「金山なんか良い物あった? 新入生勧誘週間の目玉になるようなの限定で」 部室棟の階段下のとうの昔に使われなくなった地下防災備蓄倉庫。 ここには前身である上岡工科大学遊戯同好会の創設以来、代々引き継がれてきた品が眠っているという。 VR全盛期の昨年までなら、現組織上岡工科大学ゲームサークル通称『KUGC』の売りは、メンバーがやっているVRMMOリーディアンオンラインの独自Mod開発をメインとした、楽しみながらVR関連知識や技術を習得し、さらにはゲームを通じ人脈を形成するという物であった。 しかし昨年の事件でそのリーディアンも終了。新規会員勧誘のためにも新たな策を練る必要が生まれ、その為に頼ったのは先達達の遺産であった。 しかし倉庫整理という名目での探索が始まり開始二時間で、メンバーの大半の心には諦めの文字が浮かんでいた。 乱雑に積み上げられた段ボールを一つずつ確かめながら、部室に運んでくるのが男子部員。中身を掻き分けてリストを確かめつつピックアップしていくのが女子部員の仕事と分業で行っていたが、ここまで発掘できた品は一言で言えばガラクタばかり。 今ではあまり見なくなった大型の3D投影モニターならかわいい物。その手の博物館でもいかなければ見られないブラウン管TV(外枠のみ中身無し)やら最初期大型ゲーム筐体(画面割れ)など粗大ゴミとしかいえない物が出てくる時点で、お察しくださいといった所だ。 倉庫の品は大半がリストに記されているというのが、代々の部長間の伝達事項だったが、純粋な卒論用資料だったり、バイト先から貰ってきた謎の置物だったり、単なる悪ふざけの行き着いた先だったりと、ばらばらな用途の品を、とりあえず空いている場所に適当に置いていった順番に書いたという、文字通り『倉庫の中にある物』リスト。どこの棚のどの箱に仕舞ってあるかなど、到底不明な状況は、探索メンバーの心を折るには十分すぎた。『見つかったら苦労しねえって、さっきから用途不明な物ばっかなんだけどよ。ピン球やら野球のベースとか、ニワトリ持ったリアルカーネルとか一体何だよ』 高性能な構内ネットを通じて視覚共有された仮想ウィンドウには、断末魔の叫び声を上げそうなニワトリの首を掴む白い髭の老人の人形が映っている。 しかもその姿は、リアルの店頭に飾っているデフォルメされた容姿では無く、生きているかと思うほどにリアルな老人の物だ。 段ボールの山に埋まっていたこれが発掘されたときは、一瞬死体でも見つけてしまったかと地下倉庫組が大騒ぎになっていたくらいだ。「雑品はVR化するときのデータ取りとかで使ったらしいわね。どれだけ精巧にリアルに近づけるかって20期くらい前の先輩達の合同卒業研究。人形は学祭の時にお化け屋敷やった料理サークルに頼まれて、おじさん本人の写真からデータ取って工作室の3Dプリンターで生き人形ってくらい……精巧に……作ったみたいね……うちの馬鹿兄貴一味が」 変色したノートリストに書かれた用途と年代を見ながら疑問に答えていた現部長である宮野美貴は、件の人形に実兄の名を見つけ頭痛を覚える。 ノートをよく見れば美貴の兄が現役時代に倉庫に投げ入れた物は、その大半が悪ふざけの産物という収納状況になっている。『……宮野先輩の代か。納得した』 上岡工科大学ゲームサークルを今のKUGSという校外メンバーも多い新形態へと変化発展させた世代の中心人物でもあった宮野の兄は、リアルとVRでのギャップやら、その享楽的かつ悪戯好きな性格で恐れられているOBの一人だ。 ため息混じりの声に美貴の心情を察したのか、金山もそれ以上の突っ込みは諦め、目線をまだまだ先が見えない迷宮の奥へと向けた。「……とりあえず後もう少し探してみて、今タイナ……あー太一に昼ご飯買いに行かせてるから戻ってきたら小休止で」 ついゲーム内の名前で呼ぶというマナー違反を犯しそうになり、言い直した美貴は休憩を提案する。 早朝から探索を始め時刻はすでに昼過ぎ。自らも空腹を覚えていた美貴は先ほど段ボールを運んできたタイナスこと一年男子芝崎太一に、近くのコンビニまでメンバー全員の昼飯を確保にいかせたばかりだ。 17名分と数は多いので時間は少し掛かるだろうが、こちらの作業も終わりはまだまだ見えていない。『んじゃすぐ飯か。午後に備えて通路沿いに奥の棚までの道だけでも作っておくわ。三枝。そっちから退かしてくぞ』 「じゃ、そっちは頼んだわよ……チサト。そっちなんかあった?」 金山との仮想ウィンドウ越しの会話を打ち切った美貴は、部室の床に段ボールを広げ中身を確認していた太一と同じく一年の遠藤千沙登ことチサトに尋ねる。 狭い部室内のあちらこちらで記録と整理に別れてペアを組みつつ、確認作業を行っているがどの組も目立った成果は上がっていない。「紅いゴーグルみたいな見たこともないハードならありましたけど。初期のVRハードみたいですけど使えます?」 子犬チックなボブショートの千沙登は、段ボールから持ち上げたゴーグルのようなゲームハードを掲げてみせる。 見たことのないハードに美貴は記憶を漁るのを早々に諦め、それを視界に納めつつ左手で仮想ウィンドウを弾き、造形物の形から情報を検索するシルエット検索を仕掛ける。 「紅いゴーグルって、あーこれか……無理ぽいわね。それ80年以上前で国内販売ソフト20種以下みたい。さすがに今更売ってないでしょ」 僅かな時間を置いてハードの情報がヒットするが、かつて勇名を馳せた元花札会社が満を持して販売し盛大に爆死した所謂黒歴史のハードだ。 ハードがあるだけでも不思議なのにさすがにこれのソフトなんぞ、「あ、箱の下の方に19本ソフトっぽいのがあるんですけど。何とかテニスと描いてあります」 巨大な段ボールの中に半分身体を沈めながら漁っている千沙登が右手でソフトを持ち上げ掲げて見せた。「………………ウチの部ってほんとなんなのよ」 なんで黒歴史一式を買い揃えているんだろうと、見る目が有るんだか無いのか判らない先達達に戦慄を覚えた美貴は思わず脱力し椅子に背を預ける。 こうなったらいっその事倉庫の中から歴代のゲームハードでも探して、ゲームの歴史と展示してやろうかなどとやけくそ気味に美貴が考えていると、『緊急メールが届きました』 と、仮想ウィンドウがポップアップ表示された。緊急とは穏やかで無い響きに美貴は訝しげに眉をかしげる。 何事かと思い仮想ウィンドウを軽く弾いた美貴は、送信者を見て今度は首をかしげる事になる。 送信者として表示されていたサインは『ユッコ』となっている。 「部長どうしたんですか? 不思議そうな顔して」 急に静かになった美貴が気になったのか、段ボールあさりの手を止めた千沙登が顔を上げていた。 段ボールについていた埃が髪の毛についているが、本人は気づいていないようだ。「チサト。埃……なんかユッコさんから緊急メール来てるのよ」 どうにも愛嬌のある可愛い後輩の姿に気を抜かれつつ、頭の埃を払ってやった美貴は、送信者であるリーディアン内KUGCの副マスであるユッコの名を告げる。 ゲームとしてのリーディアンは終了してしまったが、その交友関係までがリセットされたわけではない。 さすがにゲーム終了から半年以上が経ち、以前より活発では無くなったが、それでも時事の挨拶やらくだらない雑談のために元KUGCのメンバーがギルド掲示板に顔を出すなどで、校内外での交友関係は維持されている。 今年に入って完全に連絡を絶っているのは、初代と二代目の両ギルドマスターくらいだろうか。 初代の方はリーディアンを運営していた会社に就職して、ただでさえ距離を置いていた所に、昨年末辺りからなにやらリアルに追われて顔を出してもいないが、兄を通じて美貴はその近況やら活動を知っており時折掲示板内で伝えている。 問題は二代目ギルドマスター兼ギルドマスコットの方だ。 彼女に至っては、リーディアン終了時から一切の連絡が途絶え今に至っている。 接続時間では他の追随を許さない最強廃人なプレイヤーなので、ゲーム終了時に絶望して自殺したんじゃ無いかと、笑えない噂が流布されるくらいだ。「ユッコさんからですか? どうしたんでしょうか」 優しく頼りがいのある副マスユッコはギルド内では男女問わず人格者として慕われている。 そんな彼女が、意味も無く緊急と題打ったメールを送信するような性格ではない。 緊急メールと聞いてチサトは心配げな顔を浮かべていた。 「今確認してみ……………えと………………はぁぁっ!? どういう事!?」 メールに書かれた単文を読んだ美貴はそこに書かれた意味が理解できず三度読み直してから驚愕の声をあげ、仮想ウィンドウに慌てて指を走らせ返事を返す。 その声の大きさに目の前のチサトは目を丸くし、作業をしていた他の女子メンバーも手を止めると美貴達へと目を向けた。「美貴どったの大声あげて?」 再返信されてきたであろうメールを何度も読み返している美貴の様子を、唯一の同期女子である宗谷唯が訝しげにみながら尋ねた。 「……ユッコさんから緊急メールが来たんだけど、『SA』サインとどっかのVR空間アクセスキーが付いてた」 半信半疑といった表情で美貴が返すと、唯も何とも不思議な顔を浮かべる。 意味が判らないとその表情は言葉無くとも雄弁に物語っている。「それなんかの間違いでしょ? なんで今更」「間違いですかって確認したんだけど『来れば判りますから、皆さんに声をかけてくださいね。早く来ないと始まりますよ』って文が返ってきてるの。相手ユッコさんだよ。こんな悪戯とかする人じゃ無いでしょ。」「そりゃそうだけど……でもまさか本当に起きるわけじゃ無いでしょ。二人ともいないでしょうが。先輩の方は封印だし、あっちゃんなんて音信不通だし、それ以前にリーディアン自体が終わってるのに」「リーディアンじゃ無くてリアル側じゃない? 先輩はあっちゃんのリアルを知らないって言ってたけど、あの二人見てたらそれないでしょ」 困惑している最上級生二人の様子に、チサト達後輩組は意味が判らずきょとんとする。 一体この二人がなんでこんなにも驚いているのか理解できないからだ。 ユッコからの最初のメールには短い単語とアクセスキーだけしか無いからだ。「部長に唯先輩もどうしたんですか。なんでそんなに驚いているんです?」「なんでって驚いて当たり前…………そうかあんた達だと知らないんだSAってサインの意味。あたし達の下の世代じゃ一番古参なチサトでも」 チサトは上岡工科大生としては一番下の一年ではあるが、ギルドとしてのKUGCには高校時代から参加しているので美貴や唯達に次ぐ古参メンバーである。 しかし最後のサイン『SA』が発せられたのは、美貴の記憶が確かならチサトと太一が入る少し前くらいだ。 後輩達がなぜ驚かないのか納得がいった美貴は頬を書きつつ、発動する一連の事象をどう説明しようかと考えあぐねた末に、「唯。倉庫組を呼び戻して部員全員フルダイブの準備。太一が戻ったらいくよ。チサト達は手分けして校外ギルドメンバーにアクセスキーを連絡。『SA』発動っていえば古参の連中はほとんど来ると思うから」 娯楽目的においてのフルダイブが二時間の規制を受けている現状ではかなり貴重な時間だが、ユッコの言葉が冗談でも嘘でも無ければ、それはギルドメンバーの大半が待っていた朗報だ。 第一あの何とも名状しがたい状況は、説明するよりは見た方が早いという結論に達していた。「ではでは皆様。VRデスクに次いで次に参りますは、個人で持つにはかなりお高いです業務用のVR筐体です」 VRデスクから離れたアリスはデモとはいえ久々のゲームプレイで徐々にテンションが上がっているのか、演技めいた口調で次いでVR筐体へと移る。 しかし楽しんでいるなアリスの奴。ここの所、星系強奪やらゲームが出来なかったりで溜まっていたストレスの反動だろうか。 まぁ、だからこそ心底ゲームを楽しんでいる偽りが無い表情を浮かべられるんだろうが……なんだろう、そこはかとなく微妙な悪寒がする。「さてさてご存じのようにVRデスクが家庭用とすれば、こちらは業務用でありそのスペックは段違いです。高性能機がもたらすフルダイブ時の圧倒的な反応速度や情報処理能力強化は、私たちをさらなる高み、今まで体験したことの無い新次元へと誘うほどです。これの恩恵を最大限に受け、そして活用するゲームこそがHFGOです」 筐体の横に立って大型犬をなでるようにポンポンと触ったアリスの説明に合わせ、大型ウィンドウを展開。流すのはHFGOの公式映像。 巨大要塞が撃ち放つ数千の光弾の雨の中を、雷光のように駆け抜けていくプレイヤー達がそこには映っている。 親会社でもあるMaldives社の最高峰スペックを誇るVRマシーンを用いたトップゲーマー達が集った運営公式大会であるHFGO世界最強ギルド決定戦は、リアルタイム放映時に全世界から1000万を超すアクセスがあったといわれるほどの、ど派手できらびやかな映像だ。「ですけど今日本ではVRゲームにおけるスペック制限が有り、このレベルの反応速度をナノシステムのサポート込みでプレイヤーから引き出したり、情報処理をすることが出来ません」 残念そうな表情を浮かべたアリスは大きなため息を吐きつつ、頭のウサ髪を器用に操って×印を作ってみせながら、愛車に乗り込むレーサーのようにひらりと跳び上がって筐体のシートに収まる。 「さらには先ほどから申していますが二時間の規制もありますよね。そうするとそのハイスペックを余すこと無く発揮するフルダイブでは二時間しか使えなくて、モードを切り替えて仮想ウィンドウ展開型のハーフダイブで使うにしても、肝心要のVR機能の面では視覚と聴覚のみではVRデスク使用時とさほど違いは出ません」 周囲へと仮想ウィンドウを展開するハーフダイブモードを慣れた手つきでアリスは立ち上げる。 しかし立ち上がった仮想ウィンドウの数やその映像の質は、多少ウィンドウの数が増えたり、表現が細かくなっただけで、携帯端末からVRデスクへと切り替えたときほどの違いやインパクトは無い。 VRの醍醐味は五感そのものを仮想世界へと導くこと。目で見て、耳で聞いて、空気の臭いを嗅ぎ、触れて、味わう。身体全てで感じる事により、現実とは違う、異世界を体感することだ。 だからリアル側に身体を残したままでは臨場感という意味ではハーフダイブはフルダイブには遠く及ばない。「だから高性能機導入を謳い、高料金でもあれほど流行っていたVRカフェが、規制後一気に廃れていったのも不思議なことではありませんよね」 事件の原因となった場所という風評被害だけで無く、利用者激減で資金振りが悪化したり、この先の展望が見込めず廃業したVRカフェの多さは今更特筆するまでも無い。 HFGOの映像から俺は日本地図へと切り替え、事故後に廃業閉店したVRカフェへと紅い×印を付けていく。 元々過剰なほどあった大都市や地方の中枢都市の店は半分以上が廃業。残った連中も値引きやら原点回帰で漫画コーナーの復活やらいろいろ手は打っているようだが、あまり業績はおぼしくないようだ。 店の大半を占める大型筐体を撤去するにも金は掛かるし、日本中で余りまくっている現状では中古の業務用VR筐体なんて国内では買い手が見つけずらく、海外に持っていこうにも足元を見られやすく買いたたかれる。 引くも地獄、進むも地獄ってか……だが俺らはそこに勝機と商機を見いだす。 この現状、上手くやれば一気にPCOをメジャー化させることも不可能じゃ無いと。「では皆さん。この子は無用の長物でしょうか? そうではありません。この子はVR表現機能を制限されただけです。その高度の処理能力をゲーム内の別の事柄に向ければ良いんです。オンラインゲームの公式コラボ店でのプレイには特別な施設が使えるや、経験値優遇などが今までもありましたが、それに新たな形を加えるだけです」 オンラインゲーム黎明期からゲーム業界とVRカフェの前身であるネカフェは、数多のコラボレーション企画を行っていた。今でもビジネスパートナーとしての繋がりが至る所に有り、俺も社長のお供で業界には多少の伝手がある。だからこそ思い付いた手の一つ。「PCOはAIに指示を的確に出すことで、広大な世界でプレイヤーが大きく影響力を発揮するゲームです。AIはプレイヤーレベルが上がったり、AI自身のレベルが上がればより賢く、効率的に動きますが、そこにプラスα。公式VRカフェのVR筐体には一台一台別に各スキルに特化した専属AIがいて、プレイヤーの手助けをしてくれるとかでしょうか。こんな風に」 手品師よろしくシルクハットをどこからともなく取り出したアリスは、帽子の中に手を突っ込みごそごそと漁りはじめる。 ……待てそのギミックは聞いてないぞ。打ち合わせに無いアリスの行動に俺が驚く間もなく、アリスが4つの物体を引き抜いて頭上へと投げた。『赤妖精参上。奇襲戦法と変装の名人である私に潜入工作ならお任せあれ』 紅い忍び装束を着けた二頭身の人形体型の妖精を名乗る謎生物Aがすったと跪く。『白妖精です。交渉毎なら我が輩に。星間物資からミサイルまで、何でもそろえてみせましょう』 モノクル付けた老執事ぽいスーツ白髪な二頭身Bは丁寧にお辞儀をしてみせる。『黄妖精。宇宙船パイロットならこの私。 要塞艦! 原始太陽系縦断航路! 何でも任せなさい!』 ゴーグルと飛行服を身につけた古めかしい飛行士スタイルの女性型二頭身Cが、その金髪を優雅な仕草でふさっと払いのける。『黒妖精だ! 敵艦への殴り込みなら俺の出番。敵司令官の首をもぎ取ってきてやるぜ! でも長距離戦闘だけは勘弁な!』 黒い騎士鎧を身につけた二頭身Dが豪快に笑いながら爪楊枝のような長さの鉄剣をぶんぶんと回す。 登場した4人? はそれぞれアクの強い口上を放ちながらアリスの前にすたっと整列する。 後ろで爆炎が上がっても不思議じゃ無い戦隊物のノリやら、レトロ娯楽ドラマのオマージュめいた口上は、なんというかアリスらしい。 ………………いや、まぁAIの役割の例は俺が思っていた通り、順番も聞いていた通りなんだが、それらはリストで説明する手はずだった。 そのはずなのにアリスの奴、いつの間にこんなファンシーAIをこさえてやがった? あまりに趣味的要素が強いファンタジー系なミニキャラの登場にお客様も目を丸くしている。 機械的な奴よりもAI毎に特色やキャラクターを付けてバラエティー色を出そうってのはアリスの発案で俺も賛同していたが、さすがに用意している時間は無かっただろうと思っていたが、廃人プレイヤーにしてMOD職人としても名を馳せていたアリスをなめていたかもしれん。 これがアリスのいっていた隠し球か? いや、しかしアリスのもったいぶった言い方や態度は、まだまだ底がありそうな気がする。 俺の知らない所で、アリスが大きく、それこそ俺すらも驚愕させるほどに動いていた予感をこの時すでに俺は感じていた。