の危険があるからこれまで我慢してきたが、リーヴスラシルという力を理解した今となっては話は違う

「だからさ、デルフ。協力してくれないか? 貴族のやつらに恥を掻かせて復讐したいんだよ。それには手駒がルイズだけじゃ足りない。少なくともそれなりの安全が確保されるまでバレるわけにはいかないし、それまでは慎重に動きたいんだ。協力してくれないか?」。

 才人としてはいけ好かない貴族に恥をかかせたいのだ。例えば手駒にして支配して、ルイズのように感情だけはそのままにしておいたらどうなるか? その貴族は屈辱であろう。侮蔑する平民に自ら奴隷として扱ってほしいと告白させるだとか面白い。

「なあデルフ。これはその最初の一歩になるんだよ。万が一にも失敗なんてしたくない。どうしてもリーヴスラシルの能力を確認したい。そんで手駒を増やして、周りの危険をなくして、そうなったら惨めな思いを貴族にさせてやりたいんだ」

 あるいは意識させないで性格を変えてしまったらどうなるか? 精液を大好きにさせたり、自慰の中毒にさせたりだ。そして才人はそれを見て、無様に堕ちたとほくそ笑むわけだ。何ともわくわくするシチュエーションではないだろうか?

「……相棒。おめ、貴族に復讐したいって言うんだな? やりすぎると殺されちまうかもしれねーぞ? それでもいいーってのか? おれ様としては相棒には死んでほしくはねーんだが、どこまでやるつもりだ?」

「……わかんね。自分の命も大事だけどさ。一度はルイズに思い知らすことさえ出来れば死んでもいいと思ったんだ。傲慢な貴族に一矢報いる事さえ出来たならってさ。でもよ、今は欲が出てきちまった。生き残るだけなら何とでもなりそうだけど、今はいろんなメスを奴隷にしたくなっちまった。
 苦痛に泣き叫ばせて、恥ずかしくて死ぬような目にあわせたいと思ってる。どこまで我慢できるかなんてわかんねーよ」

 それは才人の本音であった。やりすぎると死ぬかもしれない。いくらリーヴスラシルでも、例えば軍隊の相手は出来ないであろう。やりすぎるとバレてしまい、死ぬことになってしまうだろう。それがわかっていて尚、才人は貴族に思い知らせたい。奴隷にして惨めな目に合わせて嗤いたいのだ。

 ……笑っちまうよな。俺もどうしたいのかよくわからねーんだ。貴族への復讐と身の安全と、一体どっちを重視すりゃいいんだろな……。

 才人は自嘲する。こんな風に自分の考えも纏まっていないようではデルフリンガーに笑われるであろう。最悪は愛想を尽かされるかもしれない。

「っくっ、くくくく………くぁっかっかっかっかっ……!」

 ああやはりと才人は思った。デルフリンガーが笑っている。才人は呆れられて当然だと思った。自分でもおかしいのだから、デルフリンガーだって笑うにきまっている。

「っくくく……っ相棒、おもしれーじゃねーか! てーしたもんだ!」

「……デルフ?」

 デルフリンガーが笑う。だがどうにも様子がおかしい。これは才人がおかしいというより、むしろ自分がおかしくて笑っているという感じである。

「くっ、くかかかかっ! 相棒、わかってるじゃねーか、おでれーたぜ! いいか? 欲望に忠実なのがリーヴスラシルだ。命をチップに好きなようにするのがリーヴスラシルなんだ。何でも思うとおりにやりゃーいーんだよ!」

「…………」

「相棒! そんだけ考えてるなら問題はねー。どんだけでも協力してやるってもんだ。それにだ、何のためにおれ様がいると思ってるんだ? 相棒が死なねーようにサポートするためにおれ様がいるってもんだ! 相棒はただ好きなよーにやりゃいーんだよ。大丈夫だぜ! 上手くいくって信じるんだ! そうやって強く信じることがリーヴスラシルの力の源なんだ! 大丈夫だって強く信じるんだ! そうすりゃ何もかも上手くいくぜ? 相棒!」

「……くっ……デルフ……」

「おう! どうした? 相棒!」

 才人は不覚にも目頭が熱くなって感情を抑えきれなくなった。なんと素晴らしい相棒だろうか? 剣の形をしているがこれ以上ない相棒だと思う。デルフリンガーを信じていれば何もかも上手くいく。才人は強く、強く、そう思った。

「っく……あ、あれ? 変だな? 目から汗が出て来やがるっ……!」

「くかかかかっ! おもしれ。相棒は目から汗を流すんだな!」

 才人とデルフリンガーはひっしと抱き合う。なかなかの男の友情であった。

「…………」

 だがルイズとしては堪ったものではなかった。悪魔と悪魔が手を取り合って、固い固い絆で結ばれてしまったのだ。その内容は恐ろしいものだったので蒼い顔をして茫然とするしかなかったのだ。

 ……じょ、冗談じゃないわよ……こんな三文芝居見せつけられるわたしって一体なんなんなのよ……。

 そうして恐怖に身を震わせていたのに、いきなり始まったこの芝居。なんか、もう、雰囲気が台無しである。それなのにルイズとしては邪魔をするわけにはいかなかった。何故ならルイズは全裸に首輪、顔にはまだ精液の残滓がこびり付いている状態なのだ。もしも話に加わったなら、シュール極まりないことになったであろう。黙っているしか選択肢はなかった。
 いや、ルイズとしても雰囲気を大切にしたいわけでは決して、決してなかったが、黙っているよりなかった。もし話し掛けられでもしたら、一体どう対応すればいいと言うのか! 目立たないよう黙っているより他に方法がないではないか!

「……さっ、デルフ。どこまで話してたっけ?」

「うん? かかかっ……わすれた!」

 剣を抱きかかえていた才人がデルフリンガーに問い質す。当然のように「忘れた」と答えるデルフリンガー。ルイズはまだ芝居が続いているのかと一瞬だけ思ってしまった。

「……ルイズ。どこまで話してたっけ?」

「っは、はいっ!っ……えっと、ツェルプストーが完全に一人になる確証を得るのは難しいし、トライアングルだから異常に気が付くかもしれないって」

 訂正である。天然で続いているようであった。

「……そうだったな。じゃあ慎重に進めていくことにして、例えば今すぐ呼ぶとかはなしだ。何日かいろいろ試して、そんで結果を見て動く。その間は俺も学院に出るようにするから、そん時キュルケとモンモランシー……面倒だな、モンモンでいいか。キュルケとモンモンに近づくことにする。異存あるか?」

「……ないわ。それでいいと思う」

 才人がニヤリと嗤い、それでようやく雰囲気が元に戻る。これでいいのかと、ふとそんなことをルイズは思った。

「よし、それじゃあ詳細を詰めていく。ルイズ、今度はモンモンの情報を報告するんだ」

「わ、わかったわ。モンモランシーなんだけど……」

 こうして夜は更けていく。様々な可能性を打ち合わせ、三人は一応の結論を見るのであった。



 戦いの鉄則の一つにまずは弱敵から排除すべきというものがある。これはランチェスターの法則からも明らかであろう。連合されると格段に攻略が難しくなり、また弱敵が成長する前に叩いてしまえば効率的だという事だ。
強者が成長するのは微々たるものであるが、弱者の場合は成長の余地があり、対策の時間を与えるのは面倒な結果になる場合が多いのだ。

「ルイズ、もう間もなくでモンモランシーがくる。今夜、モンモランシーを堕とす。キュルケは出かけるらしいし丁度いい。ただ何が起こるかはやってみないとわからん。それはわかってるな?」

「……わかってるわ。もしそうなったら杖を取り上げて、わたしのときみたいにやるんでしょ? そしてそのお手伝いをすればいいのよね?」

 更にである。弱敵から相手をすれば戦訓を得られるし、新たな戦力として吸収できる。故に弱敵から排除すべし、なのである。今回のケースにおいてはこれが大きい。だからこそ才人は手強そうなキュルケを後回しにし、まずはモンモランシーから奴隷にする事にした。今はそのために最終ブリーフィング中であった。 

「かかかっ! 相棒も慎重だーね。ここまでしなくても簡単だっただろうによ!」

「黙れよデルフ。ったく、肝心なときになると忘れたばっかり言いやがって。そんなんだから不安になって、こんな手間をかける羽目になったんじゃねーか」

「そりゃ、しかたねーってもんよ。何しろ6000年前だ。少しくらい忘れちまっても勘弁しな」

 才人がキュルケとモンモランシーを堕とそうと決意してから三日の時が経っていた。
 リーヴスラシルの能力として耳に命令を伝えれば一時的にであれ支配できるというものがある。才人は並行してその能力を確認し、実験を繰り返してきた。これによって様々なことをさせ、そしてそれを忘れさせ、不自然に思うようにならないか、周りの反応はどうなるかと確認してきた。交友関係を調べ上げ、予定を調べ上げ、性格や行動パターンを再分析してきた。

「ルイズ。上手くいきゃあ褒美をくれてやる。モンモランシ―を堕とせりゃ、サイレントが使える。思う存分イきまくることが出来るぜ?」

「嬉しいわ。それなら頑張ってやらなくっちゃあね」

「くく……ああ、褒美をやる。だから頑張れ。まったくリーヴスラシルってのは便利なもんだぜ……」

「そうよね。凄かったわ。まさかお尻があんなに気持ちいいなんて思わなかったもの」

 また能力の一つとして支配に成功してしまえば、その相手の感情や感覚を自在に操れるというのがある。ルイズはそれを身を持って味わっていた。

「ああ、おケツだのケツ穴いいだのうるさくて勘弁しろってんだ。焦っちまったじゃねーか」

「ご、ごめんなさい、サイト。気を付けるようにするし、サイレントを早く覚えるから……」

 そうやって入念に準備をしてきたのだ。例えばモンモランシーのことをモンモンと呼び、慌てて「すみません、失礼な呼び方をしてしまって。“忘れてください”」と謝ってみる。次に会ったときに同じ事を繰り返して反応を見てみた。そうすれば本当に忘却させることができるのかわかる。
 あるいは目線を合わせて、こうなればいい、こうしろと思いながら念を送り、服装や行動などを指定し、命令通りにしてくるか? 周りの様子はどうか? 覚えている様子はあるか? そういったことを繰り返した。そうなれば念を送る際の具体性や、持続時間などで問題点が浮き上がってくるだろう。様々に検証してきたのだ。

「……モンモランシーをあの恥ずかしい馬鹿は好きなんだよな? んで、ふざけた馬鹿は自業自得の二股をシエスタに八つ当たりしようとしやがった! 丸く収めようと謝ってやったのに、『それが謝っているのかね? 平民は貴族に対して謝るとき立ったままするのかね?』だと? あげくの果てに『本当にやるとは思わなかったよ。平民とはプライドがないのかね? まあ貴族として平民に寛大なところをみせようじゃないか! なあ諸君!』だと? くく…ふざけやがって。モンモランシーとやってるトコでも見せつけてやるか?」

「……うまくいけばだけどね。でも、あんまりやりすぎると目の敵にされるわよ? それともギーシュも支配するの?」

「……それなんだよな……そうなるとあの馬鹿に飲ませるか、ケツを掘るかの二択だぜ? ……勘弁してくれよ。俺にはそんな趣味はないってーの!」

 だから今の才人には自信がある。余裕でいられる。やることはやってきたし、ルイズには一人でいる時を見計らって、秘密裡に訪ねてくるよう言わせている。だから今晩、モンモランシーは来るはずなのである。

「しかし遅いな? もうそろそろ来ても良さそうなもんだが……」

「……サイトがそうしたんじゃない。皆が寝静まる時間に来いって言わせたんでしょ? デルフが呆れてるのに、いや、念には念を入れて慎重にコトを運ぶべきだって」

「かかかかっ! 言われちまったな相棒。娘っ子の言うとおりだぜ!」 

 まあありえないほど確率は低いだろうが、空振りになったとしてもかまわないだろう。その時はその時として対策を考えれば済む話だ。そしてモンモランシーが来たなら、途中経過がどうあろうと杖さえ押さえてしまえばどうとでもなる。目線を意識させて命令しさえしてしまえばいい。そうなればモンモランシーが思い通りになるのは確認済である。その間に杖を取り、縛り上げてしまえばいい。

「相棒は内気だーね! リーヴスラシルはどっちもいけたぜ? 相棒もすればいいじゃねーか。ブリミルにもよくしゃぶらせてたぜ?」

「だから勘弁しろって……。そんなモンに目覚めたくねーっての……」

 才人は心底うんざりとした顔で溜息をつく。それをデルフリンガーはかかかっと高笑いし、ルイズは神妙な顔つきでうつむく。

 そっか……わたしだけじゃなくてブリミルもそんな目にあってたのね……。でも、それとこれとは関係がないわ。これをしてしまえば、わたしはもう言い訳は利かないもの。始祖でも抵抗できなかったんなら仕方がないって、モンモランシーが許してくれるとも思えないわ。……わたし、一体どうしたらいいんだろう……。

 今更のことではある。だがいよいよとなれば、やはりルイズとしては考えてしまった。本当にこれでいいのか? 回避する方法はなかったのか? これからでも回避はできないのか? 
 どうしても罪悪感はぬぐえない。ブリミルでも敵わなかったなど、言い訳になるはずがないのだ。

 苦悩するルイズに気付いた才人が笑う。「悩んでたって仕方ないだろ? どうせやらなきゃならねーんだから、どんな褒美がいいか考えとけ」と言い放つ。

「っ、わ、わかった。そうするわ」

 その才人の声にルイズは意識を切り替えることにした。もうサイは投げられたのだ。引き返せないところまで来てしまっている。どうしたって逆らえないのだから、考えても仕方がない。それなら意識を切り替えてうまくいくよう集中すべきであろう。

 ……く、悔しいけど凄かったわ。あんなに痛かったお尻なのに……。い、嫌だけど、悔しいけどっ、またアレが味わえるならって思ってしまうくらい凄かったわ……。

 うまく才人の役に立てば天国にいるかのような快感。役に立たなかったと思われれば地獄のような苦痛。それは比べるまでもない選択である。同じように責められても全く違った結果になるのだ。悪魔の選択とはわかっているが、誰だって辛いより楽な方がいい。

 ……さて、どうなりますかね? まあ正直デルフの言うとおりほんのちょっとのリスクに目をつぶればチャンスはいくらでもあったんだよな。ただ飲ませたり中出しするだけくらいなら10分もあれば充分だし、それくらいなら一人で来るよう呼び出して、ルイズに見張らせておくとかすりゃ何とでもなったんだ。コトが済んだらすぐに早退でもさせて、んで夜に念入りに慣れさせるとかすりゃ良かった。

 でも、と才人は思う。

 それじゃあ面白くないよな? やっぱこういうのって手順を踏むから面白いって言うか、むしろ堕としたあとにどう扱うかを考える方が重要だったしな?……くく…モンモランシーは一体どうなっちゃうんでしょうねぇ……。

 くっくっくと才人は嗤う。扉がノックされるのを今か今かと待ちわびる。

 モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ。二つ名が香水の水メイジ。細身にスラリとした体形をした金髪縦ロールの伯爵家令嬢。後頭部の赤いリボンが良く似合う勝気そうな外見は、まず美少女と言えるであろう。この少女がこれからどう変わっていくか? それはこれから明らかになる。


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.0243821144104