身体の火照りも次第に冷えていき、私は床から立ち上がるとノロノロとベットに横になった。
さっきまでのお姉さまとの行為も遠い昔のように感じて、今は一人孤独感が広がっていく。
私は一緒にベットに持ち込んだペンギンの縫いぐるみを抱きしめた。
寂しい・・・
一人はイヤ・・・
たとえシンジに汚され、その腕に抱きしめられ嫌悪感に苛まれていても、一人でいるよりは良い。
「一人はイヤ・・・」
涙が一筋こぼれ、私は縫いぐるみを抱きしめたまま眠りに落ちた。
月曜日になり、学校に登校すると教室の中が騒がしかった。
「おはようございます・・・」
教室の中に入ると、アスカの机の周りに女子の固まりが出来ている。
「?」
自分の机に鞄をおいていると、その中の一人が黄色い声を上げた。
「いや~ん♪ユイちゃん可愛いぃ~」
「ええっ?!」
突然私の名前を言われ、慌ててアスカの机のに走る。
「な、何見て・・・えええっ?!」
女子達をかき分け、アスカの机の上にある物・・・ノートパソコンを見ると、そこに映っていた物は・・・
噴水の前で座っている私・・・フリフリのあの服で。
ナンパする少年達からカヲル君に助けられている私。
プリクラで肩を抱かれている私。
ダンスゲームで転びそうになっている私。
食事している私。
ペットショップの・・・ブティックの・・・
「な、な、な・・・」
「ああ~ユイ、可愛いわぁ~♪」
「そうよねえ~♪」
あまりのことに声が出ない私の前で、アスカと洞木さんがほふぅ・・・と頬を染めてため息をついた。
「ア、アスカさん・・・こ、これって・・・」
「ん~?昨日のユイ。可愛く撮れてるでしょ♪」
「そ、そういうことじゃなくて・・・」
するとアスカが突然拝むように片手を顔の前に立て、悪戯っぽく片目を閉じた。
「ユイ、ごめん!もう一度ユイの可愛い格好見たくってさぁ~♪」
どういう事?それって・・・
「え?・・・ええっ?!え~~~~~?!」
昨日の事、全部アスカが仕組んだことだったの?
待ち合わせ場所に来れなくなったのも、カヲル君が来たのも全部?!
「じゃ、じゃあ、昨日ずっと後をつけてたの?!」
「そっ、も~二人ともラブラブでアタシとヒカリのこと全然気がつかないんだから。おかげでいい絵が撮れたわ♪」
ラ、ラブラブって・・・顔が真っ赤になっていくのが解った。
「いいじゃん♪ユイも楽しかったでしょ?」
「そ、それは・・・も、もう知りませんっ!」
私は恥ずかしさにその場にいられなくなって、足早に自分の席に戻ると窓の方に顔を向けた。
「ああん、ユイちゃんすねちゃったぁ。」
「ねっ、こんど赤木さん家に遊びに行っても良い?」
女の子達の楽しそうな声が背後からかかってきた。
はふぅ・・・
思わずため息が出る。
でも・・・このクラスの人たちは私にとても優しい。女子も男子も私のことをいつも気遣ってくれているのがよくわかる。
姉さんといる家に続いてここは私にとって大切な場所だった。
そう・・・このクラスは・・・
「赤木さん。ちょっと良いかしら?」
昼休み、廊下を歩いていた私は背後から呼び止められた。
振り返ると知らない顔の女の子。ほかのクラスの娘らしい。
「私?」
「そう。ちょっと良い?」
「あ、はい・・・」
彼女に連れられ、私は校舎裏まで歩いていく。
「あ、あの・・・」
人気のない場所に来て不安になった私が声をかけると、彼女は振り返りこう言った。
「あなた、カヲル様のなんなの?!」
「えっ・・・?」
カヲル様?・・・この娘、なに言ってるの?私がカヲル君の・・・
「私昨日見たのよ。あなたとカヲル様がデートしてるところ。」
「あ・・・」
やっぱり目立つよね。あの格好に、綺麗なカヲル君とだもの。
「なに赤くなってるのよ。やっはりあなた・・・」
「あ、あの・・・アレは・・・」
「カヲル様はね、神聖な存在なの。おいそれと触れてはいけないのよ!それなのに・・・」
彼女の顔が醜くゆがむ。私は怖くなって数歩後ずさった。
「あんな気安く手をつないで・・・何様のつもりなの?!」
「わ、私は・・・」
私だって解ってる・・・私なんかカヲル君に近づく資格がないことを・・・汚れている私なんか・・・
「知ってる?カヲル様のことで抜け駆けする娘には罰があるの・・・」
「ば、罰・・・?」
恐怖が増し、また後ずさった私の背中に何かがぶつかった。
「えっ?」
振り返ると男の子が二人立っている。そのうち一人は知っている顔。以前、私に告白してきたサッカー部のエースって言ってた三年生の先輩だ。
もう一人は一年生らしいけど知らない顔・・・
「よお、ユイちゃん。」
「本物の、あ、赤木先輩だ~、ほ、ほんとにいいのかよ?」
もう一人の男子の言葉は私の前にいる娘に向けられた物だった。
彼女は薄ら笑いを浮かべると言い放った。
「時間がないんだからちゃっちゃとやっちゃって。大丈夫よ。大抵のことならパパがもみ消してくれるから。」
「な、何?なんなの?!きゃっ!」
怯える私に彼らはいきなり抱きついてきた。
「い、いや!むぐぅ?!」
悲鳴を上げると口を手でふさがれた。
「うわぁ・・・赤木先輩のおっぱいだぁ・・・」
もう一人の男子が私の胸を無遠慮に掴み揉んでいる。
「こいつ俺の舎弟なんだけどよ。ユイちゃんの大ファンなんだってさ。おーおー、嬉しそうに。」
先輩が少年を見ながらへらへら笑う。
「声、出すなよ・・・」
口をふさいでいた手を放されると、声を出す間もなくキスをされた。直ぐに舌が入り込み口内を嬲りだす。
「うぐ・・・むう・・・」
胸を揉んでいた手がセーラー服の中に潜り込み、たどたどしくブラのホックに手をかけ、外していく。
ブラが外れると、セーラー服ごとたくし上げられた。
「うわぁ・・・でっけえ~」
「おい、片方寄越せよ!」
一人は乳房を揉みくちゃに弄りだし、もう一人は吸い付いてきた。
「や、やあ・・・あ・・・止めて・・・んん・・・お願い・・・」
私が涙目で訴えると、それまで黙ってみていた女の子が鼻で笑った。
「ふん、なに言ってるの?そんなに乳首尖らして、やらしい・・・ほんとは嬉しいんでしょ?」
「そ、そんな・・・あふっ・・・やぁっ・・・ち、違う・・・」
怖い・・・それなのに、私の身体は直ぐに熱く火照りだしてきた。
「あ、ああっ・・・やんっ・・・んんっ・・・」
足がガクガクして立っているのがやっと・・・
「あんまり遊んでると、もうすぐ昼休み終わっちゃうわよ。」
「あ、ああ、そうだな。ユイちゃん、しゃぶってくれよ。」
「お、俺のも・・・」
少女の言葉に彼らはズボンのチャックを降ろして、肉棒を取り出した。
「そ、そんな・・・」
「早くしないと誰か来ちまうぜ。それでもいいのかよ?」
「う・・・」
観念した私は、その場に跪くと小さく口を開けた。
「早くしろよ!」
「うぐっ。」
頭を掴まれ、無理矢理口の中に肉棒をつっこまれた。
そのまま頭を前後に動かされる。
「うっ、うぐっ、ううっ、あふっ、じゅるっ、ぐうっ。」
「お、俺のも頼むよ・・・」
手を掴まれ、もう一人の肉棒を握らされる。なま暖かい感覚が伝わってきた。
無理矢理しゃぶらされながら私の舌は自然に動き始めていた。先輩の物の先っぽから出てくる液を舐め取り吸い上げる。手も前後に動かしながら、指が微妙に少年の物を刺激していく。
「う、上手いじゃねえか。」
「あ、赤木先輩、そ、それいい!」
二人が嬉しそうな声を上げる。それを見ていた少女が軽蔑した声で言った。
「ふんっ、やっぱり淫乱じゃないの。やらしっ、あなたなんかカヲル様に近づく資格なんてやっぱり無いわ!」
そう・・・私は、淫乱・・・こんないやらしい私なんて・・・
カヲル君・・・ご免なさい・・・やっぱり私なんか・・・
涙が頬を伝う。
そして太ももにも熱い物が滴っているのが確かに感じられた・・・
一瞬閃光が走った。
「だ、出すぞ!服にかけたくなかったら全部飲めよ!」
そう言うと先輩は腰を突き出し、私の喉の奥で熱い物を噴出した。
「ぐうっ、んくっ、んっ、んくっ・・・んんっ・・・」
吐き気を押さえながら必死でそれを飲み干す。
「んっ・・・ぷはっ・・・けほっ、けほけほっ!」
ようやく解放されて私が咳き込んでいると、もう一人の少年もうめいた。
「あ、赤木先輩、お、俺のも!」
そう言うと私の頭を掴んだ。私は口を大きく開ける。
「おうっ。」
「あ・・・ああ・・・」
開けた口の中に白い物が注ぎ込まれる。顔にも数滴降りかかり、ゆっくりとしたたり落ちた。
また閃光が数回光る。
「の、飲んで・・・」
彼は期待に満ちた目で私を見つめる。私は口を閉じ、粘り着くそれを嚥下した。
「す、凄っ、あ、あの赤木先輩が俺のを飲んでる!」
その濃い味、濃厚な臭いに私の頭は真っ白になり、一気に達してしまった。
身体がビクンビクンと痙攣する。
閃光が走る。何度も何度も・・・
見ると少女が小さなカメラをかまえていた。
「うわあ、赤木先輩やらしい顔だなあ。」
「ユイちゃん良かったぜ。またやろうな。」
いやらしい目で私を見下ろす二人。そして少女も・・・
「解ったでしょ、あなたなんてカヲル様に相応しくないのよ!今後、いっさいカヲル様に近づかないことね!近づいたら・・・この写真カヲル様に・・・いえ、学校中にばらまいてあげるから。」
蔑んだ目でそう言いはなった。
「う、ううっ・・・うっ・・・」
口元を押さえながら泣き崩れる私をその場に残し、3人はそこから立ち去っていった。
昼休みの終わりを示すチャイムが鳴り響いたが、私はその場を動かなかった。
私は結局教室には戻らず、保健室に入り気分が悪いと言ってベッドに潜り込んだ。
「赤木さん、大丈夫?ご家族の方呼びましょうか?」
保険の先生が心配そうに言った。全校集会とかでも時々貧血で運び込まれたりするので、先生とは顔見知りになっている。
「いえ・・・休んでいれば大丈夫です・・・」
「そう?我慢できなくなったら直ぐ言うのよ。」
「はい・・・」
先生は心配そうな顔でそう言うと、ベッドを仕切るカーテンを閉じた。
一人になった私は白い天井を見つめる。
涙がまたこぼれた。
これも罰なんだ・・・
大罪人の私がカヲル君とデートとなんかするから・・・
あんな幸せを私は感じてはいけない。
だから・・・これでいいんだ・・・
「ユイ!大丈夫?!」
「赤木さん、どうしたの?!」
午後の授業が終わったらしく、アスカと洞木さんが保健室に駆け込んできた。
いつの間にか私は微睡んでいたらしい。
「あ、・・・アスカさん・・・洞木さん・・・」
「あ・・・じゃ無いわよ!もお~ビックリするじゃない、授業始まっても戻ってこないんだから!」
「赤木さん、大丈夫?まだ気分悪い?」
二人とも本当に心配してくれたらしい。
「ご、ご免なさい・・・も、もう、大丈夫だから・・・」
「ほんとに?」
「無理してない?」
「う、うん・・・大丈夫・・・」
私は起きあがりベッドからおりる。
ふと襟元に白みがかった小さな染みが付いているのを見つけた。
ああ・・・あの少年のがかかってたんだ・・・
じっとそれを見つめる私に二人が不安げに聞いてた。
「赤木さん?」
「ユイ、どうしたの。なにかあったの?」
「え・・・いえ、なんでもないの・・・」
「ほんとに?まだ気分悪いんじゃないの?」
「ううん、大丈夫だから・・・」
心配そうに私の額に手を当てる洞木さん。
そして・・・アスカはじっと私を見つめていた。
「ユイ・・・またあの目をしていた・・・・・・ママ・・・」
ぼそりと呟いたアスカの言葉・・・どういう意味なんだろう・・・
その日の晩、何処で知ったのか私の携帯に先輩からメールが届いた。
その内容を見た私の携帯を持つ手が震える。
『明日の朝、早めに来なよ。来なかったらわかってるよね。』
私の罪はまだ終わらない・・・