ずる、ずる、ずるり、ずるり。
何かを引きずるような音が聞こえル。
ソレしか聞こえない。あ、目を閉じているカラか。馬鹿じゃね俺w
目を開ケた。
何かを引きずっていルのは俺だった。
引きズられているのハ、誰かの死体だッた。
俺は一体何してるんディスカ?
黙々ト死体を引きずッている。
体を自由に動かすコとはできない。
あるぇー、ジルたんと出会ったわけでもないのにオカしイな。
暴走しているにしては随分と静カだ。ただ、その死体をずるずる引きずって……ドコイクノ?
俺は死体ノ脚を掴んでイた。
俺ハ死体の脚を掴んデ歩いていタ。
手を離スト、重力に従って足はごとりと落ちタ。
俺は振り返ル。
死体は仰向ケに転がッていタ。
ソノ死体は、よく見知っタ顔だった。
……俺のかオ。
俺は自分の叫び声で目が覚めた。
なんか初号機が暴走したみたいな、アレ的なアオーン。
夢か、そうだよな、なんで俺が俺を引きずってなきゃいけないんだか。
そんななったらじゃあ今の俺は誰なんだよ。ネメシス? そういうオチはやめてほしいものだ全く。
相変わらずメカメカしい場所に寝かされている。予想通り体は拘束されていて身動きひとつ取れやしない。
まぁ、夢の中と違って俺の自由にはなるんだけどね、金属の拘束具で首とか腰とか腕とか足とか、とりあえず付けられる場所には全部取り付けました、みたいな状態でさえなければ。自由なのに動けないヨ!
えーと、ぬこをもっふもふして、ウェスカーさんが来て、逃げようとして撃たれて……つまり俺様ちゃん、ウェスカーに拉致られたんか、そうなんか。
「目が覚めたようだな」
あるぇー、ニポンゴ。首だけ動かすとそこにはグラサンの似合うウホッいい男!
「xxx xxxxx xxxxxxxxx?」
「xx xxxxxxxx xx xxxxxx xxxx xxxxx」
今度は英語。うりゅ、ニポンゴじゃないとワッカリマセーン。
「貴様の名は、ユウスケムラカミ、そうだな」
……何故ウェスカーさんが俺の名前ば知っとるとですか?
「xxxx xx xxxx?」
「xx xxx」
今度は英語。なんかもう一人いるみたい、俺からは見えんけど。
「言葉は話せないのか」
ん? 俺に聞いてる?
しゃべれないよーん、と言おうとしたけれどやっぱり俺の口から出てくる言葉はスターズ。不便だね。
「少女とともに行動していたのは貴様か」
返事できないってばよ。少女ってよし子ちゃんのことだよね多分。そうだよーんオイラだよーん伝わらないだろうけどねアッヒャッヒャ!ヽ(゚∀゚)ノアッヒャッヒャ!
「そうそう、脳波を解析しているので、大まかにだが貴様の考えていることはこちらにも理解できている」
……うそん。ナニソレ脳波の解析でそこまでわかるの? スゲー! あ、嘘発見器とかがそういう方法で判断してるんだろうか。事細かに考えてること読まれてたらヤダなぁ。おちおちエロい妄想もできやしねぇ。いや、するけどな(*´Д`)ハァハァ
「あの少女を助けたいのであれば、こちらの命令に従え。そうでなければお前もともに処分するだけだ」
処分とか。人間に対して言うコトバですかね。あ、俺今人間じゃねーか。……言うこと聞けったって、ジルたん退治とかそーゆーのは俺にはムリですよ。むしろ即座に返り討ち。
「とりあえずは余計な事は考えなくていい。生存者の抹殺などは他のモノに任せることにした。貴様にはデータの収集に協力してもらうだけだ」
ちゅーことは、今つけてるみたいなコードとかソレつけたままで動き回るとか、そういうことだろうか。何より人殺さなくていいのはアリガタイネ。
本当は言うことすら聞きたくないんだけども、よし子ちゃんも狙われてる以上言うこと聞くしかなさそうだし? 俺だけが暴走したって多分、すぐに確保されて処分コース一直線。あれだウェスカーさんもバケモノだからさ、同じバケモノなら元会社員な俺より元スターズなウェスカーさんの方が強いに決まってます。
言うこと聞いてる振りしてればいいか、とりあえず。んで我慢できないような命令されたら逃げようそうしよう。ヘタレって言うな30年生きてきて培った処世術なんですー!
「ふむ、言うことを聞くふりをして逃げるのか。そのようなことをすればどうなるのか、やってみるか?」
ばれてーら!!!!!
=中の人復活!=
そしてすぐに死亡。