時刻は深夜、闇が深まる丑三つ時
ゆっくりと身を起こした彼女は、隣のベッドで眠る赤毛の妹の様子を確認する
妹はいつも眉間に寄せられているシワも無しに、穏やかで無邪気な寝顔を晒している。それに胸が温かくなるのを感じながら、おもむろにその頬に手を伸ばし――
ぐにぃ〜っ…
っと引っ張る
「…ノーヴェ。痛いか?」
返答は無い。
「起きろ〜…ノーヴェ…」
…返答は、無い
「…ふむ、さすがクアットロだ」
こくりと頷く彼女。その手には【超睡眠薬:療法用量を間違うと死んじゃうわよん?】とラベルに書かれたビンが
「…私は、やる!やってやる!そうだ!やらねばならんのだ!」
ふつふつと背中に焔を背負い、彼女――ナンバーズのロリ姉こと、チンクはやる気をみなぎらせた
自重しない作者の病気
ロリ姉×男の娘
今回の話は至極簡単な流れだった
チンクはたまにはプロトに故郷の料理でも食べさせてやろうと思い、ドクターのプライベートPCから第97世界【地球】、日本のデータを大量に入手した
その中に、こんな単語があったのだ
『裸エプロンでらっぶらぶ!倦怠期を吹っ飛ばせ!』
どこのおっさんがこんな記事を書いたのか、激しく問い詰めたい
元来プロトに色々な種類の好意を向けるチンクである。その記事の中に含まれる単語――夫婦とか新婚とかキスとか――に興味津々だった
というかチンクにドクターのプライベートPCを使わせたのが間違いだったのかもしれない
そして彼女は裸エプロンやら何やらナニやら、色々なリンクを熱に侵された頭で辿っていき――
ついに、出会ってしまったのだ
第97世界…いや、日本の誇る文化であり、栄光であり、至高であるソレに
ソレの名を…
EROGE
と言った
実際、ドクターのPCの中には200を超えるEROGEがインストールされており、その時点でチンクの思考回路はショート寸前。今すぐヤりたいの〜状態になっていたとかいないとか
ここでチンクは、嫌な勘違いをしてしまう
というかドクターのCドライブの過半数が近○相姦モノだったのが悪い
つまりチンクは――
「あ、姉は多少強引でもいいんだ!お、弟であり、家族でもあるプロトに、拒否権などないのだ!」
と思い込んでいるのだ。まだ思考がショートしてるのだろう。
思い立ったが吉日とばかりにチンクはクアットロのラボから戦闘機人だろうが白天王だろうが二秒でころんとなっちゃうような薬を失敬し、巧妙にプロト以外のナンバーズ&ドクター&ゼストチームの食事に混入した
今頃皆ぐっすりすやすや夢の中だろう。もしかしたら朝になっても目覚めないかもしれないが
余談だが、この日から三日間、ガジェットの動きが完全に停止する※チンクさんは優しい娘です。ちゃんと全員の健康状態゙にば配慮しています
そんなわけでチンクは基地内の全員を眠らせてから、こっそりと…完全に気配を消してプロトに宛がわれた部屋へと向かう
どきどきと高鳴る胸を押さえながら、そっと部屋に入る。愛しい弟の寝息に、真っ赤な顔で荒い息を作るエロいロリな姉
「ぶ、プロト…」
ぎしり、とベッドが軋む。シーツの下に広がるプロトの愛らしい寝顔に、チンクの理性は既に大爆発。ランブルデトネイターなんて必要ない勢いだ
「い、いただきます…だ…」
それは少し違うと思う。などという無粋な突っ込みはさておき。チンクは眠るプロトの顔に顔を近付け――
ちゅ…
と軽い音。
この時、完全にチンクの性欲がフルドライブした
「んっ…んぅ…?」
プロトが小さなうめき声を漏らし、眉根に皺を寄せる。そんなことお構いなしにチンクは舌を差し入れ、プロトの舌を絡めとり、自分の唾液をプロトの口内に流し込む
「ぷろふぉ…ぷろふぉ…!のめ…!飲んでくれ…!わらひのらえき…!」
ちゅっ、ちゅ、と唇を合わせ、舌を吸い、顔を舐める。眠るプロトに無理矢理キスをしているという背徳感に、チンクはそれだけで身体に熱を灯す
「んぁ…んっ…ふ…ふぁ?…んわ…」
こくり、と
プロトの喉が鳴る
ぞくりとチンクの背筋にナニカが走り抜ける。知らず知らずの内に口元がつり上がり、とろん、とした目もとも相まって、見た目に反してとてつもなく色っぽい。そういう趣味の人間でなくとも、今のチンクを目にしたら、押し倒してしまうかもしれない
「ふ、ふふ…。そうかぁ…飲んだか…美味しかったか?私のよだれ…」
蠱惑的な笑みを浮かべながら、三つ編みにされたプロトの灰色の髪を撫でるチンク。髪が長いから、寝癖が付かぬよう寝るときは三つ編みにしているのだ。それを、指先でほどく
「ふふ…プロトは可愛いなぁ…。本当に可愛い…。だがな?お姉ちゃんは知ってるぞ?プロトは可愛いけど、かっこいいんだ」
にこにこ笑いながらチンクはシーツを剥ぐ。眠るプロトの両手をベッドの縁に固定し、更にそれをプロトの髪で縛り付ける
「けどそのかっこよさは、きっとあの娘たちを思っているときのかっこよさなんだろうな…」
少しだけ、声を落とし。悲しそうに
チンクは泣きそうな顔で、そっと手に持ったスティンガーで己のボディ・スーツを切り裂く。臍からお尻まで、綺麗に一筋の切れ目が入る。
「でも、良いんだ。私は、姉だから…。プロトの、お姉ちゃんだから…」
言いながら、かちゃかちゃとズボンのベルトを外し、ボディ・スーツにもナイフを走らせる。此方は長く。首から股下まで。
「…い、意外と…大きいな…」
想像していたモノよりも大きなソレに、一瞬素に戻る。が、チンクは頭を振って半勃ちのソレを手に取る
ふにふにと竿を手で揉み、袋の方にも手を這わせる。余り陰毛も生えていないプロトのソレは色も薄く、なんだか可愛いかもしれない、というのがチンクの感想だった
「お?」
暫く揉んだり擦ったりしていると、柔らかだったソレが徐々に硬くなっていく。気持ちいいんだ、と理解したチンクは、意を決してそのピンク色の先端を口に含んだ
「んっ…んっ…ちゅる…はぁ…んくっ…」
つやつやした先端を頬の裏側に擦り付け、舌先で割れ目をつんつんとねぶる。イマイチ勝手が分からないチンクが出来るのは、自分がされても気持ちいいことをするだけだった
「んぢゅ…んぐ…はぷっ…んん…」
プロトの男性を舐めながら、チンクは片手を自分の女性に伸ばす。既に愛液に濡れている入り口を擦り、膣内に指先だけを入れ、内壁をかりかりと爪先で引っ掻く。僅かに痛みを伴うソレが、チンクはお気に入りだった
「んぢゅ…ぷはっ…何だか、変な味だな…」
ぺろりと唇を舐め、プロトの先端から溢れ出してきたカウパーを、くちゅくちゅと口内で唾液と混ぜる。チンクをにやりと笑い…
「んっ…」
プロトに、口付けした
再び舌で唇を割り開き、唾液とカウパーの混じり合ったどろどろをプロトの口内に流し込む。プロトは顔をしかめながらも、こくり、こくりとそれを飲み干していく
「ふふっ…不味かったか?すまなかったな?お詫びに今、たくさんきもちよくしてやるからな…?」
ちゅっ、ちゅっ、と首元に唇を落とす。白い肌に紅く痕が刻まれる度に、チンクの全身をぞくぞくと電流が蹂躙する
「…挿入るぞ…?」
答えは無い。けれどチンクはそっと目を伏せ、自分の膣口にプロトの男性器をあてがい――
「くぅ…っ!」
一気に腰を落とす。初めての性行にびくびくと腰が跳ね、一瞬で子宮口に到達した男性器の熱に驚き、それでもまだ8割ほどしか膣内に収まっていることに恐怖し――
「―――っ!?」
どくん、と
体内で脈動する。子宮口から内側に直接熱さが放たれ、余りの衝撃に視界が明滅する。データにあるような快楽など無く、純粋な衝撃がチンクを襲う。あるいは快楽を快楽として認識出来ていないが故なのか。チンクは目を限界まで見開き、口をぱくぱくと開閉させながら、勝手に溢れ落ちる涙に、崩れ落ちる身体に、ただただその衝撃が過ぎ去るのを待ちながら、放心する
「…ぁ…ぅ…ぁぁ…こ、れ…こぇ…だめだぁ…。だめすぎるぅ…ひぅぅ…」
プロトの胸にすがり付き、僅かに腰を動かす。むずむずと内側から身体を擽られているかのような快感に、がくがくと全身を震えさせながら、チンクは性行を…というよりプロトの身体を使った自慰を続ける
「く、ぅう…あ、は、…ちょっ…とだが、わかったぞ…?こ、こうだな?こうすると、きもちよくなるんだな?びくびくして、はふ…はっ…ぁ…こ、腰が、うごいてりゅぞ…?」
顔はプロトの胸に押し付けたまま、チンクはじゅくじゅくと腰を上下させる。狭く、キツイ締め付けの膣内は、中出しされた精液が潤滑油となり、ぐっちゅぐっちゅと湿った音を上げる
「ぁあっ!…いい、いいぞプロトっ…!もっと…もっと突いてくれ!おねぇちゃんをメチャクチャにしてくれぇっ…!」
まるで、その言葉に応えるように
プロトの閉じていた瞼が、僅かに開き
「…ちん、く…?」
名前を、呼ばれた
「は…ぁあ…っ!」
途端、今まで以上の快楽がチンクの自意識を吹き飛ばし、蹂躙する。きゅぅ…っと締まった膣内に、そして置かれた状況に混乱し、緩んだプロトの我慢は、容赦なく再びチンクの中に欲望を吐き出した
「「…ぅう…っ!?」」
図らずも両人共に同じようなうめき声を漏らし、射精と絶頂の快感に耐える。
暫くして2人が落ち着く頃には、こてん、とチンクはプロトの身体にもたれ掛かり、プロトはプロトで荒い息を整える
「チンク…」
「プロト…?」
プロトは自分が縛られているのに気付き、それをもどかしく思いながら――
「わたしも…チンクが好きですから…」
そっと、チンクの唇に自分の唇を合わせた
「――プロトっ!?」
驚き、慌てて立ち上がろうとして…かくん、と腰が落ちるチンク。その際に未だに繋がってた部分からごぼっ!と精液と愛液が飛び散り、2人して「んぁっ!?」と嬌声を上げる。奥まで入ってしまったのだ
「っふ……チンク…もういっかい…今度は、わたしがチンクを気持ち良くします…」
「ぷ、プロト…!?」
嬉しい、そして、いとおしい
お互いの心に溢れる気持ちが、ぴったりと重なる
そんな感情の赴くままに、チンクとプロトは再び身体を重ね始めた―――――――――
「――という、夢を見たの」
「病院行けです」
姉なんだか妹なんだか立ち位置微妙ななのはの言葉に、プロトは顔をしかめた
「そ、そうだ!わ、私がプロト殿とそんな、破廉恥な真似をするわけがないでしょう!というか局の食堂でする話ではありません!」
顔を真っ赤にして反論する、最近陸士部隊で活躍中のチンクさん。対してなのはは、何だか拗ねた顔でぷいっとそっぽ向く
「だって2人、何だか凄く仲良いんだもん…」
「そりゃ…ねぇ…?」
「…えぇ、不本意ながら」
共に発育不全に悩む2人が、仲良くなるのは当たり前というか…
「だめー!プロトちゃんの一番はなのはなの!」
痛々しいことを言うなのはに、こっそり溜め息を吐くプロトだった
そんな彼を、なんだか熱っぽい目で見ている銀髪のちっちゃいおねーちゃんがいたとか、いないとか…
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さて、次はヴィヴィっ娘かぁ…