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No.2240の一覧
[0] 闇と罪と本の旅人 第2部[ふぁいず](2005/05/20 21:54)
[1] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 16[ふぁいず](2004/03/10 23:49)
[2] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 16[ふぁいず](2004/03/10 23:53)
[3] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 16[ふぁいず](2004/03/10 23:56)
[4] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 17[ふぁいず](2004/03/13 00:05)
[5] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 17[ふぁいず](2004/03/13 00:10)
[6] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 17[ふぁいず](2004/03/13 00:12)
[7] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 18[ふぁいず](2004/03/15 20:39)
[8] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 18[ふぁいず](2004/03/15 20:42)
[9] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 18[ふぁいず](2004/03/16 17:52)
[10] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 19[ふぁいず](2004/03/17 21:32)
[11] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 19[ふぁいず](2004/03/17 21:35)
[12] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 19[ふぁいず](2004/03/17 21:37)
[13] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 20[ふぁいず](2004/03/19 22:07)
[14] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 20[ふぁいず](2004/03/19 22:10)
[15] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 20[ふぁいず](2004/03/19 22:13)
[16] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 21[ふぁいず](2004/03/21 21:53)
[17] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 21[ふぁいず](2004/03/21 21:56)
[18] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 21[ふぁいず](2004/03/21 21:59)
[19] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 22[ふぁいず](2004/03/23 23:58)
[20] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 22[ふぁいず](2004/03/24 00:03)
[21] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 22[ふぁいず](2004/03/24 00:06)
[22] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 23[ふぁいず](2004/03/28 20:52)
[23] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 23[ふぁいず](2004/03/28 20:55)
[24] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 23[ふぁいず](2004/03/28 20:57)
[25] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 24[ふぁいず](2004/03/31 21:00)
[26] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 24[ふぁいず](2004/03/31 21:04)
[27] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 24[ふぁいず](2004/03/31 21:06)
[28] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 25[ふぁいず](2004/04/04 21:45)
[29] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 25[ふぁいず](2004/04/04 21:48)
[30] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 25[ふぁいず](2004/04/04 21:50)
[31] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 26[ふぁいず](2004/04/09 00:06)
[32] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 26[ふぁいず](2004/04/09 00:10)
[33] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 26[ふぁいず](2004/04/09 00:17)
[34] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 27[ふぁいず](2004/04/12 21:11)
[35] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 27[ふぁいず](2004/04/12 21:21)
[36] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 27[ふぁいず](2004/04/12 21:29)
[37] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 28[ふぁいず](2004/04/15 23:06)
[38] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 28[ふぁいず](2004/04/15 23:12)
[39] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 28[ふぁいず](2004/04/15 23:18)
[40] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 29[ふぁいず](2004/04/21 23:52)
[41] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 29[ふぁいず](2004/04/21 23:57)
[42] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 29[ふぁいず](2004/04/21 23:59)
[43] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 30[ふぁいず](2004/05/03 01:48)
[44] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 30[ふぁいず](2004/05/03 01:51)
[45] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 30[ふぁいず](2004/05/03 01:56)
[46] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 31[ふぁいず](2004/05/09 20:43)
[47] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 31[ふぁいず](2004/05/09 20:45)
[48] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 31[ふぁいず](2004/05/09 20:48)
[49] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 32[ふぁいず](2004/05/13 20:55)
[50] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 32[ふぁいず](2004/05/13 21:02)
[51] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 32[ふぁいず](2004/05/13 21:04)
[52] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 33[ふぁいず](2004/05/21 00:06)
[53] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 33[ふぁいず](2004/05/21 00:09)
[54] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 33[ふぁいず](2004/05/21 00:13)
[55] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 34[ふぁいず](2004/05/27 20:42)
[56] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 34[ふぁいず](2004/05/31 02:05)
[57] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 34[ふぁいず](2004/05/30 22:04)
[58] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 35[ふぁいず](2004/06/05 00:29)
[59] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 35[ふぁいず](2004/06/05 00:34)
[60] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 35[ふぁいず](2004/06/05 00:38)
[61] ここまでの人物紹介[ふぁいず](2004/06/11 21:44)
[62] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 36[ふぁいず](2004/06/10 21:15)
[63] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 36[ふぁいず](2004/06/19 00:09)
[64] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 36[ふぁいず](2004/06/19 00:13)
[65] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 37[ふぁいず](2004/06/19 00:16)
[66] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 37[ふぁいず](2004/06/19 00:22)
[67] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 37[ふぁいず](2004/06/19 00:28)
[68] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 38[ふぁいず](2004/06/25 22:26)
[69] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 38[ふぁいず](2004/06/25 22:31)
[70] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 38[ふぁいず](2004/06/25 22:36)
[71] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 39[ふぁいず](2004/07/03 21:23)
[72] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 39[ふぁいず](2004/07/03 21:26)
[73] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 39[ふぁいず](2004/07/03 21:33)
[74] Re:闇と罪と本の旅人 第2部 40[ふぁいず](2004/07/09 23:31)
[75] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 40[ふぁいず](2004/07/09 23:57)
[76] Re[3]:闇と罪と本の旅人 第2部 40[ふぁいず](2004/07/09 23:38)
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[2240] Re[2]:闇と罪と本の旅人 第2部 28
Name: ふぁいず 前を表示する / 次を表示する
Date: 2004/04/15 23:12
あれから数日たったが、シンジの行方は以前解らない。
加持さん達が探しているらしいが、部外者の私には詳細など伝えられるわけもなかった。


ポーン
「2-Aの鈴原君、至急校長室まで来てください。」
校内放送が響き、トウジが怪訝な顔をして立ち上がる。
「鈴原、何かやったの?」
「なんやろ・・・心当たりないなぁ・・・」
洞木さんが声をかけるがトウジは首をかしげていた。


参号機が来るんだ・・・
トウジ、どうするんだろ・・・
もし、トウジがチルドレンを受けたら、私にはもうどうすることも出来ない・・・


放課後、トウジは教室に帰ってきた。なんだか不機嫌そうな顔をしている。
「よお、トウジ、なんだったんだよ。」
「なんでもあらへん・・・たいしたことやなかったわ。」
クラスの男子が声をかけたがぶっきらぼうに答えるだけだった。
次の日になってもトウジは普通に学校に来て悩んでいる様子もない。
きっと断ったんだ・・・よかった・・・





「あ、赤木さん、ぼ、ぼ、僕とつきあってください!」
「ごめんなさい・・・私、そんな気には・・・」
シンジが来なくなって、学校内に私とシンジが別れたという噂が広まっているらしい。
今日も屋上に呼び出されて告白された。これで五人目・・・


断られうなだれて帰っていく男の子の背中を見ながら、申し訳ない気分が広がる。
でも、私なんかと・・・


「ん~、今の子はちょっと可愛そうだったかな~」
入れ違いに昇降口から出てくるアスカ。
野次馬っぽくついてくるけど、実のところ私を守ろうとしてくれているみたいだった。


実際、昨日告白してきた3年生は、私が断ると途端に怒り出した。
『お高くとまってるんじゃねえよっ!』
その直後、飛び出してきたアスカに蹴り飛ばされて退散してしまったが・・・


「これで可愛い系はダメか・・・今までの体育会系二人ととガリ勉系とナンパ系もペケ。て、ことは・・・」
「?」
「ユイの好みって、イケメン系?美形が好きなの?」
「はあ、なんでそうなるの。」
私は男の人と付き合う気がないだけ。




「それとも女の子が好き?ああ、だめよユイ!アタシはノーマルなの、ごめんなさい。みんなぁこのアタシのぉ美しさがぁぁ罪なのねぇ~♪」
セリフの後半がミュージカル風になってる・・・
「はぁ・・・違います。」
「じゃあ、どんなのならいいのよぉ~?」
「別に好みなんて無いから・・・それに・・・」
「それに?」
「・・・なんでもないの。」
私なんかとつきあったって、きっと良いことなんか無い。


それに・・・私なんてまた捨てられるに決まってる・・・それが怖い・・・






その日、夕食を終えた姉さんがじっと私を見ていた。
「・・・」
「?・・・何?姉さん。私の顔に何かついてる?」
「え・・・いえ、なんでもないわ。」
そう言うと何か考え込むように黙ってしまった。
何を悩んでいるんだろ。


姉さんはあまり仕事の話はしてくれない。
機密に関わる仕事に就いているのだから当たり前なのだろうけど、一人で悩んでいるのを見るのは辛い。
自分の無力さが情けなかった。





数日後、学校に行くと洞木さんがまだ来ていなかった。
「おはようアスカさん。」
「あ、ああ、ユイ、おはよう。」
「洞木さんがいないなんて珍しいね。」
「そ、そうね・・・」
「風邪でもひいたかしら・・・大丈夫かな。」
「だ、大丈夫よ、きっと。」
なんだかアスカの歯切れが悪い。


HRが始まっても結局洞木さんは来なかった。
そう言えばカヲル君も来ていない。彼はなんだか前からよく休んでどこかに行ってる見たいなんだけど・・・




「赤木はん、ちょっとええか?」
「えっ・・・あ、はい。」
昼休み、私はトウジに呼び出されて屋上に来ていた。
「なんでなんや・・・」
「えっ?」
訳がわからず聞き返す。
「なんで委員長がロボットに乗らなあかんのや?!」
「ええっ?!」
私は耳を疑った。
どういうこと?なぜ洞木さんが?
気がつけば私はトウジのジャージを掴んでいた。


「ど、どういうこと?ほ、洞木さんがエヴァに乗るって・・・う、嘘でしょ!」
「な、なんや・・・知らんかったんか?」
私の剣幕にトウジの方が動揺している。
「こんまえ、赤木はんの姉はんが学校に来てパイロットにならんかって言ったんや。でもな、ワシは妹を怪我させたロボットなんぞ関わりとうないって言ったら諦めて帰ったんやけど。」
それで良かった。私の考えていたとおりになった。
「でも、昨日委員長から電話があったんや。ロボットのパイロットになることを了解したってな。」
「そ、そんな・・・」


そこまで考えてなかった。
トウジが乗らなかったら代わりに誰が乗るかなんて・・・
トウジが乗らなくなればあの悲惨な事は起きない。そう思っていた。


参号機を遊ばせておくわけ無いのに。
私は目の前が暗くなった。


「あ、赤木はん!大丈夫か?!し、しっかりせい!」
気がつけばトウジの胸に倒れ込んでいた。
「あ、あかん・・・ワ、ワシ、いらんこと言ったんやろか・・・赤木はんは教えてもらってなかったってことは・・・」
トウジが頭を掻きながら困った顔をしている。
その時、昇降口の扉が開いた。


「そうよ。この馬鹿!よけいなことユイに言ってくれたわね。」
「アスカさん・・・」
アスカは知っていたの?
「赤木さんには心配かけたくなかったのに・・・」
綾波まで・・・


「どうして・・・どうして洞木さんなの?!どうして!」
私はアスカに詰め寄った。
「洞木さんが戦えるわけないじゃない。アスカさんだって解ってるでしょ!どうして!」
「私だって何度も説得したわよ!でもヒカリも強情で・・・私達ばかりに戦わせる訳にはいかないって。勝手に話を進めちゃったのよ。」
「そんな・・・」


脳裏に、ぐしゃぐしゃになったプラグから引き出される片足のないトウジの姿が思い浮かんだ。


あの参号機には・・・ダメ!乗っちゃダメ!
もう私の正体がばれても良い!


「アスカさん!あの、」
ピリリリリリリリリッ
私が言いかけると同時にアスカと綾波の携帯が鳴り響いた。
「はいっ・・・爆発?!松代で?わかった。すぐ行くわ!」
「ごめんねユイ、話はまた後で!行くわよレイ!」
「了解。」
そう言うとアスカ達は走って行ってしまった




松代で爆発?
それって・・・
今日、起動実験やってたんだ!
数日前、姉さんが悩んでた事ってきっとこのことだったんだ。


「死んじゃう・・・洞木さんが死んじゃう・・・やだ・・・やだぁ・・・」
「あ、赤木はん?!だ、大丈夫や。惣流達がいるんやから。だから大丈夫やって!」


私はどうして良いか何も思いつかず、ただその場に膝をついて泣きじゃくるだけだった。
「ワ、ワシ、ど、どないしたらいいんや・・・」
トウジの途方に暮れた声が、避難警報にかき消された。





「赤木はん、こっちや!早よ!」
私はトウジに手を引かれシェルターに向かって走っていた。
参号機には使徒が・・・でもアスカも綾波も攻撃なんて出来るわけ無い。
だから“父さん”はダミープラグを使うだろう。


そうなったら洞木さんは・・・




いやだ!そんなの絶対に・・・


私をいつも気にしてくれる洞木さん。
大切な大切な友達。
失いたくない!




「赤木はん?」
私はトウジの手をふりほどいて立ち止まった。
「どうしたんや、赤木はん。はよ逃げんと!」
「だめ!」
「は?!」
「絶対ダメ!」
私は走り出した。


「赤木はん!どこ行くんや!戻るんや!」
「だめ!洞木さんの所に行かないと!絶対に行かないと!」
トウジの制止の声も聞かず私は走り続けた。
私が行ってどうなるわけでもない。
でもシェルターの中で待っていることなんて出来なかった。
トウジの声もいつしか聞こえなくなっている。


「はあ、はあ・・・はぁ・・・くぅ・・・」
10分も走らないうちに私はその場に座り込んでしまった。
息が切れて、膝ががくがく笑っている。
体力の無い自分が情けない。


「う・・うぅ・・・洞木さん・・・洞木さぁん・・・」
止めどもなく涙があふれてくる。
私は無力だ。洞木さんを助けることも、そばに行くこともできない。


ブオン!!
突然、エンジン音が響いた。
「赤木はん、乗りぃ!」
「ト・・・鈴原君!?」
顔を上げればトウジがバイクに乗って隣にいた。
「そ、それ・・・」
「ワシ、これでも不良なんやで。」
盗んできたの?!
照れくさそうに笑うトウジ。
「委員長の所に行きたいんやろ。早よ乗り!」
「う、うん。」
後ろに座りトウジの腰にしがみつく。
「うほっ!む、胸が・・・い、いや、ど、どこに行けばいいんや?」
「え、あの、強羅の方に・・・」
「わかった!」
ブオンッブオオオオオン!
バイクはうなりを上げて走り出した。





「こらぁ!止まりなさい!行っちゃあいかん!!死ぬぞお!!」
ピピー
検問をいくつも突破し、バイクは走り続ける。
そのたびに警官の怒号と笛の音が響いた。




やがて青い山のような物が見えてきた。
「赤木はん、あれって・・・」
「そんな・・・」
それは山ではなかった。
片腕のない零号機が倒れ伏している。
「綾波さん・・・」
「だ、大丈夫や。きっ、きっと・・・」
バイクは零号機のそばを走り抜けた。


「かぁっ、走りにくぅ!」
やがて道路がえぐり取られたようにでこぼこになってきた。
もう此処は戦場なんだ。


その時、
「な、なんやこれ?!」
「えっ、なに・・・ひっ!」
突然バイクが止まり、トウジの驚いた声に前方をのぞき込んだ私は悲鳴を上げそうになった。
「ち、血の川や・・・」
目の前を流れる川。でもそれは水ではなくどす黒い血の色をしている。
「じゃあ、この上で・・・」
戦いが・・・
この血は誰の物?
弐号機?それとも参号機?
どっちを想像しても最悪の答えしか浮かんでこない。


ズシン・・・
大地が震えた。
「な、なんや・・・」
ズシン、ズシン・・・
何かが近づいてくる。
もしかして使徒?
アスカもやられてしまったの?
恐怖に身体が震えて、思わず私はトウジにしがみついていた。
「うひょおっ?!」
トウジもなんだか変な悲鳴を上げていた。


「あ、あれは・・・」
トウジが震えた声を上げる。
その時、目の前にある小高い丘の向こうから巨大な影が現れた。
夕日を背にして真っ黒にしか見えない。


ズシン、ズズ・・・、ズシン、ズズズ・・・
その影は何か重い物を引きずる音を立てながら近づいてくる。
やがてそれは私達の目の前を通り過ぎていった。


赤い、血のように赤い機体。
それはアスカの弐号機。そして、弐号機が引きずっている物は・・・


真っ黒な固まり。
手も足もちぎれ飛んでいる。
頭もつぶれて原型がない。
そして・・・エントリーフラグがあるべきハズの後頭部は・・・爆ぜたように大穴が開いていた。


私はよろけるようにバイクから降りた。


「赤いの惣流のロボットなんやな。それじゃ・・・」


「うそ・・・」


「あれ・・・もしかして委員長が乗ってたロボットなんか・・・」


「うそ・・・」


「だ、大丈夫やろか・・・大丈夫やろな・・・な、赤木はん・・・」


「やだ・・・」


「赤木はん、何とか言ってくれ・・・たのむ・・・」


『そこの二人!その場を動くんじゃない!』
突然背後に車が急停止し、黒服の人たちがぞろぞろと降りてきた。
トウジが拘束され、私も手を掴まれる。


「んっ?君は・・・赤木博士の妹さんじゃないか。」
見たことがある顔の黒服の人が話しかけてきた。
「なんでこんな所に・・・どうした?大丈夫かね?」


私は頭を抱えた。
髪をかき乱すように爪を立てる。


「いや・・・いや・・・」
「君っ、どうした?!落ち着くんだ!」


「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


私は気を失いその場に倒れた。


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