Sideあやね
まったくもって腹立たしい。
昨夜は何も告げないで行人様の前から逃げ出す醜態を晒してしまった。
だから、その分も今日は行人様に島を案内して好感度をあっぷさせようと
思ってたのに・・・
行人様をすずの家から連れ出したまではうまくいってたのに
りんに邪魔されるし、川に落ちて流されるし、
海では溺れて、さすがの私も魚のえさになりかけた。
必死こいて帰ってきてみれば、誰もいないし。
私をのけものにして婿殿争奪鬼ごっこ大会なんてやっている。
婿がほしいのは私だって同じよ?
のけものにして勝手に始めるなんてひどいんじゃないの?
「どこにいるのかしら、行人様は・・・」
まだどこかに皆が集まっている様子はない。
おそらく鬼ごっこは継続中のはずなんだけど・・・
「ん?」
なんか視界の隅で飛び跳ねた気がした。
次の瞬間・・・
「グエ!?」
私は何かに、仰向けで寝ているところの顔面を踏んづけられた。
よく見ればすずじゃないの。
「いったいわね!?何すんのよ!?」
おかげで鼻血出たじゃないの!?
私は抗議するも、すずは聞いていないのかどこか焦った様子で走り去った。
「何よそんなにあわてて・・・・!」
すずの走り去った方向を考えて、私は気づく。
なるほど、そういうことね。
これはまだわたしにもちゃんすが残ってそうね。
「ウフフフ。」
第四話 日が暮れて
Side行人
「あいててて・・・」
空から落ちるも、落下地点には木が生い茂っていてクッションになったようだ。
全身が痛むも、どこも骨折している雰囲気はない。
かすり傷と打撲だけですんだようで、不幸中の幸いといったところか。
ゆきのからも無事逃げ切れたみたいだし。
「やれやれ、どうやら助かったみたいだけど・・・」
ここはどこだろう。なんだか薄気味悪い雰囲気の森にいるようだ。
今がだいたい島のどのあたりかさっぱりわからなくなってしまった。
あー、完全に迷子だ。
たしか島の西側のみって規則だったけど、ここは西側なのかな?
まぁ、違っても俺はまだこの島の地理がわかってないししゃあないよな。
しかし、この島に流れ着いてからまだ二日目だってのにいろいろありすぎだろ。
あまりに目まぐるしくて展開についていけない。
驚きの連続で、一体何回叫んだよ?
いい加減、叫びすぎで少し喉が痛い。
「・・・考えても仕方ないか。とりあえずこの森から出よう。」
周囲から聞こえる風のざわつきや、ギャアギャアという獣か鳥の鳴き声がする。
ちょっと不気味な感じがして、何か恐ろしい目にあいそうな予感がする。
こう、凶暴な獣に出会いそうな。
俺は立ち上がって歩き出した。
この森は人があまり出入りしないのか、道らしい道がない。
せいぜい人以外が通った跡と思われるけもの道くらいだ。
適当に歩いていると、背後からいきなり頭部を何かに噛みつかれた。
「イッったー!?」
反射的に、背後を腕で払うようにして振り向く。
そこには小さな牙が並んだ口をもった植物がうねうねと轟いていた。
「うわ!?なんだこいつ、気持ち悪ぃ!!」
まるで意志をもっているかのごとく動きまわってこちらに噛みつこうとする花。
食虫植物ってよりも食肉植物なモンスター然とした化け物植物だ。
「イタ!?」
また後頭部に痛みを感じる。
振り向けば、別の化け物花が噛みついてきていた。
周囲でがさがさと音がする。
気がつけば、あたり一面化け物花でいっぱいだった。
「なんじゃこりゃーー!?」
いっせいに群がってくる植物たち。
くそ、こんなわけわからんものに喰われてたまるか!?
「うらぁ!!」
俺は前方の花を殴りつけて突破口を開くと、そこから逃げた。
走る俺を追いかけてくる化け物花たち。
おいおい、根が地面に張らずに足のようにして走ってるよ。
もう植物じゃないだろそれじゃ。
自分で動きまわる花なんて聞いたこともない。
とんかつをはじめ、動物もなんか嘘くさいというか。
ぬいぐるみみたいなぱちもんくさいデザインというか。
とにかくこの島って何もかもが非常識だよな。
もう何が起きても、まぁこの島だしねの一言ですまされそうで嫌だ。
「のがあああああああああああああああ!!」
走り続けていると、前方からなにかすごい雄たけびが聞こえた。
森全体がびりびりと震える。
気がつけば、さっきまで俺を追いまわしていた花たちはいなくなっていた。
何だ、何か危険なやつが近付いているのか?
俺は近くに落ちている手頃な長さの木の棒を拾って構えた。
周りの木をみると、鋭い爪でえぐられていたり、根元から折られているものがある。
もしかして、危険なやつのテリトリーに入ってしまったのかもしれない。
けもの道をたどったのがまずかったか。
ズンズンと地響きを立てながら大きな影が近づいてきた。
今はゆっくりと歩いているみたいだが、足が遅いとは限らない。
下手に後ろを向いて隙をみせては駄目だと判断した。
たしか熊にあった時も死んだふりや背中を見せて逃げるのは危険と聞いたことがある。
棒をもって正眼の構えで警戒する。
茂みからゆっくりとした動作で、雄たけびの主が姿を現した。
「へ、パンダ?」
なんだ、もっと恐ろしい外見の化け物を想像していたらパンダかよ。
2メートルはあろうかという巨体の、二本足で歩くパンダがそこにいた。
ぬいぐるみか、着ぐるみのようなデフォルメされた姿だ。
目もなんだかうるうるしているし、外見的には可愛い。
怖がって損したかな。
「のがあああ!!」
そのパンダがいきなり腕を振り上げて攻撃してきた。
「おわ!?」
とっさに躱す。背後にあった太い木がへし折れた。
凄い威力だ。外見に油断しかけたけど反応できて良かった。
当たればただじゃすまないな、あれは。
「のがああああああ!!」
俺が攻撃を避けたことに余計腹をたてたのか、パンダは地団駄を踏んでいる。
こっちを見ていない隙にバックステップで距離をとる。
俺が動いたことに気づいたパンダが顔をあげる。
怒っているのだろうが、どうにも威嚇しているようには見えない顔つきである。
そういえばちょっと前まで、美咲がシュールな熊にハマってたな。
たしかピンクの体のやたら爪長い熊のキャラクター。
名前なんてったっけ?
「のー!!」
おっとと、いけない。考え事してる隙にむこうが攻撃してきた。
爪の軌道を、棒を当てることでそらす。
空いた空間に、反身をずらすようにして滑り込む。
そのまますれ違う形になる俺とパンダ。
怒りのせいか動きは単調で読みやすいが、やはり威力がすごいな。
そう思って棒を見る。あまり何度もぶつけられる程、耐久性はなさそうだ。
なんとかして逃げないとな。
睨みあう俺とパンダ。
しかし人生で初めての実戦が獣相手、しかもパンダとは・・・
爺が聞いたら呆れるかな?
パンダは姿勢を低く構えた。人間で言うところのクラウチングスタートみたいな。
「のん!!」
次の瞬間、爆発するような加速で一直線に突進してくる。
体当たりのつもりか!?なら・・・
俺は居合の構えをして腰を沈めた。
かかとを少し上げて、すぐに動けるように猫足になる。
ぎりぎりまで引き付けて横に回避した。
隙のある胴体に狙いを定め技をしかける。
東方院流抜刀術三の型、鯱。
家の流派の奥義の一つで、左足の踏み込みと同時に上半身の遠心力を用いて
刀を下段から上に切り上げる技だ。動作が大きいために隙が生じやすい。
しかしその分奥義の中でも威力の高い技だ。
俺がやるとただの斬撃だが、家の爺がやるとマンガみたいな衝撃波が出る。
同じ動きのはずなのになんでここまで威力が違うのか?
爺ほどじゃなくても、本来ならこれで勝負が決まるはず。
だが、それは得物が刀であったらの話だ。
今俺が使っていたのはそこらに落ちていた木の棒である。
当然本来の威力が出るはずもなく、技に耐え切れずに半ばで折れた。
パンダもダメージはあるものの倒れるほどではないようだ。
目が合う。俺のいる位置は、パンダが腕を振るえば当たる位置。
しかも技を放った直後の体勢のために隙がある。
しくじった、そう思った。
一撃で勝負を決めようと焦った俺の負けだ。
パンダの剛腕が振るわれる。
だが俺に当たる直前、俺とパンダの狭い隙間に小さな影が割り込んだ。
その影は腕をつかむと背負い投げのようにパンダを投げ飛ばした。
「うにゃああああ!!」
「のー!?」
地響きを立てて巨体を地面に沈めるパンダ。
それを投げたのはすずだった。
「すず!?」
「大丈夫、行人さん?危ないとこだったね。」
どうしてここに?というかあの巨体をなげるか。
「ありがとう、すず。助かったよ。」
「にゃはは、どういたしまして。」
「それにしてもすごいね、あんなでっかいの投げるなんて。」
「うにゃ、上手く不意をつけたからだよ。
東の主も行人さんしか眼中になかったみたいだし。
いつもなら無理だったよ?」
主って、やっぱりあのパンダすごいやつだったのか・・・
会話の最中、すずの背後でゆっくりと起き上がる影があった。
主だ!?すずは気づいていない。
東の主が腕を引き絞った。
「危ない!」
「うにゃ!?」
すずを突き飛ばす、次の瞬間。
俺が代わりに吹っ飛ばされた。
「行人さん!?」
「ぬあああああああああ!!」
俺の体は空高く舞い上がり、放物線を描いて飛んでいく。
そのまま森を飛び越えて、小高い丘の上の大きな樹の上に落ちた。
枝や葉、蔦などかクッションになり打撲だけで済んだ。
蔦がからまり、幹からぶら下がっている状態になる。
「いたたた・・・あー、もういやだ。」
なんかめちゃくちゃなことばっかりだ。
この島にきていろいろなことに驚きっぱなしだが、
何が一番驚きかって、自分の体が予想以上に頑丈なことが驚きだよ。
「ん?」
遠くから大きな人の声が聞こえる。
見れば、村の子たちが一斉にこの場所に向かって走ってきていた。
しまった、囲まれた!?
どうやらここまで吹っ飛ばされたところをいろんな子に見られていたらしい。
くそ、まだ一番星は光らないのか?
俺は蔦をほどいてできるだけ樹の上に逃げようとする。
しかし、皆は樹に上ってくる気配がない。
不思議に思い下をむくと、皆眠りこけていた。
「へ?みんなどうし・・・」
疑問を口にし終える前に、首筋に何かがチクリとささる感触がした。
その途端、体がしびれて動けなくなり下へと落下した。
Sideすず
「行人さーん、大丈夫ー!?」
「ぷー!?」
とんかつと一緒に行人さんが飛ばされたと思われる地点にたどり着いた。
そこでは島のみんなが地べたに眠っていて、行人さんは樹にもたれかかるようにして
座り込んでしまっていた。
「うにゃ!?行人さん?みんな!?」
驚いていると背後からこちらを狙う気配を感じた。
咄嗟に反応するも、何かが腕に当たる。
すぐにめまいがして膝をついた。
体がしびれる。これは・・・
「うふふ、即効性のしびれ薬よ。」
「あ、あやね?」
「お姉さま特製の秘薬よ。ちょっとがめてきたの。」
声は地面から聞こえた。
足元を見ると竹筒が地面から生えている。
どうやらこの下に隠れているみたいだ。
「さすがのあんたも動けないでしょ。うふふふふ。」
あやねの上機嫌な声がする竹筒を口にくわえた。
「せーの・・・」
「?」
思いっきり息を吹き込む。体中が膨らんだあやねが出てきた。
「ごげげgっげぐっげee!?」
なんかすごい声を出しながら頬を押えて転げまわっている。
「ちょっと、あやね、勝負はどーなったの?ねえ!」
「あんたねぇ!?今のはマジで死ぬかと思ったわよ!!」
「うにゃ、ごめん。」
涙を流しながら本気で怒ってる。そんなに痛かったのかな?
「ふん、まぁいいわ。それはさておき・・・
安心しなさい、すず。彼はまだ捕まえてないから。」
「え?どうして・・・?」
せっかくの好機をあやねが見逃すなんて。
私の疑問にあやねは口に手をあてて不敵にわらった。
「どうして?決まってるじゃない・・・
悔しがるすずを前に捕まえた方が気持ちいいからよ!!」
「暗・・・」
後ろで行人さんが呆れている。
「どうしてあやねはそんなにすずにつっかかるんだよ。」
「フフフ、それはね・・・昔っからすずはどの大会でも“なんばーわん”だからよ。
それに比べて私は毎回ビリ・・・なんかムカつくじゃない!」
本当に悔しそうに語るあやね。でもそれって自業自得だよね。
「いつも人の邪魔ばっかしてるからだよ。」
「やつあたりじゃん。」
あやねの言葉に私も行人さんも呆れた。
だけど、あやねの話はまだ続いてるみたい。
「そして一番ムカつくのは・・・これよ!!」
「うにゃあ!?」
あやねがいきなり私の胸を鷲掴みにしてきた。
そのまま乱暴にこねくりまわされる。
「ちょっと前まで互角だったのにあっとゆー間に追い抜きやがったのよ!
しかも圧倒的に!!」
「うにゃー!?好きでおっきくなったんじゃないもーん!」
「私より年下のくせに身長ばかりか乳まで追い抜いてからに!」
「そんなこと言ったら私だけじゃなくて、ほとんどの子がそうじゃん!」
「あっ、あやねってすずより年上なんだ。てっきり下だと・・・」
「きー!」
あやねは私を開放して行人さんに歩み寄る。
やぱりあやねのほうが私より年下だと思ってたんだ、行人さん。
「フフ、でも・・・今日の勝利で今までの敗北をチャラにできるのよ!」
そう言って行人さんを指でさすあやね。
「そう!なんせこの島唯一の男をしもべにできるんですもの!!
みんな私を羨望のまなざしで見つめるのよ!!」
「だれがしもべじゃい!!そんな趣味ないわ!!」
行人さんも怒ってる。そりゃそうだよね。
「んじゃ・・・そろそろ・・・」
あ、駄目!あやねが行人さんを捕まえる気だ。
「私のものになりなさーい!」
「ぎゃー!!」
気がついたら勝手に体が動いてあやねの足にしがみついていた。
顔面を強打しているあやね。
「な・・・なんで動けるのよ・・・・?」
「え?あれ、そういえば?
なんか急にしびれがきれて・・・」
いつのまにか動けるようになっていた。
行人さんを見れば、同じように手足を動かして感触を確かめている。
「あ、ほんとだ、動けた。
即効性の薬だから切れるのも即効なのかもね。」
「あー!?ハメたなあの姉貴!!」
さてと、こんなことばっかりする子にはお仕置きが必要だよね。
私はあやねの襟首をつかむと力いっぱい振りかぶり、
「人を見栄の道具にする女に婿をもらう資格は・・・なああああい!!」
「きゃーーーー!?」
空高く投げ飛ばし、どこかに飛んで行った。
あやねが消えた空に、一番星が光る。
この大会が終わったことを意味していた。
Side行人
一番星が光った。てことは逃げ切った僕の一人勝ち?
「いや、お主の負けじゃよ。」
「うおわ!?」
いつのまにか背後に婆さんが立っていた。
・・・ってちょっと待て、僕の負け?誰にも捕まってないのに?
「え?俺ちゃんと逃げたよね?」
「いいや、ワシはお主をつけてちゃんと見とったよ。
優勝者は・・・すずじゃ!!」
そう言ってすずを指さす婆さん。
まわりでは他の子たちがすずにむかって拍手している。
すずひとりがわかっていない様子だった。
婆さんが言うには、東の主からすずを助けるときに突き飛ばした時。
確かに僕はすずに触れていたとのこと。
でも、そんなんありか?
「とゆーわけで婿殿はすずのもんじゃ。子供たくさん頼むぞ。」
「ちょ、ちょっと。そんなの納得できないって・・・」
ていうかすずにも俺は捕まるわけにはいかないんだよ。
すずと子作りとか、現代人の倫理観をもつ俺としては。
ペドでありたくないという俺のちっぽけな?プライドが、13歳以下を
嫁にしてはいけないと心の中で叫んでいるんだ!
すずが俺を見た。
「あの、私、行人さんのこと・・・」
胸が高鳴るのを感じる。ってちょっと待て!?
これはあれだ、緊張してるだけだからな!?
決してその気になったわけじゃ・・・いや、すずは可愛いけども!!
あれ、俺誰に向かって言い訳してるんだ?あっ自分か。
「いらないよ?」
そのすずの一言で心の中でずっこける俺がいた。
予想外な答えというか、むしろ俺は何を一人で舞い上がっていたのか。
「だってこんなの変だよ。
結婚てお互いが好きだからするものでしょう?
こんな一方的な決め方じゃ行人さんも可哀そうだよ。」
すずは俺のことをちゃんと考えてくれていた。
「だから行人さんが誰と一緒になるかとかは
行人さんとその人が好き同志になるまでまってあげてもいいんじゃない?」
そう言ってすずは締めくくった。
その言葉を静かにきいている島の女の子たち。
きれいに纏まりそうだったのに・・・
「そうじゃの、急ぎすぎたか。
別に婿殿がもらう嫁は一人に限らんでもいいんじゃしな。
どうせこの島からは一生出られんのじゃし。
これからは皆仕事をさぼらん程度にあぴーるして婿殿のはーとをげっとしなさい。」
「「「「はーい!」」」」
婆さんの言葉でなんか違う方向に話が変わった。
あれー?さっきの流れからして、俺と誰かが好き同志になるまで静観じゃないのか?
なんでそーなるの?
「ちょ、なんでそうなる!?」
「まぁ、そう深く考えんでもええ。
気に入った女子ができたら逐次、手籠にしていってくれたらいいんじゃよ。」
嫁から手籠に話がすり替わってるよ婆さん!
「や、だか・・・らあー・・」
反論しようとしたとき、立ちくらみが起きてふらつく。
すずが俺の体を支えてくれた。
「行人さん!?」
「旦那!?」
「行人様!?」
皆が心配して俺に呼びかける。なんだ、急にめまいが?
「ふぅ、無理もないの。
五日間の漂流の翌日に島を走り回ったんじゃ。
疲れが出たんじゃろうな、今日・明日はゆっくりしとくんじゃな。」
走り回ったのはあんたが鬼ごっことか言うからですが?
婆さんは手を数回たたくと女の子たちに帰るように促した。
「皆の者、今日はこれでお開きじゃ。明日に備えて帰りな。
・・・婿殿は一度すずの家に行く前にワシの家に寄りなさい。
疲れに効く薬を出そう。」
この後はお開きになり、婆さんに漢方のようなものをもらってから
すずの家に帰った。
全身に傷があるので風呂は明日にして、今日はもう寝ることにした。
俺もすずもくたくたで、布団に入るとすぐに寝てしまった。
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補足説明
行人の使う東方院流抜刀術には六つの奥義があるマンガみたいな剣術です。
行人自体は奥義は三つしか体得していないうえ、形はできていても気を習得
していないために本来の威力が出せません。
また、行人の中ではまだ現代の倫理感が邪魔している状態です。
あと13歳以下にこだわるのは、ペドフィリアの定義が13歳以下との性交
だからです。自分はペドじゃないという小さなプライドが、その年の子に
手を出すのを止めているわけです。
まあ、次回で倫理感が崩れある程度開き直ります。
ようは13以下が駄目でも14以上はいいよね?の段階です。