絶望の底に居た自分達を、颯爽と現れ救ってくれた男に少女は憧れた。 自分達を襲って来た化け物を、一瞬の内に殲滅したあの男(ひと)に。 初めて会った時に、悲しい瞳をしていたあの男(ひと)を。 あの悲しい瞳は、あの人の持つ力、霊力が関係していたのだろうと夕映は思ったのだ。 自分が、いいや、自分とのどかで彼を癒してあげたい。 あの力、霊力に目覚め、そして彼と同じ舞台に立つ事が出来ればどんなに素晴らしいだろう。 そうすれば、きっと彼を癒してあげれるのだ。 だけども、自分とのどかが目覚めたのは霊力ではなく、魔力。 夕映は悲しみ、絶望し、そして嫉妬した。 あやかの陰陽術に。アスナの魔装拳に。 そして何より、横島と同じ様な霊能を持つ夏美に。 自分には与えられなかったその力が、羨ましくて、妬ましい。 そんな時に聞いたのだ、アスナの事を。 アスナが元々使っていた力は、霊力では無かったと言う事を。 そして、その彼女は横島の使徒。あやかも使徒。 夏美は違うけど、彼女の力は横島のお陰である事は間違いなくて。 間違いなく、失った右腕を取り戻した事に関係がある。 霊力に関わる人達全てが、横島と何らかの関係があるのだ。 彼女達3人以外は、自分とのどかが魔力、アキラが気なのだから。 元々この世界には霊力という概念が無い。 だったら自分も使徒になればいい。 そうすれば、あの人と同じ舞台に立てるかも知れない。 彼女がそう思ってしまうのも仕方がない。「私達も横島さんの使徒になれないものでしょうか?」 彼女は横島と会うなり彼にそう尋ねた。 彼女は夢想する。 彼の隣に在れる事を。彼を癒すのが自分で在れる事を。 彼に、彼に、彼に、彼に、彼に、彼に……「あっ、ムリムリ。最近ちと力使い過ぎて、これ以上他に回す余裕ねーわ」 orz ← ゆえ まほらのほほん記 第18巻 流される者、されない者 それでも彼女は諦めきれない。「で、でしたら聖魔術とやらをお願いできないでしょうか?」 そう、だったら今は力をつけよう。 例えそれが霊力じゃなくて魔力だったとしても、力には代わりない。 夕映が聞いた『聖魔術』は、互いの力を高め合う儀式魔術。 使徒に求められる一番の仕事。 力を主に譲渡して、主の生存を助ける魔術。 ならば今の私が彼に出来るのは、その儀式魔術で少しでも彼の役に立つこと。 ついでに自分の力の上昇も見込めるなんて実に素晴らしい。 のどかがアスナ達と共に聖魔術をしたのだと聞いた時から、自分にもして欲しいと願っていた夕映は、せめてこれだけはとばかりに横島に詰め寄る。 周囲の人達が、顔を赤らめて自分を見ていても、夕映はまったく気にしない。「けっ、けけけけけけっこう大胆ね、ゆえちゃんって……」 基本、姉であるタマモの影響か、この手の事に割りとオープンなアスナでさえ恥かしそうだ。 それはそうだろう。 アスナだって露出的な趣味は無い。 みんなが居る前で、『性』魔術をしようだなんてオープン過ぎる。 そして横島も、どう反応していいのか分からないでいた。「だめ……でしょうか……? 私ではその資格は無いですか……?」 使徒にもなれず、聖魔術も駄目だとは…… そう思い、しゅん……とうな垂れた。 のどかとは出来ても、自分では駄目だと言う事ですか…… 夕映はチラリとそう思ってしまうが、スグに首を振って否定する。 のどかにまで嫉妬はしたくない。 何より今の自分では何か足りない物があるのだろう、そう自分に言い聞かせて。「横島さん、お願いします! ゆえにしてあげて下さいーー!!」 のどかは必死になって横島に懇願する。 夕映はそんなのどかの姿を見て思うのだ。 自分は空前絶後のアホだと。 のどか、ごめんなさい。そして、ありがとうです。 夕映は心の中でのどかに謝罪と感謝の言葉を述べる。 横島は夕映の方を見て、少し困った表情をした。「俺なんかでいいのか?」 横島の言葉に胸を高鳴らせる。 夕映がここでyesと答える、ただそれだけで彼に聖魔術という儀式魔術をして貰えるのだから。「は、はいっ! 横島さんにして貰いたいです」 はっきりとそう答えた。 下手に答えて、相手がアスナやあやかになっては困るから。 もちろんの事だが、夕映は性魔術の事を良く分かっていない。 聖魔術と勘違いしている位だ。 『聖』なんて仰々しい言葉を使っているのだから、何やら素晴らしい技術なのだろうと。 そして、のどかから聞いた話では勘違いしてもおかしくは無かった。 なぜならのどかは、アスナに後押しされてアキラと一緒に『せい』魔術をして貰った。 そう夕映に話したから。 だからだろう。相手として横島以外がある可能性を考えたのは。 実際の所、それは有り得ない。 基本的に横島しか使えないし、こっそり使える様になっていたあやかも内緒にしていたのだから。 だからこそ、他の面々が相手に成らずに何とか横島にして貰おうと、必死な夕映は気づかない。 自分とのどかと木乃香を除いた面々が、顔を真っ赤にして自分を見ているなんて。 彼女達からしてみたら、堂々と目の前で『セックスして下さい』そう言っているのと同じなのだ。 それは恥かしくもなるだろう。そしてその堂々さが少しだけ眩しい。 一方、心底困ったのが横島だ。 流石に身長が140cm切ってる少女とエッチするのは躊躇われる。 再び変な扉が開きそう。 1年以上前に、アスナを抱いた時以上の衝撃が来たらどうすると。 それまで彼は、決して高校生以下の少女と愛の組体操をするなんて事は考えた事も無かった。 それがアスナだけでなく、六道の謀略で冥菜とレミにまでハッスルしてしまった。 お陰で少し位ミニマムでも気にせずやっちゃう男になった訳だが、これ以上進むのはホントに不味いと思っている。 このまま見た目の幼さを気にしなくなり、気づけば小学生低学年だろうと平気で喰っちまう男になんかなっちまったら…… 横島は自分程信じられない男は居ないと固く信じている。 一度やっちまえば、かろうじて残っていた最後のジャスティスが粉微塵になってしまいそうだ。 とは言え、自分としたい。そうはっきり言ってくれた女の子を袖にする何て選択肢、横島には絶対に無かった。 それに、見た目小さくてもアスナ達の同級生だし? 結局、夕映の背中にそっと手をやると、そのまま自分の部屋へと向う。「あの、すみません。出来れば、のどかも一緒で構わないでしょうか?」「うん? 夕映ちゃんが良いなら別にいいぞ」「初めてで不安なのですよ。経験者がいてくれた方が心強いと思いまして」「まあ、のどかちゃんとは暴走した時以外ではしてなかったかんな。ちょうど良いか」 喜色満面の笑みを浮かべるのどか。 彼女はアスナ達に軽く一礼をすると、恥かしそうにしながらも、ぴったり横島の腕にしがみ付く。 3人は呆然とするアスナ達の目の前で、パタンと扉を閉めて横島の部屋へと入った。 「ゆえちゃんてさ、見かけによらず大胆ね……」 顔を赤らめながらアスナが呟く。「思ったのだけど、もしかして、これから何をするのか知らないんじゃ無いかしら?」「えっ? 性魔術してって、はっきり言ってたよ、ちづ姉」「あのさ、聖なる魔術、と勘違いしてるとかないよね……」 気まずげな空気が少女達の間で流れる。 木乃香が「なあなあ、せいまじゅつってなんなん?」そう聞いても気にも止めない位に。 今、あの中で、何も知らない夕映が…… あやかは止め様と横島の部屋に行こうとするが、アスナは大きく溜息を吐くと、「どうせ早いか遅いかの違いでしょ? でもね、みんな! これ以上、女の子を増やさない様にだけは気をつけてっ!!」 決意を込めた瞳を皆に向けた。 思えばアスナは、これまでただ流されていただけだった。 周囲に女の子が溢れかえろうが、余り気に止めていなかった。 その結果がコレだ。 あやかは仕方ない。事情が事情だ。 千鶴と夏美も、まあ仕方ない。あやかのオマケだとでも思っておこう。 でもアキラとのどかは自分がしっかりとしてれば防げたはず。 その上、今度は木乃香に夕映とか…… ここに来てからマダ半年も経たない内に、7人も女作るって……、しかも全員自分のクラスメイト。 今更だけど、アッチの世界に帰ったら、折檻されるのではなかろうか? マズイ、それは本当にマズイ。 タマモやシロは大丈夫だろう。 あの2人は、表面上嫉妬して見せてるが、実の所は余り気にしてない。 問題は……、愛子だ。 心から横島を愛している彼女だ。 怒り狂う事、間違い無い。 罰として異空間に閉じ込められ何をされるか…… 突然ガタガタと身体を震わせ、顔色を悪くするアスナ。 これ以上自分の身の安全を脅かす可能性を増やさない為にも、しっかりと仲間達に言っておかねば。 アスナはそう思いながら皆をリビングへと誘導すると、自分は浴室に湯を張りにいった。 愛子達に、何て言い訳しようか、と考えながら…… 一方、夕映は混乱の極みにいた。 少しでも効率良く聖魔術をして貰おうと、まずは横島にのどかで手本を見せて欲しい、そう言った辺りから。 恥かしそうに顔を赤らめながら横島の方をチラリと上目遣いで見るのどか。 そんなのどかに大きく頷く横島。 すると2人は夕映の目の前でスルスルと服を脱いでいく。 服を脱ぎ終えるや否や、2人は唇を重ね……「ほら、もっと夕映ちゃんに見える様に足を開いて……」 「はいー、分かりました……」「なんだ~? もうぐちょぐちょじゃねーか。まったくのどかちゃんはエッチやな~」「あっ、い、いやぁっ……はぁ、恥かしいよぉっ……」 顔を両手で隠してイヤイヤをする。 横島はのどかの女の象徴を覗き込むと、「のどかちゃんの此処、すっごくキレイだぞ?」「あう~~っ。も、もう耐えられ……ひぃうっ!?」 くちゅ、くちゅ、ぴちゃ、ぴちゃ、んっ、ちゅる、れろっ……と、舌で貪り嬲る。「はぁっ、あっ、あふぅ……んあぁっ……エッチになっちゃうっ……だめぇ……」 自分の敏感な部分に、舌で愛撫する横島の頭を、愛おしそうに両手で固定する。 のどかの無言の期待に応えるべく、横島は縦スジに舌を差込み、ジュジュジュジュッ……っと彼女の愛液を啜り始めた。「はぁっ、もうっ、イキそう……ですっ! あっ、イク……よぉっ……はぁ、いいっ……」 のどかが身体を震わせ、遂には……「んっ、んぁぁぁっ、はぁっ、い、イッちゃうよおっ……ゆえの、まえでぇ……ん、んくっ…… すごいのぉっ……、よ、こしまさぁんっ、もう、イッて……あっ……ぃ、イクぅぅぅぅぅぅうぅうぅっ!!」 身体をのけぞらせ、手足をピーンと突っ張る。 脱力し布団に仰向けに横たわったのどかは、断続的に身体を痙攣させ、荒く甘い息を吐いた。 夕映はただただ呆然とする。 小さい口を最大限まで大きく開き、意味不明な言語を吐き出し続ける。 そんな彼女に対してのどかが、「んぅっ……ゆ、ゆえ~、早く、脱いだら? ぃぅっ……」 息も絶え絶えに囁きかけた。 そんなのどかを横島は後ろから抱きしめ、両足を膝で持ち上げると、そのまま秘裂に太く固い肉棒を突き刺した。「ひぃっ……」 夕映の喉奥から、恐怖と官能の入り混じった声が漏れる。 彼女の目の前には、官能のうねりに身を任せ、身体を踊らせるのどかがいる。「んっ、あぁっ、ん、あぁあ、横島さぁん……、ああうっ、やぁあっ……」 横島のピストン運動に気持ち良さそうに目を細め、艶やかな嬌声を上げる。 固くて太い肉棒が、夕映の目の前で何度も膣内奥深く目指して出たり入ったりする度に、彼女の四肢は硬直する。 ずちゅ、ずちゅ、と言う淫音が夕映の脳を犯していく。「こ、これが、聖魔術……」 夕映は横島とのどかの淫猥なダンスから目が離せない。 少し前に、寝ぼけた彼に愛撫された感覚が、ズグンと彼女の肢体を襲う。 気づけば喘ぎ悶えるのどかに促されるままに、服を一枚一枚脱ぎ捨てて行く。 ブラなど必要としないその身体が、黒く、両端を紐で縛る大胆な下着を残し全てが晒された。「ひぁ、はっ、あぁああっ! や、やぁんっ! ご、ごめん……なさぃ……もっと、ゆっくり……んくぅっ、はぁんっ!」 横島の肉棒に膣内を掻き回され翻弄されるのどか。 子宮を激しくノックされ、息も絶え絶えに許しを乞うが、横島はソレを許さない。「もっと激しくして欲しいって?」「ち、違っ、います。っんあっ!」 のどかの身体が横島の膝の上で大きく跳ね上げられる。 そのまま身体を激しく揺さぶられ、のどかは潤んだ声を上げワナワナと痙攣を繰り返す。 涎を垂らし、夕映に淫らな姿を見せつけながら、遂に限界に達した。「やぁっ……、ゆえ、見ないで……あああっ、イク……イッ……んんんぁっ……ひゃあああアアンッ!!」 全身を大きく震わせ絶頂する。 のどかは夕映の視線に羞恥しながら、自分の一番奥深くでいつまでも放出され続ける横島の精液の感触に、悶絶し声を上げ続けた。 そして最後の一滴までのどかの子宮に出し終わると、目が虚ろな彼女の唇に吸い付き、淡く膨らんだ胸を円を描くように撫でまわす。「あ……つい……横島、さんの……私の中に……んん……いっぱ……ぃ……」 ビクビクと痙攣するのどかの身体は、最後にもう一度大きく反らせると、グッタリと横島にしな垂れた。「どうする、夕映ちゃん?」 陶然としたままののどかを抱きしめたまま、横島は夕映に問いかける。 横島の眼前には、紐パン一枚のみの夕映が全身を朱色に染めて立ちつくしていた。 まるで、小学生の時のアスナを思い起こさせるその姿に少し引くものの、彼女のワレメを中心に染みが広がっているのを見て、横島は覚悟を決めた。 堕ちることを! もっとも、ここで夕映がNoと言えば無理強いするつもり何て欠片もなく、その場合はのどかで2回戦目が始まるだけだ。 夕映は熱で働かなくなった頭でどうすれば良いのか考えるも、どうすればいいのか分からない。 でも、幸せそうに彼に抱きしめられるのどかが羨ましく感じていた。 だから、「お、お願ぃ……するです……」 小さい声でボソボソと呟いた。 緊張と不安で足を縺れさせながら、のどかを抱きしめる横島の傍へと歩み寄る。 そして、のどかと横島が抱きしめ合っている隙間に、自分の身体を潜り込ませた。「あっ……ゆえー?」「はい、そうですよ、のどか」「いま、どくね?」「いえ、もう少しだけ、このままで……」 横島とのどかの体温を感じながら、夕映はそっと目を瞑った。「好きです……横島さん……」 キスする前に、抱かれる前に、彼女は一番大切な言葉を横島に言う。 そして、もう一度……「お願いするですよ、横島さん」 目を開け、沢山の笑顔を2人に向けた。 場に流されたのでは無く、自分の意思として抱かれる為に。 横島は場に流されているだけだが…… おまけでスキル表 宮崎 のどか 魔法 E 罠感知 A 罠解除 A 地図作成 D 環境適応 E 料理 C 掃除 C 洗濯 C 奉仕 E 綾瀬 夕映 魔法 E 罠感知 A 罠解除 A 地図製作 A 危険察知 E- 環境適応 A 高速思考 EX おまけのおまけ ネギ・スプリングフィールド(原作開始時ヨコアス風味) 魔法 B+ 魔法戦闘 D+ 魔法構築 B++ 超天才 EX 高速思考 EX 魔力暴走 EX ??? EX おまけのおまけのおまけ ここまでで出てきたスキルEXの簡易解説 文珠 文字を霊力で刻む事によって、その力の方向性を決める事が出来る万能の霊具の作成及び、制御能力。 煩悩全開 性的な興奮をする事で、力の出力を上げる事が出来るトンデモ技能。 完全魔法無効化能力 幻想的な力を自分の都合良くキャンセルする事が出来る能力。 魔力増幅 絶対的な魔力量が多くなる。 高速思考 高速で思考出来る。 天才 超の技能。技能習得に必要な経験が、常人の10分の1。 超天才 EXを除く全ての技能を修得するのに必要な経験が、常人の数百分の一ですむ。全ての習得技能に+が付く。 魔力暴走 何かって言うと魔力を暴走させてしまう能力。コントロール不可。 ??? 王家の魔力。もうちょい原作設定が出るのを待とう。 +や-について 個々人が持つレア特性。 一度付いたら中々外せない。 B→Aに上がったりする時も、常に憑いて来る。 +が有る人は才能有り、効果増。 -が有る人は才能無し、効果減。 そう思って下さるのが一番近い。