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No.11660の一覧
[0] ヨコアスR(ネギま×GS)[uyr yama](2013/02/17 10:06)
[1] 序の巻[uyr yama](2010/07/08 18:22)
[2] GS日記 第1巻 [uyr yama](2010/01/13 02:33)
[3] GS日記 第2巻[uyr yama](2010/01/13 02:34)
[4] GS日記 第3巻[uyr yama](2010/12/07 08:54)
[5] GS日記 第4巻[uyr yama](2010/01/13 02:38)
[6] GS日記 第5巻[uyr yama](2010/01/13 02:40)
[7] GS日記 第6巻   エロ有り(小竜姫)  [uyr yama](2010/07/08 18:23)
[8] GS日記 第7巻[uyr yama](2010/07/08 18:23)
[9] GS日記 第8巻 [uyr yama](2010/07/08 18:24)
[10] GS日記 第9巻[uyr yama](2010/07/08 18:25)
[11] GS日記 第10巻 [uyr yama](2010/01/14 01:38)
[12] GS日記 最終巻   エロ有り(GS編オリキャラ乱交)[uyr yama](2010/07/08 18:25)
[13] GS編 設定資料集(笑)[uyr yama](2010/01/14 01:45)
[14] まほらのほほん記 第1巻[uyr yama](2010/01/26 22:00)
[15] まほらのほほん記 第2巻[uyr yama](2010/01/26 22:03)
[16] まほらのほほん記 第3巻   エロ有り(あやか)[uyr yama](2010/05/02 15:36)
[17] まほらのほほん記 第4巻   エロ有り(アスナ)[uyr yama](2010/05/02 15:37)
[18] まほらのほほん記 第5巻   エロ有り(夏美)[uyr yama](2010/05/02 15:38)
[19] まほらのほほん記 第6巻   エロ有り(あやか)[uyr yama](2010/05/02 15:39)
[20] まほらのほほん記 第7巻[uyr yama](2010/02/16 12:12)
[21] まほらのほほん記 第8巻[uyr yama](2009/12/31 18:59)
[22] まほらのほほん記 第9巻[uyr yama](2009/12/31 19:01)
[23] まほらのほほん記 第10巻[uyr yama](2010/07/08 18:28)
[24] まほらのほほん記 第11巻[uyr yama](2009/11/07 01:55)
[25] まほらのほほん記 第12巻[uyr yama](2010/07/08 18:29)
[26] まほらのほほん記 第13巻   エロ有り(アスナ、他)[uyr yama](2010/07/08 18:29)
[27] まほらのほほん記 第14巻   エロ有り(アキラ)[uyr yama](2010/07/08 18:30)
[28] まほらのほほん記 第15巻[uyr yama](2009/12/31 19:35)
[29] まほらのほほん記 第16巻[uyr yama](2010/07/08 18:31)
[30] まほらのほほん記 第17巻   エロ有り(のどか)[uyr yama](2010/07/08 18:31)
[31] まほらのほほん記 第18巻   エロ有り(夕映)[uyr yama](2010/06/21 15:53)
[32] まほらのほほん記 第19巻   エロ有り(シスター、千鶴)[uyr yama](2010/07/08 18:32)
[33] まほらのほほん記 第20巻   エロ有り(アスナ)[uyr yama](2010/07/08 18:33)
[34] まほらのほほん記 第21巻[uyr yama](2010/07/08 18:33)
[35] まほらのほほん記 第22巻   エロ有り(愛衣)[uyr yama](2010/06/21 15:53)
[36] ネギま!のほほん記 第1巻[uyr yama](2010/07/08 18:34)
[37] ネギま!のほほん記 第2巻[uyr yama](2010/11/16 23:09)
[38] ネギま!のほほん記 第3巻[uyr yama](2010/07/08 18:35)
[39] ネギま!のほほん記 第4巻[uyr yama](2010/07/08 18:36)
[40] ネギま!のほほん記 第5巻  微百合含むエロ有り(アスナ&茶々丸)[uyr yama](2010/05/02 15:47)
[41] ネギま!のほほん記 第6巻[uyr yama](2010/07/08 18:37)
[42] ネギま!のほほん記 第7巻  微百合エロ有り(横パ乱交)[uyr yama](2010/05/02 15:48)
[43] ネギま!のほほん記 第8巻[uyr yama](2010/02/16 12:07)
[44] ネギま!のほほん記 第9巻[uyr yama](2010/07/08 18:38)
[45] ネギま!のほほん記 第10巻[uyr yama](2010/02/17 00:08)
[46] ネギま!のほほん記 第11巻[uyr yama](2010/02/16 12:10)
[47] ネギま!のほほん記 第12巻  エロ有り(シスター)[uyr yama](2010/07/08 18:38)
[48] ネギま!のほほん記 第13巻  エロ有り(木乃香)[uyr yama](2010/07/08 18:39)
[49] ネギま!のほほん記 第14巻  エロ有り(アスナSP)[uyr yama](2010/07/08 18:39)
[50] ネギま!のほほん記 第15巻[uyr yama](2010/03/15 02:12)
[51] ネギま!のほほん記 第16巻  エロ有り(アキラ&裕奈)[uyr yama](2010/06/21 15:54)
[52] ネギま!のほほん記 第17巻  エロ有り(あやか、ちょい裕奈&アキラ)[uyr yama](2010/05/02 15:53)
[53] ネギま!のほほん記 第18巻  エロ有り(木乃香)[uyr yama](2010/07/08 18:41)
[54] ネギま!のほほん記 第19巻[uyr yama](2010/07/08 18:41)
[55] ネギま!のほほん記 第20巻  エロ有り(千鶴SP)[uyr yama](2010/07/08 18:41)
[56] ネギま!のほほん記 第21巻[uyr yama](2010/07/08 18:42)
[57] ネギま!のほほん記 第22巻  エロ有り(茶々丸)[uyr yama](2010/07/08 18:42)
[58] ネギま!のほほん記 第23巻  エロ有り(夕映&のどかSP)[uyr yama](2010/07/08 18:43)
[59] ネギま!のほほん記 第24巻  エロ有り(夕映&のどかSP)[uyr yama](2010/07/08 18:43)
[60] ネギま!のほほん記 第25巻  エロ有り(夕映&のどかSP)[uyr yama](2010/07/08 18:43)
[61] ネギま!のほほん記 第26巻  エロ有り(アキラ&亜子)[uyr yama](2010/07/08 09:49)
[62] ネギま!のほほん記 第27巻  エロ有り(木乃香SP)[uyr yama](2010/07/08 09:47)
[63] ネギま!のほほん記 第28巻[uyr yama](2010/07/15 00:40)
[64] ネギま!のほほん記 第29巻  エロ有り(夏美SP)[uyr yama](2010/08/02 16:25)
[65] ネギま!のほほん記 第30巻  エロ有り(アキラSP)[uyr yama](2010/08/04 13:50)
[66] ネギま!のほほん記 第31巻  エロ有り(あやかSP)[uyr yama](2010/08/12 17:46)
[67] ネギま!のほほん記 第32巻  エロ有り(美空&ココネSP)[uyr yama](2010/08/27 01:45)
[68] 一周年記念アタック![uyr yama](2010/12/28 00:38)
[69] 俺が為に鐘よ鳴れ 第1巻[uyr yama](2010/09/03 22:09)
[70] 俺が為に鐘よ鳴れ 第2巻[uyr yama](2010/10/14 08:49)
[71] 俺が為に鐘よ鳴れ 第3巻[uyr yama](2010/10/25 22:03)
[72] 俺が為に鐘よ鳴れ 第4巻  エロ有り(TS注意!ネギSP)[uyr yama](2010/11/16 23:12)
[73] 俺が為に鐘よ鳴れ 第5巻  微エロ百合有り(アスナ&木乃香)[uyr yama](2010/11/23 23:15)
[74] 俺が為に鐘よ鳴れ 第6巻[uyr yama](2010/11/29 15:21)
[75] 俺が為に鐘よ鳴れ 第7巻  微エロ有り(亜子)[uyr yama](2010/12/14 09:01)
[76] 俺が為に鐘よ鳴れ 第8巻  エロ有り(亜子SP)[uyr yama](2010/12/25 09:08)
[77] 閑話の1  エロ有り(亜子)[uyr yama](2011/02/07 10:51)
[78] 閑話の2  エロ有り(タマモSP)[uyr yama](2011/02/07 12:11)
[79] 閑話の3  (NTR美砂)[uyr yama](2011/03/08 00:09)
[80] 閑話の4  エロ有り(NTR美砂SP)[uyr yama](2011/03/08 00:14)
[81] 閑話の5  エロ有り(円SP)[uyr yama](2011/05/23 00:10)
[82] 閑話の6  エロ有り(桜子SP)[uyr yama](2011/06/05 09:52)
[83] 鬼鳴きの古都 第一巻  エロ有り(アスナSP)[uyr yama](2011/10/26 14:11)
[84] 鬼鳴きの古都 第二巻  エロ有り[uyr yama](2011/10/26 20:30)
[85] 30万HITスペシャル企画 ヨコなの 第1話[uyr yama](2010/04/26 09:14)
[86] 40万HITスペシャル企画 ヨコなの 第2話[uyr yama](2010/07/08 18:44)
[87] 50万HITスペシャル企画 ヨコなの 第3話 エロ有り(美由希H、なのは自慰)[uyr yama](2010/05/03 00:57)
[88] 60万HITスペシャル企画 ヨコなの 第4話 前編[uyr yama](2010/04/26 09:16)
[89] 60万HITスペシャル企画 ヨコなの 第4話 後編[uyr yama](2010/04/26 09:17)
[90] 70万HITスペシャル企画 ヨコなの 第5話[uyr yama](2010/04/26 09:18)
[91] 80万HITスペシャル企画 ヨコなの 第6話[uyr yama](2010/04/26 09:19)
[92] 90万HITスペシャル企画 ヨコなの 最終話[uyr yama](2010/05/02 00:58)
[93] キーやんのママがみてる&Fate/イリヤとしないTo![uyr yama](2010/05/10 00:21)
[94] 100万HITスペシャル企画[uyr yama](2010/12/07 08:55)
[95] 1111111HIT企画 横島エロ無双SP&無印ネタ語り[uyr yama](2010/11/03 16:12)
[96] 130万HITスペシャル企画  エロ有り(クスハ)[uyr yama](2010/12/12 10:49)
[97] 150万HITスペシャル企画  エロ有り(クスハ)[uyr yama](2010/12/07 09:02)
[99] 180万HITスペシャル企画[uyr yama](2011/04/18 14:11)
[100] 180万HITスペシャル企画 追加パック  エロ有り(黒桜×シャイン)[uyr yama](2011/04/21 20:32)
[101] ロードス島戦記Y 邪神戦争編 序[uyr yama](2011/04/28 17:57)
[102] 没シーン①[uyr yama](2011/08/17 21:54)
[103] せっちゃんといっしょ! ①[uyr yama](2011/09/04 19:20)
[104] せっちゃんといっしょ! ②[uyr yama](2011/09/05 16:14)
[105] せっちゃんといっしょ! ③[uyr yama](2011/09/08 16:37)
[106] せっちゃんといっしょ! ④[uyr yama](2011/09/12 23:03)
[107] 鬼鳴きの古都 第三巻  百合有り(アス×あや)[uyr yama](2012/07/14 00:02)
[108] 簡易データ表[uyr yama](2011/09/21 20:50)
[109] 逆行大作戦!! 第一話  エロ有り(ロリタマ)[uyr yama](2012/04/25 21:10)
[110] 逆行大作戦!! 第二話 [uyr yama](2012/05/02 13:10)
[111] 逆行大作戦!! 第三話  エロ有り(早苗)[uyr yama](2012/05/09 20:38)
[112] 逆行大作戦  第四話  エロ有り(冥子)[uyr yama](2012/05/27 16:33)
[113] 逆行大作戦  第五話  エロ有り(冥子)[uyr yama](2012/07/12 17:32)
[114] 逆行大作戦  第六話  エロ有り(モブ)[uyr yama](2012/08/03 23:45)
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[11660] 80万HITスペシャル企画 ヨコなの 第6話
Name: uyr yama◆157cb198 ID:afcdcf20 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/04/26 09:19



 手が汗でベトベトして気持ち悪い。
 でも、それも仕方ないのだと思う。
 これから自分は、未知の力を使う、ある種ロストロギアと言っても過言ではない者達と交渉しなければならないのだから。
 上手く自分達のペースで話を進め、ジュエルシードの確保、そして何より、『化け物』プレシア・テスタロッサの逮捕協力を願わなければならない。

 しかしだ、そんなにうまく話が進むわけなどないだろう。
 最優先事項はジュエルシードの確保。次にプレシア・テスタロッサの逮捕協力。隙があるならフェイト・テスタロッサの保護、と言った所か。
 その上で、彼らの不可思議な力についての情報提供が叶えば言うことはない。

 高町家に近い公園に転移すると、嫌がるユーノに案内をしてもらい、息子のクロノと共に高町家に向かって歩き出す。
 第97管理外世界、その地方都市である海鳴市。平和で平穏で、どこにでもある平凡な街。
 子供の楽しそうな笑い声、道々を歩く猫達。
 ペットなのだろうか? それとも野良?
 野良にしては数が多いし、でも町並みは動物の糞などで汚れておらず、とても清潔的だ。
 そんな住み心地の良さそうな住宅街を歩き進みながら、目的地である高町家の前へと着いた。

 リンディは鼓動の激しさが増し、緊張感がMAXになった……なんて事はなかった。
 リンディと、そしてクロノは、それまで有った緊張感がぜーんぶ吹っ飛んだ。

 ぶらーん、ぶらーん。

 人間サイズの蓑虫が、高町家の屋根から吊り下げられて揺れていた。
 荒縄か何かでグルグル巻きで蓑虫状になっているそれは、確かに昨日、融合器を用いてプレシアの雷撃を跳ね返した少年、横島忠夫に他ならない。


「あっ、横島さーん、おはようございまーす」


 何事も無いかの様に、普通に朝の挨拶をするユーノ。


「おはよーっす……、ってダレだ?」


 それに対して、やっぱり普通に答える横島。


「やだなー横島さん、僕ですよ、ユーノ・スクライアですって」

「あん? ああ、オコジョ刑が明けたのか。良かったな、ユーノ。もう悪いことすんじゃねーぞ」

「なんの事ですか! なんのっ!!」

「なんのって、言いたくないのは分かるけどよ……」

「だからっ、ボクはっ! オコジョ妖精じゃぁっ!!」


 呆けた様に2人の諍いを見るリンディとクロノ。


「ねぇ、クロノ。大丈夫よね……?」

「……さあ? 艦長の発案ですからね。僕は知りません」


 本当にプレシア・テスタロッサに対抗出来るのかしら? と不安げなリンディであった。






















  ヨコアス外伝  とらいあんぐるリリカル ヨコなの!  第6話  なのはのなのに!? なの!





















 玉座に身を沈め、モニター越しに侵入者の姿を睨みつける。

 2人の剣士が道を切り開き、その後ろから3人の魔導師が砲撃する。
 更にその後ろから悠々と歩く、人としての彼女を殺した少年。


「来たわね、私の願いを叶えるモノが……」


 自分の中にあるジュエルシードが教えてくれる。
 その、自分を殺した少年こそが、願いを叶えてくれるナニかを持っているのだと。
 それこそが残りのジュエルシードなのだと彼女は思った。

 待ち遠しい。
 早く来い。
 速く、速く、速く!!
 そうすれば、今も泣いている愛しい娘を救えるのだ。

 だから、はやく……

 そしてようやく、バン! 目の前の扉が開く。

 遅い、遅い、遅い、遅い!

 それに、邪魔なモノまで一緒ではないか!!


「フェイト、何しに来たのかしら? アナタはもう必要ではないのよ……?」

「……!? か、かあさん…・・・、わたし、は……」


 言葉に詰まるマガイモノ。
 悲しげなその表情は、彼女の傍らで泣いている愛しい娘と良く似ていて。
 胸が軋む。だが、それは錯覚にすぎない。

 だって、この子は私のアリシアではない。

 私の娘ではない。

 だからプレシアは、異形と化したその姿の背から生える翼を羽ばたかせる。


「消え失せなさい。オマエは邪魔でしかないのよ」


 ブワッ、瘴気が彼女の中から噴き出した。

 だが、それと同時に一人の少年が前に出る。
 人としての彼女に止めを刺したと言っても過言ではない少年。
 彼女が求めるナニかを持っている存在。

 その少年が一つの珠を放り投げた。
 するとあっという間に黒紫の大気が浄化され、澄んだ清浄な空気となってキラキラ輝く。

 なに? なにをしたの、一体!?

 驚愕するプレシアに、更に一歩前へと足を踏み出す少年。


「美女や美少女を守るのがワイの存在意義や。だから、俺が助けてやる、プレシア・テスタロッサ!!」

「なにをっ! ジュエルシード、それさえあれば、アリシアが! だから早く差し出しなさいっ、14のジュエルシードをっ!!」


 顔を憎しみに歪ませ、禍々しい魔力を全身から絞り出す。
 そして召喚、『前』の自分にはなかった筈の術式を発動する。
 彼女の魔力を糧にして生み出される異形なナニカ。
 彼女と同じ黒い翼、彼女よりも暗い紫の肌。頭から生える2本の角。
 この第97管理外世界の童話に出てくる悪魔そのもの。

 それらが数十体、彼女の呼びかけに応えたのだ。

 だが、ビシュッ! 閃光が走った。

 一人の青年がプレシアを鋭い眼光で睨みつけながら、悪魔を一体、手に持つ2刀の小太刀で切り裂いたのだ。
 続いて鋼の糸を使いもう一体、更には再び剣閃を煌めかせ、また一体。


「御神不破流の前に立つ不幸を呪え」


 視線をプレシアに固定したまま、青年が静かに怒りの言葉を吐いた。
 手に持つ小太刀を鞘に収めると、身を屈め、悪魔の集団の中央へと飛び込んだ。
 身体を捻り反転させ、勢い抜刀する。


「薙旋六穿」


 2刀の小太刀による2連抜刀6穿。
 気の込められた滅びを運ぶ剣閃が、彼女の呼び出した悪魔を消滅させていく。

 そして、その後ろから先ほどの少年が神妙な顔つきで前に出た。


 ジリ……ジリ……、自然と足が後ずさる。

 彼女は解った。解ってしまった。
 その少年の危険性を。
 7つのジュエルシードを用いて変化した自分を倒しうる存在だと。


「いやぁ……いやよ……、もう少しなのよ、もう少しで、あの子を、アリシアを生き返らせれるのに!」


 確かに自分は力を得た筈だ。
 強大な力を。

 なのに身体が震える。目の前の小さな少年に恐怖して。
 今の自分より、遥かに劣る魔力しか持たない筈の少年に! 
 たった今、不可思議な剣技で化け物を消滅させた青年よりも、尚恐ろしい。
 
 逃げなければ。アリシアを連れて逃げなければ!
 ジュエルシードは手に入らずとも、他のモノで力を蓄えればいいのだから。
 今の自分には無限の時間があるのだから。
 だからジュエルシードに拘る必要は無い。
 ここで目の前のモノから逃げ出して、そうすれば、いつかは、あの子を……!!


 なのに、彼女の傍らで泣き伏す小さな彼女の娘の身体を掴めない。
 娘を連れて逃げようとする彼女の手をすり抜けるのだ。


「ああああ……、アリシア、アリシア、アリシアァッッ!!!」


 絶望で絶叫する。
 早く逃げねばあの少年に捕まると言うのに、それが出来ない。

 怖い、怖い、怖い!
 人の殻を破り捨てた筈なのに、怖い。
 もうすぐアリシアの笑顔を見られる筈だったのに……
 ワタシのネガイが……

 少年は彼女『たち』の前に立つ。
 プレシアは恐怖で震えながらも、魔力を込めた手を振り上げた。
 ただの人であるならば、例えオーバーSランクの魔導師だって消し炭にしてしまうほどの力。
 でも、それでもプレシアの恐怖は収まらない。
 目の前のちっぽけな少年が恐ろしくて仕方ない。
 この少年が、今の自分の全てを否定する存在なのだから。


「なんで……よ……、なんでなのよぉっ!もうすぐなのよ、もうすぐあの子が笑ってくれるのよ!! あの子の笑顔が! 私はぁっ!!」


 プレシアの咆哮に、空気がビリビリ震えた。
 上げた手を振り降ろす。
 目の前の少年の力では防ぐ事など叶わぬ力で。


「アホかぁーッ!! 当ったら死んでまうやんかーっ!!」


 だが、少年は恐怖で泣きながらスルリと避けた。

 例えどんなに凄まじい力が込められようと、当たらなければ意味がない。

 プレシアはかつて大魔導師と呼ばれた女だ。
 しかし、所詮彼女は研究者上がりの魔導師。
 歴戦の兵である少年に、正面切って戦って勝てる筈などなかったのだ。
 魔族と言っても過言ではない強大な力も、冷静さを失った今の彼女では使いこなせない。

 勝て……ない……、殺され……るの……? アリシアの笑顔を見ないままに……


「まだ、私……は……」


 そんなプレシアを目の前にして、ビビッて涙をちょちょぎらせていた少年が、微笑んだ。

 柔らかく、とても穏やかに。
 それは、少年の恋人である剣士の少女すら見たことがない笑み。
 もちろん、白い魔導師の幼い少女もだ。

 そんな笑みを浮かべながら、少年はこう言うのだ。


「俺に……任せろっ!」


 手を彼女の右肩の上へと伸ばした。
 モニター越しで見ていた管理局の者達どころか、ここに来ている誰にとっても何もない場所に。
 プレシアと少年、横島忠夫以外には見えぬナニかにむかって。

 だが次の瞬間、「オオォッ!?」決して小さくない歓声。
 横島の手の先から、淡く青白い光と共に小さな少女の手が浮かび上がったのだ。 
 次第にぼんやりと見えてくる金毛の少女。
 その姿は黒い魔導師、フェイト・テスタロッサに良く似ている。


「これは……幻術……なのかっ!?」


 管理局の執務官である少年が呟く。
 呟きながら、幻術とは違う。そうはっきりと感じてもいた。
 目の前の暖かい光に、知らず涙が一筋頬を伝う。
 それはまるで母のお腹の中の様な暖かく優しい温もりだったから。


「ママ、もう止めて。もう、充分だから」

「アリ……シア……の声……?」

「おにいちゃんが力をくれたの。これでやっとママとお話ができる」

「……アリシア、もう少しだけ待っててちょうだい。すぐにアナタを生き返らせてみせるから、ね……」


 プレシアの意気が上がる。
 今なら何でも出来る。
 恐怖を感じた少年にでさえ、打ち勝ってみせる!

 だが、少女は悲しげに首を横に振った。


「ママ、死んだ人は絶対に生き返らないんだよ。だよね、おにいちゃん?」


 重々しく頷く横島。
 その顔は笑みから一転、苦く辛い表情だ。
 横島とて、生き返らせれるものならそうしてあげたい。

 でも、無理なのだ。

 かつて彼の大切な仲間であったおキヌとは違い、大規模な術式で守られていた訳でもない少女には。
 いいや、おキヌとて完全に死んでいた訳ではなかった。
 だから、死んだら生き返らない。それはありとあらゆる世界全ての共通の掟なのだ。


「ああ、だったら私は今まで何の為に……」


 紫色となった肌。それは人を捨てた証。
 プレシアは怖気走るその両の手で、顔を覆い隠し静かに涙を流した。

 人は絶対に生き返らない。

 誰に言われても納得などしなかっただろうその真実を、愛する娘に言われてようやく受け入れたのだ。

 次にアリシアは自分の姿そっくりの、でも、少し自分よりも大きな少女の方に目をやった。


「フェイト、ママを許してほしいの。いっぱいフェイトを傷つけたのは、ぜんぶ私のせいだから……」

「アリ……シア……、でも、わたし……は……」


 フェイトは自分の存在意義を全て失ったのだ。
 人形だと言われ、それでもアナタの娘なのだとプレシアに言いたかった。
 だけども、彼女の本当の娘が目の前に居る。

 だったらワタシは何なのだ?


「わたしは……アリシアのクローンだから、許すも、許さないも……ない……」

「違うよ、フェイトはフェイト。私のたったひとりの妹だよ」


 アリシアはプレシアの方を向き、「そうだよね? ママ!」と満面の笑みを見せた。
 それは彼女、プレシアが最期にジュエルシードに望んだアリシアの笑顔。
 プレシアは目を大きく見開くと、次に柔らかく目尻を下げた。
 一度静かに目をつぶると、今度はアリシアを通り過ぎてフェイトを見つめる。

 その視線は、優しい母の目。フェイトが心から欲したモノだった。


「そうよ、アナタは、私の愛する……娘……、ごめんなさい……フェイト……」

「かあ……さん……?」


 やや呆然としたフェイトの問いかけに、だがプレシアはこれ以上の言葉を紡げなかった。
 プレシアの願いは正しく叶い、だから彼女の中のジュエルシードは輝きを、力を失う。
 死の淵にいた彼女は、ジュエルシードの加護がなければ生きてはいけない。
 更に魔族へと堕ちた彼女には、もう人としての身体が残されてはいなかったのだ。

 サラサラと、足の爪先から砂になっていくプレシアの身体。

 その事に少し驚くプレシアだったが、彼女は小さく頷くと、満足気な表情で全てを受け容れた。
 自分の願いが、アリシアの笑顔が見たいという願いが叶ったのだから、こうして今までの罪を償いに逝くのだと。


「この子のことをお願いしても……」


 不思議な少年に、最期の願いを言葉で伝える。
 ジュエルシードによらない願いを。
 その言葉に、少年は自分の胸をドンと叩いた。


「言ったろ? 美女や美少女を守るのが俺の存在意義だって。だから、美女の願いは絶対に守るさ」

「あら……」


 まるで乙女のように頬が熱くなる。


「ふふふ……」


 アリシアが死んで以来、初めて顔が笑みの形に柔らかく緩んだ。
 しかも、恋する乙女の様なキレイに澄んだ微笑みの形で。

 彼女は最期の力を振り絞って少年に近寄ると、彼の頬に唇を押し付けた。


 その時、彼女の足元からキラキラ光る何かが溢れ、天から光が差し込んだ。
 その先に、かつての飼い猫だった使い魔のリニスがいる。


「あら、来てくれたの? あんなに酷いことをしたのに……」


 彼女を迎えに来たリニスは、いいんですよ、と小さく首を横に振ると、プレシアの方へ手を伸ばす。

 身体がふわりと浮かんだ。
 ふわふわふわふわ……、少しづつリニスの待つ天へと昇り、彼女は満足そうに…………逝ったのだ。

 跡に残るのは、彼女だった灰だけ。それすらもサーッと散ってしまう。


「アァァァァアアアアアアアアアッッッ!!!」


 その灰を必死で集めるフェイト。
 少女の悲しい慟哭が、この場に居る全ての者の胸を打った。

 だが横島の目には見えた。

 プレシアが本当に満足して死んでいった所を。
 死んだプレシアが、最後の最後にアリシアの、そしてフェイトの周りをクルリと心配そうに周って、そして輪廻の輪に正しく還った所を。


 そして……、


 ありがとう、ワタシの願いを叶えてくれて……


 ジェルシードは願いを叶える不思議な石。
 石が叶えた願いの力は、横島が彼女の前に来るまでの時間を稼ぐことだったのか?

 それは誰にも解らない。


 ただこうして、後にプレシア・テスタロッサ事件と呼ばれ、管理局から多数の犠牲者を出した事件は幕を閉じた。




























「じゃ、わたしももう逝くね。ママが寂しがるといけないし」

「アリシアも、私を置いていっちゃうの……?」

「だいじょうぶだよ。フェイトには新しい家族がいるでしょ?」


 そう言って、クルッと周囲を見渡した。
 そこにはなのはが居る。美由希が居る。恭也が居る。

 そして、横島が居た。

 フェイトの心を救ってくれた人。
 自分の想いを母に伝えてくれた人。
 なにより、堕ちた母を救ってくれた人だ。

 家族全員が彼に救われた。
 アリシアは感謝でいっぱい。

 ぐしぐしと泣き止まないフェイトを、この世界で一番信頼できる彼に任せると、アリシアもプレシアと同じように光に包まれた。


「いかないで……っ!!」


 小さい手を一杯に伸ばす。

 だけども……


「さようなら、フェイト。さようなら、みなさん」


 子供らしからぬ微笑みを浮かべ、アリシアはフワッと光に向って浮かび上がった。

 どれだけの長い間、少女は母親の憎悪に満ちた姿を見てきたのだろうか?
 母親の犯した罪を、どのような思いで見てきたのだろうか?

 見えぬ姿で、届かぬ声で、必死に、必死に、彼女は訴えていたのだ。

 ママ、もうやめて! 誰かママを助けて! そう何度も。


 それもようやく終わりを告げる。

 意外な形で。


「……あれ?」


 アリシアに差していた光が途絶え、おろおろと慌てふためく。


「えいっ! やあっ! とおっ!」


 両手を天に向け、掛け声を上げながらぴょんぴょん跳ねる。
 微笑んだ表情は焦りにかわり、今はすでに半泣き状態。
 その姿はとても愛らしい。


「ふぇぇ~、おにいちゃ~ん。ママの所にはどうやったらいけるのぉ……?」


 文珠を使わずとも、ゴーストスイーパーである彼ならば、容易く少女を輪廻の輪に還せるだろう。

 でも、なぜだかそうする気が起きなかった。
 そうする事が一番少女の為になるのが分かっているのに。
 懐かしい、本当に懐かしく大切な思い出が、横島の脳裏に過ったのだ。

















 ────あの……つかぬことをうかがいますが、成仏ってどうするんですか?




 ほんとうに懐かしい





 ────長いこと地脈に縛りつけられてて安定しちゃったのね。こりゃ誰かにおはらいしてもらうしか……





 最初の夏のはじまりの光景が視える





 ────あの……やってもらえないんですか、それ

 あんた、お金持ってる?────





 ああ、そうか

 ここは、長い人生の息抜きの場ではなく 





 ────こうしましょう! うちで料金分働きなさい! 日給はフンパツして30円!!





 3度目の夏のはじまりだったんだ





 ────やりますっ!! いっしょーけんめー働きます!!







 さあ、はじめようか

 3度目の祭りを

 新しい友人と、新しい仲間と、新しい恋人と、

 楽しく、忘れられない思い出を作るために


















 横島はなのはの手をとった。

 薬指の指輪を有無を言わさず外すと、恨めしそうに睨んでくるのを気にも止めず、アリシアを呼び寄せた。





 目を丸くして驚くアリシア。
 大喜びのフェイト。
 指輪をジトっとした目で、いつまでも見続けるなのは。
 いいのかなぁ?っていいたげな美由希と恭也。






 この日、高町家に新たな家族が誕生した。

 フェイトと、そして新たに横島の使い魔となったアリシア。

 金髪美少女姉妹である。


 それは同時に、横島忠夫が、完全無欠のぺドフィリアに堕ちた日の事だった。




















































 次の90万HITでヨコなの最終回なの!














 人物紹介


 高町 なのは

 影薄い。
 ヒロイン(?)


 アリシア・テスタロッサ

 横島の使い魔3号。
 出会ったその日の内にヤラレちゃったらしいw
 ニーベルンゲンの指輪に宿る事で、その存在感を増す事に成功した。
 同じ様な存在であるさよを姉のように慕う一方、フェイトに対してはお姉さんぶっている。
 指輪に宿ったせいか、なのはから逆恨みな憎しみを、これから先何百年も受け続ける事になった。

 横島への呼称はおにいちゃん。


 フェイト・テスタロッサ・高町

 高町家に引き取られるも、テスタロッサの名前は捨てなかった。
 姉であるアリシアと最初はギクシャクしていたものの、天真爛漫なアリシアにすぐに懐いた。
 同時に、横島への感謝の念からなのか、彼の言う事は何でも聞くし、何でもしてあげたい。
 なのはとはとても仲が良く、周囲からは百合説が出るほど。

 横島への呼称は兄さん。


 アリサ・バニングス

 作中に設定が変わった唯一の人物。
 作者が感想に流されたとも言うw
 アリシアとヤッたことで禁忌感を失くした横島に、小学校卒業前に初めてを捧げる事に成功する。
 なのは、すずか、フェイト、はやてといったライバルに大きく差をつけた。


 横島忠夫

 この事件を境に、なのはの姉、美由希を使徒として、フェイトの姉、アリシアを使い魔として迎え入れた。
 彼と恭也が見せた力に興味を持った管理局によって、特殊技能教導官として招かれる。
 恭也は断り忍と共にドイツに行ってしまう一方、横島は美由希を連れて週1~2のペースでミッドチルダで教導官として働いている。
 特に地上本部との繋がりは大きく、直接の高弟にゼスト、レジアスがいる。
 レジアスはメタボ拳士、ゼストが咸卦法の使い手として次元世界最強と呼ばれるようになった。







 おまけの人物紹介w


 横島タダヲ

 リリアン女学園2年生。
 長く黒い髪。愛嬌のある瞳。卓絶した運動能力。
 170cmを越える長身。引き締まったウエストに、バスト85cmのバランスが取れた美しいプロポーション。
 顔は美人と言うより可愛い。遅刻常習犯。ゴーストスイーパー横島忠夫の縁者と言われている。
 その正体は、Dr.カオスの実験失敗によりTSしてしまった本物の横島忠夫。
 薔薇の名を冠する少女の破瓜エネルギーを集める為に、リリアンに転入(?)した。
 現在、長い時間をかけて口説いた祥子と好い雰囲気。
 と同時に、モーションかけてくる柏木にサブイボが立つ毎日。


 小笠原祥子

 タダヲのクラスメイト。紅薔薇の蕾。
 横島タダヲにその貞操を狙われている。
 周囲からは恋人同士に見られている。
 少しキツイ感がある祥子が、横島だけに見せる柔らかい表情に人気がスゴイ勢いで上がってたり。
 現在の時間軸が、原作開始3ヶ月前なので、まだ祐巳たんの登場はない。
 婚約者であった柏木とはすでに婚約破棄。
 男色家であったはずの柏木が、何故かタダヲに興味津々なのに不快感を感じている。
 ちなみに『キーやんのママがみてる』の話の構成は、柏木→タダヲ→←祥子で出来ている。





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