アキが持つDBの設定集、裏話です。読まなくても本編には支障は無いので興味がある方は良ければ読んでみてください。
プロットの段階からアキが持つDBには大きくこの三つの制限を設けている。
① 持つのはマザーを含めて五つまで。
② 六星DBは持たせない。
③ あまりにも強力すぎるものは持たせない。
おおまかにこの三点。①については数を無制限にすればあまりにもチートすぎるため。唯でさえシンクレアの一つを持ち、物語の展開上他のシンクレアも持つことが予定されていたため数を制限する必要があった。そこで原作で複数のDBを使っていた人物、キングの五つという数を基準とした。もっともあくまで基本であり、アキの成長と共に持てる数は増やせるため五十三話の段階ではアナスタシスとゲートを加えれば七つとなっている。
②については本編でも述べた通り六祈将軍の持つDBであるため。マザーから生まれた設定にしたのもアキをDCと接触させる物語の展開上の理由と四天魔王アスラごっこをしても読者の方から見れば面白くないであろうという理由。
③については原作で出てきた中でも特に強力なDBを持たせないため。例をあげるならばスモークバー、アシッドルール、オールクラッシュなど。相手の攻撃を完全に無効化できるようなタイプのDBについては強力すぎる、そして戦闘の面白さをなくしてしまうため禁止とした。
初期構想時から持つことが決定していたのはマザーとデカログスの二つ。それ以外のDBについては物語の展開上必要になってくるであろう能力を持つものを採用していく形になった。
『マザー』
シンクレア。母なる闇の使者。全ての元凶であり実質ラスボス。実体化した際の容姿は金髪のカトレア。アキの理想の女性像を勝手に使っている。金髪と黒のゴスロリドレスは完全にマザーの趣味。女王気質。ドSでありドM。
実は最初の構想ではその名の通り母親、親バカのような立ち位置でアキを振り回していくキャラクターだった。その時点ではヒロインはエリーであったのだがプロットを練っていくうちに「あれ、こいつヒロインじゃね?」と気づきそのままメインヒロインに昇格。エリーとのカップリングはかなり荒れそうな組み合わせでもあり悩んでいたため石のヒロインなら誰も文句は言わないだろうということで今に至っている。頂いた感想を見る限りではそこそこ受け入れられているようなので一安心。
能力は触れた物全てを消滅させる『空間消滅』
シンクレアに相応しい力なのだが強力すぎるため本編では活躍できていない。原作ではハルの叫び声にかき消されていたのでそれに比べればまだマシかもしれない。
DBとしての極み、真の力は『次元崩壊』
その名の通り次元を崩壊させる、正確には並行世界を現行世界によって塗りつぶす能力。あまりにも危険すぎるためハードナー戦においてもアキは最後まで使用を躊躇っていた。被害と影響を最小限にするために時空の剣としている。もう一つ、本来としての使い方もあるのだがそれは本編にて。
『デカログス』
魔剣。師匠。アキにとっての主武装であり相棒。生まれた経緯はマザーの親バカ、嫉妬からでありアキ自身は生み出してもらう気は無かったのだが何だかんだで今はお気に入りとなっている。本編では描写をカットしているが戦闘中にもアキはデカログスから指示や忠告を受けている。主従でありながら師弟である関係。DBの中でも数少ない男性人格であるのも大きな理由。
能力は『十剣』
RAVEの代名詞とも言えるTCMと同じ能力を持つ剣。やはりRAVEのSSを書く以上これは外せないだろうということで採用……したのだがあまりにも万能すぎるため作者的には一番扱いづらいDB。漫画を読んでいる中ではそれほど気にならなかったのだが実際に戦闘を考えてみるとはっきり言ってデカログスだけあればどんな敵でも封殺できることに気づく。アキは原作知識で全ての剣を知っており、またデカログスからのサポート、十年間の修行から第十の剣以外最初から使用できるというのも大きな問題だった。特に封印の剣はその最たるもの。魔導士殺しであり作者殺しの剣。ジークの嫌いな物が封印の剣だった理由が分かった。
『ネオ・デカログス』
真の魔剣。究極武器。本来なら登場は終盤なのだが迫りくる死亡フラグを回避するために必要不可欠であったため登場となる。原作とは違いキングのデカログスとの融合という経緯を経ている。(読者の方からあった二刀流もロマンがあったのだが)
格で言えばシンクレアを除けば最強のDB。アナスタシスとは相性が悪すぎたため無力化されてしまったが本来ならキング級の相手でも瞬殺できるほどの力がある。それ故にアキにしか扱えない剣。本当の見せ場(正念場)はもう少し先の予定。
『ワープロード』
汎用性が高すぎるDBその一。キングが使用していたDB。採用となった理由はハルとの接触を無理やり演出するため。ランダムの移動でなければアキがわざわざ幼いハルに会いに行くのは不自然であったためその役割を果たすことが一番だった。実はハルと出会ってそのまま別のところに行こうとすればアキ本人が危惧していたようにDC本部に瞬間移動してしまいそのままキングと接触、「お父さんと一緒」ルートに突入する可能性もあった。
能力は『瞬間移動』
一度行った場所であればどこでも行ける。またマーキングした場所であれば自分の視界内でも瞬間移動可能。契約を結んだ相手であれば呼び出すこともできる。ただし呼び出す際には相手の了解が必要(でなければトイレや風呂の問題がある)物語上どこでも移動できるのは非常に便利なのだが戦闘においては反則に近い能力。そのためマーキングなどの制限を付け回避においての使用を主とした。もっともほとんどがマザーをアジトに送り返すのに使われている。
『イリュージョン』
汎用性が高すぎるDBその二。このSSオリジナルのDB。アキの習熟度で言えばデカログスの次に高い存在。採用の経緯は序盤の潜伏生活に置いて必要不可欠になる能力であったため。逃走を主眼に置いたある意味アキの性格を表すDB。もしいなければキング編にてハルは死んでいたためアキにとっては命の恩人でもある。
能力は『幻影』
その名の通り幻を作り出し相手を欺くことができる。第一部ではアキは主に顔の傷を隠す、姿を隠すために使用。だが汎用性も高く戦闘においても強力な効果を発揮する。実力不足の初期のアキにとってはその不足を補う意味でもお世話になった。ただ六祈将軍戦以降は姿を隠す必要が無くなったこと、実力的に小細工をする必要がなくなってきたこと(敵が強くなり通用しなくなってきている)から出番が減りつつあるのを本人は寂しがっている。最近はほとんどマザーを実体化することが仕事になりつつあり、これからはもう一人増えるため多忙になる予定。
『ハイド』
空気(出番的な意味で)DBその一。オリジナルDB。元々五番目のDBについてはSSの進行上で不具合が生じた際にそれを補う役割を持たすため持たせていなかったのだがジークから身を隠す必要が出てきたため急遽登場となった。
能力は『気配遮断』
その名の通り気配を絶ち、空気になれる能力。姉であるイリュージョンと組み合わせればヤバいことに気づき戦闘には使えない制約を追加。そのせいでほぼ活躍できないいらない娘に。
『ゲート』
空気(存在的な意味で)DBその二。トラウマ。ジェロから渡された呪いのアイテム。アキは捨てたいのだが捨てるとどうなるのか恐ろしくしまったままになっている。というか頭の中からなかったことしている存在。
能力は『魔界の門を開くこと』
能力的にはワープロードの劣化版。ただしワープロードでは魔界には移動できないためその点では優れている。現状ではジェロを呼び出すことができる、いわば召喚獣の魔石のようなもの。ある意味アキが持っているDBの中で一番危険なDB。間違って使用しないようにアキはほとんど触れていない。今のところ使用せずに済んでいる、というか使用しなければいけない事態に陥った時点でアキ的には詰んでいるようなもの。実はジェロ側からも力を使い、アキの元に行けるのだがアキはそのことは知らない。マザーは知っているが面白そうなので黙っている。余談だが絶望さんの再登場は原作のメギドがエンドレスを吹き飛ばしたのと同じぐらいのインパクト、第二部の目玉の一つの予定。
設定集は以上になります。アナスタシスについては次話以降、本編にて説明させていただきます。では。