「ぐがっ……」
「………さん」
「ふっ、よせよ……、お前には涙は似合わないぜ……ぐぅぐぅ」
「……ンスさん」
「おおっと……どうしてもと言うのなら、最後に一発……ぐぅぐぅ」
「起きて下さいランスさん」
「ぐがっ…………あれ、港で憂える酒場の未亡人は?」
「ようやく起きてくれましたか、ランスさん」
「ウルザちゃん…………もしかして未亡人は夢?」
「ええ、夢です。おはようございますランスさん」
オレ様は起き上がると辺りを見回してみる。
どう見ても、見たこと無い場所だな。
雰囲気や地形的にゼス東部に似ていると言えない事も無いが、違う気がする。
というか、何でオレ様はこんなところに寝てるんだ?
「俺様はなんでこんなところで寝ているんだ?」
「何でここに、という点については私にもわかりません」
「む、ウルザちゃんに分からないとなると、ここはやはり英雄たる俺様が……。
ピッキーン!思いついた!実はここは夢の中で、ウルザちゃんに好き勝手エロイ事をしていいのだ!」
「残念ながら現実です。それと、ランスさんは夢の中じゃなくてもいつも好き勝手やっていると思います」
「がはは、オレ様は英雄だから好き勝手にしてもいいのだ」
「それはいいとして、ランスさん、意識を失う前のことは覚えていますか?」
「えーっと……まぁまて、落ちつけオレ様。確かあれだよな、オレ様はヘルマンにいたんだよな?」
「ええそうですよ」
「それであれだ、シィルを溶かすためのアイテムがダンジョンにあるって聞いて……
ゼスから偵察に来ていたウルザちゃん、自由都市からオレ様に逢いに来ていたマリア、JAPANからついてきた鈴女、それとリアに送られてリーザスから来たアールコートちゃん、この四人を連れてダンジョンに潜った気がするぞ」
「大分思い出してきたみたいですね」
「それでそれで……むむむ。
えーっと確か地下10階位で変な鏡を見つけて、覗いたらなんか……
アーーーーーーーーーー!うわぁ~ぺっぺ、思い出しただけで気持ちわるぅ~」
「何を見たんですかランスさん?」
「筋肉もりもりの変態が……なんかパンツ一丁でウィンクなんかしてきやがった変態が……」
「…………それで鏡を地面に叩きつけたんですね」
「うっわぁ~気持ちわる。あんな変態がいるなんて……変態はホ・ラガだけで十分だというに……」
「そして鏡が割れると同時に意識を失って、気付いたらここにいた……と」
「そういう訳だな。で、ウルザちゃん以外のやつらは何処に……って、マリアとアールコートちゃんはそこでまだ寝てるな」
周りを見ると、アールコートちゃんとマリアが寝ていた。
アールコートちゃんのスカートの中からパンツが見える。清純な白かぐふふ。
「ええ、鈴女さんには周囲の偵察に行ってもらいました」
鈴女は偵察でいない。他の二人は寝てる。これはウルザちゃんとやるチャンスなのではないか?
あるいはウルザちゃんを遠ざけて眠っている二人のうちどちらかと……。
「何かエロイ事考えているでござるな、ランス」
「うぉ、鈴女。急に出てくるな」
そんなこと思ってたら鈴女が帰ってきてしまった。
これでは、エロイ事をしにくいではないか!
「鈴女さん、偵察お疲れ様です。周りはどうでしたか」
「うぃ。とりあえずヘルマンっぽい感じではなかったでござる。
他の地域だと某は行った事無いのでわからないでござるが」
「そうですか……」
「それと、家屋などは近くに発見できなかったでござるが、なんか盗賊っぽいのが兵隊と戦っていたでござる」
「ピッキーン!オレ様の勘が告げている!そこに可愛い女の子がいると!」
「確かに兵隊の方の指揮官は女性だったでござるよ。容姿の方もグーでござった」
ということはだ、急がないとその女の子とオレ様が恋に落ちる前に、その女の子が死んでしまうかも知れないということではないか!
「鈴女、悪い盗賊を倒して女の子を助けるぞ!早く連れて行け!」
「うぃうぃ、了解でござる」
「ウルザちゃんはここで寝てる二人の看病をしていてくれ」
「はぁ、分かりました。ちゃんと情報を聞いてきてくださいね?」
「がはは、まかせろ!それじゃあ、鈴女、行くぞっ!」
そうしてオレ様は、鈴女に先導されて戦場へと赴くのだった。
着いてみると、確かに見るからにみすぼらしい輩と兵隊っぽい奴らが戦っていた。
兵隊の方は、何人かてばさきとうまの中間のような生物に乗って戦っている。
格好いいので欲しいな、あれ。
「ランスランスー、そんなに見ていていいのでござるか?女の子がピンチでござるよ?」
「なにぃ!今すぐ助けにいかねば!鈴女、援護しろ!」
「うぃうぃ」
「くっ」
盗賊の討伐に来ていた公孫賛は唇を噛んだ。盗賊の数はそれほど多くは無いのだが、いかんせん決め手にかける。
そのままぐだぐだと戦っており、双方疲労が出てきていた。
「(星を別の方面に送ったのは失敗だったかなぁ)」
彼女の客将になっている趙雲は別方面の盗賊を退治しにいっており、その武を期待することも出来ない。
そんなことを考えていると、彼女の軍の一角が突如崩れ始め、盗賊の群れがこちらに押し寄せてきた。
「ちょっ!」
彼女を指揮官格だと認めたのであろう盗賊達の凶刃が彼女を襲う。
彼女は、その装備する『普通の剣』で対応するが、いかんせん数が多すぎて彼女には荷が重い。
「しまった!」
遂には得物である『普通の剣』を弾かれ、なすすべが無くなった彼女に襲い掛かる盗賊達。
「(ああ、ここで終わりかなぁ)」
走馬灯のようにそんなことを考えていた彼女に変な声が聞こえてきたのはこの時である。
「がははー!助けに来たぞ!」
遂に幻聴まで、更には緑色の鎧を着た異国の人間などという幻覚まで見えるようになったのか、そう思った彼女は一瞬後これがまだ現実であることを知った。
「ラーンスアターック!」
オレ様はとりあえずかわいこちゃんに襲い掛かっている盗賊どもを蹴散らすと、かわいこちゃんを見つめてみる。
ふむ、78点、合格!ここで助けて後でいただくとしよう!
「がはは、かわいこちゃん助けにきたぜー」
「…………」
む、なんかかわいこちゃん含め回りはみんな固まっている。何故だか知らんがまあいいや、敵だけ殺そう。
「よし鈴女、敵だけぶっ殺すぞ」
「了解でござるー」
そしてオレ様と鈴女は、オレ様にびびって固まっている(確定)盗賊どもを皆殺しにするのだった。
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誰か書くと信じてたのに、何故誰も書かないんだ!
勢い余って書いてしまったじゃないか!
そして思い知った……ランス何気に書きにくい('A`)
今は反省してる
誰か代わりに書いてゴダシア