まほらのほほん記 第16巻 真・日々彼是 その3 あやか達がいた場所より更に奥。 大広間を越えた先にある一室。 そこから溢れ出る妖気を感じ取った横島は、慎重にドアを開けた。 中に居たのは醜悪な化け物。 赤紫色の細い棒の様な体、背中から蝙蝠の様な羽を生やし、まるで悪魔の様な姿。 この旧世界と呼ばれる場所では存在自体が悪と言える。 とは言え、何もせず、ただ平和に時を重ねる者だったなら、横島は見逃しもしただろう。 だが…… 醜悪な化け物、魔族の足元には幾つもの残骸がある。 鳥の残骸。犬の残骸。猫の残骸。そして、人の残骸。 子供の身体や妙齢の女性が、股間から血や他の物を垂れ流しながら恐怖と絶望を顔に貼り付ける。 その上で腸を貪り喰われたその姿は、慣れない者で無くとも吐き気を催す光景。「チッ……、ホントにあのジジイ、いい加減な仕事しやがって……」 怒り心頭で口から零す。 ただ、魔族がいるのがジジイ、学園長のミスとは言い切れない事も横島は分かっていた。 残骸……、死体がまだ腐敗しきっていない。 まだ此処に来て日が浅いのだろう、横島はそう確信もしていた。 コイツの情報が抜けていたとしても仕方が無いのかも知れない。 だが感情は別だ。自分の大切な子達が危なかったのだから。 あれだけ簡単な仕事を、と言って置いたにも関わらずこの体たらく。 許せるものではない。 目の前の魔族は、横島を見てガタガタと震える。 先ほど、文珠を使って一斉に悪霊や亡者といった者達を浄化させたのを感じ取っていたのだ。 何をしたのか魔族にはさっぱり解らなかった。 それでも相手が遠く及ばない存在だと言う事は解ったのだろう。「ギ……ギギィ……タ、タスケ」「ムリ」 命乞いの言葉に、速攻で無慈悲な返答を返す。 顔色を失くし、それでも生きてみせると必死に逃げようとする。 だが、身体が思うように動かず羽音をバタバタ響かせるだけ。 横島は右手に霊波刀を展開させる。 そして、「帰ったらジジイの奢りで、美味いモンでも食いに行かなやっとれんな、おい。」 言いながら光輝く剣を振り下ろす。 魔族の視界全てが光に包まれ、 ビシュッ 何かが斬り裂かれる音。 横島は女性と子供の死体に自分の上着を掛けてやると、体を翻し外へと向って歩き出す。 それを見た魔族は、助かった! そう思い、この場から少しでも離れようと羽を広げ、天高く飛び上がる。 いや、飛び上がったつもりだった。 気づけば自分は床に倒れ込んでおり、立ちあがろうにも身体が上手く動かない。 そしてようやく気づく。 羽を広げてなんかない。天高く飛び上がる事なんてもう出来ない。 自分はもう、首だけなのだから。「悪いな、この世界にお前を住まわせる土地なんてねーんだよ。 もしも魔界に戻るんなら、2度とこっちの世界には来るんじゃねーぞ」 少しづつ目から光を失わせる魔族に、最後の一瞥を向け囁く。 確実に殺し、次があるなんて絶対に無いと知りながら。 暗くなり静まり返った家の中にこっそりと入る 既に日付が変わっており、アスナ達はリビングで一塊になってぐっすりと眠りについていた。 アスナ、あやか、夏美、千鶴、木乃香。 順々に一人づつ顔を覗きこんでは、嬉しそうに目を細める。 ……癒される。疲れ切った心と身体が元気になっていくのが分かる。 あの後は大変だった。 屋敷の中には人の死体が転がっていたのだ。 これは流石に自分一人で如何こう出来る問題では無い。 怒りを抑えて学園長に電話をし、魔法関係者を此方に呼んで貰う事に。 来たのは褐色の肌をした美人のシスターと、そのお弟子さんの女の子2人。そしておまけで太ったおっさんとその弟子達。 おっさんとその弟子達を惨状の現場へと誘導した後、全てを押し付け、さり気にシスターを口説いていたマデは良かった。 何気にシスターの弟子の一人が、アスナのクラスメイトだったとかで話題には困らず、このまま上手くやりゃー今夜はグフフ……なんて思っていたのによ! おっさんの弟子が急に飛び出して来たと思いきや、此方に駆け寄りゲーゲーと吐きよった。 何でわざわざコッチに来て吐くんやっ!? そう怒鳴りつけようと思ってもシスターは人格者で、太っちょの弟子を心配そうに背中を何度か摩ると、代わりに自分がと現場の方へ行ってしまう。 結局太っちょの弟子共は一切役に立たず、自分までもが残処理を手伝う事になっちまった。 ワイの様な繊細な人間が、何でこんな事せにゃ…… そう言いたい気持ちがあれど、シスターの微笑みには勝てず、その後を楽しみに笑顔で手伝ったのにぃっ! 全部が終わるとクソッタレな太っちょに任せて、「この後一緒にどうですか?」 と、お誘いの言葉までかけたのにぃっ! あの太っちょ一人じゃ大変だとかで……、クソがぁーーーーーーーーーーーーっ!! これじゃあ、無駄に疲れて嫌な思いしただけやないかっ! シスターの代わりに彼女の弟子2人連れて麻帆良に帰る事になり、 途中、散々アスナのクラスメイトの子にたかられるは、もう一人の小学生位の子には妙に懐かれるはで疲れちまったよ…… 麻帆良に着くなり学園長に文句を言いに行ったら、代わりにしずな先生を置いて逃げ出し済み。 ジジイの相手するよりゃ、美人で巨乳のしずなさんの方が100倍良いと思いきや、彼女は俺に対する労いの言葉とお詫びを述べるとスグにどっかに行ってしまった。 遣る瀬無い気持ちで佇んでいたらタカミチが報告に現れ、結局アイツと男2人で飲みに行く事に。 何か妙にハイテンションなタカミチに連れられて、もう何が何やら…… 良かった事と言えばシスターと知己になった事くらい。 まあいい……、シスターの好意を取る事は出来たはずだ。 少しづつ落としていく事にすればいい。 楽しみが後になったと思えばいいさ。 そう自分を慰めながら家に帰って来たのだ。 そんなもやもやした気持ちも、少女達の愛らしい寝顔を見たら吹っ飛んだ。 出来れば一人くらいは起きてて、この遣る瀬無い気持ちを吐き出したかった気もするが…… 酒臭い息を吐きながら、そんな事を考える。 空しい…… 最後にボソッと呟くと、そのまま汗と酒臭い身体を洗い流す為に風呂場へと向った。 酔っていたせいだろうか? 此方を伺う視線に気づかずに。 適当に服を脱ぎ捨て、浴室に入るなり身体も流さず浴槽に飛び込む。 少女達が前もって入れといてくれた、ちょっとヌル目のお湯に肩まで浸かる。「はふ~……」 目を瞑って心地好さ気に声を出し、そのまま半分眠った感じでぼんやりと過ごす。 すると脱衣場の方から人の気配を感じる。 誰か起きて来たんかな…… ボンヤリとそう思いながら、誰が来るのか少しワクワク。 気配を探り、個人を特定するなんて野暮な真似は絶対にしない。 ドアが開く音がして、誰かな~ってワクワクしながら目を開けた。「横島さん、お背中流しにきたえ~」 予想外。想定外。そして命の危機。 バスタオルで身体をきっちり隠しているとは言え、年頃の少女が満面の笑みを浮かべて入ってくる。「こ、木乃香……ちゃん、女の子が男と一緒に風呂に入るのはイカンと思うよ?」 我ながら恐怖で声が震える。 下手に手を出してみろ! 詠春がぶち切れて東西確執何ソレ? って感じで攻めて来るに違いない。 それは不味い。アレであの野郎、無茶苦茶強い。 最近は西の長として実戦から離れていた所為もあり衰えたらしいが、娘を傷物にされたとあっちゃー、現役時代の力を取り戻して来る事間違いねぇー。「アスナ達と良く一緒に入っとるやんか。それとも、ウチと一緒はいやなん……?」 どうやらアスナ達と一緒に風呂入ってるのバレテタみたいだ。 ハハハ、こらマズイ、むちゃんこマズイ、マジでマズイ。 何とか此処を逃げ出さねば……、そうは思うものの、目に一杯涙を溜めてウルルってしてる木乃香ちゃんを見てるとそうもイカン。 結局何も言わずに浴槽から立ち上がると、木乃香ちゃんに背中を向けて洗ってもらう事に。「えへへー、横島さんと一緒にお風呂、ウチ嬉しいわぁ」 言いながら、んっしょ、んっしょ、と背中をゴシゴシする。 大丈夫、大丈夫だ俺。 手を出さなきゃ良いだけだろ? 乳や尻はバスタオル巻いて見えねーんだし、変に意識さえしなきゃ大丈夫。 ここは父親……もとい、兄的気持ちでやましい心を捨てて望めば大丈夫さ、俺。 そういや、前にもこんな事があったよなー。 なんて、昔の事を思い出しながら何処か現実逃避をする。 思い出す、あの時の事を…… 冥菜ちゃんに顔射しちまったあの時の事を…… そう言えば、あの子ともやっちゃったんだよな。 冥子ちゃんの陰謀とは言え、16才になったばかりの幼い少女の秘裂を、何度も何度も刺し貫いた。 可愛い喘ぎ声を出して俺を求めてくるあの娘の期待に応えるべく、ハッスルしまくった。「ひゃあっ!? んあっ……やん……あァ……ああ……」 そう、こんな感じでかぁいい声を出す冥菜ちゃんを。 しかも冥菜ちゃん一人だけでは飽き足らず、レミちゃんやすずめさん、めぐりさんとも……「だめやて……そ、そこ、切ななってまうよぉ、ああんっ……あ……ああ……いっ、いぃ……」 向こう帰ったら、こんな感じで全員の後ろを開発せねばなるまい。 こちらの娘達だけ完全に開発済みだなんて不公平だからな。 こう、手に泡を一杯つけて、胸を愛撫しつつ手をお尻に回して優しく後ろの穴を……「んっ、んっ、んぅっ、く、くるしい……横島さん、おなかが……く、るしい……ああんっ……」 上気した顔でこちらを見上げる。 初めて感じる性的な快感に戸惑い、それでも俺を信頼しきってる潤んだ瞳。 その小さく愛らしい口から激しい吐息と共に漏れだす喘ぎ声、そして口端から零れる銀色の唾液。 ほんのり開いた唇を、俺の唇で塞いでと言わんばかり。 大和撫子の見本とも言える木乃香ちゃんの唇を…… 後ろの穴を開発しつつ、今まで木乃香ちゃんの小さい胸を愛撫していた左手で、彼女の顎をクイッと上げる。 俺の唇で彼女の唇を塞ごうと、少しづつ、ゆっくりと彼女の唇に近づいていく。 寸前で一旦止まり、唇を塞ぐ前にまずは舌先で彼女の唇を舐め回す。 すると彼女は待ちきれないのか、自分の舌を突き出して俺の舌を絡め取った。 くちゃ、ぴちゅ、くちゃぁ…… 舌を絡め合わせる音が俺の脳髄を犯し、そのまま彼女の口中へと導かれる。「ん……んぅ……んっ……ん、んぁっ……」 木乃香ちゃんの口中を味わっていると、唐突に気づいた。 アレ? オレ、ナニヤッテンノ……? 目を大きく見開いて、深くキスをして舌を絡み合わせている木乃香を見やる。 俺の右手で後ろの穴を穿られながら、左手で乳首をクリクリと抓られている。 彼女は俺の右の太腿に跨り、無意識にやっているのか股間をズリズリと太腿に擦りつけて性的な快感を高めている。 太腿に感じる感触で、木乃香ちゃんのアソコが充分以上に濡れそぼっている事を感じさせ、俺の分身の投入を今か今かと待ち望んでいるのが分かった。 アハハ……ドナイシヨウ……アタマガマッシロナンダ、ボク…… そう思いながらも、木乃香ちゃんの舌をねっとりとねぶるのは止められない。 木乃香ちゃんの荒い吐息と共に、クチュクチュという湿った音が、口やアソコ、それに尻から漏れる。 そんな淫音を聞いていると、何だかもうどうでも良くなってきた。 俺は木乃香ちゃんを両手で強く抱き寄せると、本気の舌技を繰り出し始める。 ぷにぷにっとやーらかい木乃香ちゃんのおっぱいを俺の胸に押し付けると、彼女はビクビクと身体を震わせる。 そんな木乃香ちゃんの口の中に俺の唾液を流し込み、無理矢理嚥下させつつ唇、歯茎、舌の表と裏を愛撫していく。「んっ……こくっ、こくっ、んぐっ、んふぅ、ちゅっ、こくっ、こくん……」 互いの唾液をすすり合いながら、貪欲に快感を味わい続ける。 貪り合う唇の隙間から、嚥下しきれなかった唾液がダラダラと零れ落ち、互いの身体を淫らに濡らしていった。 「ぷあっ……」 充分木乃香ちゃんの唇を貪り尽くした俺は、一旦彼女を解放させた。 キスから解放された木乃香ちゃんは、ビクビクと何度も痙攣しながら俺にもたれ掛かる。 そして、潤んだ瞳で俺の事を見上げてきた。「ウチ……キスしたん、初めてや……」 木乃香ちゃんは夢見心地といった様子で、うっとり呟く。 その声を耳に入れたと同時、俺は天啓を聞く。 処女膜さえ破らなければ、O.K.! 神々しくも、ありがたいお言葉。 何処の誰だか知らないけれど、我が道を指し示して頂き、恐悦至極に存じます。 初めてが後ろってのも、乙なモノさっ! ……って、違うわあああああああああああっ!! 俺はグイッと木乃香ちゃんの身体を自分の身体から引き離す。 そしていきり立ち、早く俺をブチ込むんだと急かして来る分身を、心の中で詠春とラカンの魔愚輪異を想像して一気に押さえつけた。 グボハァッ!? 心の中のもう一人の俺が、大量に吐血する。 バリーンと何かが割れる音が聞こえる。 間違いなく、自分の中に有った大切な何かが失われたのが分かった…… 突然の俺の行動に目を白黒させている木乃香ちゃんの頭を数回撫でて誤魔化すと、いい加減お湯に浸からな風邪引くぞ。 そう言って彼女をお姫様抱っこしながら、2人で湯船に浸かった。 どこか気不味い沈黙に包まれる。 どう誤魔化せば良いのか分からん。 見ないでも分かる。木乃香ちゃんが涙目でこっちを見上げている何て事は。 でもな、最近流されてばっかだから、いい加減にせんとマズイ。 ヤルにしても、アキラちゃんやのどかちゃんの時みたいに済し崩しじゃなくって、キチンと意思を確かめてからじゃねーと。 その後も木乃香ちゃんの無言の催促を何とか切り抜け、理性を保ちつつ風呂から上がる事に成功した。 しゅん……と落ち込んでしまった木乃香ちゃんを何とか元気付けると、彼女と一緒に布団に入った。 これも断ろうとはしたんだが、アスナの事を出されたら如何にも断れん。 何か最近の俺、この世代にだけ効くフェロモンでも出てるんだろうか? そんな事を考えながら、木乃香ちゃん『の』抱き枕になって眠りについた。 湯上りでいい匂いのするちっちゃいオッパイの谷間に顔を埋め、必死に理性を総動員しながら…… 朝、目が覚めるなりアスナとあやかの冷たい視線と、「これで姉妹ね、私たち」 なんてニコニコしながら木乃香ちゃんを抱きしめる千鶴ちゃんにはまいったが。 いや、まだ手は出してねーぞ! 俺の真実の叫びは誰の耳にも届かなかった。 ホント、いつの間にか木乃香ちゃん、服着てないんだよな~。 寝ぼけて脱いだのか、それとも俺が脱がしちまったのか…… それはともかく、この状況じゃ前科が有り過ぎて信じて貰えんのも仕方ない。何て思っちまう自分に涙した。 そして何より一番まいったのが、朝一で来た夕映ちゃんの言葉……「私達も横島さんの使徒になれないものでしょうか?」 使徒であるアスナとあやか、そして最初から使徒になるつもりが無い千鶴。何の事だか分からない木乃香。 この4人を除いた全ての少女達が、夕映の言葉に身を乗り出してくる。 ……言ってる意味、分かってんのかなぁ? おまけでスキル表(前回のも合わせてネギ登場前最終データ) 神楽坂 明日菜 霊能 C→A 霊的戦闘 C→A 体術 S 拳戦闘 S 神通棍 B→C 銃撃 A 咸卦法 A(使用不可) 料理 S 掃除 S→A 洗濯 S→A 奉仕 C→S 床技能 B 完全魔法無効化能力 EX 那波 千鶴 魔法 E 料理 A 掃除 A→S 洗濯 A→S 介護 S 奉仕 B+→S+ 床技能 E 近衛 木乃香 料理 S 掃除 A 洗濯 A 魔力増幅 EX 後書き 大抵の悪霊や魔族(下級)と言った存在は、GS美神を基準にしています。 ヘルマン伯爵クラスになると、ネギ魔基準です。 GS基準にするとアレでは弱すぎるので…… この世界の魔族は魔法世界では結構普通に人間と仲良く共存している上、そんなに強くはないんで。 今回出た魔族、これはどちらかと言うと魔獣に近いもの、という認識で。 ついでにラプシィアが召喚した蟷螂、アレは戦女神2での最初のボスキャラをイメージして作りました。