「放て放てっ!矢を放てっ!奴らを城門に近づけさせるなっ!!」
「城壁を登らせちゃだめなのだー!何でもいいからぶつけてしまうのだっ!」
「マリア隊構えてー。3,2,1,発射ー」
「ふぁあああああ……。暇だ………」
黄巾党本隊を激突して4日目、オレ様は流石に飽きてきたのだった。
黄巾党と戦うことを決めたオレ様達が取った作戦は、簡単なものだった。
とりあえず、全軍二万のうち、セイラン作ったり、防衛する準備したりで一万ほど使って準備。
残りの一万は休ませた。
そして翌日、強行軍で戻ってきた黄巾党に対し、前日休ませていた一万で突撃。
出鼻を挫いておこうというわけだ。
向こうは強行軍で戻ってきたところに加え、全軍が集まりきっていない状態で三万程。
戦力差的には1対3だが、そこは装備も充実している正規軍対装備もまともに無い野党ども。
それに加え、気力充実な兵士対、移動で疲れきった野党。
ついでにここはド派手にやって来いと言うアールコートちゃん+ちびーずの要望により、
オレ様、星ちゃん、関羽ちゃん、ちびっこ、後ついでに白蓮ちゃんが出撃した。
オレ様が出ている以上もちろん負けるわけも無く、散々に倒して悠々と引き上げさせてもらった。
つーか改めて思ったんだが、星ちゃんといい、関羽ちゃんといい、ついでにちびっこといい、強いな。
もちろん英雄たるオレ様程ではないのは確かなんだが、下手したらリック位の強さがある。
そんな面々に攻撃されたんじゃ、黄巾党の奴らにも少しばかり同情するぜ。
まぁ、ほんのちょっとだけだがな。がはははは!!!
ということで、初撃で痛手を被らせることに成功したオレ様達は、兵を引き上げて籠城作戦に入ったわけだ。
その頃にはマリアのセイランも完成してたし、アールコートちゃんが考えた、
『木に縄をつけて壁をよじ登ってる奴にぶつける。そして引き上げて何回も使う』
っていう簡単な作戦用のものの用意も出来てたし、準備は万全だったわけだ。
んで、攻撃してきた奴らに対して、矢を放ったり、熱湯をかけたり、木を落としたりして防衛をした。
防衛をして、防衛をして、防衛をした。
今日で四日目。
オレ様には似合わない地味な作業なので、飽きてきたと言うわけだ。
「飽きた」
というわけで、四日目の夜の会議でそう言ってみた。
「防衛してるだけと言うのは、英雄たるオレ様にとって、いささか簡単すぎるし地味すぎる。
だからもっとこう、簡単だけど目立つような方法は無いのか?」
「あわわわわ。ランスさん、そんなこと言わずに頑張って欲しいです」
「そうですよランス殿。戦果は確実に上がっているのですから、今しばらく頑張りましょう」
「む、そんなこと言う関羽ちゃんも、毎日毎日同じ事の繰り返しで飽きてきてたりしてないか?」
「そんなことありませんっ!この戦いは、私にとって重要なものです。
そのようなこと考える訳ありません!!」
オレ様程ではないとは言え、実力のある関羽ちゃんのことだから、前線で暴れまわりたいと思っているものだと思っていたが、
そうではないようだ。
「う~、鈴々はお兄ちゃんと同じで暴れたくてうずうずしてるのだ」
お前にはきいとらんわ、がきんちょ。
「ということで、そろそろ作戦を次の段階に移せたりしないのか?」
「え……と……、鈴女さんの……準備が……で、出来てる…な…ら…、次の段階に移ってもいい…と思います」
「む、呼んだでござるか?」
「鈴女、現在どんな感じだ?」
「ん~、当初の予定の八割と言ったところでござるが、やってやれないわけではないと思うでござるよ?」
「よし、それなら問題無いな。作戦を次の段階に移そう」
オレ様の言葉に、周りはやっぱり少し渋い顔をしている。
英雄たるオレ様が言うのだから、黙って信じればいいものを、まったく。
「あー、せっしゃが言うのもあれでござるが、今回に限ってはランスの言うことにも一理あるでござるよ?」
「今回に限っては、とはなんだ。今回もだろうが」
「えっ、もしかして“もう”ですか?」
オレ様の文句をスルーしつつ、ウルザちゃんは確認の意味を込めて鈴女に問い返した。
鈴女は、首を縦に振って肯定している。
「というわけで、むしろ今しかタイミングがないでござる」
「いくらなんでも早すぎでは?」
「せっしゃもそう思う出ござるが、事実として直ぐそこまで来てるのでござるよ」
「これで、こちらの準備が整ってなかったら、いい笑いものになってしまいそうですね……」
「愛紗さんの言うとおりですね。ここは、多少無理を押してでも、作戦を次の段階に移しましょう」
こうして作戦は次の段階に移される。
途中からオレ様がないがしろにされていた気もするが、まあ思い通りになったから許しておいてやろう。
少しいらっとした分は、三姉妹にでもぶつければいいしな。がはははは!!!
「か、か、火事だあああああああああああ!!!」
「敵襲っ!敵襲っ!!!!」
「ちょっ、敵襲って、こんな暗闇でどう戦えってんだよ!!!」
「ぎゃあああ、熱い、あづいいいいいいいいいいいいい」
ふむ、ここからでも火が見えるとは、中々上手くいったみたいだな。
作戦の次の段階、それはすなわち黄巾党に工作員を忍び込ませて、破壊工作を行うということだ。
内容的には、十万もいる黄巾党内に、こっそりと鈴女の忍者部隊を紛れ込ませ、
闇夜に乗じて、食料などに火を放つということだ。
今回は、ありもしない襲撃を追加で叫ばせることによって、火事による混乱にプラスして、拍車をかけている。
まとめると、黄巾党的には
1・自軍の陣地が燃える(火による被害+疲労)
2・食料の喪失
3・ありもしない敵襲に対する恐怖(疲労)
こんな感じだ。
これで明日の朝には、脱走兵により数を減らし、疲労により動きが鈍くなり、ついでに空腹な状態の黄巾党が出来上がるわけだ。
ちなみにオレ様の命令で、奴らの本部周辺だけは火が及ばないようにしている。
三姉妹に死なれては困るしな!
ということで、戦果を確認したオレ様は、どうやって三姉妹をいただくか考えつつ、睡眠をとるのであった。
ぐうぐう。
「うがあああああああああああああああああ!!」
「飯だぁぁぁああ!!飯をよこせええええええええ!!!」
「ここを、ここを落とせば飯を食えるぞおおおおおおおお!!」
翌朝、オレ様は結局城壁の上から色々なものを投げたりしていた。
軍師ズ(アールコートちゃん+ちびーず)曰く、これはある程度予想できていたことらしい。
敵の食料を無くしてしまうのは有効な方法であるが、その場合、食料を失った敵がどのように行動するかは考えれば分かるとか。
食料を無くした者の取る行動は3つ。
退くか、降伏するか、別のところから持ってくるか、だ。
今回の場合、数に勝る黄巾党が降伏することは考えがたく、残りの二つは拠点を取り返すという意味において同義である。
結局、『オレ様達を攻撃して、素早く拠点を落とす』という手しか考えられなかった。
そして、向こうは食糧難という事情があるため、それこそ死に物狂いで攻めてくる。
それが、現在の状態である。
日の出と共に始まった今回の攻撃は、既に数時間にも及んでいた。
黄巾党は今までのように組織だって攻めてくるわけでもなく、ひたすら全員で突っ込んできているようなものである。
雑魚どもの癖に数だけは多いため、なかなかめんどくさい。
まぁ、オレ様みたいな指揮官が居ないんで、てんでばらばらに攻めてきているため、持ちこたえること自体は出来ているがな。
「鈴女っ!まだか!」
「いや、流石にいくらなんでもまだで……っておろ?あれはまさか……?」
鈴女が遠くを見て驚いた顔をしている。
オレ様も同じ方向を向いてみるが、何も見えん。
いったいどんな目をしてやがんだ、まったく。
とか思っていると、オレ様にも徐々に見えてきた。
ついでに、叫び声も徐々に聞こえてくるようになった。
うむ、これはやはり………
「申し上げます!黄巾党後方より、援軍到着っ!蒼地に曹の一字。曹操殿のご到着です!」
「それではっ、曹操隊の突撃に合わせて出陣してください。
ランスさん、愛紗さん、鈴々ちゃん、星さん、ウルザさん、白蓮さんお願いします!」
「がはははは!ようやくオレ様の出番かっ!」
「ここで、決めますっ!」
「う~、鈴々は鬱憤が溜まっていたのだ!ここで大暴れなのだっ!」
「ふふふ、こんな大舞台。腕が鳴りますな」
「ここできっちり終わらせてしまいましょう」
「ようやく、ようやく出番がっ!」
今回の作戦はこういう作戦だった。
華琳の軍を一旦退かせ、補充を行わせると同時に、敵の後方から迫る。
オレ様たちはそれに合わせて、敵を弱らせ、突撃する。
そうすれば、まともな指揮官がいない黄巾党なんぞ、ぶっ潰せるだろう……と。
ということで、今まで待ちに待った反撃の機会。
一人何か間違ってるような気がしないでもないが、オレ様たちは意気高々に突撃を開始した。
その後、は考えるまでもないだろう。
空腹+疲労を無理矢理抑えていた所に、敵の増援に背後から攻撃を仕掛けられた黄巾党を、
決戦として突撃を開始したオレ様たちは徹底的に叩き潰した。
黄巾党は最早軍として機能しておらず、ただの烏合の衆となっていた。
そして、そんな中オレ様がやることと言えば……
「うおおおおおおおお!美人三姉妹はどこだぁあああああああ!!!」
華琳に先を越される前に、三姉妹を(特におっぱいちゃんを)捕まえることだった。
「鈴女っ!位置は分からないのかっ!?」
「えーっと……確か大体あっちの方だったと思うでござるが……」
でかしたっ!流石忍者!
とりあえず、鈴女の言った方向に突撃する。
邪魔なざこどもはさくっと切り殺し、前へ前へ。
血眼になってあたりを探っていると……
『きゃーっ!!』
きゅぴーん!女の子の悲鳴!
そこかああああああああああああああああああああ!
声のする方に向かうと、そこには味方に襲われてる女の子達。
しかもそのうち一人は爆乳!
間違いない、この子達だっ!!!
「てめえらっ!それはオレ様のものだっ!!!!死ねえええええええええええええええ」
オレ様のモノ(決定事項)に手を出そうとしていた奴らを軽く殺して、女の子達の方を向く。
むっ、これは中々上玉だな。
おっぱいちゃんはもとより、他の二人も、ボインちゃんでは無いが、オレ様の守備範囲内だ。
「君達、名前は?」
「えっ……えっと………」
「っ…、そ、そういうあんたこそ何者なのよっ!?」
「む、オレ様は英雄のランス様だ。君達を助けてあげたのはオレ様だからな、感謝しまくるがいい」
「あっと……、助けていただいてありがとうございました。私が長女の張角で、この二人が妹の張宝と張梁です~」
「ちょっと姉さん!何勝手に名乗ってるのよっ!」
「えーでも、命の恩人さんだし……」
「そもそも、ランスというのは、私達の敵にいる異邦人では?」
「そうよっ!そもそも私達が危険な目にあったのは、こいつらのせいじゃない!」
む、なんか話が面倒な方向に向かっている気がしてきたぞ。
よし、ここは………鈴女っ!
「了解っでござるよっと」
鈴女はどこからともなくとりだした吹き矢で、三人を射抜く。
すると三人とも、その場で眠り始めてしまった。
うむ、これならばお持ち帰りも楽だろう。
張三姉妹、ゲットだぜ!
――――――――
書いてて思うのは、力量の無さ
人格崩壊が始まってしまったぜ、ガッデム!
とりあえず、予定より大幅な人員削減を考えざるを得ない。
だがしかし、なんとしても完結は、完結だけはするから………
だからっ!みんなっ、おらに力を分けてくれっ!