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No.24192の一覧
[0] もしも行人が大学生だったら(ながされて藍蘭島再構成?) [森林 樹](2010/12/26 02:20)
[1] ながされて[森林 樹](2010/11/09 20:00)
[2] せまられて1[森林 樹](2010/11/09 20:01)
[3] せまられて2[森林 樹](2010/11/09 23:26)
[4] おいかけられて[森林 樹](2010/11/10 09:36)
[6] 日が暮れて[森林 樹](2010/11/13 00:33)
[10] キレちゃって[森林 樹](2010/11/15 19:29)
[11] しゃべっちゃって[森林 樹](2010/11/17 11:47)
[12] たべちゃって[森林 樹](2010/11/19 23:19)
[13] たべちゃって番外編 のぞいちゃって[森林 樹](2010/11/20 20:51)
[14] 朝がきて[森林 樹](2010/11/22 10:10)
[15] まねかれて1[森林 樹](2010/11/26 21:26)
[16] まねかれて2[森林 樹](2010/11/29 22:13)
[17] 夜が明けて[森林 樹](2010/12/04 17:18)
[18] 温泉宿で[森林 樹](2010/12/07 01:37)
[19] 稽古をはじめて[森林 樹](2010/12/21 01:03)
[22] 登場人物設定(ネタばれ注意)12月6日新項目追加[森林 樹](2010/12/06 20:41)
[23] いろいろランキング(物語進行ごとに変化あり)[森林 樹](2010/12/04 18:00)
[24] PV20万記念 外伝 美咲ちゃんの独白[森林 樹](2010/12/08 16:06)
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[24192] せまられて2
Name: 森林 樹◆dff00a94 ID:66f9b4ab 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/11/09 23:26
背中に焼けるような暑さを感じて目を覚ます。
耳には何かを引きずるようなズルズルという音が聞こえた。

「ん~~?・・・なんだ、このずるずるって・・・・・・・」

目を開けば、視界に入る景色がすごい勢いで流れていく。

「って、おわああああ!?なんだなんだぁ!?」

どうやら俺は何かに引きずられているようだ。
背中が熱い。摩擦熱で火傷しそうだ。

「あら、お目覚めになって?」

声のした方を見る。
そこには俺を引きずって走るトリのようなものと、それに乗るあやねがいた。

「昨晩はみっともないところを見せて申し訳ありません。
 行人様は今日、お婆の家で大事なお話があるとか。
 お詫びに私がすずに代わって案内しますわ。
 よろしければ、お話の後に島中を案内しましてよ?」

「んなこといいから止めろ!」

俺は抗議の声をあげるが、あやねは聞いていないのか無視して話を進める。
イテッ。頭を石にぶつけた。

「なんでしたら今夜から私の家に・・・あ!?」

話している最中、急にあやねが驚いた声を上げた。

「キャアアアアアアアアア!?」

あやなの叫びが遠ざかっていく。
離れたところでドボンという何かが水に落ちる音がした。
そういえば、引きずられるのが終わっている。
立ち上がってみれば、先ほどまで俺を引っ張っていたトリがこけていた。

「い~や~~~~~~!?」

近くの川ではあやねが流されていた。

「よっ、旦那。朝から災難だったな。」

背後から声が掛けられた。
振り向くと、羽織をマントのように肩にかけた女の子がいた。
背が高く、170はありそうだ。
片手にロープを持っていて、その先は一本の木に括られていた。
どうやらこの子が助けてくれたみたいだ。

「君は・・・」

「あたいは、大工のりんってんだ。よろしくな。」

「よろしく、りん。俺は東方院行人。
 昨日この島に来たんだ。
 ありがとう、助かったよ。
 でもいいのかい、あれ・・・ホッといて。」

そう言って俺はあやねの流された川を指さす。

「あー、いいっていいって。いつものこと。」

そういってりんは手を振り、何でもないとジェスチャーをする。
見ればあやねの乗っていた鳥もあーあ、といった感じで特に焦った感もない。
本当にああいうのがあやねにとってはいつものことなのか・・・

「そ、そんなことよりさ・・・あたいと、その・・・」

りんは急に照れながら、頬を指でかいてごにょごにょと話し出す。
なんだろう、俺に何か用なのかな?
その時、背後の茂みで音がして、大きなクマが姿を現した。

「うわああああ!?クマー!?」

突然のことに驚く俺。何、何でいきなり熊が!?

「なんだ、ゆきの。めずらしくお前にしちゃ早起きジャン。」

「へ?知り合い?」

熊が出たというのにりんには全く焦った様子がない。

「そーいうりんちゃんだって人のこと言えないんじゃないのー。」

熊の背後から頭の上に小さな女の子がよじ登った。

「いったい何をたくらんでるのかナー。」

「う”。」

それはまだ幼い子供だった。

「あ、子供・・・」

この島をまだ見て回ってはいないが、ここにきて初めて子供らしい子供を見た。
だからなのか思わず口にしていた。

「シツレーね!!くまくま!!」

「ぐげ!?」

女の子を怒らせてしまったのか、俺は熊をけしかけられた。
頭部に熊の手刀を喰らう。地に倒れ伏す俺。

「と、言うわけで・・・お詫びとして今日はゆきのとでーとするのよ。」

ゆきのがそう言うと、熊は器用に俺の上半身をもって引き寄せた。

「で、でえとお!?」

りんがそれを聞いて慌てだした。俺の脚をもって熊から奪取しようと引っ張る。

「おまえにゃ10年はえーんだよ!このませ餓鬼!!」

「いーやー!!このこはゆきののものなのー!!」

「ぐああああ!!」

上下に体を引かれ、全身が悲鳴を上げる。

「聞き分けのねー餓鬼だな!!」

「がきがき言うなー!!」

いつしか俺を地面に放って二人は喧嘩しだした。
今のうちに逃げよう。
俺は格好悪くも地面を這うようにしてその場を離れた。
茂みに隠れ、りんとゆきのが見えなくなってから立ち上がる。

「あいたたた、なんなんだこの島の連中は。
 なんでこうもむちゃくちゃな子が多いんだ?」

ぼやきながらしばらく歩いていると、集落に着いた。
ここがこの島の村なのだろう。
すずの家の周りと違っていくつかの家屋が見える。
また、その周囲には広い田んぼや畑が広がっている。
そこでは女性たちが仕事に精を出していた。
それにしても何か違和感を感じる。
ちらちらと見られている視線を感じるのはまあいい。
見知らぬ男がいれば何者だろうと思うだろう。
しかし何だろうか、胸に引っかかる違和感がぬぐえない。
別段、この時間に農作業をしているのはおかしくない。
むしろ農民の生活をしていれば、仕事を始めていなければおかしいだろう。
俺はモヤモヤとしたものを抱きながらも、とりあえず婆さんの所に行くことにした。

「しっかし、婆さんの家ってどこだろう?」

「あのー・・・」

「ん?」

声の方を向くと、眼鏡をかけた肩までの長さをした髪の子がいた。
なんだか今までの子と違い、おとなしそうな女の子だ。

「何かお困りのようですが・・・どうかされましたか?」

どうやら俺の困り顔を見かねて声を掛けてくれたようだ。
優しそうな子だな・・・

「あー、いや。ちょっと道に迷ってね。
 長老の家を探してるんだけど。」

「あら、それでしたら私が案内しますわ。」

「本当か、助かるよ。」

よかった、どうやらこの子はまともそうだ。

「あ、申し遅れました。私ちかげと言います。
 気軽にちかげとお呼びください。」

そう言ってちかげちゃんは頭を下げた。

「こりゃご丁寧に。俺は東方院行人、よろしく。
 昨日この島に流れ着いてね、まだよくわかってないんだ。」

「ええ、知ってますよ。」

「あれ、知ってるの?」

「はい、こんな島ですから噂はすぐに広まりますわ。
 今日は朝から行人さんの話題でもちきりですよ?」

そう言ってくすくすと笑うちかげちゃん。
どっかのお嬢様みたいな上品な笑い方が、サマになっていた。
やっぱり、今までの子とどっか違うな。
ちょっと癒されそうな気分になった時、背後で気配を感じた。

「くっ!!」

反射的に右に避ける。俺のいたところを何か小さなものが飛んで行った。

「はうっ。」

何かがちかげちゃんの額に刺さる。
その途端、ちかげちゃんは急に眠ってしまい地面に倒れ込んだ。

「誰だ!?ってああ、ゴメンちかげちゃん!?」

ちかげちゃんに駆け寄り抱き起してみると、気持ち良さそうに寝息を立てていた。
その間にガサガサと茂みからはい出してくる女の子。
ゆきのとどっこいの小さな背丈の子だった。
その手にはいましがた発射したと思われる吹き矢が握られていた。

「・・・私の吹き矢・・・かわした・・・」

何かぼそぼそとつぶやきながら、じーっとこっちを見ている。
目が合った。にまぁっとあやしげに笑う少女。
背筋に悪寒が走った。
懐に手をつっこんで新しいものを取り出した。
それは先ほどの吹き矢を束ねたような形をしている。
あれはまるで・・・

「・・・連射・・・式?」

頬が引きつる。少女は期待のまなざしを向けながらそれを咥えた。
やばい、ゴメンちかげちゃん!!
俺は心の中で謝ると、ちかげちゃんをその場に残し逃走した。
後方で矢を次々と噴き出す音が聞こえる。

「だーーーーー!!何なんだ一体!?」

叫びながら走る、走る。
しばらく逃げているが後ろから気配が消えない。
恐る恐る走りながら振り返ると、さっきまで一人だった追手が数十人になっていた。

「なーんーでーだーーーーー!?」

気づけば今日出会ったりんやゆきのを含め、村で見かけた女の子たちが俺を追いかけていた。
くそ、意味がわからない。
混乱しながらも走っていると・・・

「ちょっと待ったーーー!!」

前方からすずが走ってきて跳躍。
俺を飛び越えて、女の子たちとの間に着地した。

「すず?」

「ぷー。」

僕もいるよといわんかのようにとんかつも鳴く。

「大丈夫?行人さん。」

「あ、ああ。」

すずは俺の無事を確認すると女の子たちに向きなおった。
腰に手をあてて、私怒ってます的なポーズをとる。

「もう!みんなして仕事さぼってなにやってんの!?
 行人さんは私が面倒見るようにってお婆に言われてるんだよ?」

すずはみんなに対してそう言ったが、一人の女の子が反論する。

「そったらこと言って、男を独り占めする気だべ!?」

「そーだ、そーだ!!」

「すずばっかするいさ!!」

それに合わせて周囲の子もすずに反論する。
すずばかりずるい、とぶーぶーぶーぶー大合唱だ。

「そ、そんなつもりないよぉ。」

さすがにすずも半泣きになっている。

「私らもすずみたいにでえととかいちゃいちゃとかしてみたいさね!」

「そーだ、そーだー!!」

「んなことしてねえよ!?」

「うにゃ、いちゃいちゃって何?」

さすがに女の子たちのその言葉には俺が反論する。
すずは言葉の意味がわかってないようだ。


「静まれえええええええええええええええええいいいいい!!!!」


収集がつかなくなったとき、背後から鼓膜を響かせる大声が聞こえた。
耳が痛い。耳を押えながら振り向くと婆さんがいた。

「婆さん!!」

「お婆!!」

「まったく、遅いと思ってきてみれば。
 どいつもこいつも盛りおってからに!!」

婆さんが娘たちを叱りつける。

「だって~、年頃なんですもの~。」

女の子たちはめそめそと泣いていた。
さすがに年長者に怒られるのは堪えたか?
その様子に婆さんはため息をつく。

「ふう、まぁ気持もわからんでもないがの。
 このままじゃ仕事に手がつかんじゃろー。」

そこで婆さんは俺を見て・・・

「お前さん、この中の娘から嫁を選びなさい。」

爆弾発言をした。

「はぁ!?なんじゃそら!?」

俺の驚きも無理はないと思う。
というか、この島で生活すると決めた翌日に嫁作るって、どんな急展開だ。

「この事態を丸く収めるためにも仕方ないじゃろう。」

「いやいやいや!?なんでそんなわけわからん極論になってんの!?」

「なんじゃ婿殿、不服か?」

「当たり前だろ、てか婿言うな!
 この島どこかおかしいんじゃないのか!?
 外の人間が物珍しいのはわかるけどさ?こんなに追いまわして?
 あげくいきなり嫁選んで結婚?ありえねえー!?」

「仕方ないじゃろ、この島にはおぬし以外男がおらんのじゃからな。」

「・・・・・・・は?・・・・・・」

・・・なんか、今、凄い発言を聞いたような・・・?
もしこれが漫画なら、俺の頭上にはカラスか鳩がゆっくり飛んでいるだろう。
まぁ、要するに呆然としてしまって、阿呆な顔をしているんだが。
もしかしてもしかしなくとも、男が俺以外いないって言った?
首をめぐらして俺を取り囲む娘たちを見る。
どの子もみんな獲物を狙うハンターの目をしていた。

「ふ・・・はは・・ふはは・・は・・・なあああんんんんじゃあああああそおおおおりゃああああああ!?」

俺の今の想いをのせた雄たけびが、島中にこだました。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ちかげに関する呼び方は、原作でもひとりさんづけだったので
ちかげちゃんにしました。

感想より
紅蜥蜴さん

 すいません。作者は雑誌よりコミック派、しかも五巻までしか持ってません。
 あとは、があるずがいどだけで・・・
 おいおい残りも集めるつもりですが、今わかっている時点での設定を元に
 書いています。
 矛盾した場合、都合の悪いキャラや設定を出さないか、大幅に変化させると思います。
 なにとぞご容赦ください。





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