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No.21322の一覧
[0] とある転生者の麻帆良訪問(ネギま!×とある魔術の禁書目録 オリ主憑依)[カラーゼ](2010/10/31 15:16)
[1] 第1話[カラーゼ](2010/09/04 00:26)
[2] 第2話[カラーゼ](2010/09/04 00:28)
[3] 第3話[カラーゼ](2010/08/21 12:48)
[4] 第4話[カラーゼ](2010/09/04 00:29)
[5] 第5話[カラーゼ](2010/09/04 00:32)
[6] 第6話[カラーゼ](2010/09/04 00:33)
[7] 第7話[カラーゼ](2010/09/04 00:35)
[8] 第8話[カラーゼ](2010/09/04 00:38)
[9] 第9話[カラーゼ](2010/08/24 20:46)
[10] 第10話[カラーゼ](2010/09/04 00:41)
[11] 第11話[カラーゼ](2010/08/25 23:45)
[12] 第12話[カラーゼ](2010/09/04 00:42)
[13] 第13話[カラーゼ](2010/08/28 20:02)
[14] 第14話[カラーゼ](2010/08/28 18:04)
[15] 第15話[カラーゼ](2010/08/29 12:30)
[16] 第16話[カラーゼ](2010/09/04 00:43)
[17] 第17話[カラーゼ](2010/08/30 18:21)
[18] 第18話[カラーゼ](2010/08/31 22:41)
[19] 第19話[カラーゼ](2010/09/04 00:24)
[20] 第20話[カラーゼ](2010/09/03 22:22)
[21] 第21話[カラーゼ](2010/09/04 17:48)
[22] 第22話[カラーゼ](2010/09/05 23:22)
[23] 第23話[カラーゼ](2010/09/05 20:24)
[24] 第24話[カラーゼ](2010/09/06 20:43)
[25] 第25話[カラーゼ](2010/09/08 00:52)
[26] 第26話[カラーゼ](2010/09/11 21:59)
[27] 第27話[カラーゼ](2010/09/13 12:53)
[28] 第28話[カラーゼ](2010/09/15 14:10)
[29] 第29話[カラーゼ](2010/09/16 03:25)
[30] 第30話[カラーゼ](2010/09/19 00:34)
[31] 第31話[カラーゼ](2010/09/24 21:39)
[32] 第32話[カラーゼ](2010/09/30 00:28)
[33] 設定集[カラーゼ](2010/09/29 00:48)
[34] 第33話[カラーゼ](2010/09/28 00:13)
[35] 第34話[カラーゼ](2010/09/30 17:36)
[36] 第35話[カラーゼ](2010/10/04 23:06)
[37] 第36話[カラーゼ](2010/10/14 12:10)
[38] 第37話[カラーゼ](2010/10/14 23:18)
[39] 第38話[カラーゼ](2010/10/31 15:29)
[40] 第39話[カラーゼ](2010/11/07 15:05)
[41] 第40話[カラーゼ](2010/11/08 01:44)
[42] 第41話[カラーゼ](2010/11/10 01:14)
[43] 第42話[カラーゼ](2010/11/12 01:21)
[44] 第43話[カラーゼ](2010/11/21 20:08)
[45] 第44話[カラーゼ](2010/11/21 20:12)
[46] 第45話[カラーゼ](2010/12/06 16:45)
[47] 第46話[カラーゼ](2010/12/06 16:48)
[48] 第47話[カラーゼ](2010/12/05 13:38)
[49] 第48話[カラーゼ](2010/12/19 02:01)
[50] 第49話[カラーゼ](2011/01/17 16:43)
[51] 第50話[カラーゼ](2011/03/29 01:58)
[52] 第51話[カラーゼ](2011/05/29 01:44)
[53] 第52話[カラーゼ](2011/08/18 15:44)
[54] 第53話[カラーゼ](2011/09/03 18:05)
[55] 第54話[カラーゼ](2011/11/04 21:57)
[56] 第55話[カラーゼ](2012/08/27 00:24)
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[21322] 第12話
Name: カラーゼ◆68f6dca0 ID:11f779aa 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/09/04 00:42
SIDE 一方通行

さて、停電騒ぎからしばらくが経過したある日。
それはなんと麻帆良祭の前日であった。
あれから数ヶ月。

またもや俺は進化していた。

俺の身長は更に伸び、現在174cm。
体格もそれなりに男らしいものになってきており、半年前の枯れ枝のような俺とは思えない身体だ。
いやぁ、地道な努力って大事だな。
俺は今日の朝も地道にジョギングしアスナと雑談と交わし(驚くべき事にまだ俺が白髪の男だという事がばれていない。もはやここまで来れば奇跡)、筋トレをしてタカミチ直伝の気の操作方法を行った結果、気についてはなんとなく掴めてきていた。

ただ、とんでもないなんとなくである。

難しい文庫をちらっと読んでその人物の人格を把握しろ、というくらいなんとなくである。
実際、ほとんど掴めていない。
まだそれで身体能力を強化するとかはできないが、もともと反射があるのでそれは心配していない。
無論、気でできることはベクトル操作でもできるし、そう焦る事はないと考えている。
瞬動はベクトル操作による突撃で何とかなる。
虚空瞬動も、やはり風をベクトル操作し、竜巻を翼のように出力して空中を自由に移動できるようにすることで解消した。
重力を軽減するのも考えたのだが、こっちの方が使い勝手が良いためだ。

ベクトル操作、マジパネェ。

ただ、そのために演算範囲を削られてしまうため、空中移動中は攻撃し辛いというのが現状だ。
できる限り俺は地上にいるのが一番良いらしい。
更に、タカミチからちょっと武術などを齧り、体術についての訓練も行うことで奇妙な動きをする中国拳法に対抗する術としている。

まだ素人であるが。

ついでにベクトル操作で体内電気を操作し、反射神経も人間の限界、神速のインパルスを完全に超える事が可能になった。
現状、タカミチの居合拳も避けられるようになっている。
見えない拳なら拳圧が来る前の風圧を反射した時点でその位置を特定し、避けるという超絶な絶対回避方法を学んだのだ。
もっとも、反射があるためあまり必要な技能ではないが。
その反射神経向上のおかげで俺の格闘能力は更に上昇し、タカミチ以上のガチンコパワーファイターとして認識されるようになった。
見違えるよ、とタカミチやガンドルフィーニにも言われた。

自分でも見違えるんだから、間違いない。

つーか、アクセラレータって中性的だから黙ってればイケメンなんだよな。
そう、黙ってればの話だ。
試しに鏡の前で笑ってみたが、どう足掻いても悪魔の笑みにしか見えなかった。
くそう、黙っていてもダメじゃねえか。
別にナンパをするわけでもないのに、俺はそんな事で落ちこんだりもしていた。
さて、麻帆良祭の時期になるとお祭り騒ぎになるため馬鹿げたことをしでかす奴らも多くなる。
ここぞとばかりに悪質なナンパをする連中もいるので、広域指導員の出番でもある。
このところ俺のおかげで治安が良くなったとタカミチや新田が言っていた。

鬼の新田、存外話せるいい先生だった。

やはり厳しくするのは生徒のためなんだな、と少し感動していたりもした。
甘酒を飲まされそうになったのは良い思い出である。
飲んだが。
麻帆良祭では前夜祭ですらハイテンションでお祭り騒ぎなので我々指導員も大変なのだ。
準備期間ですら補導される連中が後を立たないというのに、祭りが始まったらどうなる事か。
これからの忙しさにナーバスになりながらも、俺は街を当ても無くスタスタと歩いていた。

大覇星祭と比べるのは間違っていると思うが、それに比べれば小規模だ。

だが、工学部とかが惜しげも無くトンデモ技術を披露するので派手さではこちらの方が上かもしれない。
……いや、規模が違うから向こうが上か。
軍事演習とかもやってるっぽいしな。
さて、原作では告白がどうのという奴があったが、あれは22年に一度の現象であり、今回は見回りをする事くらいしか仕事が無いため、タカミチや高音達も結構のんびりと麻帆良祭を楽しめるとのこと。
俺的にはさっさとアトラクション制覇して世界樹の上でまったりと昼寝なんかしたいんだが。
こういう祭りは大勢で騒ぐからこそ楽しいのであり、あまり大勢友達がいないし騒ぐ性格でもない俺としてはあろうがなかろうがどちらでもよろしい企画なのだ。

暗くなりつつある夜空を照らすのは学生達が灯す光。

高音、愛衣、刹那、龍宮などもそれぞれ準備に忙しいらしい。
これから徹夜する所も少なくない、とのことだ。
ちなみにエヴァはサボっている。
彼女の事だ、どうでもいいと思っているのだろう。
代わりに茶々丸が2-Aに付き合っているらしいが。
前夜祭とか言ってられない忙しさらしいので、学生達の間で過労死が……起きた事はない。
麻帆良と言う所は不思議だ。
夜空に花を咲かせるのは打ち上げ花火。
それより夕日の方が綺麗だな、と思いつつ、俺は自分のルートの見まわりを続けるのだった。






前夜祭が終わった。
バカ騒ぎして裸になった野郎どもを数人鎮圧した。
羽目を外し過ぎないように厳重注意するだけにしておいたのには感謝されるべきだと思う。
俺が介入する事で空気がぶち壊しになるし、彼等のとっての不幸中の幸いといった奴だろう。

ま、恨まれるんなら叩き潰すまでだが。

爆音が聞こえたので見上げると、麻帆良航空部のレトロな感じの飛行機が青い雲一つない空を煙で彩っていくのが見えた。
『只今より第77回麻帆良祭を開催します!!』
「ハイハイ、ご苦労サマ」
なんとなく答えたい気分だった。
目の前を見ると、仮装パレードが行われているのが見えた。
巨大な実物大ティラノサウルスが歩いているのを見ると、流石に顔が引きつってしまう。
しかも原作じゃあんなもんが暴走するんだから何が起こるかわからない。
普通死者がでてもおかしくないんだが、ご都合主義こそがこの麻帆良の代名詞。
死者どころか怪我人もでない。

いろんな意味で卑怯である。

さて、そんな俺はとある場所に向かっていた。
世界樹前広場である。
何故にそこに向かう必要があったのか、それは目の前にいる二人のせいだった。
「あーっ、アクセラレータさん、こっちですよ!」
「……約束は破らないっていうのは本当でしたね」

そう、愛衣と高音である。

ぶっちゃけ二人と一緒に学祭を回らないかと誘われたのだ。
俺としては広域指導員の仕事なんざ暇つぶしに過ぎないので、本当はこの時間は見まわる時間なのだが俺はサボることにして彼女らと回ることにしたのだ。
愛衣は無邪気で元気な彼女らしい活発な格好だ。
赤色系統の服を好むらしく、ピンクのロゴ入りのシャツに赤を基調としたミニスカートをはいていた。
……しかしスカートが短過ぎるだろ。
対して高音は黒色が好みのようで、落ちついた感じの大人っぽいロングスカートをはいていた。
普段の制服と余り変わらない気がするが、突っ込まない方向で。
俺は普段通り、モノクロを基調としたシステマチックな服装だ。
白い頭にはやっぱりモノクロが合う。
俺は軽く手を振りながら、二人に合流した。
「どォも。しっかし麻帆良祭ってなァ派手だな?人が多くて目が回っちまう」
「この程度で目が回ってたら最終日には気絶してしまいますよ?最終日にはこの世界樹が光り輝いてそれはもう最高の盛りあがりをみせるのですから」
高音が目の前にある世界樹を指差した。

確かに、光り輝く世界樹ってのは見てみたいな。

「俺は初めてだから、案内頼むぜ」
「はーい!お姉様、予定だとあそこでしたよね?」
「ばっ、愛衣!予定を組んでるなんてバレたら誤解されるでしょ!?」
しっかり聞こえてるんだが。
ま、生真面目な高音のことだ、親切心が沸いて俺に麻帆良の全部のアトラクションを紹介する気なのだろう。
途中で抜けるわけにはいかんので、ちょっと覚悟を決めなければならないようだ。
俺はまず見えてきたアトラクション、『ギャラクシーウォー』を見て、ちょっと湧き立つ心を抑えながらため息をつくのだった。






SIDE 佐倉愛衣

ほ、本当にアクセラレータさんが来ちゃいました。
ガンドルフィーニ先生から『彼は約束はキチンと守るから』と言われたので昨日の内に今日の十時から麻帆良祭を一緒に回りませんかと彼に訪ねたところ、二つ返事でOKでした。
普段戦闘でお世話になってる……というのもなんだかおかしいかもしれませんが、とにかくお世話になっているアクセラレータさんにはこう言う形でお詫びをしなければならないのです。

他意などないのです。……です。

お姉様はしきりにそう言いながらやけに楽しそうにナツメグちゃんから麻帆良祭にある主なアトラクションのデータをもらいながら予定を組んでいたのをよく覚えています。
実際、私もいつもアクセラレータさんの足手まといばかりなので、何かお返しができればなあと思っています。
それが、いつもつまらなそうにしているアクセラレータさんを楽しませると言う事でした。
お姉様が予定を組んで場所に案内し、私が場所について紹介する。
二人で一つの恩返しです。

他意はないのです。

そう思ってると、アクセラレータさんが軽く手を振って挨拶してきました。
「あーっ、アクセラレータさん、こっちですよ!」
「……約束は破らないっていうのは本当でしたね」
呟かないでくださいお姉様!

私だって本当はそう思ってますけど口に出さないんですから!

アクセラレータさんはその台詞には気にした様子がなく、それよりも周りの人の多さの方が気になるようでした。
「どォも。しっかし麻帆良祭ってなァ派手だな?人が多くて目が回っちまう」
確かに、アクセラレータさんは余り人気のない昼間とか、夜間とかを警備したりしてましたから人の多い麻帆良というのはあまり馴染みがないのかも知れませんね。
「この程度で目が回ってたら最終日には気絶してしまいますよ?最終日にはこの世界樹が光り輝いてそれはもう最高の盛りあがりをみせるのですから」
それはそうです!
ホントに世界樹が光り輝く景色は幻想的の一言に尽きます!
それにあの達成感と開放感といったらもう、病みつきになっちゃいそうなんです!
逝ってる?

それを言ったらお終いですよ!

お祭りの雰囲気に当てられたのか私の気分が高潮していくのを感じていると、辺りを見回していたアクセラレータさんがこっちを向きました。
「俺は初めてだから、案内頼むぜ」
お安い御用です。
「はーい!お姉様、予定だとあそこでしたよね?」
「ばっ、愛衣!予定を組んでるなんてバレたら誤解されるでしょ!?」
誤解?
どんな誤解なんでしょう?
それになんだかアクセラレータさんが苦笑いしてますけど、なんなんでしょう?
と、とにかく案内です、案内。
私は一番近くにあるアトラクション、『ギャラクシーウォー』を指差して、そっちに進もうとしますが……。
「ちょーっと待ちなさい!」
お姉様に襟元を掴まれて引き戻されてしまいました。

なんですか、お姉様!

「この麻帆良祭での特徴はとんでもない技術のアトラクションだけにあらず、ですよ。辺りの人達を見てください」
「あァ?」
アクセラレータさんが辺りを見まわしてみると、なんだか嫌そうな顔をしてお姉様に尋ねました。

「……コスプレ、か?」

「その通りです!コスプレなくして麻帆良祭を回る事などできません!さあ行きましょうアクセラレータさん!」
お姉様はアクセラレータさんの手を強引に握って引きずっていきます。
それに大人しく引きずられながら、アクセラレータさんはポツリと呟きました。
「なンなンだコイツのハイテンションぶりはよ」
「昨日からアクセラレータさんのコスプレが楽しみだったんですよ?どんなコスプレをするのか楽しみだって」
「……ウゼェ」
ぼそりと呟きながらも、抵抗しないのはやっぱり本当は嫌がってないんですよね?
このごろわかるようになってきたアクセラレータさんの内心にウフフと笑いながら、私達は貸衣装屋に向かうことにしました。
そういえばお姉様、私達はどんな仮装をするんですか?






SIDE 一方通行

そういえばネギや刹那も一年後にやるんだよな、コレ。
俺はそう思いながら、どのコスプレをしようか選ぶことにする。
ネタかどうか知らないが『着たら三倍速くなるブースター内臓!!』と工学部の実験品が並んでいた。

それらすべてが赤かったのは、まあどうでもいいことだろう。

俺はもちろんそんな工学部のヤバいシロモノに手を出すつもりはない。
無難にウサギで行こうかと思ったが、なんとなく笑われるのは目に見えている。
ていうかウサギ、タヌキ、キツネと来て次が亀○流の道着っていうのが気に食わん。
どんなセンスをしてるんだ。
……俺にセンスがどうのこうのと言われるのもかわいそうだな。
いや、むしろ良いのか?
そう思いながら、俺はとある一着の服を手にとった。
結構身体にフィットするタイプの黒いライダースーツだ。
その傍にはおあつらえとばかりにアレがある。
色も黒で俺好みだし、この組み合わせは良いかもしれない。
ま、俺らしいといえばらしいがな。

笑われるよりも引かれる方がマシだ。

俺は怪しい笑いをしながらそれを被った。






SIDE 高音・D・グッドマン

私達が着替えたのはウサギさんスーツでした。
私はきぐるみタイプです。
愛衣には敢えて露出度が高いのを着せて見ましたが、素材が良いと服装が映えます。
同性の私ですら思わず抱きしめてしまいそうなこのかわいさはなんでしょうか。

アクセラレータが愛衣を見た時の反応が見物です!!

「お、お姉様の目が燃えてる……というか、この服で行かなきゃダメなんですか?」
「ダメですッ!!」
「はひっ!?」
待っていなさいアクセラレータ。
この露出度高めウサギさんスーツ愛衣を見た顔を写真に収め、これまでからかわれた鬱憤を晴らして差し上げますッ!!
「お、お姉様、声が漏れてます。それに鬱憤を晴らすためだけに私を使うのはやめてくれませんか?」
「これは姉弟子としての命令ですッ!!」
「は、はひっ!!」
こうやってビクビクしながらも自分の服装に照れる愛衣のなんとかわいらしいことでしょう。
コレになびかぬ男はおらぬはずです!

さあ欲情しなさいアクセラレータッ!!

そのいやらしい顔を私のシャッターテクで捕らえて見せますッ!!
鞄の中に手を刺しこみながら私が今か今かとアクセラレータを待っていると、突然肩に手を置かれました。
「来ました、ねっ!?」
後ろにいたのは頭を全部覆うタイプの猫耳バイクヘルメットを被ったライダースーツの方でした。
え、こんな怪しげな方に知り合いはいないのですけど。

私が硬直したその瞬間、ぱしゃりとフラッシュが瞬いた。

「きゃっ!?」
そのバイクヘルメットの方の手には、カメラがありました。
何をするんですかと怒鳴ろうとした時、その方はヘルメットをとりました。

「考えてる事は同じとは嬉しいなァ高音・D・グッドマンさんよォ。だが俺のやらしい顔はそうやすやすと撮らせたりしねェぜ」

そこにあったのは不敵な顔をしているアクセラレータの顔でした。
「な、なァあああああああッ!?まさかヘルメットで偽装して近づいて来るとは……くっ、私の完敗です……ッ」
「ハッ、俺に絡め技で挑んでくるなンて十年早いンだよ。あァ、テメェのアホ面は後でバラ巻いてやる。覚悟しろよ」
やはり、俄仕込みでは読まれてしまうと言う事ですか……やはり私ではあなたのような人には敵わないようですね。
私が悟りの境地を開こうとしていると、愛衣が私の裾を引っ張ってきました。
「どうしたの、愛衣?」
そっちを向くと、愛衣が私にゴニョゴニョと恥ずかしそうに呟いた。
「……やっぱり、胸がないからアクセラレータさんはやらしい目で私を見ないんですか?」
「いきなりなんて発言を!?」
「で、でもでも、こんな服を着たんならちょっとはそんな目で見てもらわないと私の女性としての威厳というものが―――」

女性としてというより、愛衣には威厳なんてアビリティが存在したかしら。

私達の会話そっちのけでアクセラレータは『ギャラクシーウォー』を指差しました。
「コスプレしたんならさっさと行こうぜ。列が少なくなって来やがった」
「あ、ちょっと待ってくださいアクセラレータさん!!」
「ああもう、結局私達の思い通りにはいかない方なのですね!!」
ダッシュするアクセラレータを追いかけて、私と愛衣は予定通りにはならないものだと痛感しながら走っていった。






SIDE 一方通行

思った通り俺は射撃系のゲームはかなりうまいらしい。
原作でのネギの点数はどうだったか忘れたが、俺の『ギャラクシーウォー』での点数は508.32点だった。
他二人は300点台だったため俺の敵では無い。
「な、なんでそんな点数が取れるんですかー!?」
「テメェ等凡人と天才の違いって奴だ」
「くっ……いくら遠距離攻撃魔法が私の得意分野ではないとしてもここまでボロ負けすると自信が……」
更に、ジョーズやらジェットコースターやら垂直落下するコースターやら観覧車やら……それから俺達は休憩を挟みながらもかなりの数のアトラクションを回った。
それにしてもこの遊園地もどき、いちいち建設してるとしたら凄まじい手間だな。
もしかしたら年中ここで遊園地をやってるのかもしれない.
実際面白いから売上は相当なものだろう。

別に来たくはないが。

アトラクションをあらかた回り終えると、次に手をつけるのはもちろん学校の出し物である。
とてもではないが今日中に回りきれる量ではないので、事前に高音達がピックアップしておいたクラスに行く事にする。

―――だが、敢えてそれを断る。

俺が聖ウルスラ女子高校の方に行こうとすると高音が慌てて止めてきた。
「ちょ、どこに行こうとしてるんですか?」
「何って、テメェの母校を覗こうと思ってな」
「え」
高音は頬を引きつらせると何故か作り笑いを浮かべた.
「いえいえ、私のクラスの出し物なんてそれほど凄いものではありませんし、覗いたって別に―――」
「愛衣も見るよなァ?」
俺がにやにやと笑いながら愛衣を見ると、彼女は迷うように俺と高音を見比べていた。

……俺と高音で比べるとは良い度胸だ。

「見るよな?」
今度は少し強めに言ってみた。
実際、俺が高音のクラスの出し物を見るのにはなんら問題は無い。
むしろクラスとしては儲かるので勧められるべきだ。
愛衣が反対する理由はない。
「あー……は、はい」
その愛衣の台詞に『裏切者ッ!!』とばかりに高音が振り向くがもう遅い。
民主主義(笑)に乗っ取った多数決によりウルスラ行きが決定。
何度か校舎の前を通った事はあるが、ウルスラに入るのは初めてだ。
俺はどこか恨めしそうに見てくる高音の視線をクククと笑い飛ばしながら中に入る。
すると、やはり聖ウルスラというだけあり内部には大聖堂もあり、装飾品も豪華そうなものが並んでいた。
「へェ……ミッション系の高校でも本格的じゃねェか、こりゃ?」
「まあ、そうですね。麻帆良でも一二を争う大聖堂ですもの」
俺は生前もアクセラレータの時もこんな大聖堂を見た事がなかったので、キョロキョロとまるで子供のように見まわしてしまった。
その様子が意外だったのか、高音が吹き出す。
「そんなに珍しいものですか?」
「まァな。俺みてェな奴がこンなところに入れるのは今日みてェな祭りだけだしよ」

こういう大聖堂で思い出すのはシスター・シャークティだ。

彼女にはまだ会っていないが、俺みたいな奴は彼女のような聖職者と相容れることはないだろう。
ああいう面倒なのは嫌いだ。
大聖堂を見た後に廊下を通ると、やけに人が集まっている場所があった。
「あァ?なんかやけに好評な所があるじゃねェか」
「あーっ!そこはダメです!ほかの所へ行きましょう!ねっ、ねっ!」
と言われたら行きたくなるのが人間でありまして。
俺はニヤァと悪魔的な笑みを浮かべると引きとめる高音をズルズルと引きずりながらそこにやってきた。
そこは……ぶっちゃけカフェだった。

始めに『シスターさん』とつくが。

「……オイオイ、神への冒涜じゃねェのか?」
女性客よりも圧倒的に男性客が多いし、スカートの丈がかなり短い。
明らかに狙っているとしか思えない。
よく許可が出たな。
「お、お姉様、もしかしなくてもここが……」
「ええそうですわよこれが私のクラスの出し物ですよ!ああッ、なんで私が風邪を引いたときにこれが決定されてしまったんでしょう!?今でも本気で後悔しますッ!!」
わっ!!と泣き崩れる高音の声を聞いたのか、少し能天気な感じの声がかかってきた。

「ありゃ、高音ちゃんじゃん」

それはミニスカシスターの一人……つまりは、高音のクラスメイトだった。
決して美少女ではないが、そばかすがどこか健康的な少女である。
彼女はひょいっと扉の奥から顔を出していた。
「この企画に一番反対してたくせにぃ。でもウルスラで一番繁盛してるよん」
「繁盛とかそういう問題ではありませんっ!なんでそんなにスカート丈が短いんですか!?」
「だってこの方が客寄せになるし?」
「なるし?じゃありませぇええええんっ!!」
あっはっはー、と高音の知り合いらしきそばかす少女はお気楽に笑っていた。
ていうか高音はいつもこんな感じなのかよ、とため息をついていると、高音が叫び疲れてため息をついた隙を狙ってそばかす少女が愛衣のほうを向いた。
「あ、愛衣ちゃん。ちわーっ。いつも高音ちゃんがお世話になってます」
「なんで私が世話になってることになってるんですか!?普通逆でしょう!?愛衣はまだ中一ですよ中一!」
今わかった。

このそばかす少女、2-A気味の少女だ。

周りの迷惑を考えずにハッチャけるタイプだ。
コイツがいたから高音はここに来たがらなかったのかもしれない。
なにせ、高音をいじる最良の材料がここにいるのだから。
案の定、そばかす少女は俺をロックオンすると目を見開いて、俺と高音を見比べた。
展開が読めたので、愛衣の耳を塞ぐと俺は音を反射した。

「あーーーーっ!!高音ちゃんが彼氏連れてきてるゥ!!」

どこぞの戦艦の艦長バリの超音波が俺を襲った。
間近にいる高音はたまった物ではない。
俺は反射していたから良いものの、耳を塞いでいたはずの愛衣もくらっときているようだ。
俺は彼女の大声が収まったと判断すると反射を解除する。
すると、何やら震動音が聞こえて来た。
「え、なになに!?」
「高音ちゃんが彼氏!?」
「永遠の一人身グッドマンさんの噂の彼氏を!?」
ゾゾゾゾゾ、と出てくるミニスカシスターの群れ。
あのな、高音が彼氏連れて来るのがそんなにショッキングなのか?

ていうか永遠の一人身って。

あ、そこのスカートの中盗撮してる奴、後でブタバコ行きな。
ミニスカシスターの群れは俺を見ると、何故か黄色い声を上げた。
「うわ、結構美形じゃん!」
「高音ちゃんはウチじゃ一番の美少女だからお似合いかも……」
「っていうか出会いのきっかけはなんだったんですか!?」
「私にも出会いがほしいーっ!!」
……さっきの言葉を訂正する。

麻帆良ってのは、どいつもこいつも同じ思考を持つ能天気な奴等が多いらしい。






「ひ、酷い目にあいました……」
「パワフルなシスターだったな」
俺は手に四つのデジカメを持ちながらそう言った。
俺が見る限り盗撮犯が四人もいたのである。
広域指導員の俺がそう言うのを見逃すわけがなく、そいつらはお縄となった。

しかしこいつ等かなり手馴れてやがる、とデジカメの画像を覗きながら思う。

アングルといい距離といい、絶妙に顔がわからない位置で盗撮するのはかなり難しい手法だと思うのだが。
俺がパンチラ画像を見てるのがバレたのか、愛衣が頬を膨らませてそれを取り上げた。
「アクセラレータさん、フケツです!」
「あァそォだよ男ってのァ半分フケツなホンノーでできてンのさ」
「ひ、開き直らないでください!」
愛衣が画像を消去していくのを惜しい気持ちで見ながら、俺はげんなりとしている高音に目をやった。
「最後にゃ冗談っつってやったじゃねェか。何が不満だ?」
「あそこでノリであなたが私の彼氏だとか言うから事態がややこしくなったんでしょうが!!」
そう、俺はあの場のノリで高音の彼氏だーっ!!と嘘暴露してしまい、タダで紅茶をせしめた挙句、『あ、さっきの冗談だから』と言い残してダッシュで逃げて来た。

やったことは学祭のノリにつけこんだただの食い逃げである。

高音に怒られて料金は高音に支払う羽目になったが。
ていうか高音の彼氏ならタダとか、どんなだよ。
「じゃ、次は愛衣のクラスに突貫するか」
「へうっ!?」
愛衣は首がゴキリと言いそうなほどの急速度でこちらに振り向いた。
さっきの高音の悲劇を思い出したのだろう。
「あ、ああああのあの、お姉様みたいなことにならないようにお願いしますね?」
そのお姉様は俺の背後で暗くなってブツブツ呟いている。

『いや別に嫌だとかそういうことじゃないんですよただ場合と状況とかそういうのを考えてだいたいなんであんな冗談めかしてあんなことが言えるんですかアクセラレータの性格がどれだけ捻じ曲がってるか良くわかりますねはい』

やりすぎたか。
まあ、これから一週間くらいクラスメイトに俺とのことでからかわれるだろう。
愛衣もそれが心配なのだろう。
俺はフッと笑って愛衣の頭を安心させるように撫でた。
愛衣はホッとしたような笑みを浮かべて―――。

「反省はしてねェ。もっとやるぜ」

「ふぇえええ!?だだだダメですってばぁ!!」
安心からドン底に突き落とされてテンパった。
袖を握ってブンブン振って来る愛衣。
涙目で慌てる彼女を口笛を吹いて無視しながら、俺は何度か入った事があり、何故か神楽坂との因縁がある麻帆良学園本校女子中等学校へ向かおうとした。
向かおうとして、何故か前方に地球外生命体を確認した。
「テメェ、なんでこんな所にいやがる」

「ふぉふぉ、ワシがどこにいようが関係ないじゃろ?」

バル○ン星人だった。
まさに俺を待っていたかのように女子中等部の校舎に立ち塞がるようにして立っているんだから、俺が不審に思うのも仕方がないといえよう。
学園長はフォフォと笑いながらヒゲを撫でた。
「実は頼みがあっての。学園最終日の麻帆良際全体競技の『鬼ごっこ』に参加して欲しいんじゃが」
「……あのな、俺がそんな面倒くせェことやると思ってンのか?俺ァ発光してる世界樹の上に登って是非寝たいんだが」
本当にそう思う。
アクセラレータが丸くなって来たとでも思ってんのか?
確かに当初よりは丸くなってきたが、まだかなり尖ってるぞ。
しかしジジイは『そんな枯れた意見をするもんじゃないぞい』と言ってたこ焼きを差出してきた。
せっかくなのでもらうことにする。
「お、うめェな」
「水泳部の毎年恒例のたこ焼きじゃ。何やら十年受け継がれる伝統の味らしいぞい」

「……たこ焼き部にすりゃいいンじゃねェか?」

あまり腹は減っていないので四つ食ったら残り半分を後ろに放り投げた。
それを『うひゃあああ!?』と言いながら危なげなくキャッチする愛衣。
流石に戦闘魔法オールAの実力者だけある。
反射神経は良いようだ。
「なっ、お、落としたらどうするんですかーっ!!」
「スーパーマジックとかMP消費で復活とかできねェのか?」
「できませーん!!」
ま、もしも落としそうになった風を起こすつもりだったがな。
俺は頭の中の演算式を霧散させると、学園長の方に意識を向けた。
「で、その鬼ごっこってのは?」
「ほ?やる気になったのかの?」
「拒否権がねェンならやる気もクソもねェよ」
学園長が俺に持ちかけて来る時点で既にそれは決定事項だ。
拒否ることもできるが、昼寝をして過ごすよりはヒマが潰せそうだ。
「なるほど、伊達に半年麻帆良にいるわけじゃないの。よくわかっとるじゃないか」
「ぬかせクソジジイ」
本人はどうせ全く気にしてないんだろう。
フォフォと笑いながら、鬼ごっこについて説明を始める。
「例年通り大会の主催は雪広コンツェルンという財閥なんじゃがの。そこの総裁が派手好きでの。最終日には毎年この麻帆良で派手な企画を持ちこんで来るんじゃ」
「……ンで鬼ごっこか?ネタ切れじゃねェのか?」
「去年はかくれんぼだったんじゃ。それよりマシじゃろう」
なんだか学園長にしては珍しく投げやりな口調だ。
主催者に逆らうわけには行かないんだろう。
「来年は生徒にどんな事をするか応募して見るつもりじゃ。来年は今年よりしょぼくはならんじゃろう」
それを実現するのも面白いかもな。
「で、その鬼ごっこの内容はどうなンだ?」
「最終日の前日……つまり明日じゃな。明日にチラシと同時に雪広製の特殊センサーつきゼッケンを配るのじゃ。参加者にはそのゼッケンをつけてもらい、鬼がそのゼッケンにタッチすると色が代わり、青から赤になる。そうなればその物は失格となる。復活アリじゃったらいつまで経っても終わらんからの」
「それを学祭参加人数でやるってか。なるほど、たかが鬼ごっこってわけじゃねェンだな。で、わざわざ俺にそれを伝えるってのはどういうワケだ?」
「実はの。鬼を何十人も増やしてしまってはだまし討ちも容易になってしまって非常につまんないんじゃよ。そういう不満をなくすために、ひっじょーに腕の立つ魔法先生や魔法生徒二名に鬼をやってもらうことにしたのじゃよ」
「……オイ」
読めた。
読めちまった。
つまり、このジジイは……。

「ぶっちゃけ、タカミチ君とアクセラレータ君に鬼をやってもらおう!ということになったのじゃ」

「ふざけンなコラ。断る。やめる。世界樹の上で寝る」
「ほほう、これが見えぬというか!」
バッ!!と学園長が取り出したのは、ぴらりとした一枚の紙。
小切手だ。
いち、じゅう、ひゃく、せん…………


―――200万円!?


「ばっ、なンでそンな金もってンだよ!?」
「君とタカミチ君が鬼をやり、もしも参加者全てを鬼にすることができたのなら賞金としてこれをやろう。雪広コンツェルンも君の噂は知っているらしくての。金でないと動かないと言ったらひらりとこれを手渡してきてくれたわい。それに、地獄の冬場の節約生活から抜けてきたとはいえ、これからもまた厳しくなってくるぞい?」
フォフォフォ、と言いながら小切手を懐にしまうバルタン星人。
「ひ、人の足元見やがってクソジジイ……ッ!!」
「フォフォ、さあどうするんじゃ?また寒い思いをするか?それともちょっとは懐が温かい生活を送るのか?負けても君が損するのは君の体力のみ。これほど破格の条件はないと思うがの」
愛衣が『そんなに厳しいんなら頼ってくれても……』と呟いているが、アクセラレータの余計なプライドがそれを許さないのだ。
親切心はあり難いが、少女に物乞いするアクセラレータなんて俺自身が耐えられそうにない。
例え愛衣が善意のみでやってくれているとしてもだ。

もっともエヴァの家で夕食を食べる事で結構助かってはいるんだがな。

受けなくてもやっていけるが、まあ、勝負しておいて損はないだろう。
「……わぁーったよ。やってやンよ。やりゃァいいんだろ?」
「フォフォ、そう来なくてはの」
ま、やるからには徹底的にだ。
ジジイ。
能力を使うなとは一言も聞いてねェからな。






~あとがき~

部活でテンション上がった後歯医者でドン底まで落とされ、気分転換に書いてたらなんか物凄い分量になってしましました、作者です。
今、物凄く達成感を感じています。
これだから毎日投稿はやめられませんwww

今回から麻帆良祭が始まります。
5,6話と少し長くなることが予想されます。
何しろ全キャラ出すので。
この一年間でだいぶ高音と愛衣とは親しくなっている、ということをこの回では書きたかったです。
そして高音は決してアクセラレータには勝てません(あらゆる意味で)。
これは覆す事ができない世界の理ですwww
ちなみに、アクセラレータはそこそこの給料をもらっていますが、ほとんど全て食費に消えており、財産に余裕がない状態です。
200万でも飛び付きます。
冬の場合、熱操作で暖まるにしても腹が減るので結局金はかかり、更に厳しくなります。
ホント、学園都市じゃあ裕福だったのにねえ、アクセラレータ。


追伸
高音のお嬢様口調を修正しました……なんで私こんな口調にしたんでしょう、今でもわかりません……。


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