もしもし、わたし触手さん、今貴方の後ろにいるの。
「やってられっかクソがァアアアアアアア!!」
「ぎゃあああああああああああああ!!」
巨大な培養槽の中から、女性の怒声を上げながら暗緑色の触手玉が研究員へ襲いかかる。
「何が世の女性を手中に。だ、何が快楽中枢刺激体液。だ、お前らに適用してやんよぉ!」
四角い水槽型培養槽を取り囲んでいた研究員達は全て男性。彼女?は数百本には及ぶであろう触手を一斉に辺りへと伸ばした。
都合良く衣服だけ溶かす粘液を噴出させたり。皮膚浸透・粘膜浸透をする快楽中枢刺激体液でぬらぬら光る触手で研究員を絡め取ったり。
さらに芸コマな彼女は、備え付けの水道で白衣くずを濡らし、研究員たちの尻と股間を拭うと触手でそこをしつこくなで上げた。
「オラオラオラオラ、ちんことケツから体液吸収しろオラ!」
「ら、らめええええええ」
「いやああああああああ」
ヒョロこい研究員達は抗えるわけもなく。身体にたっぷりと体液をまぶされ、さらに口の中に触手が潜り込み、びゅるびゅると体液が噴出される。
射精によく似た、「身に覚えのある」律動で震えながら噴出する触手に、研究員達はわなないていた。
つぷり。
一斉に研究員達の尻に、細く締まった触手が差し込まれる。鉛筆ほどの太さで、柔らかく弾力もあり、さらに人肌よりすこし暖かなそれに研究員達は
ただただ悲鳴を上げるしかない。
「ほらほらほらほらほぉ~ら!」
細い触手は腹側を執拗に探っていく。最初に部屋の隅で一人、「ひいい」と悲鳴が上がった。彼女は前立腺を捉えたのだ。
「ひいっひいいいっあがああああああああああああ」
喘ぐ研究員に、一気に触手が集まる。何本かは薄い胸板にぽつんと起つ乳首を先っぽで執拗に擦り、もう何本かはペニスに絡みついて扱いている。
床の上に仰向けになり、細い触手がぷりぷりと腸内をなぶるたびその身体が跳ねた。
「うわあああああああああ!!」
「やめろ、やめろぁああ!!」
「あー!出る、出る、あー!」
所々から続いて声が上がり、いつしか研究室の中は女性の責め声とそれを覆い尽くすように性感に吠える男達の声でひしめく。
その後30分ほど彼女は彼らの尻とペニスと口と乳首を犯し尽くし、肛虐の快楽を教え込んだ。
「おい、第六研究所に連絡が付かないぞ」
「おかしいな…いつもの定時連絡は過ぎてるぞ」
『本部』の職員がぶつぶつと時計を見ながらぼやく。しかし、元々研究員達は研究に身が入り始めると定時連絡を遅れ気味にする時があった。
「まあいいだろ。どうせ報告義務不全で給料カットされるのはあいつらだぜ」
「ははっそうだな。でもこれでカットされたらあいつらやってけんのかねぇ」
「三回目だっけか?報告義務不全」
「四回目だろ」
元々ルーズであった研究員達自身のおかげで、遠く離れた研究所の異変を察知する者は誰もいない。
さらに数時間後、音声のみであったが本部の職員に研究員からの連絡が入った。
「研究は失敗だ。だがこれは良い失敗であり、これを踏み台にして次の研究に入る」
ただそれだけの報告だった。
「いいこね」
「ひぃーぃぃいいい!!」
触手が、白衣の中で前後する。粘膜と粘膜がこすれ合う音がすると、マイクの前に立っていた研究員がマイクのそばにうずくまった。
「あぁー!いい、いい-!!」
悲鳴混じりの嬌声をあげる同僚に、他の研究員達がうらやましそうに横目で見る。下ろされたズボンと下着、その中に潜り込んでいる触手。
その触手を辿ると、研究員達と同じ白衣を着込んだ女性の膝下から一本。触手が生えている。
刺し貫かれている研究員が、さらに唸り身体を震わせて達する。触手は研究員の尻からずるりと引き抜かれて女の方へと縮んでいく。途中、腸液が
まぶされた触手がさらに粘液を水のように粘膜から溢れさせて自身を綺麗にすると、音もなく女の足へと溶けていった。
第六研究所、俗称:淫虐研。
テーマは、女を陥落させる怪人を生産すること。
幹部たちが「人を攻撃する」怪人を生産することにあきたらず、卑劣にも女性をトリコにして意のままに操ろうという考えの元、生まれた研究所だ。
そして触手の彼女。彼女はただ、交通事故に遭っただけだ。病院で死した彼女は不運にも、組織の関係者である医者から組織へと流されたのだ。
死体を快楽の電気信号研究に使い込まれ。さらに最初の怪人となるはずだった触手生命体として生まれ変わるハズだった、しかし、彼女の脳は生き続けていた。
そして与えられ続ける刺激に憤り、女を生き物とも思わぬ研究員達の行動に憤怒した。その激しい怒りは怪人に埋め込まれるはずだった「組織への忠誠心」の
インストールをはね除け、逆に触手怪人としての身体を乗っ取ったのだ。
「いいこね、みんな。私の言うとおりにしてくれたら、またズコズコしてあげる」
「「「「「「はいっ」」」」」」
この研究所が所属する組織。「秘密結社 ダークメサイア」 彼らはたった一つ過ちを犯し、その過ちは大きかった。
彼女は、いわゆる腐女子であり。さらにガチムチ・ガチホモ属性もおいしくご飯三杯な人間だった。
彼女は、いわゆる異世界人であり。さらに戦隊モノのお約束などをスルーするスキルがまったくなかった。
彼女は、秘密結社が社会に隠れ住んでいることは既に見切っており、彼女は自分の安全確保のためにずっとひっそりとくらしていた。
そう、ダークメサイアが犯したたった一つの過ち。 それは彼女 大鳥夏子 を実験体にしたことだった。
「あの人達、私が怪人だなんていったなら、浄化しかねないわよねー」
夏子は頬杖をついてため息をこぼした。あの人達、「救世戦隊 ホーリーファイブ」の面々だ。現実だったら間違いなく「思想の極化」として放映禁止に
なるほどの「俺たち正義」ぶりを発揮する人々。
「取りあえず…。ちょっと貴方、私の実家に私が生きてるって連絡入れなさい。そーね、実は無くなったのが違う人で、私は轢いた人の会社から資金援助
を受けて、重篤患者施設にでも送られてたとでも言いなさい」
「はいっ!…あの、ご褒美は…」
「判った判った。あとで犯してあげる」
「はいっ、すぐに連絡します!!」
「…でも、無職になってるのよねぇ。たぶん」
収入どうしようかしら。
夏子がため息を吐いたそのとき、遠い遠い採石場で、「ぐわー!おのれホーリーファイブめぇ!」という断末魔と「正義は勝つんだぜ!」とホーリーレッドの
勝ち口上が響いていた。
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新ジャンル:女が触手。(モンスターじゃない)