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No.5527の一覧
[0] 東方結壊戦 『旧題 ネギま×東方projectを書いてみた』【習作】[BBB](2010/01/05 03:43)
[1] 1話 落ちた先は?[BBB](2012/03/19 01:17)
[2] 1.5話 幻想郷での出来事の間話[BBB](2009/02/04 03:18)
[3] 2話 要注意人物[BBB](2010/01/05 03:46)
[4] 3話 それぞれの思惑[BBB](2012/03/19 01:18)
[5] 4話 力の有り様[BBB](2012/03/19 01:18)
[6] 5話 差[BBB](2010/11/16 12:49)
[7] 6話 近き者[BBB](2012/03/19 01:18)
[8] 6.5話 温度差の有る幻想郷[BBB](2012/03/19 01:19)
[9] 7話 修学旅行の前に[BBB](2012/03/19 00:59)
[10] 8話 修学旅行の始まりで[BBB](2012/03/19 00:59)
[11] 9話 約束[BBB](2012/03/19 01:53)
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[5527] 1.5話 幻想郷での出来事の間話
Name: BBB◆e494c1dd ID:bed704f2 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/02/04 03:18

 外の世界で霊夢が紫の事を、大声でくそババア呼ばわりしていた頃。
 幻想郷では一人の鬼が博麗神社に訪れていた。

「れーむー、遊びに来たぞー」

 と、既に千鳥足な小柄の鬼の名は『伊吹 萃香』。
 右手にだらしなく持った瓢箪に口をつけ、一気に呷る。

「っぷはー、……おーい、れーむー」

 よたよたと、神社の赤い鳥居を潜り抜ける。
 境内を見渡せど紅白の巫女は見当たらなく、帰ってくる声は無し。

「んー?」

 頭を傾げながら神社境内の端、階段、鳥居、賽銭箱まで敷かれた石畳を外れた道。
 霊夢の自宅となる社務所に足を運ぶ。
 縁側を覗いても巫女の姿は無し、靴を脱ぎ捨て縁側へ上ると盆とその上に乗る湯呑みがあった。

「れーむー?」

 隅々、時折戸棚に置いてあるつまみを食べながら霊夢を探すが居ない。
 縁側に戻ってきて考える、お茶が冷め切っていない湯飲みが2つある。
 誰かが来て、その客にお茶を出した。
 その後出かけた? なら湯飲みは片付けて行くはず。

「無理やり?」

 魔理沙が無理やり連れ出したんだろうか。
 十二分にありえる状況を予測。

「どこにいったんだろーうねぇ」

 そう言うと同時に手足が霧となり、広がり始める。
 数秒も経つと完全に姿が掻き消えた。
 これが伊吹 萃香の『密と疎を操る程度の能力』、あるいは『密度を操る程度の能力』と言われる特有の能力。
 それを使って自身の体の密度を下げて霧と化し、幻想郷へ広める。
 まるで幻想郷全てを包み込むように、あらゆる出来事を覗いた。
 が、知覚した出来事全て理解したにも拘らずお目当ての人間は見当たらなかった。

「あんれぇー? 居ないなぁ」

 霧から戻り、縁側に座りつつも腕を組む。
 無論、酒を飲むのをやめない。

「んー」

 立ち上がり、境内へ戻る。
 なんとなく賽銭箱を覗き、賽銭が入ってない事を確認。
 いつも通り賽銭は入っていなかった。

「……いつもどーり、でも違うかね」

 虫の知らせ、蛍の妖怪ではないがなんとなく嫌な予感。
 瓢箪の酒を呷る、振り返って鳥居まで歩く。
 真下に来れば霧化、元に戻れば鳥居の上。
 座り込み、そこでお目当ての人物が来るのを酒を飲みながら待つ萃香だった。













 新聞を抱え、空を飛翔する一人の妖怪。
 時折上空から新聞を放り投げ、素早く投函して行く。
 その速度は尋常ではなく、影を置き去りにしていくように翔ける。
 いつものコースを飛び回りながらも、新規購読者を獲得できなかった『射命丸 文』。

「何か面白いネタ無いですかねぇ……」

 少しだけ眉間に皺を寄せたが、考えている事は常日頃と全く変わらない。
 そんな中、購読者の一人である紅白の巫女がいる神社へ投函しに行くと、鳥居の上に一人の見知った妖怪が居るではないか。
 本来なら新聞を投げ込んで終わりなのだが、視線が合ったために一気に降下。
 その人物の前に羽ばたきながら空中に留まった。

「これはこれは萃香さん、ご機嫌はいかがですか?」
「遅いじゃないか、烏天狗」
「遅い? この私が?」
「遅い遅い、自分の新聞の事でも考えてたんじゃないか?」
「……よくお分かりで」

 内心ムカついたが、それを口に出すほど人間……もとい妖怪は野暮ではない。

「いやいや、ちょっとずれちゃったね。 聞きたい事が有るんだが、いいかい?」
「ええ、なんですか?」
「うん、巫女さん知らない?」
「巫女さん? この神社の?」
「そうそう、紅白の巫女」
「いえ、全く見てませんが」
「やっぱり知らなかったか……、手間掛けさせたね」
「全く問題は……、何かあったんですか?」
「なに、巫女さんが見当たらないだけさ」
「見当たらない? 人里にでも行ってるのでは?」
「もう隅々まで見たから不思議に思ってね、『外』にでも行ってるのかねぇ」

 外? 外とはまさか……。

「つまり、あの巫女が幻想郷の中に見当たらないと?」
「そういうこと、紫が何かしてるかもしれないね」

 そう言って瓢箪を呷る萃香さん。

「これは……、良いネタになるかも」
「書くのはいいが、『嘘』はいけないよ」
「清く正しく、それがモットーの射命丸 文です」
「まあいいさ、清く正しくやっとくれ」

 鳥居から飛び降り、階段をゆっくり下りていく萃香さん。

「『博麗の巫女、幻想郷の外へッ!?』……、インパクトが足りないかな。 『博麗の巫女、新たな異変解決へッ!?』……、これもどうかな……」

 見送った後、空へ上る。
 山へ帰ってもこの事ばかりを考え、新聞に載せる見出しを考えていた。

 



 それから数日もせずに、幻想郷、主に妖怪たちに衝撃が走った。
 『博麗の巫女失踪!? ついでに白黒の魔法使いも失踪!?』と言う見出しの『文々。新聞』が発行された。
 購読者の妖怪たちが話を伝え、見る間に幻想郷中に広がる。
 中には真相を確かめに、直接射命丸 文を尋ねる妖怪も居た。

「ええ、あの紅白の巫女と白黒の魔法使いは今現在幻想郷の中にいませんよ? 現在も調査中ですので次回の文々。新聞を宜しくお願いします」

 尋ねて来る者にすべてそれで返し、対応した。
 そんな中で内心このネタのデカさに冷や汗をかいた。
 博麗 霊夢と霧雨 魔理沙の名は幻想郷の妖怪たちにとって知らぬ者無しと言われるほど有名。
 そこそこ反響があるだろうと思っていたが、ここまでとは露にも思わなかった。

「事件の要はあのスキマ妖怪ですか……」

 一人唸る、萃香さんが言っていた通り如何に結界を維持する博麗の巫女とは言え簡単に出入りできないはず。
 なら結界を無視して中と外に出入りできる存在、スキマ妖怪こと『八雲 紫』が外に送ったのではないか。
 考えれば簡単に行き着く答え、だが相手はあの『スキマ妖怪』だ。
 生半可な事では真相に辿り着けないだろう。
 できれば当人に直接聞きたいが、早々出会える存在ではない。
 彼女達が住む家もどこにあるのか誰も知らないだろう、一度調べてみたが全く分からなかった。

「あやややや、いきなり手詰まりですか」
「良かったわ、手詰まりで」
「ってぇええ!?」

 気が付くと隣に座っていた八雲 紫。
 叫びつつも手帳と万年筆を取り出していた。

「八雲 紫さん! 今回の事でお話を!」
「そうねぇ、博麗の巫女の役目は何かしら?」
「巫女の役目? 大結界の保持では?」
「もう一つあるでしょう?」
「もう一つ? ……もしかして」

 と手帳に書き込み、隣を見ると誰も居なくなっていた。

「……あやややや、外に出向かないといけないほどの異変……? これは思った以上に大事ですね」

 さらさらと考察を書き込み、次の新聞のネタを汲み上げていく射命丸 文であった。


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