森の中の広場に才人は手頃な一本の木を見つけ出した。やはり青姦といえば、木に手を付かせ、それをバックから責める事だろう。
「ルイズ、そこまででいい。それからオマエの首輪を貸してやれ。んで、あの木までマチルダを連れていけ」
その指示でルイズは埋めていたお尻から顔をあげる。ぴちゃぴちゃと舐めていた舌を抜き、アナルを掻き混ぜていた指も抜いていく。
「っぱあっはっ…はぁ……んっ…わかったわ。あの木ね?」
マチルダは真っ赤な顔になって耐えていた。それはそうであろう。同性に愛撫され、しかも膣どころかお尻の中まで舌を入れられたのだ。
激しい自慰の残り火はくすぶっていたし、一度ならず絶頂へと追い込まれてしまったのだ。
そしてその有様をニヤニヤしながら見物に回っていた才人である。堪えきれない喘ぎを洩らし、達するならば報告しろと言われていた。
だからマチルダは突然のように「イきますっ! ご主人様! 便女マチルダ、イっちゃいますぅぅ……!」と、何度も叫んでしまっていた。羞恥で才人の嗤い顔をみたくなく、顔をあげたくはなかった。
だが、それは許されることではないのである。
「このっ! よがってないで顔をあげてなさい! っこの便女!」
「ッッあううううぅぅぅ……ッ! ~~っくっふぅぅぅうぅ……!」
顔を下げれば容赦なく罰が下る。才人はニヤニヤ嗤うだけで何も言わない。だが、ルイズにとっては違う。相応しくしつけないと、今度は自分自身がしつけられる。
マチルダは奴隷の奴隷なのだ。表情を隠すなどは許されることではない。
「この便女! あたしにしてもらってるからって、いい気になってんじゃないわ! あんたはわたしの奴隷なの! サイトにそのよがり顔、っずっと見せ続けてなさいッ!」
「っひっぎぃいいいぃいいいぃぃぃ……ッ!」
だからルイズはしつけを行う。そのお尻を容赦なくひっぱたく。そうしないと、自分がしつけられてしまうだろう。マチルダはそうやって、何度となく身分を思い知らされてきた。
「さあ、便女。わたしの首輪を貸してあげるわ。首を差し出しなさい」
「ッ~~~~、っはぁ…はぁ…わ、わかりましたルイズお姉様。っど、どうぞ……」
おずおずと首を差し出して来る。ニンマリ笑ったルイズだった。鼻歌まじりに首輪を巻き、リードを取り付けると「ほらっ、いくわよ、便女!」と、目的の場所へと引き連れていく。
ぐいっと力強く引かれ、マチルダには為す術もない。よたよたと這っていくより、仕方がなかった。
◇
ルイズから「ほらっ、その木よ、便女」と指示されたマチルダ。息を殺し、その瞬間を待ち受ける。
……くくく…やっぱ青姦ってのはコレだよなぁ。木に手をついて、ケツを差し出すってヤツだ。
才人はそのお尻を掴む。そしてぐいいっと割り開いてみせる。しかしマチルダは抵抗しようとはしない。当たり前であろう。覚悟してお尻を突き出し、木へその手をとついているのである。
ぴくっと身体を震わせたあとは息を殺し、その瞬間を待ち受けるしかない。
「さ、マチルダ。今から入れてやる。今どんな気持ちか言ってみろ」
「っ……早く入れて欲しいです。それだけですわ、ご主人様」
ほほぅと才人は感心した。まだ完全に心は折れていないようだと思った。だが、それでいいのである。むしろその方が楽しいと思う。
これからどう変わっていくのか、その方が興味深い。くっくっくっと、才人は嗤う。
「そうか、んじゃ時間も押してるしな。望み通り入れてやる。経験豊富だって話しだし、充分ほぐしてもやった」
「その通りです、ご主人様。べ、便女マチルダのおまんこ、どうかおちんぽを入れてくださいっ」
そこまで聞けば充分だった。これ以上待たせては、覚悟済みのマチルダに失礼というものだろう。邪悪に嗤う才人が狙いをつける。
「!っっくはっ~~ッ~っあ~~~んン~~ぐっ~~はぁ……はぁ……っ~~~っ」
これだけの手間を掛けたのだ。マチルダは濡れきっているし、才人の肉棒も猛りきっている。だから才人はソレをずぶずぶと埋め込んでいく。マチルダはそれを飲み込んでいく。
「ほほう、なるほどね。あっさり飲み込んじまった。経験豊富ってのは伊達じゃあないな」
「っつあっ~~っはぁ…はぁ…は、はいっ、べ、便女は経験豊富ですっ」
「よ~し、そんじゃあ動いてやる。ただ時間も押してるし、さっさと出すぜ? 残念だろうが、その代わり帰ってからじっくりと甚振ってやる。それで我慢してくれな? くく…便女のマチルダ」
「っお、お願いしますっ、ご主人様っ」
背後から責める。だからマチルダの表情を確認することはできない。だが、それが面白い。
おそらくは屈辱に酷く歪んでいる事だろう。そしてそれを想像しながら犯すのもまた、レイプの醍醐味というものではないだろうか?
くぅっくっくっ! さっさと逃げれば良かったのによ! そうすりゃもしかしたら逃げ切れたかもしれんぜ? どんなお宝だったのか知らんが、奴隷と引き換えにするほどのもんじゃなかろーぜ!
散々に自慰をさせ、ルイズにも愛撫をさせてきた。もう既に準備はできている。才人はずっずっと恥丘を撫で、これから入れるぞ? と認識をさせ、そうしてから腰を深く突き入れていく。
ずぶずぶと埋まっていく肉棒、そうするとマチルダは肉を締めあげてきた。なるほど、大したものだと感心する。テクニックを感じる事が出来る。経験豊富は伊達ではなかった。これなら手加減の必要などある訳がない。
才人はニヤリとほくそ笑む。最初から全力でのストロークで肉穴をえぐっていく。
「!ぃぃいいっ~~がっ…っはんっ、くっふっ~~っ……ぁ…ああっ……!」
肉と肉がぶつかり、ぱんぱんぱんと、激しい音。ぬっちゃ、ぬっちゃと鈍い水音。才人はただ自分のためだけに腰を動かす。
っっちくしょうっ! い、痛いに決まってるじゃないか! いったい、いつの話だと思ってるんだいッ!
才人がぱんぱんぱんと腰を振る。マチルダはそれを木の幹を掴み、身体を支えることで、必死に耐える。
「くっくっくっ…きゅうきゅう締め付けてきやがるぜ。流石に経験豊富なことはある。男の味を思い出してきたんじゃないか?」
「ッあぁああああっ……! そ、そうですご主人様ッ! あんっ、ぁぁあぁっっ……っ、べ、便女は思い出してきましたぁぁぁ……!」
再度ぱんぱんぱんと腰が振られる。揶揄されながらのレイプ。マチルダの心は激しい怒り、屈辱。そしてなんでこうなってしまったのかという後悔で一杯だった。
学院に手を出し、『破壊の杖』になど興味を持たなければこうならなかった。
傲慢な学生たちだ。コイツらなら殺してもいいだろう。そんな考えを持たなければ、自分はこんな羽目にはならずに済んだのだのでは?
「おらおらおらっ! もっとケツを振れっ! 締め付けるだけじゃ駄目なんだよっ! 目でも俺を、っ楽しませるんだよッ!!」
「!ぴっぎいいいいいぃぃぎぃぃぃぃっッ……!」
才人はお尻を叩く。何度でも叩く。ルイズでさえいい仕事をして見せた。なら、主人としては負けるわけにはいかないだろう。
「くくく……ぴぎいだと? おもしれえ、もっと鳴いてみせろっ!」
「ッッひっ、ぴぎいいいいいぃぃぃぃいぃぃッッ……!」
それに何と言っても面白い。マチルダは同輩の年齢ではなく年上である。しかも怪盗として恐れられていた存在だ。
そんな女が叩けば叩くほどに膣肉をきうゅぅぅっと締めしけてくる。叩けば叩くほどに違う声で啼く。征服感を刺激され、なんとも気分がいいのである。
くうっくっくっ! コイツは当たりだったぜ! 手駒としても奴隷としても充分だ!
反応が楽しく、才人はお尻を叩く。真っ赤に腫れ上がり、もう叩くところなどない有様となる。
パシィインン……! と響かせる。そうすればマチルダはお尻を締め、そして絶叫しながら啼いてくれた。
だから才人は手を休めない。何度でも叩き、パシィインッ、バシィイィンッ! と響かせる。
っっひ、ひぃぃ……っ! く、くるッ! 叩かれるッ! ま、また叩かれるッ!
それでもマチルダはお尻を振る。終わらせるには才人に満足して貰うしかないのだ。
サボる素振りを見せようものなら、ただ苦痛の時間が長引くだけ。それは痛いほどに理解させられてきた。
逃げたい気持ちを抑えこみ、責めやすいようお尻を差し出す。
苦痛を終わらせる為に苦痛を甘受する存在。それが才人の奴隷なのだ。
っくくく…おもしれえッ! 時間が押してるってのが残念だぜ! くく…おらっ、出してやるから安心しな!
才人はマチルダのお尻を両手で持ち直した。そしてパンパンパンッと、一際激しく動かしていく。
「おいっ! 喘ぐだけじゃあ駄目だ! 今の気持ちを言ってみろっ!」
「!ひいいっ! き、気持ちいいですっ! 気持ちいいですぅっ! ご主人様ぁッ!」
「くく…それだけか? 何がどう気持ちいいのか、っっ言ってみろッ!」
「!ひっぎいいいいいぃぃぃいぃぃいっッ……! ま、まんこですぅッ! まんこ最高なんですッ! ご、ご主人様ッ!!」
バッシィイイィンンッ……! と一際高く響く打擲音。精一杯に背筋をのけ反らせらたマチルダだった。身体のしびれが治まると同時、あらんかぎりの声で森に向かって叫んでしまう。
ひっ、ひいぃぃいぃぃいいいっッ……! った、叩かれるッ! 叩かれる叩かれる叩かれるっッ!!
とにかくお尻を振る。目標を定められないよう、お尻を振る。そしてがっちりと腰を掴まれたら、とにかく締め付ける。才人を射精に追い込めるよう、肉棒を締める。
マチルダの頭は今、それだけしか考えられなくなっている。
くうっくっくっ! 本当に惜しいぜ! このままもっともっと楽しみたいのによぉっ!
残念である。本当に残念であった。あんまり時間を掛けると、日が暮れてしまうのである。マチルダの反応は本当に楽しい。もっともっと楽しみたい。もっともっと虐めてやりたい。
「っおうらっ、とりあえずまんこでの一発目だっ!」
才人は青空のもとマチルダに射精する。ずんと腰を深く突きこみ、どぴゅるるるるるッっと放たれた精液。それは膣奥まで確かに届く。
全く残念だった。続きは帰ってからの楽しみとして、今はこの程度で我慢しなくてならないとは。本当に残念な話であった。
「!ぃ、ひぃいぃぃいぃぃいいいいぃぃいいぃぃ……っ!」
そしてマチルダは悲鳴をあげた。中出しをされてしまう! わかっていたことだが、そのおぞましさにマチルダは悲鳴をあげた。
信じられないほどの熱い滾り。それが膣の奥の奥まで届いたのである。二回目とは、とてもではないが信じられない。でも、それは確かに届いてしまったのだ。
っはっ……くふ…ぅぅ……ひ、酷いじゃないか……
絶望感がマチルダを襲う。やはり妊娠するかもしれないと思えば、その絶望感は深い。
奴隷として逃れられないとわかってはいた。だが、これで正真正銘、才人の奴隷にされてしまったと、マチルダはそんな風に思った。
ぐぼっと肉棒が抜かれ、太ももにとろとろと垂れているのがわかる。そうなると崩れ落ちそうになる身体だった。それを才人は腰を引き寄せることで保たせている。
「くく…キュルケ」
「わかってるわ、ダーリン。いいのを見つけてきたから」
そう、終わったわけではなかった。まだアナルが残っている。背後の会話で、それをマチルダは思い知った。どこか他人事のように聞こえてしまうが、確かに自分のことだと、マチルダは理解する。
だが、はぁはぁはぁと、荒い呼吸のマチルダには背後が見えない。痛むお尻を抑えたいのを堪え、その代わりに木の幹を掴んで崩れ落ちそうになる身体を支え、ただひたすら呼吸が平静になるように努力する。
……っち、ちく…しょう……な、何するつも……
一体何を企んでいるのか? 見たくない。でも、見たい。そうやって逡巡し……
「!~~~ッが、がぁぁあぁぁあぁぁぁッ……!」
そうこうするうち、才人はマチルダの腰を掴んだ。そして、もう回復した肉棒をアナルへと入れてきたのだった。
「ふむ……コッチはそんな経験がないみたいだな? まんこに比べりゃ格段に狭いぜ? くっく…でもまあ、こんだけなじんでりゃ充分だ」
「っっがあぁぁぁっっ……! ッ~~く、ぐむ、ぐううぅうううぅう……」
膣とは違うお腹への圧迫感。狭いのを無理やりに、ずぶりずぶりと埋められた肉棒。酷い苦痛がマチルダを襲う。
これからこの痛みを更にえぐられる?
奴隷たちが通ってきた道だが、そんなことをマチルダは知らない。知っていても意味はない。おぞましさと恐怖に心が満たされる。
「!ふんぎぎゃやぁあぁぁぁぁぁあぁぁっっッ……!
そして再びのスパンキングだった。
今まで受けていた右のお尻ではない。バランスを考えれば、その左のお尻も叩かなくてはならないのでは? それは才人がそう考えたに過ぎない。
「おうらっ! 締めろ締めろっ! ケツを振れ! 真っ赤になったら出してやんよっ!」
「っひっ、ひぐっ、ひぎゃぁぁぁあぁぁぁあぁぁつッ……!」
後ろを振り向かなくても、叩かれる雰囲気はわかる。挿入され、密着しているのだから、その瞬間はわかる。
だが、だからこそ怖いのだ。どうしたって避ける事はできない。避けるどころか、その瞬間にはお尻を差し出さなくてはならない。
ひぃいいぃぃいっ! っく、くるよっ、またくるよッ、ま、また叩かれちゃうよッ!
痛みが身に染みているのだ。その痛みにまた重ねられるのだ。それなのに身体は苦痛を味わおうと、そのお尻を差し出していくのだ。
「っそらっ、どうした? くく…ケツの振りが鈍くなってきたんじゃないか?」
「! ひっ、ひぃいいぃいいぃいぃぃぃ……! っった、ただ今振りますッ、ご主人様ッ!」
マチルダはお尻を振る。ふるふると振り、それが才人の目を楽しませ、肉棒へと絶妙な刺激を与えることになる。
だから才人はお尻を叩く。痛かろうが、腫れ上がろうが、そんなことは才人の知ったことではないないのである。
っっも、もう勘弁しておくれよぉ……っい、痛いんだよぉ……。
悲鳴をあげながらも、お尻を持ち上げていく。森の広場は悲鳴と打擲音が支配している。才人はそうしてマチルダを弄び、気の向くままにスパンキングを施していく。
「くっくっ…どうした? 振りが鈍いって言ったはずだぜ? それとも叩いて欲しくてわざとなのか?」
「!っ~~っっただ今振りますッ! ご主人様ッ! べ、便女はケツを振りますっ!!」
圧迫感から呼吸が止まる。最奥に突きこまれたときのその衝撃。耐えるには息を止めるしか方法がないのだ。
くくく……! まんことは別の反応だよなぁ? 本当に惜しいぜ、ったくよぉッ!
残念である。楽しい時間を切り上げなくてはならない。時間が押しているのが本当に残念だった。
才人はラストスパートに入っていく。残念ではあるが、それもまたいい。まだまだ機会はいくらでもある。次の機会で存分に楽しめばいい。
そう気分を切替えた才人はラストスパートに入っていく。より一層の力を込め、マチルダのお尻を嬲っていく。
するとどうなってしまうのか?
「くうっくっく! そらそらそらっ! どうしたどうしたどうしたッ! 振って振ってっ! それから締めて、締めるんだよッ!」
「!ひっ、ぎいひひいぃひぃっッ……!~~~~ッま、まだですかぁ! ~~ぐっごぉぁああああっ……! ッ~~~っ、べ、便女のケツッ! っまだ真っ赤じゃ、~~~っな、ないですかッ!?」
じっとして痛みを堪えていると、容赦なくアナルをえぐりにこられ。しびれが納まるころ、再びのスパンキングとなる。
痛みの上に痛みを重ねられ、段々とそれに耐えられなくなるのだ。
マチルダにはもう、早く終わらせて欲しいと、お尻の状態を確認するしかなくなるのである。
「おうらっ、やっと猿になったぜ、マチルダ! 出してやるから感謝しろっ!」
「! っひぎ、いいぃつっ……ッあ、ありがとうございますうっ、ご、ご主人様ッ! ~~っっべ、便女に出してくださいッ!!」
そうして均等に腫れ上がってしまったマチルダのお尻。満足した才人が射精する。どっぴゅるるるるるっと、三度目でも変わらない射精を、腸の奥まで届けてやるのである。
「!っひひいいいっぃぃいぃぃぃぃ……!」
腸の奥に熱い迸りを感じる。相変わらずの精液量だった。それでマチルダは身体の力が抜けてしまった。やっと終わったのである。アナルへと射精してくれたのだ、
……はぁ…はぁ…はぁ…くぅぅ~~~~~ッ! っ……はぁ…はぁ…や、やっと終わった……
だが、崩れ落ちることは出来なかった。才人はまだ腰を支えていた。
でも、これも遠からず抜いてくれるはず。やっと終わったんだと、マチルダは安堵した。力が抜けて、それが当たり前なのだ。
……くっくっくっ……何か忘れてないか?
肩で息をし、呼吸を整えているマチルダ。才人は後ろを振り返り、ニヤリと合図を送る。そして――
「!? っい、いやっ! ぃ、いやああぁぁああぁぁあぁぁぁぁああぁぁっッ……!」
そのままマチルダの腸の中に放尿してみせた。嫌がるマチルダに腰を掴んで離さず、ジョボジョボジョボ……と腸の中に小水を送る。身体を捩って暴れ、「許して! 許してください!」と哀願するマチルダに小水を送り続けるのである。
そして、最後の一滴まで送り込み、そうしてからようやく肉棒を抜く。するとぴゅっと、しぶきが漏れてしまった。
「キュルケ!」
「わかってるわ、ダーリン」
これを防ぐ必要がある。一歩前に進み出たキュルケは用意していた道具を構え、それをマチルダの肛門へと埋め込んでいく。
「!ひっ、ひぃぎぎぃいぃいぎっぎぎぃいぃぃぃいぃッ……!!」
森の中である。どこにでも転がっている。才人が用意させた道具は単なる小枝にすぎない。ただそれは少しばかり滑らかで、少しばかり太めであるに過ぎない。
才人はそれを栓として用意するよう、キュルケに命じたに過ぎないのである。
「くっくっくっ……適当なところで出させてやるから、それまで耐えろ。それから言うまでもないが、命令するまで抜こうとするな」
ずぶずぶとこねるようにして埋め込み、固定させ、そうしてキュルケが手を放す。やっと崩れ落ちることができたマチルダだった。
ただ、その姿はお尻から枝を生やした、なんとも滑稽なものである。才人は口の端が吊り上ってくるのを自覚した。
「さっ、これで撤収だ。モンモランシー、破壊の杖とやらを回収してこい。それからキュルケ、俺の後始末しろ。それからルイズ」
才人はニヤリと笑って見せる。
「流石は虚無だ。予想以上だったぜ? マチルダのリードは最初にオマエに引かせてやる。みんなの服を集めてこい」
「うん! ありがとうサイト! それじゃあ行ってくるわ!」
奴隷たちは動き出した。モンモランシーは杖の回収に、キュルケは後始末のフェラチオに、ルイズは服を集めに駆け出していく。
……ふ…惨めだね……ふふ……奴隷の、奴隷、か……
漏れ聞こえる会話を耳に、マチルダはつかの間の休息を味わう。
遠からず腹痛に襲われることだろう。お尻は腫れ上がって立てないほどだし、オブジェとなっている小枝は屈辱の限りである。
だが、それでも今は責められていない。これ以上の責めをされる可能性はなくなったのである。
ならばこれは休息ではないだろうか?
たとえこれから恥辱と屈辱の散歩に連れ出されようとも、今だけは休んでもいいのではないだろうか?
そんな風にマチルダは考えた。だから蛙のように這いつくばり、じんじんと熱を持ってしまったお尻を突き出すように持ち上げたのである。
牧歌的な風景だった。草木がざわめき、小鳥がさえずり、若い男女が笑い合っていた。
そんな中、マチルダはつかの間の休息を味わうことにした。
◇
「さあ出発よ、便女。森の出口まで案内なさい」
マチルダに人生の転機が訪れたのは主君であるモード大公が投獄された時だった。今から四年前のことである。大公がエルフを妾とし、そのことが露見してしまった時のことだった。
大公から厚い信頼を受けていたマチルダの父親は件のエルフと、その娘を屋敷にかくまっていた。
法によってエルフを妾とするのが禁止されていたわけではなかったが、なにしろエルフである。そんなことをいちいち法で禁止するまでもない。何故ならエルフは忌み嫌われる存在だからだ。
「あら、便女ったら恥ずかしいわ。こんなところで本当におしっこするなんて……。ふふっ…でも、全部出しちゃ駄目よ? キュルケと変わるから、その時に残りをなさいな」
過去も現在も聖地を巡って争い、杖なしでも魔法を使えるエルフ。ブリミル教の敵としても、メイジより強力な魔法が使えることも、敵とするに充分な理由となりうる。だからエルフは忌み嫌われていた。
「ねぇ、ダーリン、便女ったらもう我慢できないみたい。なんかしきりにこっちを見てくるようになったわ」
そのエルフを主君である大公が妾としている。途方もないスキャンダルと言えた。これはアルビオンの王家がエルフと繋がっている。そう疑われても仕方がないスキャンダルだ。
だからサウスゴーダ伯爵家は改易とされたのである。
「くくく……まだまだ。歩けないなら歩かせればいい。こいつを使えばいいさ」
マチルダの苦難はここから始まった。
っがっ~~~~ッッち、ちくしょう~~~っまだかい? ま、まだ駄目なのかい? くっぐむぅ~~~ッッさ、さっきからゴロゴロ聞こえてるじゃないかいッッ!!
アルビオン王は関係者すべてを消すことを企み、兵隊を差し向けてきた。だから彼女は逃げることにした。生きるためにはそれしかなかった。そしてマチルダにテファを見捨てると言う選択肢はなかったのである。
特徴的な耳から人前に出られなかったテファ。だから屋敷でずっと一緒に過ごすことになっていた。彼女が心優しく、危険な存在でないことを知っていた。
何より主君の娘であるが、妹のように思っていたのだ。見捨てるなんて、そんな選択肢はなかった。
「あら、ダーリン。こんなの使うの? 目立っちゃうんじゃない?」
「大丈夫だって。ジジイへの報告の時には服を着せるんだ。それにな、たっぷりと出してやったばかりだ。しばらくすりゃ、キレイに治るって」
逃げに逃げ、たどり着いたのがウエストウッド村だった。シティ・オブ・サウスゴーダからほど近い村で危険だったが、何しろテファの耳は目立ってしまう。長い旅は無理だった。
それにテファには“忘却”という不思議な力があったから、追手が来ても大丈夫だと思うことにした。
っや、やめ、やめろやめろやめろやめろっ! 歩くっ、歩くからっ、だ、だから鞭なんてやめてッ!
乗馬鞭を持った才人が近づく。何をされるか理解したマチルダだった。だから苦痛を無視して動く。必死になって這い、その射程から逃れようとする。
「ほら、動いたろ? まだまだ限界じゃないって」
「あら、ほんとね。限界じゃなかったんだわ」
森の小道をいく。当然ながら全裸に首輪。四つん這いに真っ赤に腫れ上がったお尻。そこから小枝を生やした情けない姿である。
リードを繋がれ、後ろからくすくすとした笑い声があがっている。
「くっくっくっ…じゃあコイツは預けといてやる。好きなように使え」
「ありがとう、ダーリン! さっ、いきなさい。便女は鞭が嫌なんでしょう?」
だが、生活には直ぐに行き詰まることになる。ウエストウッド村は孤児院の村だったのだ。
幸い追手はテファの能力で撒くことができた。だが、働けるものが誰もいない。なんとか働けそうな年齢だったのは、マチルダとテファのみ。そうなると働けるのはマチルダのみ。
身に着けていた金品を売り払ってしまえば、働くしかなかった。
っ~~~~まだかいッ? ~~~~っも、もう許しとくれよぉ……
そうして働きに出たマチルダ。アルビオンは危険だったので、トリステインの街で働こうと思った。
何件かの店を当たり、給仕としての職を得たのであるが、そこでとある貴族に声を掛けられてしまったのである。
「さっ、便女。そこでしちゃいなさい。大きく足をあげて、その木におしっこをするの」
マチルダは良くも悪くも箱入りだったし、世間のことをよく知らなかった。その貴族から「わしの屋敷で働かないか? 今よりいい金を出してもいい」と提案され、テファだけでなく孤児達のことを考えてしまった。
もっと子供たちにも楽をさせてあげたい。そのためにはもっと稼ぐ必要がある。
何となく薄気味悪いものを感じたが、悪い人ばかりのはずがないと思い、その屋敷に向かい……そのまま監禁されてしまったのである。
ッ~~っぐぐぅうぅぅぅっ…ち、ちくしょう……
あとは言うまでもないだろう。家政婦としてコキ使われ、夜は性奴としての辛い日々。逃げられないよう魔法の掛かった首輪と足枷をつけられ、その貴族、時にはその貴族の友人連中に犯される毎日。
寝床として与えられた地下牢でマチルダは死にたいと思った。でも、テファ達のことを思えば言う事を聞くしかない。なんとか隙を見て逃げるしかない。
「くっくっくっ……頑張ったな。マチルダ、お待ちかねだ。盛大にやってくれて構わんぜ?」
そしてやっと訪れたチャンス。従順に振る舞って見せ、その貴族の警戒心が薄れた。風呂で奉仕をしろと言われた。
全身を使って身体を洗え。だから枷や鎖がついていたら邪魔なので外せという。ようやく訪れたチャンスだった。
だから浴槽にその貴族を沈めた。当然の権利として金品と、コレクションの魔法具を回収した。
二か月も自由を奪ってくれたのだ。村へと送金しなくてはいけないのだ。当たり前だと思った。
ぅくぐむむむぅうぅぅうぅうう……っ! あ、あの時は上手くいったけどさっ~~~~ッこいつはもうっ~~む、無理なんだろうねッッ!!
マチルダは復讐を誓う。それが、土くれのフーケとしての始まり。
効率よく稼ぐには貴族に対して盗みを行うのがいい。貴重な魔法具を盗んでやれば、その貴族はさぞかし頭にくるだろう。
復讐と金策、どちらもできる。貴族専門の盗賊。土くれのフーケが誕生した。
~~~~っっお願いだよっ! ~~ッも、もう限界なんだよッ!
キュルケが一歩、前に進む。そうして小枝を掴み、ズボッとアナルから抜いてしまった。
「くく…そうだ。まだ出すんじゃないぜ? ガバッと股を開いて、俺の目を見ながらやってみるんだ」
全身が脂汗に塗れている。追い立てられ、背中とお尻には幾条もの赤い線。そんなマチルダが中腰となり、両膝を掴んだ。あともう少しだけの我慢だと、マチルダは歯を食いしばる。
「よ~し! 盛大にひり出してみろ! 出すときには大きな声で叫んでみろ!」
だから逡巡などない。ようやく許可を出されたのである。散々に恥を晒してきた。どうやっても逆らえないと理解させられてきた。
今、頭にあるのはただ一つ。出してしまって、楽になりたい。今はそれだけしか考えられない。
「っぎぎぎぃいぃぃいいいいッッ! っだ、出しますっ、ご主人様ッ! ぐぎいいぃいぃ~~ッッ便女ッ、ひり出しますッッ!!」
そして――決壊。
森の中に絶叫と恥ずかしい音が響き、それから異臭が漂う結果となる。
マチルダはその場にへたり込んでしまった。力が抜け、もう身体を支えることができなかった。
……ぁ……ぁはは……何コレ……き、きもちいいわ……なに……コレ……
その有様を見た才人。思わずニヤリと嗤ってしまう。
くっくっくっ……サービスだ。気持ち良かったろ? 限界まで我慢したあとだ。さぞかし気持ち良かっただろ?
コイツを好きにさせて、ねだるようにさせるのも、くく…面白いかもしれんな……。
そう、脱糞の最中であった。とてつもない快感が襲ってきた。そして、排泄が終わるとすさまじいばかりの幸福感に包まれた。
身体がポカポカと温かく、あれほど痛かった傷が、気にならない。むしろ苦しんだ分、それがそのまま幸せとなって戻ってきたようだった。
……あ、あははは……すごいわ……すごく、きもちいい……あ、あははははは……あたし、イっちゃってる。…あはは……あ、あたし、うんちして、イっちゃった……
破滅は当たり前だったのかもしれない。
趣味と実益を兼ねると言えば聞こえは良いが、どうしても中途半端になる。目立ってしまえば、追求だって厳しくなってしまう。
遠からず追い詰められ、捕まってしまうのは当たり前だったかもしれない。
ただ、フーケを捕えるのが貴族ではなかっただけ。もっと悪質な才人に囚われてしまっただけの話。
「くくく……便女のマチルダさんは、くそをしたら気持ちがいいそうだ。モンモランシー、水をぶっかけて天国から引き戻してやれ。
それからキュルケ。もう直ぐ森の出口だ。偵察に行ってきてくれ」
マチルダを示し、嗤いながら才人が指示をする。リーヴスラシルの能力を目の当たりにし、流石に三人は驚いた。
わかってはいた。支配されてしまうと、快感も苦痛も自由自在のその能力。例えば自慰やセックスにおいて、快感を増幅された経験はある。ご褒美というのがそれだ。
痛みを無くし、すさまじい快楽と、余韻としての圧倒的な幸福感。奴隷たちはそれを味わい、だからこそご褒美を欲するようになった。
「わ、わかりましたわ、サイト。今すぐ錬水で水を作ります」
「い、いってくるわね、ダーリン」
だが、このようなことが可能であると見せつけられ、その心に恐怖が湧き起こる。
あれほど苦しそうだったマチルダなのに、今は排泄物の上に座り込んでいる。そしてだらしなく口を開け、よだれを垂らし、焦点の合わない瞳で微笑んでいるのだ。
才人には逆らえない、逆らうべきではないと、改めて奴隷たちは思い知った。
「ね、ねぇサイト! わ、わたしは何をすればいいの?」
「ん? そうだな。特にない。そのままリードを握ってろ」
「わ、わかったわ。そうしておくわ」
こうして土くれのフーケは死んだ。捕えられ、囚われてしまったのである。
っあ、あははははははははは……、何コレ? すんごく幸せ! すんごく気持ちいいわっ! あ、あはははははははは……すんごい幸せだわっ!
笑い続けるマチルダ。奴隷であることを、そして奴隷として生きることを、受け入れた。