私が退院してから一週間が経った。
でも、シンジは一向に学校には姿をあらわさない。
たまにネルフへ姉さんの着替えを届けに行っても会えなかった。
姉さんやミサトさんに聞いても、そのたびにはぐらかされて答えてもらえない。
綾波は「知らない」の一点張りだし、アスカは聞いたりすれば、
「ユイはあんなヤツのこと気にすること無いのよ!」
と怒られてしまう。
皆、私になにか隠している?
シンジ・・・どこにいるの?
そこまで私を拒絶しているの・・・顔も見せたくないくらいに・・・
シンジがいないと私の贖罪が進まない。
こうなったら街に出て、シンジ以外の男の人に声かけて身を任せてしまえと思ったけど・・・
いざとなると怖くて何も出来ない。
結局、私も“僕”以外の人間が怖いんだ・・・
それに・・・シンジがいなくなって以来、身体が疼いてたまらない・・・
シンジに弄ばれ、抱かれつづけたこの身体は常に快楽を求めてきている・・・
いやらしい・・・
もう私の身体は快楽無しじゃ我慢できない・・・
時々、授業中でも無意識に手が胸や股間を弄ろうと動くことがある。
人に見られたら・・・必死にそれを抑えるが、その羞恥心で下着が濡れてしまう。
その度、休み時間にトイレで自分を慰めていた。
私は本当に・・・淫乱だ・・・
姉さんの洗濯物の入った袋を抱えながらネルフの廊下をとぼとぼと歩いていると、気がつけば知らない場所だった。
「ここ、何処?」
迷った・・・情けない・・・
もときた道を戻ろう・・・って、考え事してたからどの角曲がってきたのかわからないよ・・・
「うぅ・・・」
困った・・・こういうときに限って誰も通らないし・・・
途方に暮れていると突然真横の壁が開いた。壁かと思ってたら扉だったんだ。
「おおっと!」
「きゃあっ?!」
いきなり人が出てきたので私は悲鳴を上げてその場に転んでしまった。
洗濯物が袋から飛び出て床一面に広がる。
「ああぅ・・・」
泣きたい気分で洗濯物を拾う。すると扉から出てきた人物が話し掛けてきた。
「ユイちゃんじゃないか。」
「え、・・・加持・・・さん?」
無精ひげのその人物は加持さんだった。そう言えば船の上で会ってそれっきりだったような・・・
「手伝うよ・・・おっ、派手な下着だなぁ~♪」
「だっ、だめぇっ!!!」
紫のレースの下着(姉さんの着替え)を広げている加持さんから慌ててそれを取り返した。
「どうしたんだい、こんなところで。」
どうやら私は加持さんの執務室の前でウロウロしていたらしい。
「あ・・あの・・・」
「うん?」
「こ、ここ、どこでしょう?」
「はっ?・・・迷子だったのかい。」
はあ~とため息を吐かれた。うう、恥ずかしい・・・
道を教えてもらい、部屋を出る。
そうだ、加持さんなら・・・
「あの、・・・」
「ん?なんだい。」
「シンジ君・・・どうなったか知りませんか?」
「ああ、まだ捜索中だよ。なかなか面倒があってね。」
「そ、捜索中って・・・ど、どういう事ですか?!」
「知らなかったのかい?!」
あっちゃぁ~と加持さんは頭を抱えた。
「加持君・・・」
技術部にある姉さんの部屋で、加持さんは姉さんに睨まれていた。
「す、すまん。まさかユイちゃんに秘密にしていたとは知らなかったんで・・・」
「プロにあるまじき失態ね・・・」
「いや、本当に面目ない・・・」
蛇に睨まれた蛙。そんな感じの加持さんだった。
「姉さん、どういう事?シンジ君が失踪って・・・」
ため息をついて姉さんは話し始めた。
「あなたが倒れた日にね。シンジ君が突然いなくなったのよ。護衛についていた保安部の目をくらましてね。」
「それって・・・」
家出?
でも、子供一人でネルフから逃げ切れるわけ・・・
「ただの家出ではないわね。かといって、誘拐の線も考えづらい。痕跡が無さ過ぎるもの。」
「それじゃあ・・・どうして・・・」
「何者かの手引きでシンジ君自ら逃亡したっていうのが一番有力なのよ・・・」
逃亡?手引き?解らない・・・どういう事?
「どうして・・・」
ネルフから逃げたの?・・・それとも、私から・・・そこまで私を拒絶・・・
そう考えると目の前が真っ暗になった。
「ユイちゃん!」
加持さんの声に気がつくと倒れそうになっていたらしい。肩を支えられていた。
「だからユイには言いたくなかったのよ・・・」
姉さんが疲れた声で言った。
「私が・・・私が悪いの?・・・」
ソファに座らされた私は頭を抱えた。
「どういうことだい?」
「やっぱりあなた達なにかあったの?シンジ君の護衛についていた保安部員の報告で、あなた達が言い争っていたことはわかっているの。なにがあったの?」
「シンジ君・・・私のこと嫌いだって・・・好きだって言わない私は、もう要らないって・・・」
それより先は言えない。
姉さんに私とシンジの関係を知られたら嫌われてしまう。きっと軽蔑される・・・
「よくある痴話喧嘩だけど、好きって言ってくれないから要らないってのもシンジ君極端だなぁ。」
「そうね、それにそれだけでネルフからも逃走っていうのも、ね。」
「手引きした者の存在もあるしな・・・」
加持さんは無精ひげをぽりぽり掻きながら私を見つめた。
「ユイちゃん、霧島マナって娘をしっているかい?」
「霧島さん・・・?同じクラスでしたけど・・・」
「彼女がシンジ君に接触した最後の人間なんだ。しかも、現在彼女も消息不明ときている。」
「え・・・」
「まだ詳しくは言えないが、彼女もシンジ君失踪に一枚かんでるんじゃないかって疑いがあるんだ。」
「そんな・・・」
霧島さんが?どうして?
シンジをどうして連れて行ったの?
>『マナは僕のこと好きだって言ってくれたんだ。』
別れ際のシンジの言葉がよみがえる。
やっぱり私を捨てて、霧島さんと・・・
「霧島さんとシンジ君が一緒に・・・」
本当に私は捨てられた・・・
やっぱり私は要らない人間なんだ・・・だって、“僕”自身にも要らないって言われたんだから・・・
姉さんと加持さんがそれから何か言っていたけど、私は何も耳に入らなかった・・・
荷物を抱え地上に繋がるモノレールの駅に入ると、ホームにはかなりの人が電車待ちをしていた。
どうやら帰宅時間にぶつかっちゃったみたい。
モノレールが到着して乗るとやっぱり座れない。
みんな疲れた顔してるな・・・大変なんだ・・・
私は車両の角のスペースの壁に寄りかかった。
窓の外でピラミッド型のネルフ本部が小さくなっていく。
私はそれをじっと見ていた。
シンジはもうここにはいない・・・この町にもいない・・・
私を捨てて、霧島さんと出て行ってしまった。
捨てられた私はどうしたらいいの・・・
見捨てられた私は・・・
シンジが私を汚してくれない。
私を抱いてくれない。虐めてくれない・・・
私の唇を、胸を、足を、あそこを・・・
「ん・・・はぁ・・・」
体が熱く疼いてきた。
だめ・・・こんなところで。
それに、これじゃ私がシンジに抱かれることを、ただ快楽を望んでいるみたいじゃないの。
違う。
私は贖罪を、罪を償いたいから・・・
“僕”に触れられるのはおぞましいことなんだから・・・
“僕”の精液が私にかけられ、注がれることで、私は死にたいほどの屈辱を感じているのだから・・・
なのに・・・どうしてこのことを考えていると下着が湿っていくの。
列車は地上線と合流する駅に到着し混雑はますます酷くなった。
一般の人たちが次々と乗り込み私は壁に押し付けられる。
く、苦しい・・・
荷物がどこかに行かないように胸に抱えて必死に耐えていると、お尻のあたりで何かが動いた。
鞄か何かがぶつかっているのかと気にしないでいたけど・・・
お尻に触れたり離れたりしていたそれは、段々お尻を撫でるような動きに変わっていった。
こ、これって・・・
私がおかしいと感じたときには、お尻を掴まれていた。
ち、痴漢だ・・・
混雑の為身体が動かせない。首だけ後ろを向けても、サラリーマン風の人たちがうつむいて立っていて誰だかわからなかった。
ど、どうしよう・・・
動揺する私のお尻を、痴漢は全体を撫でまわしたり、柔らかさを楽しむように揉んだりと好き放題触っている。
やがてスカートをめくり上げ、ショーツをじかに触ってきた。
「ひっ・・・」
ごつごつと節くれだった指の感触がおぞましく、鳥肌が立ちそうになる。
指が私のお尻の割れ目をなぞるように上下に動く。
やだ・・・
やめて・・・
声を出したいのに、怖くて口が動かない。
それに、今の私の身体を触られたら・・・
痴漢はお尻の横からショーツの中に手を入れ、直接なで回す。
そして、ショーツのお尻の部分を紐のようにされ、お尻に食い込まされた。
ショーツを軽く上に引っ張られると、お尻に・・・そして股間にショーツが食い込んでいく。
「く・・・ん・・・ん・・・」
ショーツが食い込み、すれるたびに背筋から頭にかけて電気が走る。声が出そうになるのを必死に堪えた。
「あ・・・」
熱い物が私の中から漏れだし、ショーツの中に広がっていった。
私、感じてる・・・知らない人に触られて。
痴漢の手がショーツの前の方に回った。
やめてっ・・・そこは・・・濡れてるのが知られちゃう・・・
クチュ・・・
「んっ・・・」
驚いたように痴漢の手が一瞬止まり、その後調子づいたように私の割れ目を擦り始めた。
「ふっ・・・ん・・・んん・・・ん・・・」
声が出ちゃう・・・
その時、耳元にヤニ臭い息がかかった。
「お嬢ちゃん・・・濡れてるじゃん・・・やらしいなぁ・・・」
「あ・・・」
小声でそう言われると私の顔が一気に熱くなる。
ショーツの横に手をかけられ、ゆっくりとズリ降ろされる。
ショーツは股間のすぐ下で丸まって紐のようになってしまった。
私、電車の中でスカートをめくられ、下半身をむき出しにしている・・・
こんな所を誰かに見られたら・・・
股間に伸びた手の指が伸び、割れ目の中に潜る。
「んっんん・・・」
私の中に指が入ってきた。
ゆっくりとかき回すように私の中を動き回る。
「あ、はぁ・・・は、はぁ・・・はぁぁ・・・」
声が・・・息が荒くなって押さえきれない。
周りにばれちゃう。こんな私を見られちゃう・・・・
やだ、こんなの・・・やだ・・・
涙があふれてきた。
別の手が伸びてきて、お尻をなで回し始めた。それとはまた別の手が太ももを触ってくる。
そんなっ、一人じゃない?!
新しい手がセーラー服の裾から中に入ってきた。
背中をなでられ電気がはしる。そして、ブラのホックを手早くはずされた。
「や、やだ・・・」
「声を出すなよ・・・こんな姿周りに見られたくないだろ・・・」
痴漢に囁かれ、抵抗も出来ない。
セーラー服の中で痴漢の手は前に回り、浮いたブラの中に手を入れてきた。
すでに固く尖っていた乳首をつままれ、こねられる。
「ん・・・ふ・・・ん・・・んん・・・」
「びんびんじゃんかよ・・・こうされること望んでたんじゃないのか?」
痴漢の私をあざ笑う声に、私は口元を抑えながら必死に首を横に振る。
「ひっ・・・ん・・・んんっ・・・ん・・・はぁ・・・んっ・・・あはぁ・・・」
私の中の指が動きを速くする。胸も鷲掴みにされもみくちゃにされた。
お尻の穴にまで指が入ってきた。
「ふっ・・・はっ・・・あふっ・・・ん・・・んんっ・・・んっ・・・はあっ・・・」
割れ目に入った指と、お尻に入った指が薄い肉を挟んでこすれあう。
私は声を出してはいけないということ以外、自分がどこにいるのか何をされているのか何も解らなくなってしまった。
だめ、ダメ・・・だめっ・・・
「んんんんんんんっ!」
頭の中が真っ白になり、身体が硬直する。
何度も快感の波が押し寄せ、次第に引いてくると身体から力が抜けた。
「は・・・あ・・・あ・・・はぁ・・・」
足がガクガクして立っていられない。
壁に手をつき倒れそうな身体を支えていると、痴漢の手がまたスカートをめくった。
そして手を掴まれると、なにか固く熱い物を握らされた。
しばらくすると熱い物がお尻にふりかかり、その後ショーツを元に戻された。
グチュ・・・
ショーツの中で自分の物とは違う何かがしめった音を立てた・・・
列車が止まると痴漢達は他の乗客と共に去っていった。
私もよろけながら列車を降りる。
歩くたびにショーツの中でゼリーのような物がグチュグチュと音を立てていた。
トイレに入り、ショーツを降ろすと白い物が糸を引いて垂れている。
精液をかけられたんだ・・・
スカートにも何本か黒いシミが付いていた。
私、電車の中で複数の人に弄ばれたんだ・・・
他の人にも見られていたかもしれない・・・
濡らしたハンカチでスカートを拭いていると、また涙がこぼれてきた。
泣くことは無い・・・
だって、あの人たちは私に罰を与えてくれただけ・・・
ここにいないシンジの変わりに贖罪を手伝ってくれただけ・・・
「う・・・うう・・・」
だから・・・泣かなくていい・・・