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No.17927の一覧
[0] 幼馴染は女王様(オリジナル)[無屁吉](2010/04/24 20:54)
[1] 幼女2[無屁吉](2010/04/24 20:55)
[2] 幼女3[無屁吉](2010/04/24 20:55)
[3] 幼女4[無屁吉](2010/05/12 21:19)
[4] 幼女5[無屁吉](2010/05/30 22:40)
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[17927] 幼女2
Name: 無屁吉◆ab65b77c ID:01b3c9db 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/04/24 20:55
 2.

 僕と姫ちゃんはベッドの上で正座し向かい合っていた。姫ちゃんの顔はかわいそうなくらい真っ赤になっている。僕も同じだろう、顔がひどく熱かった。これから何をすればいいのか、それはさっき二人で見たエロいDVDでわかっている。だが、互いに最初の一歩が踏み出せないでいた。そのまま三十分ほどがただ過ぎた。
「こ、こういうときっ!」
 姫ちゃんの突然の大声に僕は思わず身をすくめる。
「……こういうとき、男の子の方からなにかするものじゃない?」
「う、うん」
 その言葉に僕はようやく呪縛を解かれ、恐る恐る姫ちゃんのおっぱいに手を伸ばしていた。ちょん、と指先がほんのり膨らんだそこに触れる。姫ちゃんが身体を強張らせ、そして僕をにらんだ。
「普通、最初はキスからだと思うの」
「ご、ごめん」
 慌てて手を引っ込めると、僕は頭を下げた。
「いいよ、ん」
 姫ちゃんが目を閉じ唇を突き出した。僕も目を閉じると、姫ちゃんの頬に手を添え、ちゅっと口づけした。目を開ける。姫ちゃんはほんのり頬っぺたを赤くしてはにかんだ。
「いいよ」
 さっきと同じ言葉。だけど意味は違った。これは許可だ。僕は改めて、姫ちゃんのおっぱいに触れた。小さいときに触ったお母さんのとは比べものにならないくらい薄っぺらい胸だけど、触り心地は姫ちゃんの方がよかった。きっと好きな女の子のだからなんだと思う。
「ど、どう? まだ小さいから、そんなに気持ちよくないかも」
「ううん、ずっとさわっていたいくらい」
「そ、そう?」
 さわさわと僕が手を動かすと姫ちゃんがくすぐったそうに身体をよじった。
「やん、変な風に動かさないで」
「ご、ごめん」
 手を止め、そのままじってする。とくん、とくんと姫ちゃんの心臓の音が聞こえてきた。本当にこのままでもいいと思うほど、僕は姫ちゃんの感触に参っていた。だというのに姫ちゃんはさらに僕の心を掻き乱す。
「……直接触ってみる?」
「い……いいの?」
「ショウくんだから、いいよ」
 僕の手は震えていた。鼻息も自覚できるほど荒い。姫ちゃんはきつく目を閉じ、僕を待っている。
「服、めくるよ」
 返事は待たなかった。宣言通り姫ちゃんのトレーナーとシャツの裾を一緒にめくった。薄い膨らみと、そのてっぺんでピンクに色づいた豆粒のような乳首があらわになった。本やDVDで見た大人のものとは違う姫ちゃんのおっぱいに、僕の興奮は最高潮に達した。
「姫ちゃん!」
 僕は姫ちゃんをベッドに押し倒すと、可愛い乳首に吸い付いた。
「す、吸っていいなんていってない!」
 バシッと僕の頭を叩く。だけどやめられなかった。姫ちゃんのおっぱいからミルクが出るわけもないのに、ちゅうちゅうと吸い続ける。少ししょっぱい、姫ちゃんの汗の味がした。
「ば、ばかぁ……」
 涙声の罵倒に僕はようやく、我にかえる。姫ちゃんは真っ赤な顔で涙をこぼしていた。血の気の引く音がした。
「ご、ごめん!」
「ごめんじゃないわよぉ! 触っていいって言っただけじゃない! どうして吸うのよぉ!」
「ごめん、もうしないよ……」
 姫ちゃんを泣かせてしまった。その一事が僕の心をさいなむ。こんなんじゃ、あいつらと同じだ。そんなふうに思っていたとき、やっぱり涙声で姫ちゃんが続けた。
「なんでもうしないとか言うの!? 途中でやめないでよ!」
「へ……?」
「な、なによぉ」
「続けていいの?」
「ダメなんて言ってないじゃない……」
 グスッと鼻をすする姫ちゃん。
「もしかして、気持ち良かったの?」
「……よくわかんない。くすぐったかっただけのような気もしたけど、もっとしてほしかった」
「じゃあ、なんで怒ってたの?」
 その言葉に、姫ちゃんはキッとまなじりを吊り上げる。
「乙女心をわかってないからよ!」
「ご、ごめんなさい」
「まったく、きちんと順番通りしてよね。結局は全部やるんだから」
 ぷりぷりと怒ってた姫ちゃんを見て、乙女心は難しいんだなと思った。
「そ、それじゃあ、もういっかい……吸っていい?」
「う、うん」
 姫ちゃんの答えを待って、僕は再び乳首を口に含んだ。「あ」と姫ちゃんが小さな声を上げた。
「ど、どう?」
「やっぱりくすぐったい……でも、なんか変」
「変?」
「おっぱいの先からむずむずしたのが来て……気持ち悪いって感じじゃない」
「ひょっとして、そこから気持ち良くなってくんじゃないかな」
「そうかも……ねえ、もうちょっと続けて」
「うん」
 だけどもずっと吸ってばかりというのも芸がない。僕は乳首を歯で軽く挟んで、チロチロとなめた。
「ひゃんっ……」
 くすぐったそうな声。だけどやめてとは言わない。さらに僕は乳首を挟んだまま、歯を横にスライドさせた。
「あっ!」
「い、いたかった?」
 突然叫んだ姫ちゃんに、僕はへまをしたのではないかと不安になる。だが、
「ち、ちがうの……なんか、電気が走ったみたいにびりってきて……ねえ、今のもっとして」
「わかった」
 僕は姫ちゃんの乳首を軽く噛んで歯を動かした。コリコリという感触が伝わって来るたび、姫ちゃんが「あっ、あっ」と身体を震わせた。
「ショウくん、もっと」
 姫ちゃんがねだる。僕は嬉しくなって、もう片方の乳首を指でつまんだ。そしてクリッとこするように刺激する。
「あうっ、すごい、もっとして! 気持ち良いよ……すごいよぉ」
 ふと顔をあげると、姫ちゃんはだらしなくよだれを垂らして笑っていた。まるでDVDに出てきた女の人のよう。そう考えて、ピンと来るものがあった。
「姫ちゃん、『イき』そうなんだね」
「ふぇ……? そ、そうなの?」
「きっとそうだよ、DVDの人とそっくりな顔してるもん」
「イクって、すごく気持ち良くなることなんだよね? いまのより、もっとすごいの?」
「僕だってよくわからないけど、多分」
「なんか、こわい」
「やめとく?」
 そう尋ねると、姫ちゃんは首を横に振った。
「ううん、ショウくんにイカせてもらいたい……すごく気持ちいいところに連れていってほしい。……だめ?」
「だめなもんか」
 僕はそういって、姫ちゃんの乳首に集中した。なめて、かじって、つまんで、ひねって、吸って。思いつくかぎりの事をすべてし、姫ちゃんをイカせようとやっきになった。すると、姫ちゃんの様子がにわかに変わってきた。
「あっ、あっ! ビリビリきてる……! ショウくんの指から、お口から、気持ちいいビリビリがきてるよぉ!」
 身体を小刻みに震わせ、僕の頭を胸に押し付けるように抱きしめる。「むぎゅ」と僕は潰れたカエルのような声を上げ、ついうっかり姫ちゃんの乳首を強く噛んでしまった。
「いっ、ひいいぃぃいぁっ!?」
 次の瞬間、姫ちゃんは今まで聞いたことのない悲鳴をあげ、ビクンビクンと身体をけいれんさせた。
「ひひひ、姫ちゃん!?」 僕は慌てて身を起こすと、虚ろな目をして小さく口を開けたままの姫ちゃんの肩を揺さぶった。大変なことをしてしまった。やっぱりこんなエッチなことは子供がしちゃいけなかったんだ。もし姫ちゃんに何かあったら、僕はどうしたらいいのだろう。
「し、死んじゃうかとおもった……」
 はあはあと息を切らせながら姫ちゃんが言う。し、死なせてしまうところだったのかと僕は戦慄した。
「ショウくん……」
「は、はいっ」
 姫ちゃんの呼び掛けに僕は身をかたくする。何を言われても仕方がないという覚悟はあった。
「好きぃ……」
「ご、ごめっ……え? 好き?」
 ちゅっと姫ちゃんが僕にしなだれかかって、頬にキスをした。その顔はとても怒っているようには見えず、まるで今にもとろけてしまうのではないかと思うほど甘いものだった。僕は恐る恐る尋ねる。
「お、怒ってないの?」
「なんで? こんなに、死んじゃいそうなくらい気持ち良くなれたんだよ。怒るわけないじゃん」
 そう砂糖菓子の声で僕にささやく。僕は気が抜けて、へなへなと後ろに倒れ込んだ。嫌われなくてよかった。
「おかえし、しなくちゃね」
 倒れた僕の耳にそんな言葉が届いた。そして、唐突にズボンがずり下ろされる。
「えっ?」
 ボロンと飛び出したのは、おっきくなった僕のおちんちん。自分でやったことなのに姫ちゃんが「きゃあ」と目を反らした。
「なにしてんの!?」
 僕は慌てて前を隠すと悲鳴じみた声で叫んだ。
「お、おかえし……男の人はおちんちんいじると気持ちいいんだよね?」
「し、したことないからわかんないよ」
「じゃあ、してみよ?」
 答えを待たず、姫ちゃんはウインナーソーセージくらいの僕のおちんちんをにぎりしめた。
「いたっ」
「え、いたいの?」
 パッと手を離して、まじまじとちんちんを見る。
「DVDじゃ気持ち良さそうにしてたのに」
「子供のだからじゃないかな……ほら、DVDのと僕のじゃ形も大きさも違うし」
「そういえばそうだよね、ショウくんのはなんか袋に入ってるけど、あっちは蛇の頭みたいだったもん」
 この時の僕らは知らなかったが、参考にしたDVDはいわゆる裏モノで、モザイクなんかは一切掛かってなかった。おかげで勉強にはなったんだけれど。
「ねえ、これむいてみていい?」
 指先でちんちんの皮をつまんでのばして、姫ちゃんが言った。
「う、うん。でもあんまり強くしないでね。お風呂入ったときにむいて洗うんだけれど、けっこうひりひりするから」
「そうなの?」
「うん」
 ふぅんと鼻を鳴らして、姫ちゃんはおちんちんの皮に指をかけた。ゆっくりと手をさげていき、やがてピンク色の頭が顔をのぞかせた。
「あ、出てきた」
 姫ちゃんの楽しそうな声。だけれども、僕は痛みに耐え、無言だった。
「もしかして、がまんしてる?」
 姫ちゃんが僕の顔を覗き込む。「うん」と、情けないと思いながらも僕はギブアップした。
「普段はもうちょっとむけるんだよっ?」
 言い繕うと姫ちゃんは少し考え込んで、
「普段はお風呂でしてるんだよね?」
「う、うん」
「そっか」とつぶやき、姫ちゃんは一つうなずいた。
「濡らしてみたらむけるかも」
「濡らすってどうやって? 水なんてないよ」
「んー、ちょっと待って」
 姫ちゃんは口をもごもご動かし、少ししておちんちんの上に顔を寄せた。そうして、おちんちんの皮をさっきくらいにむいて、そこに溜め込んでいたらしいよだれを垂らした。
「んえ……」
 姫ちゃんのあまり上品といえない声と行為に、僕のおちんちんは体積を増した。生暖かい姫ちゃんの唾液が僕の先っぽをいやらしくコーティングしていく。
「これでいいかな」
 姫ちゃんはそういって、ぬるぬるになったおちんちんの皮をむこうとした。だけど滑りがよくなったそれはうまく掴みづらくて、ただこするだけになっていた。しかし、それが……、
「ひ、姫ちゃん……」
「え、やっぱいたい?」
「ち、ちがう。それ、きもちいい……」
「こするのが?」
「うん……」
 姫ちゃんは確かめるように二度三度と手を往復させた。そのたびに僕が表情を変えるのを見て成る程とうなずいた。
「そういえばこすってたりしてたもんね」
「あっ、先っぽもっとしてほしい……」
「ここ?」
 僕のお願いに姫ちゃんはまるでライターを付けるような動きで、露出した頭を親指の腹でこすった。びくんと、思わず腰を浮かせてしまう。
「ふふ、ここが弱いんだ……」
 そうとわかった姫ちゃんは、何度も同じ動きを繰り返す。しかし、唾で濡らしただけなのですぐに乾いてしまって擦りづらくなり、僕も痛みの方が強くなった。姫ちゃんが眉根を寄せる。
「またぬらしてもおんなじ事になっちゃうよね……」
 そうして待た少し考え込んで、やがて決心したような表情を浮かべた。
「よし」
 自分を励ますようにつぶやいて、姫ちゃんは口を大きく開けた。向かう先は、ぼくのおちんちんだった。
「え」と思う間もなく、ぱくりとぼくの分身は姫ちゃんに食べられた。暖かい姫ちゃんの口の中。動いた舌が皮の隙間に入り込み、先っぽをやさしくくすぐった。その瞬間、ぼくの背筋に寒気にも似た快感が走りぬけ、おちんちんの先から何か吹き出しそうになるのがわかった。
「姫ちゃんっ、はなしてっ! おしっこ、おしっこ出ちゃう!」
 このときの僕はおちんちんから出るものといえば、おしっこだという思い込みがあった。DVDで見てそれだけではないということは知っていたはずだったが、今まで出したことのないものをとっさに思い浮かべることはできなかった。
「えっ、うそ!」
 姫ちゃんがびっくりしておちんちんから口をはなす。その瞬間、ドクンとおちんちんが脈打って、今まで感じたことのない気持ち良さを撃ち放っていた。おしっことは明らかに違う放出感。さらにドクン、ドクンと脈打つたび僕の身体はあまりの快感に力を失っていった。
「なにこれ……?」
 姫ちゃんの呆気に取られた声に、僕ははっと身を起こした。そこにはとんでもない量の白いスライムみたいな液体に顔をまみれさせた姫ちゃんがいた。
「はあ……はあ……なにそれ……?」
 僕も息を切らせながら、思わず尋ねていた。姫ちゃんは顔を濡らしたままキッとこちらを睨んだ。
「ショウくんが出したモノじゃない!」
「そ、そうなの?」
「そうよ! 本当になにこれ、ねばねばしてそれにちょっと臭いよ」
「ご、ごめん……、でもおしっこじゃないと思うよ?」
「見ればわかるわよ……あ、思い出した、これDVDで男の人が出してたやつだ」
「え? そういえば、そんなの出してたね」
 ここでようやくそれを思い出し、二人して納得する。
「ねえ、これって気持ち良くなると出るんだよね? ……ショウくん、気持ち良かったの?」
「う、うん。すごく」
 正直な感想を伝えると、姫ちゃんは顔についた白いねばねば……たしかザーメンとか言っていたそれを指にすくって目の前で伸ばしていた。
「なんか、ショウくんが気持ち良くなって出たモノって思うと、可愛く見えてきた」
「ええ、それはちょっと……」
 楽しそうにそう言って、姫ちゃんはザーメンのついた指をペろりとなめた。そしてすぐに「うえっ」と吐き出す。
「な、なにしてるの!? ちんちんからでたやつだよ! 汚いよ!」
「大丈夫よ、だってDVDじゃ美味しいって飲んでたじゃない。……でも、私はちょっとまだ無理かも。これが大人の味なのね」
「そんなにまずいの?」
「まずいっていうか、苦くて……ショウくんも一回なめてみるといいんじゃない?」
 言いながら姫ちゃんはまたも顔にこびりついたままのザーメンをすくって、僕に差し出してきた。
「い、いらないよ」
「だーめ、私だけまずい味なめるとか不公平だもん」
「いやだってばあ……」
 首を何度も振って拒絶を示す。しかし姫ちゃんは容赦なく、指を唇に押し込んできた。
「うっ!」
 まずい! 苦い! しかもなんか無駄にプルプルしてるのが腹立たしい。思わず吐き出そうとするが姫ちゃんの指がまだ抜けていなかった。
「飲んで」
「い、いやらよう」
 涙目になって哀願する。が姫ちゃんはニッコリ笑って「飲んで」ともう一度いった。この状態の姫ちゃんは何を言っても無駄であると生まれて以来の付き合いである僕は知っていた。覚悟を決め、舌に乗ったままのザーメンを溜め込んだ唾液と一緒に嚥下した。
「い、イガイガする……」
 もはや僕は半分泣いていた。姫ちゃんが「ショウくん、えらい!」と褒めてくれたのが救いだった。
「……やっぱり、私もちゃんと飲まなきゃ不公平だよね」
 ぼそりとそんな呟きが聞こえたかと思うと、姫ちゃんは顔を拭うようにしてザーメンを集めていた。その量は僕が飲んだモノよりだいぶ多い。
「な、なにするの!?」
「飲むの。……んっ」
 ずずるっとまるでおそばをすするような音を立てて、手の平にたまった白い粘液を吸い込んだ。姫ちゃんはきつく目を閉じ、形のいい眉をハの字にしてやがてごくりと喉を動かした。
「けへっ……けほっ」
「だいじょうぶ?」
「う、うん……ごめん、お水持ってきて」
「わ、わかった!」
 僕は慌ててズボンを上げると、勝手知ったるなんとやらで台所に行って水をくんだ。姫ちゃんの家族は今誰も家にいない。両親は共働きだし、お兄さんは地方の大学にいる。実をいうと僕は姫ちゃんの親から家の合い鍵をもらっていた。昔からの付き合いだし、現状姫ちゃんと話ができる唯一の人間だからという理由もあった。「姫子をよろしく頼む」何て言われたが、頼まれるまでもない話だった。
「姫ちゃん、お水持ってきたよ」
「あ、ありがと……」
 お礼を言いながら姫ちゃんはコップの水をごくごくと飲んだ。そして水量が半分ほどになったとき、「ぷはあ」とかわいらしい声を出して、一息ついた。
「あーさっぱりした」
「よかった」
 僕がほっとした表情を浮かべると、対照的に姫ちゃんは沈んだ。
「ごめんね……さっきはなめただけだったから、あんなに飲みづらいって思わなかった。ショウくんに嫌な思いさせちゃった……」
「僕はべつに……」
 姫ちゃんが喜んでくれたなら、それだけで報われる。謝ってもらう必要はなかった。
「ねえ、ショウくんはお水飲んだ? さっぱりするよ」
「ううん。僕はちょっとだけだったから。平気だよ」
 実はまだ喉が変だったが、男の子の強がりだった。だけども見抜いているのか、姫ちゃんはコップを持ってこっちを見つめていた。
「……飲ませてあげるね」 そう言って、姫ちゃんは水を一口含むと僕の顔をおさえつけ唇を重ねた。舌が入り込んできて僕と姫ちゃんの口をつなげる通路を作る。そして一瞬遅れて人肌の温度の水が流れ込んできた。僕はそれをこくこくと飲み、口をはなした。顔がものすごい熱を帯びている。さぞかし今の僕は真っ赤になっていることだろう。
「どう? おいしい?」
 同じくらい真っ赤な顔をした姫ちゃんが尋ねてきた。
「……うん」
 そう答えるしかなかった。僕はつい「もう一口」とねだっていた。
「いいよ」
 そしてまた同じように水を口移しで運ぶ。味なんてないはずの水がどうしてかものすごく甘い気がした。まだ飲みたい。
「も、もう一回いい?」
「そんなにおいしいの?」
「うん、すごく美味しい」
「ふぅん……じゃあ、だめ」
「ええっ!」
 姫ちゃんの言葉に思わず声を上げてしまう。落ち込んだ僕に姫ちゃんはコップを差し出して言う。
「ショウくんだけずるいから、今度は私の番」
 そっぽを向いた姫ちゃんの横顔はたまらなく可愛かった。僕は一も二もなく頷いて、水を口に含む。姫ちゃんは目を閉じ唇をとがらして僕を待っていた。
「ん」
 姫ちゃんがそうしてくれたように、僕も舌で道を作って水を送る。
「んっ、んっ……」
 姫ちゃんが喉を鳴らして水を飲み込むたびぶつかり合った舌が絡む。くすぐったさと気持ち良さが半分ずつくらいのそれは、いつまでもそうしていたいとさえ思った。
「……んっ、おいしかった」
 唇を離して姫ちゃんが満足げに言った。
「ショウくんの味がしたよ」
「僕の味?」
「うん。甘くて、幸せな味」
 うっとりとしながら、姫ちゃんがつぶやいた。
「それじゃあ、僕がさっき感じたのは姫ちゃんの味だったんだ」
「甘かった?」
「うん」
「幸せだった?」
「うん」
「そっか、じゃあやっぱりそれは私の味だね」
 えへへと笑いながら、姫ちゃんはコップに目を落とした。
「なくなっちゃったね」
「おかわり、もってくる?」
「……うん」
 そのあとの僕らは練習の事などすっかり忘れて、姫ちゃんのお母さんが帰ってくるまでずっと水の飲ませっこをしていた。


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