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No.35536の一覧
[0] 【チラ裏より】Muv-Luv Alternative Change The World[maeve](2016/05/06 12:09)
[1] §01 2001,10,22(Mon) 08:00 白銀家武自室[maeve](2012/10/20 17:45)
[2] §02 2001,10,22(Mon) 08:35 白銀家武自室 考察 3周目[maeve](2013/05/15 19:59)
[3] §03 2001,10,22(Mon) 13:00 白銀家武自室 考察 BETA世界[maeve](2012/10/20 17:46)
[4] §04 2001,10,22(Mon) 20:00 横浜基地面会室 接触[maeve](2012/12/12 17:12)
[5] §05 2001,10,22(Mon) 21:00 B19夕呼執務室 交渉[maeve](2012/12/06 20:40)
[6] §06 2001,10,22(Mon) 21:30 B19夕呼執務室 対価[maeve](2012/10/20 17:47)
[7] §07 2001,10,22(Mon) 22:00 B19夕呼執務室 考察 鑑純夏[maeve](2012/10/20 17:47)
[8] §08 2001,10,22(Mon) 22:30 B19夕呼執務室 考察 分岐世界[maeve](2012/10/20 17:47)
[9] §09 2001,10,22(Mon) 23:00 B19シリンダールーム[maeve](2012/10/20 17:48)
[10] §10 2001,10,23(Tue) 08:00 B19夕呼執務室[maeve](2012/12/06 21:12)
[11] §11 2001,10,23(Tue) 09:15 シミュレータルーム 考察 BETA戦[maeve](2013/01/19 17:36)
[12] §12 2001,10,23(Tue) 10:00 シミュレータルーム 考察 ハイヴ戦[maeve](2015/02/08 11:03)
[13] §13 2001,10,23(Tue) 11:00 B19夕呼執務室[maeve](2015/01/13 23:23)
[14] §14 2001,10,23(Tue) 12:20 PX それぞれの再会[maeve](2012/12/16 23:01)
[15] §15 2001,10,23(Tue) 13:00 教室[maeve](2012/12/06 00:01)
[16] §16 2001,10,23(Tue) 13:50 ブリーフィングルーム[maeve](2013/05/15 20:03)
[17] §17 2001,10,23(Tue) 18:30 シミュレータルーム[maeve](2015/03/06 21:04)
[18] §18 2001,10,23(Tue) 22:00 B15白銀武個室[maeve](2015/06/19 19:23)
[19] §19 2001,10,23(Tue) 23:10 B19夕呼執務室 考察 因果特異体[maeve](2012/10/20 17:51)
[20] §20 2001,10,24(Wed) 09:00 B05医療センター Op.Milkyway[maeve](2015/02/08 11:06)
[21] §21 2001,10,24(Wed) 10:00 シミュレータルーム 考察 XM3[maeve](2012/12/06 21:17)
[22] §22 2001,10,24(Wed) 13:00 横浜某所 遺産[maeve](2012/11/10 07:00)
[23] §23 2001,10,24(Wed) 21:00 B19夕呼執務室[maeve](2015/01/13 23:30)
[24] §24 2001,10,24(Wed) 22:00 B19シリンダールーム 暴露(改稿)[maeve](2013/04/04 22:05)
[25] §25 2001,10,24(Wed) 23:00 B19シリンダールーム 覚醒[maeve](2013/04/08 22:10)
[26] §26 2001,10,25(Thu) 10:00 帝都城 悠陽執務室[maeve](2016/05/06 11:58)
[27] §27 2001,10,26(Fri) 22:00 B19夕呼執務室[maeve](2016/05/06 12:35)
[28] §28 2001,10,27(Sat) 09:45 帝都浜離宮[maeve](2015/01/23 23:22)
[29] §29 2001,10,27(Sat) 11:00 帝都浜離宮茶室[maeve](2015/02/08 10:15)
[30] §30 2001,10,27(Sat) 12:45 帝都浜離宮 回想(改稿)[maeve](2012/12/16 18:30)
[31] §31 2001,10,27(Sat) 14:00 帝都城第2演武場[maeve](2015/01/23 23:26)
[32] §32 2001,10,27(Sat) 15:00 帝都城第2演武場管制棟[maeve](2016/05/06 11:59)
[33] §33 2001,10,27(Sat) 16:00 帝都浜離宮[maeve](2015/01/23 23:31)
[34] §34 2001,10,28(Sun) 10:00 帝都城第2演武場講堂 初期教導[maeve](2016/05/06 12:00)
[36] §35 2001,10,28(Sun) 13:00 帝都城来賓室[maeve](2016/05/06 12:00)
[37] §36 2001,10,28(Sun) 国連横浜基地[maeve](2012/11/08 22:20)
[38] §37 2001,10,29(Mon) 15:00  B19シリンダールーム 復活[maeve](2013/04/04 22:18)
[39] §38 2001,10,30(Tue) 10:00  A-00部隊執務室 唯依出向[maeve](2016/05/06 12:01)
[40] §39 2001,10,30(Tue) 11:00  B19夕呼執務室 考察 G元素(1)[maeve](2015/03/06 21:07)
[41] §40 2001,10,30(Tue) 15:00  A-00部隊執務室[maeve](2015/02/03 20:59)
[42] §41 2001,10,31(Wed) 10:00 シミュレータルーム[maeve](2016/05/06 12:03)
[43] §42 2001,10,31(Wed) 06:00 アラスカ州ユーコン川[maeve](2016/05/06 12:03)
[44] §43 2001,10,31(Wed) 10:00 司令部ビル 来賓応接室[maeve](2016/06/03 19:20)
[45] §44 2001,10,31(Wed) 12:00 ソ連軍統治区画内 機密研究エリア[maeve](2016/05/06 12:05)
[46] §45 2001,11,01(Thu) 13:00 アルゴス試験小隊専用野外格納庫 考察 戦術機[maeve](2016/05/06 12:06)
[47] §46 2001,11,02(Fri) 12:00 テストサイト18第2演習区画 E-102演習場[maeve](2016/05/06 11:50)
[48] §47 2001,11,02(Fri) 12:15 司令部棟 B05 相互評価演習専用指揮所[maeve](2016/05/06 12:06)
[49] §48 2001,11,03(Sat) 05:00 日本南洋 某無人島[maeve](2015/02/03 21:01)
[50] §49 2001,11,03(Sat) 09:00 日本南洋 某無人島[maeve](2015/01/04 19:23)
[51] §50 2001,11,02(Fri) 20:00 ユーコン基地[maeve](2016/05/06 12:07)
[52] §51 2001,11,03(Sat) 点景[maeve](2016/05/06 12:08)
[53] §52 2001,11,04(Sun) 07:30  A-00部隊執務室[maeve](2016/05/06 12:08)
[55] §53 2001,11,04(Sun) 20:00 B19夕呼執務室[maeve](2015/06/19 19:45)
[56] §54 2001,11,05(Mon) 09:00 ブリーフィングルーム[maeve](2015/01/24 18:43)
[57] §55 2001,11,06(Tue) 10:00 帝都城第2連隊戦術機ハンガー[maeve](2015/06/05 13:06)
[58] §56 2001,11,07(Wed) 10:00 横浜基地70番ハンガー[maeve](2015/03/06 20:56)
[59] §57 2001,11,08(Thu) 14:00 帝都浜離宮来賓室[maeve](2015/09/05 17:29)
[60] §58 2001,11,08(Thu) 15:00 帝都浜離宮来賓室 考察 創造主(1)[maeve](2013/04/16 21:00)
[61] §59 2001,11,08(Thu) 15:30 帝都浜離宮来賓室 考察 創造主(2)[maeve](2015/01/04 19:04)
[62] §60 2001,11,08(Thu) 16:00 帝都浜離宮来賓室 考察 創造主(3)[maeve](2015/02/03 21:19)
[63] §61 2001,11,09(Fri) 11:05 新潟空港跡地付近[maeve](2015/10/07 16:50)
[64] §62 2001,11,10(Sat) 23:00 三条市グリーンスポーツセンター跡[maeve](2015/03/06 21:15)
[65] §63 2001,11,11(Sun) 05:50 燕市スポーツ施設体育センター跡[maeve](2015/06/19 19:48)
[66] §64 2001,11,11(Sun) 06:52 旧海辺の森跡付近[maeve](2016/06/03 19:25)
[67] §65 2001,11,11(Sun) 07:15 旧燕市公民館跡付近[maeve](2016/05/06 11:55)
[68] §66 2001,11,11(Sun) 07:24 連合艦隊第2艦隊旗艦“信濃”[maeve](2016/05/06 11:56)
[69] §67 2001,11,11(Sun) 07:44 旧新潟亀田IC付近[maeve](2015/09/11 17:22)
[70] §68 2001,11,11(Sun) 08:00 三条市グリーンスポーツセンター跡[maeve](2015/02/08 09:53)
[71] §69 2001,11,11(Sun) 08:15 三条市グリーンスポーツセンター跡[maeve](2015/02/08 10:00)
[72] §70 2001,11,11(Sun) 08:20 旧北陸自動車道新潟西IC付近[maeve](2014/12/29 20:34)
[73] §71 2001,11,11(Sun) 08:25 帝都上空[maeve](2015/08/21 18:44)
[74] §72 2001,11,11(Sun) 10:30 三条市荒沢R289沿い[maeve](2015/02/04 22:07)
[75] §73 2001.11.12(Mon) 09:30 PX[maeve](2015/09/05 17:34)
[76] §74 2001.11.13(Tue) 09:00 帝都港区赤坂 九條本家[maeve](2015/04/11 23:27)
[77] §75 2001,11,13(Tue) 10:30 B19フロア 夕呼執務室[maeve](2015/12/26 14:19)
[78] §76 2001,11,13(Tue) 19:50 B19フロア 夕呼執務室 考察G元素(2)[maeve](2016/05/06 12:19)
[79] §77 2001,11,14(Wed) 09:00 講堂[maeve](2016/05/06 12:25)
[80] §78 2001,11,15(Thu) 22:22 B15 通路[maeve](2016/05/06 12:31)
[81] §79 2001,11,15(Thu) 15:00(ユーコン標準時GMT-8) ユーコン基地滑走路[maeve](2015/10/07 16:54)
[82] §80 2001,11,16(Fri) 10:15(GMT-8) ユーコン基地 モニタールーム[maeve](2015/09/05 17:41)
[83] §81 2001,11,16(Fri) 10:55(GMT-8) ユーコン基地 演習区画 テストサイト18[maeve](2015/10/07 16:57)
[84] §82 2001,11,16(Fri) 16:30(GMT-8) ユーコン基地 モニタールーム[maeve](2015/05/31 10:24)
[85] §83 2001,11,16(Fri) 21:00(GMT-8) リルフォート歓楽街 “Da Bone”[maeve](2015/10/07 17:03)
[86] §84 2001,11,17(Sat) 17:00(GMT-8) イーダル小隊専用野外格納庫 衛士控室[maeve](2015/06/20 23:51)
[87] §85 2001,11,18(Sun) 17:20(GMT-8) ユーコン基地 演習区画 テストサイト37 幕間?[maeve](2015/05/31 20:15)
[88] §86 2001,11,18(Sun) 22:00(GMT-8) アルゴス試験小隊専用野外格納庫[maeve](2016/05/06 11:46)
[89] §87 2001,11,19(Mon) 13:00(GMT-8) ユーコン基地 居住区フードコート[maeve](2015/06/19 20:13)
[90] §88 2001,11,19(Mon) 18:12(GMT-8) ユーコン基地 演習区外米国緩衝エリア[maeve](2015/12/26 14:23)
[91] §89 2001,11,19(Mon) 18:50(GMT-8) ユーコン基地 ソビエト占有区画 ПЗ計画研究施設[maeve](2015/12/26 14:25)
[92] §90 2001,11,19(Mon) 20:45(GMT-8) ユーコン基地 ソビエト占有区画 ПЗ計画研究施設[maeve](2015/10/07 17:13)
[93] §91 2001,11,19(Mon) 21:30(GMT-8) ユーコン基地 ソビエト占有区画[maeve](2015/10/07 17:15)
[94] §92 2001,11,20(Tue) 03:30(GMT-8) ソビエト連邦租借地 ヴュンディック湖付近[maeve](2015/08/28 20:32)
[95] §93 2001,11,21(Wed) 14:30(GMT-8) ユーコン基地 ソビエト占有区画内 総合司令室[maeve](2015/10/07 17:20)
[96] §94 2001.11.22(Thu) 03:00(GMT-8) アラスカ州ランパート付近[maeve](2015/12/26 14:28)
[97] §95 2001.11.23(Fri) 18:00(GMT+9) 横浜基地 B20高度機密区画[maeve](2015/08/28 20:08)
[98] §96 2001.11.24(Sat) 15:00 横浜基地 B17 A-00部隊執務室[maeve](2016/06/03 19:39)
[99] §97 2001.11.25(Sun) 02:00(GMT-?) 某国某所[maeve](2015/12/26 14:33)
[100] §98 2001.11.25(Sun) 13:30 横浜基地 北格納庫管制制御室[maeve](2016/06/04 14:06)
[101] §99 2001.11.25(Sun) 18:00 横浜基地本館 メインバンケット モニタールーム[maeve](2015/10/31 14:40)
[102] §100 2001.11.26(Mon) 06:30 横浜基地本館 ゲスト棟[maeve](2016/05/06 11:44)
[103] §101 2001.11.26(Mon) 17:15 横浜基地 モニタールーム[maeve](2016/05/15 12:14)
[104] §102 2001.11.27(Tue) 06:00 国連横浜基地 第2グランド[maeve](2016/06/03 19:42)
[105] §103 2001.11.28(Wed) 09:00 国連横浜基地 XM3トライアル V-JIVES[maeve](2016/05/14 13:10)
[106] §104 2001.11.28(Wed) 17:00 国連横浜基地 米軍割当外部ハンガー ミーティングルーム[maeve](2016/06/04 06:10)
[107] §105 2001.11.28(Wed) 17:40 B19フロア 夕呼執務室[maeve](2016/06/10 23:26)
[108] §106 2001.11.28(Wed) 18:00 国連横浜基地 Bゲート付近 〈Valkyrie-04〉コックピット[maeve](2019/03/26 22:16)
[109] §107 2001.11.28(Wed) 21:00 B19フロア 夕呼執務室[maeve](2019/03/30 00:03)
[110] §108 2001.11.28(Wed) 21:00(GMT-5) ニューヨーク レストラン “Par Se”[maeve](2019/06/30 17:55)
[112] §109 2001.11.29(Thu) 09:00(GMT-5) ニューヨーク国連本部 安保緊急理事会[maeve](2019/05/05 21:16)
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[35536] §51 2001,11,03(Sat) 点景
Name: maeve◆e33a0264 ID:53eb0cc3 前を表示する / 次を表示する
Date: 2016/05/06 12:08
'12,12,19 upload
'15,01,30 大幅改稿
'15,05,31 誤字修正
'16,05,06 タイトル修正



■2001,11,03(Sat) 09:00 ユーコン基地 医療センター


Side ユウヤ


目の前のモニターで回る2つの網目状の立体図。

それがクリスカとイーニァのニューロンモデルだと言うのは理解した。ただ、ど素人のオレに見せられても、それが何なのか解るわけもない。


ユーコン基地医療センターの面談室。

ここに居るのは、オレと、オレにしがみついているイーニァ、そしてそのイーニァに寄り添うクリスカ、そして御子神大佐、唯依の5人。

昨夜あんな事を言われた唯依だが、いつもどおり微笑んでくれた。
大佐が外しても良いように言ったらしいが、私がお願いしたことです、と引かなかったのは、生真面目な唯依らしい。
この件ではおっきな借りが出来てしまった。
いつか、必ず返す、そう心に誓う。



検査の結果を示してくれた脳神経・精神内科の先生は、診断結果と、今後の療養方針を話してくれたが、これ以上は軍機に関わると言う事で、既に退席している。

大佐からここに来る前に、どんな事を聞かされても決して怒るな、と言われた。それはブリッジスのためではなく、ビャーチェノワ少尉やシェスチナ少尉の為に、と。
ブリッジスの存在が彼女たちの人格を支えていると言われ、何を大げさな、と思ったが、診断結果を聞くに連れ、それが冗談でないことも理解した。

向精神薬物と、後催眠暗示の多重掛け。
それは投薬による一時的な効果に留まらず、脳内神経索、ニューロンの構成にすら寄与していたのである。投薬と暗示に依る肉体改造。
見方によっては悪魔の所業とも言える行為であった。

それは二人の前頭葉眼窩部・・・御子神大佐がメタ感覚野と呼ぶ領域の異常な発達と活動を齎した。
知覚・認知領域に繋がるその領域の密度がきわめて高く、複雑で精緻な整合性を有している。
第6感や直感、ESPにまで至る超感覚を司る領域だと言う。

その能力を以てBETAを探ろうとしたのが、第3計画であり、クリスカとイーニァは、その第3計画で生み出されたデザインド・チャイルド。
二人や捜査官のウェラーから聞いていたが、ビャーチェノワが第5世代、シェスチナが第6世代ということで、試験管から誕生しなかった数まで含めれば数千人に登ったその“生み出された生命”。
そこから数百人が誕生し、その誕生後もBETAやハイヴの威力偵察に駆り出され、生存率はたった3%。
いまでは第5世代と第6世代が数人ずつしか残っていないという。
それだけの“命”を消費して得られた情報が、“BETAは人類を生命とみなしていない”という事だけだった。


「その第3計画の遺産を戦闘に応用し、無敵の部隊を創設する、それがサンダークの計画だろう。」

「・・・・・。」

「・・・別に珍しくもない。
どの国でも多かれ少なかれ遣ってることだ。
国連だって米国だって、そして日本だって。
SESだのトレッド・ストーンだの聞いたコトはあるだろう?」


それもウェラーに聞いた。
なるほど。“紅の姉妹”が能力解放したときの、先読みや信じられないような反射は、その成果。
元々資質ある素体を元に、更に強化する。
対人戦、あるいはBETAの行動も読めるのであれば、その効果は計り知れない。


「・・・そしてその超常の能力を得る反動が、人格や情動・・・人間の根幹を為す領域の欠損や障害。
元々親も知らず、周囲からも愛情を受けて育っていないデザインド・チルドレンは、その領域が未発達。
そこに国家への忠誠だけを刷り込んだところで強化されることはない。
そういった愛情を受けた経験や体験が薄い、所謂孤児なんかに多い。
今の時代、珍しくもないし、甘いと言われるかもしれないが、幼少時の愛情が足りないと、強固な地盤は形成されない。

けれど人間の能力など、全ては人格が基礎だからな。基礎が崩れれば、全ては無意味になる。

謂わば今の二人は脆弱な地盤に、バランスの悪いトップヘビーな建物を構築した様なもの。

結果的に、さっき先生が言ったように感情や情動を司る領域、思考野でも感情に近い古い部分において、シナプスの萎縮、あるいは減少による伝達不全を引き起こした。

・・・・あと一度“覚醒処理”プラーフカを掛ければ、脳内ネットワークが崩壊し、重大な人格障害を引き起こす可能性が高い。」

「・・・・。」

「私達は・・・もう戦えないのですか・・・?」

「・・・今のままでは、な。
そう言った意味では、ブリッジスをけしかけたサンダークの判断は正しい。
君たちが初めてお互い以外の人物に興味を持ち、意識したのがブリッジス。
外的興味から、共感や同調・・・・思慕という感情が人格を育てた。
運悪くテロと言う事態に陥り、その危機にオーバードープと言うかなり分の悪い賭けも在ったが、おかげでテロも収束でき、人格も今のところ辛うじてだが保っている。

そして・・・・・・・治療の方法も、無いわけではない。」

「「「 !! 」」」

「元々脳神経細胞は、使えば使うほど“成長”し“発達”する。それは古い皮質でも同じことで、君らがブリッジスとの間に更なる信頼と愛情を育てていけば、自然と寸断されたシナプスは再連結され、脆弱な人格構成は強化される。」

「・・・・。」

「・・・但し、時間はかかる。恐らくは数年単位で、・・な。
正直、こんな話は本人には聞かせたくないくらいに今も危険な状態には変りないし、ブリッジスに依存しているから、逆にその行動次第では崩壊もありうる。」

「!・・・そうか・・・」


・・・大佐の話は、“責任を持つ”と言ったオレの、甘かった認識を改めさせるに十分だった。
二人の抱えた重たい過去。そして危機的な現状。


「尚、ビャーチェノワとシェスチナの今後に付いては、篁に一任するからな。」

「・・・・・は?」

「頼まれたコトはやったぞ。
後は頼んだ篁の意志次第。
どうしたいのか、俺は知らない。
取り敢えずあちこち牽制したから、此処でもソ連と米国が二人に手を出すことはないだろう。
他からのちゃちゃは判らないが、療養中なら狙われることはあるまい。

アルゴス小隊に組み込むもよし、治療に専念させるもよし、二人やブリッジスの希望に沿ってもいいし、篁が良いと思うヤリ方でも構わん。」

「!・・・・」


うわぁ・・・・。

本当に鬼畜、ドSだ、この上官。

見方によっては、昨日振られた男とその相手の命運を唯依が全て握っているような物。
唯依が望めば、オレとクリスカ達を2度と会えない所に送ってしまう事も出来ると言うことだ。

そしてそれは、オレ達は勿論、唯依にとってもキツい筈。
実際睨むように大佐を見ている菫色の瞳は潤んでいるようにも見える。

その頭に何でも無いように掌が置かれた。


「・・・・篁がここに来ても大丈夫と言ったから任せた。
在席する以上は、その責務を全うしろ。」


正論である故に言葉はキツいが、その所作や言い方は極めて柔らかい。

・・・大佐、汚い!

そんな信頼された言い方されたら、生真面目な唯依なんてコロッと・・・・。


瞳を一度伏せた唯依は、暫く逡巡し、やがて再び大佐を見上げる。
その瞳には、先刻とはまた違った勁を湛えていた。


「Yes,Sir・・・。一つ、お尋ねしても宜しいですか?」

「どうぞ。」


・・・・やっぱり。


「クリスカ・・・ビャーチェノワ少尉とシェスチナ少尉の傷ついた神経節を治すには、本当に時間を掛けるしか無いのですか?」

「・・・他にも方法は、在るよ。
・・・・・勿論そんなコトが出来るのは、魔窟・・・横浜[●●]のみ、だけどな。」

「「「 !! 」」」

「・・・判りました。」


唯依は予想された範囲の答だったのだろう、驚くこともなくただ頷いた。

・・・それは新たなステージに進む予感以外の何者でもなかった。















「そうだ、クリスカ。」


大佐と唯依が退出したところで、ウェラーの言葉を思い出し、聞いてみる。
必要なら、これも大佐に伝えて置かなければならない。


「さっき聴き忘れたんだけど、特殊な蛋白摂取ってどうなっている?」

「特殊な蛋白摂取?」

「・・・今まで摂取してたんじゃないのか?」

「・・・いや、今までにその様な心当たりはないのだが・・・。」

「!、そっか、ならいいや。」


オレの質問に本当に不思議そうな顔で返された。
本人に心当たりがないのなら、ウェラーの誤情報、乃至、オレを動かすためのブラフってことも考えられる。
なんだかんだ言って、インフィニティズに指令するくらい“紅の姉妹”を奪取したかったらしいし。
それも当面“横浜”で治療するなら心配はない。
あとは、クリスカとイーニァが元気になって還って来るのを待つだけ、か―――。


Sideout




■2001,11,03(Sat) 12:00 ユーコン基地 滑走路

Side ヴィンセント


滑走路上でタキシングする機体。
HSSTとしては、小柄。

滑走路脇の管制横。
さっき本部前でも基地司令ともなったハルトウィック大佐以下、基地職員の盛大な見送りと挨拶をされていた。

その後ここまで見送りに来たのは、アルゴス試験小隊の面々とオレだけ。
さっき、乗り込む皆にジープの上から手を振った。
今回はクリスカとイーニァも乗るXSSTにユウヤは遠い視線を向けている。


自分と同じくらい長さがあるカーゴを背負っているのに、そのフォルムに破綻がなく、違和感がない。
明確な垂直尾翼はない為、背負っても障害にならず、その姿は巨大なランチャーを背負った攻撃機に見えなくもない程、まとまりがあった。


管制からの誘導にタキシングからクルリと回頭し、離陸位置に付く。

二基のスラスターから蒼く細く、鋭いラムジェットが迸る。



HSSTにも電子戦偵察機にもなる万能機。
大人しく格納庫にいた事など無いし、整備や補給すらさせてもらえなかった。
それもそのはず、・・・実は機密の塊。
対インフィニティーズ戦に於いて、自律制御で衛星高度偵察して見せたのもコイツ。
それを自家用機として乗り回してる大佐も大佐だが。


カナード、前進主翼、水平尾翼、その全てが電磁伸縮炭素帯を重責して構成された翼であり、その制御により相当に自由度のある変形と、それによる空力機動を可能とするシロモノだ、と、あっさりバラしてくれた。大気圏突入時の摩擦には電磁場を纏ってプラズマ暴露による侵蝕を防ぐとか。
その上で、翼の自由度は高いから、その気になれば一昔前の偏向噴射が可能になった頃の戦闘機よりも遥かに高度な変態機動が可能らしい。
カーゴが無ければ、低空侵入からヘリポート上に降りるくらいの事を平然とヤルとか・・・。
戦術機に依るムーンサルトは白銀少佐の十八番だが、XSSTに依るムーンサルトは御子神大佐の特許との事だ。



・・・・もし地球上からBETAが駆逐されたら、コイツ一機が空を覇すんじゃないか?

唐突にそう思う。




『 VAF B-1 ――Clear for take off 』


滑走路に渡るタワーのアナウンス。


その主脚を一瞬矯めたXSSTは、見る間にスルスルと加速し、甲高い排気音の高調遷移と共にカーゴを背負っていながら滑走路の1/4も使わずに機首を上げる。

2機体分ほど浮いただけで、噴いたバーナー、爆発的な加速にマッハコーンが被る。

一瞬於いてドーンッッ! と音速超えの衝撃波がビリビリと辺りを震わせる。


翼上に減圧雲を張り付かせた機体は、一気に極夜の近い太陽の上、曙光の空を南東に駆け昇る。



あっという間に姿を見えなくしたXSSTの軌跡には、天に刺さるような鋭い飛行機雲だけが残り、低い陽に映えて白銀の刀身の様に輝いて見えた。


Sideout




■2001,11,04(Sun) 06:00 日本南洋 某無人島

Side 武


ゆさゆさと揺すられて目を覚ます。


「・・・ん、なんだァ・・・純夏、かァ?」

「おはよう、タケルちゃん。散歩行かない?」


にこやかに笑う純夏に邪気はない。


「おはよ・・・ぅ~~、何時だ?」

「6時過ぎかな。
今の時期ならサクラガイが拾えるかもって、彼方君に教えて貰ったの。
朝が良いんだって。
霞ちゃんのお土産に探そうと思って。」


・・・成る程。そう言えばまだ探していない。

意識を覚醒させる。今日の夕方には横浜に戻る。
そういう事なら、チャンスは今だけだ。


「――解った。5分くれ。」





純夏は私服。ホットパンツにTシャツ、パーカーというラフな格好。トレードマークの黄色いリボンはデフォルト。
オレも併せてパーカーを羽織る。
ハーフ丈ジーンズ、後ろポケットにカイデックスホルスターを挟むのは、最近のクセだ。
結ばれた純夏や冥夜は、二人きりだと左腕に掴まることが多く、腋下のホルスターは結構邪魔。
と言って、万が一の襲撃も考え、拳銃くらいは所持しておきたい。
無粋なのはわかるがコレばかりは桜花作戦後も生き残った傍系記憶からの保険だ。
銃自体は、彼方のネイティヴコレクションからCz75 1stを借りていたりする。
それでも彼方みたいに対BETA用と言ってM500を持ち歩くよりはましだと思う。
あの重たくてでかい拳銃を、よくサイドに吊して邪魔に成らない物だと思う。


「お待たせ。行くか。」

「・・・うんっ!」


純夏は嬉しそうに笑って、案の定左腕に掴まってきた。




静かにコテージを出て、早朝の海岸を歩く。

昨日の襲撃も同じくらいの時刻。
勿論事前の怪しい動きは察知されていたから、警戒に当たっていたのは確かで、3時くらいから起こされたのだ。

その昨日の痕跡は既に無い。
アヴェンジャーの残骸も夕呼先生が昨日のうちに確保した。


そして総合戦技演習は3日。
殆どの減点要素が無く、総合戦技演習クリアの最短記録まで作って合格した207B訓練小隊。

日にちが違い天候に恵まれた事や、オレの記憶を有する純夏が居たとしても、個々の技量が上がっていなければ無理だっただろう。

1週間の予定でも実質は5日と見ていたが、それよりも更に2日、早かった。
ゴールは日暮れだったので、昨日は夕食とデブリーフィングで終わってしまったが、そのご褒美も兼ねて、今日の日曜日は夕方までビーチで海水浴と言う事になっていた。


そう言えば、コイツと彼氏彼女になって海に来たことなど無かったなぁと考える。
確かに分岐した未来世界の傍系記憶にはあるが、主な主観記憶では、純夏と恋人同士になったのだって元の世界に戻った時と、00ユニットの調整後から桜花作戦までのほんの短い時間だけ。
しみじみと、左腕に掴まる暖かい存在をありがたく思う。


「そういえばさ、弐型どうだったの?」

「ああ、最高だった。慣熟してたときにも思ったけど、不知火より操作が苦じゃないんだ。
自然っていうか―――。
ユーコンから彼方が送ってくれたCCCAって機動概念も、すぐ馴染めたし。
中距離の戦闘にも応用出来たから、戦闘自体が凄く楽だった。
どうしてこんなに直ぐ慣熟できたか、不思議なんだけどな。」

「ふーん・・・。
思うんだけどさ、タケルちゃんて、元の世界でずっと彼方君とゲームで遊んでたじゃない?」

「ああ、バルジャーノン・オンラインな。」

「彼方君のXM3・・・って言うか、戦術機に求める機動って、それを再現する事じゃないの?
タケルちゃんが最も得意とする、タケルちゃんの3次元機動の基礎となってるモノ。」

「・・・・あ・・・・・。」



・・・・そうだった。


オレの機動の、その大元は、元の世界で慣れ親しんだ、ある意味どんな戦術機よりも乗り込んだバルジャーノンの機動を再現すること。
幾多のループで畳み込まれた経験は有るが、それはBETAに対するケーススタディみたいなもので、3次元機動の基礎概念は、どのループでも変わることはなかった。

それもその筈で、今までのループでは、オレの理想とする機動を心底理解してくれる人は居なかったし、逆に理解させるだけの説明もオレには出来なかった。
なので、オレは先行入力やキャンセル、コンボと言った最低限必要な“機能”だけを夕呼先生に実現してもらったのだ。

けれど、元々同じ世界に居て、しかもシステムやソフトにまで精通した彼方が来てくれたことで、XM3の世界は変わった。

それは“機能”ではなく“概念”の実現。


それを現実の戦術機と融合しながら、統合機動制御という形で再構築されたのがこの世界で“彼方”が創り上げたXM3。
それはオレが気付いていなかった、オレが望んだ機能の裏で発生する問題―――耐久性や発生する慣性の処理と言った問題に対しても軽減する効果を齎した。

けれど実際、OSと言うソフトウェアの改変だけではどうしても対処できない部分が存在する。
それを実現するのに、今在るモノの中から彼方が求めたハードウェアが“弐型”、と言うことなのだ。



この前、初めて不知火“改”に試乗したとき、その圧倒的なパワーに驚いたが、それ以上に手こずったのは挙動の節々で表れる機体の暴れ、所謂“慣性”の処理だった。
今まではそれ程の加速ではなく、その収束も各関節の電磁伸縮炭素帯の制御範疇で在ったため、問題はそこまで顕在化しなかった。
しかし、レスポンスが一桁違う電気推進機を得て加速性能が飛躍的に向上した“改”に於いては、その流れる慣性は最早既存の手法では抑制しきれていなかったのだ。
抑えるには機動時に全ての電磁伸縮炭素帯を“完全固定”して一つの質点系にすればいいのだが、それでは3次元機動中の全ての姿勢変化が行えなくなる。

そう、バルジャーノンでは、機体全体の慣性については考慮されていたが、機体を細かい質量に分けたときの反力やモーメントなど計算されていなかった。
バルジャーノンは、仮想現実とはいえ所詮ゲームの世界なのである。
バトルという超高速機動に対し、そんな計算を掛けたら家庭用ゲーム機のCPUでリアルタイムに演算できるワケがない。

つまりオレの理想とするバルジャーノンの機動は、0G、且つ部分慣性0と言うゲームの仮想空間でのみ実現可能な特殊な状態に特化したものだったと言うことだ。
現実の戦術機機動に於いて齟齬が在るのは、仕方のないことである。


オレでさえちゃんと理解していなかったそれを、判っていたのは同じ世界にいた彼方一人。


彼方は弐型の肩部スラスターを積極的に制御することで、スラスターによる移動の際発生する上体と下体の慣性を等しくし、戦術機の最大質量である体幹を、バルジャーノンで表現されている機動と同じ“集中質点”に限りなく近づけた。
そしてそれを崩さないまま、機動する統合制御を、まずはCCCAで実現したのである。

それにより、戦術機機動を限りなく“リアル・バルジャーノン”に近くした。

オレが新しいXFJ Evolution4も新概念“CCCA”も、此処に来てたったの2日で慣熟できた理由が解った。
オレの頭は認識していなくても、既に身体が理解していた。

オレにとってXM3を搭載したXFJ Evolution4は、新しい機体でも何でもなく、“原点回帰”に過ぎなかったのである。


それを何気に看破する純夏。
流石この世界のオレをずっと見ていただけのことはある。

ある意味前の世界も含めて、誰よりも理解してくれる相手。





「あ、タケルちゃん、あれっ!!」


波が退いた後にキラリと光ったのは、煌めくような桜色に彩られた小指程の貝殻。

次の波が浚う前に拾い上げれば、細長い涙型の美しいカタチ。


「やったっ!! 1個目ゲット!」




喜ぶ愛しい存在を見ながら、これら全ての僥倖を齎してくれた親友を思う。


―――俺は世界がたまたま引っかけて連れてこられたイレギュラーだぜ?

この世界に戻ってきた朝、彼方に言われた言葉がよみがえる。

・・・その迎える“未来”を変えられるのは、お前だけなんだぜ?

確定された未来、支配因果律を覆せるのは、因果特異体であるオレだけ・・・。
勁い“意志”、それだけ[●●●●]が、世界を変えられる。




桜貝を手に喜んでいる純夏の手を引き、強引に抱きしめた。
一瞬ワタワタしたが、直ぐに力を抜いておとなしくなり、そっと背に腕を回してくる。


髪の香り。柔らかい抱き心地。何よりも温かい体温と、生きているその存在感。


ぎゅっと抱きしめる。



そう、装備は、状況は、彼方が整えてくれた。

・・・あとは俺の仕事。



・・・護る。

今度こそ・・・・世界を変える!!


















と一度は真面目に決意も新たにしたのだが・・・・。

漸くビーチマットにグータラと寝そべり、午後の柔らかくなった日差しの中で、目前のビーチで展開する光景を眺めている。




総合戦技演習だと言うのに、皆・・・まりもちゃんまで持って来ていた色も形もとりどりの、カラフルな水着。
前のループでも同じだったから女子のたしなみなのだろう。
・・・気にしたら負けだと思う。

相変わらずビーチに設置したデッキチェアに寝そべり、シャンパン三昧の夕呼先生は置いといても、
波打ち際でじゃれあったり、ビーチで肌も露に寛ぐその姿は、生唾モノなんだけど・・・。


朝散歩から帰ってきたところを見つかったオレ達、というより寧ろオレ一人、責め立てられた。

あげくは責められる立場の筈の純夏から、一人30分づつのお散歩をすると言う事が提案され、満場一致で受理されたのである。

純夏ェ~。
イロイロ暴露から誘導からしているらしい、と冥夜から聞いた。
ハーレム作りに画策する嫁って・・・・どんなだ?
なにせ森羅まで付けているととてもじゃないが太刀打ち出来ない。
近接戦闘も何かとヤヴァイ。

・・・・今後のヒエラルキーが心配で成らないのは、オレだけの危惧だろうか?


しかも護衛って事で、XFJ Evolution4を持ってきていることも知っているし、複座のことも知っているから、正確には散歩と言うよりは、フライト?

推進剤を消耗することも無いから、夕呼先生まで鷹揚だ。


美琴なんかあちこり見て回りたがるから、お陰でこの島の山頂から、洞窟まで、隅々詳しくなった。

因みに冥夜は複座なのに膝の上に乗っていましたorz。
BETAと闘っているわけではないのに、オレの心の装甲がガリガリ囓られた気がしたのは幻ではない。


昼前に全員が終わって帰ってきてみれば、海岸には美味しそうな食材が・・・。

まりもちゃんによると、合格祝いに彼方から託されていたそうで、昼食は大きなクーラーボックスと野外用のバーベキューコンロ。
・・・オレは釣竿とモリを渡されたけど、どうしろって。

それでも小さめの魚を2尾釣り、伊勢海老っぽい蒼い奴を1尾捕まえてもどれば、皆涙をだだ流しながら、厳かに食していた。
分厚い肉と新鮮な野菜は、ジャングルでゲテモノまで食べることに成った彼女たちに取って最高のご褒美だったのだろう。それも基地ではそうそう食べられない天然食材ばかり。
彼方にはネイティブの遺した巨大な冷蔵庫があるらしいが、コイツ等に食わせたらすぐカラになりそうだと思った。





・・・・そう、こんなにのんびり出来るのも、今日が最後。

けど・・・・次に来るときは、A-00も、A-01もみんなで来たい。

ぼーっとしながらそんなこと事を夢想する。


そう・・・・・・・・必ず・・・!


Sideout



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