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No.35536の一覧
[0] 【チラ裏より】Muv-Luv Alternative Change The World[maeve](2016/05/06 12:09)
[1] §01 2001,10,22(Mon) 08:00 白銀家武自室[maeve](2012/10/20 17:45)
[2] §02 2001,10,22(Mon) 08:35 白銀家武自室 考察 3周目[maeve](2013/05/15 19:59)
[3] §03 2001,10,22(Mon) 13:00 白銀家武自室 考察 BETA世界[maeve](2012/10/20 17:46)
[4] §04 2001,10,22(Mon) 20:00 横浜基地面会室 接触[maeve](2012/12/12 17:12)
[5] §05 2001,10,22(Mon) 21:00 B19夕呼執務室 交渉[maeve](2012/12/06 20:40)
[6] §06 2001,10,22(Mon) 21:30 B19夕呼執務室 対価[maeve](2012/10/20 17:47)
[7] §07 2001,10,22(Mon) 22:00 B19夕呼執務室 考察 鑑純夏[maeve](2012/10/20 17:47)
[8] §08 2001,10,22(Mon) 22:30 B19夕呼執務室 考察 分岐世界[maeve](2012/10/20 17:47)
[9] §09 2001,10,22(Mon) 23:00 B19シリンダールーム[maeve](2012/10/20 17:48)
[10] §10 2001,10,23(Tue) 08:00 B19夕呼執務室[maeve](2012/12/06 21:12)
[11] §11 2001,10,23(Tue) 09:15 シミュレータルーム 考察 BETA戦[maeve](2013/01/19 17:36)
[12] §12 2001,10,23(Tue) 10:00 シミュレータルーム 考察 ハイヴ戦[maeve](2015/02/08 11:03)
[13] §13 2001,10,23(Tue) 11:00 B19夕呼執務室[maeve](2015/01/13 23:23)
[14] §14 2001,10,23(Tue) 12:20 PX それぞれの再会[maeve](2012/12/16 23:01)
[15] §15 2001,10,23(Tue) 13:00 教室[maeve](2012/12/06 00:01)
[16] §16 2001,10,23(Tue) 13:50 ブリーフィングルーム[maeve](2013/05/15 20:03)
[17] §17 2001,10,23(Tue) 18:30 シミュレータルーム[maeve](2015/03/06 21:04)
[18] §18 2001,10,23(Tue) 22:00 B15白銀武個室[maeve](2015/06/19 19:23)
[19] §19 2001,10,23(Tue) 23:10 B19夕呼執務室 考察 因果特異体[maeve](2012/10/20 17:51)
[20] §20 2001,10,24(Wed) 09:00 B05医療センター Op.Milkyway[maeve](2015/02/08 11:06)
[21] §21 2001,10,24(Wed) 10:00 シミュレータルーム 考察 XM3[maeve](2012/12/06 21:17)
[22] §22 2001,10,24(Wed) 13:00 横浜某所 遺産[maeve](2012/11/10 07:00)
[23] §23 2001,10,24(Wed) 21:00 B19夕呼執務室[maeve](2015/01/13 23:30)
[24] §24 2001,10,24(Wed) 22:00 B19シリンダールーム 暴露(改稿)[maeve](2013/04/04 22:05)
[25] §25 2001,10,24(Wed) 23:00 B19シリンダールーム 覚醒[maeve](2013/04/08 22:10)
[26] §26 2001,10,25(Thu) 10:00 帝都城 悠陽執務室[maeve](2016/05/06 11:58)
[27] §27 2001,10,26(Fri) 22:00 B19夕呼執務室[maeve](2016/05/06 12:35)
[28] §28 2001,10,27(Sat) 09:45 帝都浜離宮[maeve](2015/01/23 23:22)
[29] §29 2001,10,27(Sat) 11:00 帝都浜離宮茶室[maeve](2015/02/08 10:15)
[30] §30 2001,10,27(Sat) 12:45 帝都浜離宮 回想(改稿)[maeve](2012/12/16 18:30)
[31] §31 2001,10,27(Sat) 14:00 帝都城第2演武場[maeve](2015/01/23 23:26)
[32] §32 2001,10,27(Sat) 15:00 帝都城第2演武場管制棟[maeve](2016/05/06 11:59)
[33] §33 2001,10,27(Sat) 16:00 帝都浜離宮[maeve](2015/01/23 23:31)
[34] §34 2001,10,28(Sun) 10:00 帝都城第2演武場講堂 初期教導[maeve](2016/05/06 12:00)
[36] §35 2001,10,28(Sun) 13:00 帝都城来賓室[maeve](2016/05/06 12:00)
[37] §36 2001,10,28(Sun) 国連横浜基地[maeve](2012/11/08 22:20)
[38] §37 2001,10,29(Mon) 15:00  B19シリンダールーム 復活[maeve](2013/04/04 22:18)
[39] §38 2001,10,30(Tue) 10:00  A-00部隊執務室 唯依出向[maeve](2016/05/06 12:01)
[40] §39 2001,10,30(Tue) 11:00  B19夕呼執務室 考察 G元素(1)[maeve](2015/03/06 21:07)
[41] §40 2001,10,30(Tue) 15:00  A-00部隊執務室[maeve](2015/02/03 20:59)
[42] §41 2001,10,31(Wed) 10:00 シミュレータルーム[maeve](2016/05/06 12:03)
[43] §42 2001,10,31(Wed) 06:00 アラスカ州ユーコン川[maeve](2016/05/06 12:03)
[44] §43 2001,10,31(Wed) 10:00 司令部ビル 来賓応接室[maeve](2016/06/03 19:20)
[45] §44 2001,10,31(Wed) 12:00 ソ連軍統治区画内 機密研究エリア[maeve](2016/05/06 12:05)
[46] §45 2001,11,01(Thu) 13:00 アルゴス試験小隊専用野外格納庫 考察 戦術機[maeve](2016/05/06 12:06)
[47] §46 2001,11,02(Fri) 12:00 テストサイト18第2演習区画 E-102演習場[maeve](2016/05/06 11:50)
[48] §47 2001,11,02(Fri) 12:15 司令部棟 B05 相互評価演習専用指揮所[maeve](2016/05/06 12:06)
[49] §48 2001,11,03(Sat) 05:00 日本南洋 某無人島[maeve](2015/02/03 21:01)
[50] §49 2001,11,03(Sat) 09:00 日本南洋 某無人島[maeve](2015/01/04 19:23)
[51] §50 2001,11,02(Fri) 20:00 ユーコン基地[maeve](2016/05/06 12:07)
[52] §51 2001,11,03(Sat) 点景[maeve](2016/05/06 12:08)
[53] §52 2001,11,04(Sun) 07:30  A-00部隊執務室[maeve](2016/05/06 12:08)
[55] §53 2001,11,04(Sun) 20:00 B19夕呼執務室[maeve](2015/06/19 19:45)
[56] §54 2001,11,05(Mon) 09:00 ブリーフィングルーム[maeve](2015/01/24 18:43)
[57] §55 2001,11,06(Tue) 10:00 帝都城第2連隊戦術機ハンガー[maeve](2015/06/05 13:06)
[58] §56 2001,11,07(Wed) 10:00 横浜基地70番ハンガー[maeve](2015/03/06 20:56)
[59] §57 2001,11,08(Thu) 14:00 帝都浜離宮来賓室[maeve](2015/09/05 17:29)
[60] §58 2001,11,08(Thu) 15:00 帝都浜離宮来賓室 考察 創造主(1)[maeve](2013/04/16 21:00)
[61] §59 2001,11,08(Thu) 15:30 帝都浜離宮来賓室 考察 創造主(2)[maeve](2015/01/04 19:04)
[62] §60 2001,11,08(Thu) 16:00 帝都浜離宮来賓室 考察 創造主(3)[maeve](2015/02/03 21:19)
[63] §61 2001,11,09(Fri) 11:05 新潟空港跡地付近[maeve](2015/10/07 16:50)
[64] §62 2001,11,10(Sat) 23:00 三条市グリーンスポーツセンター跡[maeve](2015/03/06 21:15)
[65] §63 2001,11,11(Sun) 05:50 燕市スポーツ施設体育センター跡[maeve](2015/06/19 19:48)
[66] §64 2001,11,11(Sun) 06:52 旧海辺の森跡付近[maeve](2016/06/03 19:25)
[67] §65 2001,11,11(Sun) 07:15 旧燕市公民館跡付近[maeve](2016/05/06 11:55)
[68] §66 2001,11,11(Sun) 07:24 連合艦隊第2艦隊旗艦“信濃”[maeve](2016/05/06 11:56)
[69] §67 2001,11,11(Sun) 07:44 旧新潟亀田IC付近[maeve](2015/09/11 17:22)
[70] §68 2001,11,11(Sun) 08:00 三条市グリーンスポーツセンター跡[maeve](2015/02/08 09:53)
[71] §69 2001,11,11(Sun) 08:15 三条市グリーンスポーツセンター跡[maeve](2015/02/08 10:00)
[72] §70 2001,11,11(Sun) 08:20 旧北陸自動車道新潟西IC付近[maeve](2014/12/29 20:34)
[73] §71 2001,11,11(Sun) 08:25 帝都上空[maeve](2015/08/21 18:44)
[74] §72 2001,11,11(Sun) 10:30 三条市荒沢R289沿い[maeve](2015/02/04 22:07)
[75] §73 2001.11.12(Mon) 09:30 PX[maeve](2015/09/05 17:34)
[76] §74 2001.11.13(Tue) 09:00 帝都港区赤坂 九條本家[maeve](2015/04/11 23:27)
[77] §75 2001,11,13(Tue) 10:30 B19フロア 夕呼執務室[maeve](2015/12/26 14:19)
[78] §76 2001,11,13(Tue) 19:50 B19フロア 夕呼執務室 考察G元素(2)[maeve](2016/05/06 12:19)
[79] §77 2001,11,14(Wed) 09:00 講堂[maeve](2016/05/06 12:25)
[80] §78 2001,11,15(Thu) 22:22 B15 通路[maeve](2016/05/06 12:31)
[81] §79 2001,11,15(Thu) 15:00(ユーコン標準時GMT-8) ユーコン基地滑走路[maeve](2015/10/07 16:54)
[82] §80 2001,11,16(Fri) 10:15(GMT-8) ユーコン基地 モニタールーム[maeve](2015/09/05 17:41)
[83] §81 2001,11,16(Fri) 10:55(GMT-8) ユーコン基地 演習区画 テストサイト18[maeve](2015/10/07 16:57)
[84] §82 2001,11,16(Fri) 16:30(GMT-8) ユーコン基地 モニタールーム[maeve](2015/05/31 10:24)
[85] §83 2001,11,16(Fri) 21:00(GMT-8) リルフォート歓楽街 “Da Bone”[maeve](2015/10/07 17:03)
[86] §84 2001,11,17(Sat) 17:00(GMT-8) イーダル小隊専用野外格納庫 衛士控室[maeve](2015/06/20 23:51)
[87] §85 2001,11,18(Sun) 17:20(GMT-8) ユーコン基地 演習区画 テストサイト37 幕間?[maeve](2015/05/31 20:15)
[88] §86 2001,11,18(Sun) 22:00(GMT-8) アルゴス試験小隊専用野外格納庫[maeve](2016/05/06 11:46)
[89] §87 2001,11,19(Mon) 13:00(GMT-8) ユーコン基地 居住区フードコート[maeve](2015/06/19 20:13)
[90] §88 2001,11,19(Mon) 18:12(GMT-8) ユーコン基地 演習区外米国緩衝エリア[maeve](2015/12/26 14:23)
[91] §89 2001,11,19(Mon) 18:50(GMT-8) ユーコン基地 ソビエト占有区画 ПЗ計画研究施設[maeve](2015/12/26 14:25)
[92] §90 2001,11,19(Mon) 20:45(GMT-8) ユーコン基地 ソビエト占有区画 ПЗ計画研究施設[maeve](2015/10/07 17:13)
[93] §91 2001,11,19(Mon) 21:30(GMT-8) ユーコン基地 ソビエト占有区画[maeve](2015/10/07 17:15)
[94] §92 2001,11,20(Tue) 03:30(GMT-8) ソビエト連邦租借地 ヴュンディック湖付近[maeve](2015/08/28 20:32)
[95] §93 2001,11,21(Wed) 14:30(GMT-8) ユーコン基地 ソビエト占有区画内 総合司令室[maeve](2015/10/07 17:20)
[96] §94 2001.11.22(Thu) 03:00(GMT-8) アラスカ州ランパート付近[maeve](2015/12/26 14:28)
[97] §95 2001.11.23(Fri) 18:00(GMT+9) 横浜基地 B20高度機密区画[maeve](2015/08/28 20:08)
[98] §96 2001.11.24(Sat) 15:00 横浜基地 B17 A-00部隊執務室[maeve](2016/06/03 19:39)
[99] §97 2001.11.25(Sun) 02:00(GMT-?) 某国某所[maeve](2015/12/26 14:33)
[100] §98 2001.11.25(Sun) 13:30 横浜基地 北格納庫管制制御室[maeve](2016/06/04 14:06)
[101] §99 2001.11.25(Sun) 18:00 横浜基地本館 メインバンケット モニタールーム[maeve](2015/10/31 14:40)
[102] §100 2001.11.26(Mon) 06:30 横浜基地本館 ゲスト棟[maeve](2016/05/06 11:44)
[103] §101 2001.11.26(Mon) 17:15 横浜基地 モニタールーム[maeve](2016/05/15 12:14)
[104] §102 2001.11.27(Tue) 06:00 国連横浜基地 第2グランド[maeve](2016/06/03 19:42)
[105] §103 2001.11.28(Wed) 09:00 国連横浜基地 XM3トライアル V-JIVES[maeve](2016/05/14 13:10)
[106] §104 2001.11.28(Wed) 17:00 国連横浜基地 米軍割当外部ハンガー ミーティングルーム[maeve](2016/06/04 06:10)
[107] §105 2001.11.28(Wed) 17:40 B19フロア 夕呼執務室[maeve](2016/06/10 23:26)
[108] §106 2001.11.28(Wed) 18:00 国連横浜基地 Bゲート付近 〈Valkyrie-04〉コックピット[maeve](2019/03/26 22:16)
[109] §107 2001.11.28(Wed) 21:00 B19フロア 夕呼執務室[maeve](2019/03/30 00:03)
[110] §108 2001.11.28(Wed) 21:00(GMT-5) ニューヨーク レストラン “Par Se”[maeve](2019/06/30 17:55)
[112] §109 2001.11.29(Thu) 09:00(GMT-5) ニューヨーク国連本部 安保緊急理事会[maeve](2019/05/05 21:16)
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[35536] §14 2001,10,23(Tue) 12:20 PX それぞれの再会
Name: maeve◆e33a0264 ID:53eb0cc3 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/12/16 23:01
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'12,12,16 誤字修正


Side まりも


訓練部隊の昼食喫飯に乗じて夕呼に再度呼び出された私は、正直頭を抱えた。

説明された白銀クンの経歴には驚かされたけど、15の年からハイヴ威力偵察任務を遂行し、そして生き残って来たならあの技量も、そして仲間を全て喪ってきた哀しみも、頷ける。
その自らの機動概念を実行するために組み上げたXM3。
それが彼を世界最高の単騎戦力とせしめている。

しかし。

・・・それはあんまりよ、夕呼。

その単騎世界最高戦力[●●●●●●●●●]を、訓練兵[●●●]として扱え、なんて・・・。

御子神クンは技術なので必要ないと言うが、今後中隊以上を率いる可能性の高い白銀クンは衛士としての過程として必要、と判断したらしい。実際戦地任官に近く、ろくな訓練や座学もなく戦術機に乗ったらしいから。それで損耗率ももっとも激しいだろう幽霊部隊を一人生き抜いたんだから。それ故の訓練部隊所属、その事自体は、納得できないでもない。

ただ他でやって、と言いたいが・・・。



問題は、その後。

白銀クンは夕呼直属で、新たな部隊の隊長となる。
A-00戦術機概念実証試験部隊。所謂テストパイロットの部隊だ。
所属メンバーは、御子神クンが副隊長、社さんが特務少尉の階級で補佐に付く。行く行くは増やすらしいが、こともあろうに私に[●●]その試験部隊への併属も内示されたのだ。・・・・・・・・・“大尉”として。

もともと富士教導隊の大尉でしょ?  何の問題もないから。

言い切る親友は、“イイ”笑顔。
要するに教導官として軍曹の階級を持ちながら、試験部隊では大尉で概念実証すべきOSや装備の開発にも従事し、そしてそれを教導することを視野に入れろ、って・・・どんだけよ・・・。

なので、私も白銀クンと同じ様な二重階級を賜るハメに陥った。

襟章は、表が軍曹。裏が大尉、である。
教導中は軍曹、その他は大尉なのだが、面倒なのは白銀クン、同じ訓練兵と少佐の二重階級を持つ彼が、教導中は“白銀ェ!”と呼びつける訓練兵、他は直属上官である“少佐殿!”なのだから・・・。


目の前で、申し訳なさそうにこちらを見ながら、合成鯖味噌煮定食をつついている彼を見て嘆息する。

話のあと、唖然としていた私を、御子神クン社少尉共々、喫飯に誘ってくれたのだ。
別に彼の所為ではないので、恨みはないのだが・・・。




「ところで、まりもちゃんに聞きたいこと、在るんですけど・・・」

・・ここでもその呼び方なのね・・・。せめて訓練兵の前では、って言うかそこは叱責すべきよね?
ウン、その場合は階級的にも正しいわ。

「アイツ等・・・、207B訓練小隊の訓練兵は、どうですか?」

「・・・しょ・・白銀クンは、あの娘達を知っているの?」

・・・開き直るしかないのね。なんか私の中の軍紀が崩れていく気がする・・・。
年下よ年下! それも10も!・・・・なんか哀しい。負けた気がする・・・。

それもこれも、みんなみんな夕呼の所為よ!!


「ええ、まぁ・・・。一応同期になるんで、データも見ましたし。・・・かなり複雑、みたいですね。」

「!!・・・」


そうなのだ・・・。

私の最大の頭痛の種は、そんな[●●●]中にこの単騎世界最高戦力[さわぎのモト]を放り込むこと。



もともと第207衛士訓練部隊は、夕呼の目的に沿って選ばれた候補生を鍛える為に設立された訓練部隊だ。

この基地が白稜基地だった当時、富士教導隊に在籍していた私が教導官として招かれたのである。
一本釣りで、拉致された、とも言うが。
以来、BETA東進による仙台移設や、その後の明星作戦を経て、再びこの横浜に戻ってきて、結局今もここで教導を続けてきた。

その中でも、飛び抜けて、最大級に、飛んでもない複雑な内情を有する部隊、それが今の207B訓練小隊である。
しかも全員が全員。


夕呼の目指す目的、そしてその資質がなんなのか、詳しいことを私は知らない。夕呼の関わる極秘計画に必要な資質らしいが、その内容も明確に聞いたこともない。
ただ私の経験から言っても、ここに選ばれてくる候補生は、“粒選り”であることは間違いない。
当初の技能や成績、それらは寧ろ平均的で、それを元に選別している訳ではなさそうなのだが、“結果”が突出しているのだ。

・・・そしてその“優秀”であることが、哀しいことに高い損耗率を呼び寄せる。


部隊発足以来、送り出した人数は1個連隊を上回る。
明確に知らされているわけではないが、生き残っているのは1割にも満たない。
それもついこの間送り出した“死の8分間”さえ乗り越えていない者も含めて・・・。




人類の存続は、既に最早あと10年、と迄言われている。
帝国も疲弊し、度重なる教育基本法の改定や、徴兵性別・年齢の拡大。
人の命が余りに軽くなっていく世界。BETAを倒すためなら、人権など何の意味も成さない。
政府は勿論明言しないし、言えば“建前”上拙い事態に陥るが、実質既に軍では、人権など無いに等しい。死ねと言う事に等しい命令が、上意という軍規の下に、平然と行われる。

そんな中でも、少しでも教え子が生き残れるよう、心砕き、時には鬼になって教導してきたつもりだ。



それが、今の207Bには出来ていない。

夕呼ですら衛士にすること、つまり総合戦技演習の合否については明言してこない。
確実に合格させてよ、と何時も無茶な注文を付けてくる夕呼が、である。
夕呼さえ躊躇する、それほど迄に、彼女達の柵は複雑だ。

明確に衛士と成られては困る、そう言う背景を持つ者。それは立場であったり、もたらす影響であったり、その理由は様々なのだろうが。
端的に言えば暗に、総合戦技演習が不合格になり、国連内の後方部隊に回される事を望まれているのだ。
彼女達の意志とは別に・・・。

そう、彼女達本人の意志は別にある。しかし柵は、彼女たち自身にも絡み付いており、自分たちでそれを解脱出来るほど大人でも無かった。

私自身にも、夕呼さえもが望まないなら、危険な戦場に送り出したくはない、と言う気持ちが在ることも否めない。

故に小隊に存在する齟齬を取り除く事もせず。


結果、1度目の総合戦技演習は不合格に終わった。




「まりもちゃん。」

「! ん、あ、何?」

「・・・・・・・・・あと2ヶ月で、世界は変わります、いえ、変えます。」

「・・・!」

閑かな、しかし決して揺るがない、決意のようなその言葉。
その言葉の、含むモノに思い当たり、目を瞠る。

そうだった。

あと10年と言われる人類の未来。
だが、さっき見せられた白銀クンの鮮烈なる機動、御子神クンの深遠なる智謀に、確かな曙光をみたのだ。
彼らが語るその言葉は、最早一兵卒の言葉ではないのだ。



「・・・アイツ等の力は、その為に必要なんです。」

「!」

「・・・勿論後方が悪いなんて間違っても言わないし、その方が安全かもしれない事も知っています。本当に力尽くして、それでも尚届かないならそれも在りでしょう。
でもオレは、アイツ等が有する力を、信じています。
そして、しかるべき所で、自らも生かすために揮って欲しい、・・・・そう願っています。」

「・・・・。」

「アイツ等を取り巻く柵なんて、些細な問題です。合格してしまえば、どうにでも成ります。
・・・何よりも、アイツ等がそれを望んでいます。」

「・・・・。」

「だから、オレはアイツ等を衛士になれるよう、そして、生き残れるよう鍛えます。
それを、まりもちゃんにも手伝って欲しいんです。」

「!!!・・・・」



BETA に勝つ為ではなく、生き残る為に鍛える・・・。
その言葉は、私の裡にある“教導の礎”と意を同じくするものだ。






私は今までの彼女たちへの接し方を顧み、自分を恥じる。

今まで何をしていたのだろう?


部隊の齟齬を糺し在るべきチームの在り方を説く、それは前線・後方に拘わらず、生き残るのに必要なコトではなかったのか?
総合戦技演習の合否など関わりなく、その術を伝えたのか?

白銀クンの言うように、合否など後から付いてくるモノで、柵など関係ない。

私は私の遣るべきコトを、まだ何も遣っていないではないか!


「勿論よ! 宜しくね、白銀クン!」

・・・それを、強いとはいえ、あの娘達と同じ年の“訓練兵”に教わるなんてね。


私は、彼の部隊に所属することを、初めてちょっぴり、感謝した。


Sideout



Side 冥夜


食事を終えた私は、午後の座学に備え、足りなくなったノートを購入にPXを横切った。

その際、PXの片隅で喫飯していたのは教導官である神宮司軍曹。2人のC型軍装を着た若い男性と、兎耳型の髪飾りを付けた少女を向かいに、食後の話をしていた様子であった。


この時代に、若い男性など珍しいものだ。

その時には、そう思いながらも教官の邪魔せぬよう、通路の反対側を通り過ぎた。





購買部で目的のノートを、予備を含め数冊購入し、座学の行われる教室に向かう。

すでに他の訓練兵は先に向かった。


真っ白な頁が少し捲れ、ふと思う。

このノートが埋まる頃、私は何をしているのだろう、と。


望むモノは在る。
その為の手段として、この地を選んだ。
今は未だ浮薄の身分なれど、任官しさえすれば、その望みも叶う。少なくとも、彼の御方の一助になれる・・・。

・・・そう思っていた。



しかし・・・。

現実は冷酷で、そんなに甘くはない。
思い通りになど行かない。私はただ足踏みをしているだけだ。


そして、容赦なく時は近づいている。

遅くとも12月までには、2回目の総合戦技演習がある。

それが最後の機会。



こんなコトでは、あの者に哄われてしまうな・・・。








自戒しながら喫食エリアを戻りかけて、先程のコトを思い出す。
神宮司教官と話をしていた3名。

同じルートを戻るため、まだ居るかも知れぬな、そう思う程度の事だった。



実際にそこを通りかかる、そこまでは。








「・・・・え?」

神宮司教官に向いて微笑んだその相貌を見たとき、私には衝撃が奔り、立ちつくした。



この面影、この微笑み。
それを持つ、持っていたはずの者を知っている! と湧き上がる感情。

それと同時に、あの者は、BETAの横浜襲撃に飲み込まれ、既に鬼籍に入ったはず、と押しとどめる理性。



葛藤する2つの意識に、立ちつくした私を怪訝に思ったのか、気がついたその者が視線を向ける。




そこには、驚いた様な表情。

そして直ぐに破顔し、口元が動いた。


その時には、最早耳にも入らなかった。それでもその唇は、確かに動いた。

メ・イ・ヤ・・・、と。





抱えていた胸元から、ばさばさと落ちるノートもそのままに駆け寄ると、立ち上がろうと椅子を引いた“彼”にそのままダイヴしていた。






幼少の砌、数えきれぬ程抱きついた、その懐かしい胸に。


Sideout




Side 武


PXで逢った冥夜に、いきなりダイヴィング・ハグされました、まる。









確かにこの世界のオレの記憶に、小さい頃何度も受け止めていたのが記憶にあるが、この歳でのコレは、かなり来るモノがある。
と言うか、このPXでそれは自重して欲しかった。周囲の視線が痛い痛い。

しかも立ち上がりかけた不安定な状態で喰らったもんだから、危うく“押し倒される”ところだった。
後ろには椅子、退くことも儘成らず盛大に後頭部から・・・。
と言うところを、その後ろに座っていた彼方がさり気なく支えてくれて事なきを得、助かった。
感謝。



それでも泣きすがる冥夜に、小さく嘆息。

そして安堵。


前の世界で、あ号標的に浸蝕され、助からないと悟った冥夜は、オレの手で逝くことを望んだ。
上位存在諸共オレの手で喪ってしまった、大切だった存在。

それが、今は未だ、確かな存在として、腕の中にある。

さっきの伊隅大尉や、まりもちゃんと同じ、喪う未来を体験した、掛け替えのない存在。
それが温もりと、破壊力抜群の柔らかさを有して腕の中で嗚咽している。



突然の事態に、吃驚していたまりもちゃんは、まず呆気にとられ、次に青筋が浮いた。
霞のウサミミが、高速で動いている。

「!・・・幼馴染みなんですよ、ほらオレ、記憶喪失で行方不明だったから・・・」

相変わらず器用に結われた髪の、その後頭部を撫でながら、一言付け加えておく。
その言葉に一応、納得してくれたみたいだ。



・・・しかし、これは・・・。一悶着じゃすまないなぁ・・・。



想いながらさりげに視線を巡らず。

案の定、少し離れた柱の影から、暗黒物質にも似たどす黒いオーラが立ち上っているのを、直ぐに見つけてしまった。


あーもー、・・・・・・・・どうしろって。


Sideout




Side 冥夜


一頻り縋って泣き、そこで漸く落ち着いた私は、教官からプライベートには口出しせんが、そう言うことは他で遣れ、と言われ、今も耳たぶまで熱い。

PX中の衆目を攫ったことは確実で、後日京塚のオバサマにまでからかわれた。


・・・仕方なかろう、喪ったと思っていた運命とも感じた相手が生きていたのだから。


・・・しかも、背も高く、凛々しくなり、優しげな表情だがその相貌は引き締まり、甘さもない。思わず抱きついてしまった胸は靱やかで且つ外連味のない鋼線のような筋肉。
・・・纏う雰囲気は、既に一流の衛士。


「冥夜、詳しいことは後で話す。今は時間がないので簡単に言うと・・・・月詠さんも呼んで貰えるか?」

「あ、うむ、承知した。」

少し離れたところで、蜷局を捲いている蝮のような雰囲気を纏っていた月詠を呼ぶ。



「・・・お久しぶりです、月詠さ・・、今は中尉なのですね。白銀武です。」

「え?  な!?  まさか!?  武殿・・・か?!
・・・武殿は3年前のBETA殲滅侵攻で亡くなられたはず・・・」

「大変ご心配かけたコトはお詫びしますが、どうにか生きてました。
尤もこの春までは、記憶喪失で自分が誰かも覚えてなかったんです。」

「!!」

「横浜襲撃時に逃げ遅れた後、BETA殲滅に襲われて、奇跡的に助け出されたんですが、助けてくれた相手が機密部隊で機密行動中、しかも目が覚めたら記憶喪失だったんで、そのままその部隊に所属しちゃったんですよ。」

「・・・・機密部隊?」

「・・・内容は済みませんが今でも開示できません。
今後殿下にお会いする機会でもあれば、お伝えしますので殿下から聞いてください。
ああ、念のため髪の毛渡しておきますので、DNAで確認取っていただいて構いません。」

「・・・いや、しかし・・・、その機密部隊はどうなったのだ?」

「実は春先に、オレを除いて全滅してしまいました。オレはそのショックで、逆に記憶を取り戻して・・・。
その後、ここに居る彼方とオレの戦術機機動概念を実現するシステム構築をしていたんです。」

「・・彼方?  む、もしやっ!!・・・貴殿も・・!?」

「御察しのとおり、御子神彼方だ。」

「・・・まさか!?」

「こっちは99年のG弾に巻き込まれてね。
1年ほど長々と昏睡してた。
唯国内じゃ危ないってんで、わざわざハワイの病院に担ぎ込まれてたさ。
そこで記憶回復後リハビリ中の武と逢って、ずっと技術習得してた。」

「・・・・それは・・・、しかし・・・殿下には?」

「昨日戻って来たばかりだから、まだ報告していない。
戸籍も横浜基地から修正して貰っただけで、城内省には通知していない。こっちもDNAで確証取れたら、出来れば正式に帰還報告したいから、アポ取って貰えると有り難い。
行方知れずの方が安全なのでそのままにしておいたが、武の考案したシステムがかなり出来が良くて、武の記憶も戻ったし、概念実証するに当たり、機密部隊から表に正式任官することになったわけだ。
俺は技術だから特に制約はないが、武は戦地採用で、正式な教育も受けていないから、神宮司教導官の207B訓練小隊に配属され、訓練終了を以て正式任官する運びとなる。」

「!! それは、国連軍に所属、と言うことか?」

「・・・元々オレの母さんが跳ねっ返りで、斯衛飛び出した人だしな、今更斯衛はないさ。」

「こっちも未だに帝国軍に敵は多いから。柵のない国連軍が適当。」

「・・・その辺りは出来れば殿下と相談して欲しい。
失礼には当たるが、確証を得るため髪の毛は預かり、DNA鑑定をさせていただく。
謁見の日時は、確認がとれ次第通知、と言うことで宜しいだろうか?」

「ああ、構わない。寧ろ手間を掛ける。宜しく頼む。」

「構わん。・・・しかし冥夜様が抱きつくなど、何処ぞの不埒者、と思えば・・・まさか武殿とは・・・」


御子神・・少佐殿と真那は知己なのか、私の知らない話をしている。私は少なくとも逢った記憶がない。“あの方”の話も出ていたから、その方面なのだろう。


そして武は、訓練兵の襟章を付け、私に微笑んでくれていた!

「・・・・つまり武は、私達の訓練小隊の一員として、一緒に訓練することになる・・・と?」

嬉しくて上目遣いに問いただすと、微笑んで頭を撫でられる。


「ああ、宜しくな!」

それは記憶に違わぬ、武の仕草だった。


Sideout




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