あとがきと、登場人物たちのその後について、など■あとがき まずは皆様、ここまで読んでいただき、まことにありがとうございました。 皆様の感想に支えられて、ここまで描き上げることが出来ました。ほんとうに本当に有難うございました。 第二部のクライマックスあたりは幾分駆け足になったかなと反省しつつ、しかし進行をゆっくりにして書くと倍の分量じゃ足りない気もしたので(書き終えるまで何年かかるやら)、まあ今の形が良かったのかなと考えています。 ラストについてですが、「外伝11.六千年前の真実」でリーヴスラシルの能力を考えた時点から、この終わり方の構想はありました。(結構展開予想が当たった方も多かったのでは) バッドエンドチックな終わりですが、後悔はあまり無かったり。……そもそもクトゥルフ神話TRPGクロスという時点で(ry。 いや、個人的には概ねハッピーエンドだと思ってるんですけどね? だって、世界が滅んでないじゃないですか。それだけでかなりハッピーエンドですよ! あと、ウード君(第一部主人公)とルイズちゃん(第二部主人公)は、両方共に本願を成就させてますからね。ウード君はほら、全知全能の一端に触れて混沌に取り込まれたり、別の意識体も蜘蛛神様の下で探求に勤しんでたりして幸せそうですし。ルイズも邪神を祓ってハルケギニアの運命を人間たちの手に取り戻すという目的を果たしています。この点でもハッピーエンドです。 え? サイト君が不憫? ですよね。まあ、ですので概ね(・・)ハッピーエンド、ということで。 終わらせ方の候補としては、 ルイズ&ニャル様を生贄に『生命』発動 →歴史をウード君を除いて再構成 →ファーストキスから始まる~♪(原作の正史へ繋がる、ただしサイトは記憶引き継ぎ) という案もあったのですが、止めにしました。 まあ、あとがきはこの辺にしといて、皆さんが気になるであろう登場人物のその後などについて、触れていきます。 箇条書きで申し訳ないですが、下記を御覧ください。実質的にエピローグみたいなもんですね。 (漏れがあったり、「この人どうなった?」ってのがあれば、感想欄でご指摘いただければ書き加える、かもしれません) ◆◇◆■その後の世界情勢◆トリステイン王国 アンリエッタが君主として君臨。 ゲルマニア地域と旧トリステイン地域、さらに旧クルデンホルフ大公国を領土とする。 ナイアルラァトホテプが暴れた傷痕はまあ八割くらいはルイズの『生命』の魔法で癒えているが、それでも被害は甚大。 文化が大きく異なる地域の統合と復興に苦労してくこととなる。 なお、墜落したアルビオンとは同君連合を組んだ。◆クルデンホルフ大公国 ナイアルラァトホテプは去って、千年教師長のウードも表向きは居なくなったので、なんやかんやあってトリステインに併合された。 でも残されたゴブリンたちを制御できるのだろうか? 文化が違いすぎるので、当分はトリステイン領クルデンホルフ自治区、という扱いにせざるを得ない。◆アルビオン王国 トリステインの支援のもと、墜落したアルビオン大陸を復興していく。国王はウェールズ・テューダー。 邪神戦役の影響によって、否応なくハルケギニアでも有数の民族混在地帯となっていく。◆ガリア王国 引き続きジョゼフ王の治世。他国に比べると被害が少なかったが、そこにつけ込んで外征したりする気はジョゼフにはない。 大国化したトリステインと切磋琢磨していく。◆ロマリア連合皇国 こっちも被害は少ない。ハルケギニアの邪神の脅威が去ったため、ハルケギニア脱出計画『方舟計画』は無期限凍結となった。 伝説である虚無が実際に降臨して世界を守ったことによって、ブリミル教会はその権威を高めることに成功する。◆サハラ・東方 エルフたちの被害も限定的であり、今後は慎重にハルケギニア各国との交流を広めると予想される。東方も同じく。◆ハルケギニア全体として 邪神たちの活動は抑制的になった。ルイズの虚無魔法『生命』によって封印された形。活性レベル的には、サイトが過ごしていた現代地球と同じくらいか。ただし異種族については、かなり入り乱れることになる。 マギ族の系統魔法は『生命』のお陰で全般的に強化されている。またトリステインに併合されたシャンリットからの技術流出によって、技術レベルが大幅に引き上げられるのが予想される。しばらくは新技術などによる社会的混乱は避けられないだろう。 虚無魔法『生命』によって作られた『世界の防壁』は正常に起動しているため、ある日突然他の平行世界とぶつかって消滅したりすることは、恐らく無いだろう。ただし痴愚神の顕生意識が覚醒した時に、他の平行世界と同じく夢と消えるか、それとも滅びを免れるかどうかは、神のみぞ知る。■登場人物たちのその後(順番は適当)◆アンリエッタ 女王として長く君臨。水魔法で寿命を伸ばしたので百年近く国を治める。退位後も百年くらい生きた。 双子の王冠たるトリステインを取り戻した女王として信仰されるレベルで民衆に慕われている。◆ヴァリエール公爵家 ルイズが消えたことで意気消沈するも、激変する時代は待ってはくれず。 次女カトレアを中心に時代の波に乗り、聖女ルイズの家門として存在感を示す。長女が結婚できたかは、不明。◆ウェールズ アルビオンを復興させた偉大な黒太子。アンリエッタほどは長生きしなかった。◆ジョゼフ 家族を大事にしつつ天寿を全う。シェフィールドとの間に何人か子供を残すが、次の王にはイザベラを指名して早々に隠居。◆イザベラ 次期ガリア王として、伸張するトリステインに負けない発展をガリアにもたらす。ジョゼフによって王に指名されたのは、その聡明な頭脳ゆえ。◆シェフィールド ジョゼフを陰日向に支える良妻賢母。幸せに暮らしましたとさ。◆ジョゼット(タバサ) 描写はなかったが邪神戦役において、ガリア内で戦闘に従事し、国を守っていた。オルレアン公爵家を復興し、オルレアン公爵としてイザベラの右腕となり、彼女をよく支えた。◆シャルロット=カミーユ 潜在的な虚無の担い手、ジョゼットの双子の姉(?)、両性具有に改造済み。ロマリアの『方舟計画』凍結に伴い、きたるべき日が来るまで凍結封印処置。眠りにつく。◆ティファニア 潜在的な虚無の担い手。ロマリアの『方舟計画』凍結に伴い、凍結封印処置。眠りにつく。シャルロット=カミーユのフィアンセ。◆チャールズ・スチュアート&エルフのシャジャル アルビオンのスチュアート朝の亡命王族。国際的な火種になるので、娘のティファニアと娘婿のシャルロット=カミーユともどもまとめて凍結封印される。◆ロマリア教皇ヴィットーリオ シャンリットから流出した技術で自国を富ませつつ、ルイズを聖女に祭り上げたり色々と相変わらず暗躍している。邪神の眷属について目を光らせる国際組織の設立を主導した。◆ジュリオ・チェザーレ ヴィンダールヴ。国際的対邪神組織の幹部として、邪神の眷属の復活を防ぐ戦いに精を出す。ティファニアの封印に反対するマチルダをコマして説得した。◆マチルダ・オブ・サウスゴータ 邪神戦役後、ロマリア預りとなり、後にジュリオと結ばれる。身体は半ば人外化していて、それはルイズの『生命』の奇跡でも完全には治らなかった。◆メカ・マリアンヌ 邪神戦役終盤、アンリエッタによってとどめを刺される。◆クロムウェル ナイアルラァトホテプの消滅とともに、完全に死亡。◆オールド・オスマン しぶとく生き延びる。アンリエッタによってクルデンホルフ自治区の長にされ、シャンリットに眠る種々の問題を延々と解決させられるハメになる。◆ジャン=ジャック・ド・ワルド なんだかんだあってアニエスと結婚し、ワルド領を大過なく治める。◆アニエス なんやかんやあってワルド夫人となる。たぶんお互いウェンディゴで相性が良かったせい。◆ギーシュ&モンモランシー 結婚してモンモランシ伯爵家を継ぐ。◆コルベール&キュルケ 描写はなかったものの実は邪神戦役のトリステイン部隊の一つに配属されていた。なんとか生き延び、戦後幸せに暮らす。コルベールはシャンリットの技術をよく学び、それによってキュルケの実家のツェルプストー家に多くの富をもたらした。◆レイナールやマリコルヌなど、その他の水精霊騎士隊の面々 近衛として立派に勤めあげる。◆ウード・ド・シャンリット 公式には死亡したものとされる。ただ、蜘蛛神アトラク=ナクアの下で仕えるウードを第一世代、チクタクマンとして混沌に吸収されたウードを第二世代とすると、ハルケギニア星に残された<黒糸>にはウード第三世代の意識が宿っているものと予想される。◆ゴブリンメイジたち 宇宙規模で知的好奇心を満たすために活動中なのは依然として変わらず。◆ナイアルラァトホテプ ルイズに融合されて『リーヴスラシル』の支配下に置かれ、虚無魔法『生命』で諸共に生贄にされてしまい、ハルケギニアを蜘蛛神のアザトース意識統合復活計画から守るための防壁の礎となった。 ……とはいえ、おそらく生贄にされたのは時空に遍在する意識体の一つなので、本体は今も元気に活動中だと思われ。自由人にして享楽家。◆アトラク=ナクア ナイアルラァトホテプからは『ストーカのヤンデレ』と評された神。あらゆる平行世界を融合させて、愛するアザトースの意識を一つに束ねて目覚めさせようとしているらしい。その願いが叶う日も近い? ※なおこの辺りは当SS独自の設定です。◆ベアトリス・フォン・カンプリテ・クルデンホルフ 公式には行方不明とされる。数百年後、魔王に付き従う魔将の一人として『蜘蛛姫ベアトリス』の名前が見られるが……。◆シエスタ 公式には行方不明とされる。数百年後、魔王に付き従う魔将の一人として『超鋼の繰手シエスタ』の名前が見られるが……。◆平賀才人 公式にはルイズとともに死亡したものとされる。邪神戦役における彼の活躍は、ヒリガル・サイトーンの名で史書に記録され、また数多の『イーヴァルディの勇者』の物語の一つとして人口に膾炙する。 一方で数百年後、彼は魔王ヒリガル・サイトーンとして歴史に再び登場する。 邪神戦役からそれまでの期間、彼はルイズの遺産である【夢のクリスタライザー】を用い、夢の国で武者修行しつつ、ルイズを呼び戻す方法を探していた。 だが幻夢郷ではルイズを降臨させる方法は見つからず、ベアトリスとシエスタ、エキドナを従えて、ルイズを再び降臨させるためのにハルケギニアに戻ってくる(ちなみに最終決戦時の逆召喚によって降臨させることは不可能である。何故なら世界に解けたルイズは、世界そのものと一体化して常にサイトの傍らにいるのだから。既に隣に居るものを召喚することは出来ない)。 ただし、ルイズを復活させる=融合していたチクタクマンも復活する、なので、国際的対邪神組織と抗争に陥り、結果、魔王として認定される。 そして最終的にサイトらは、対邪神組織によって凍結封印を解かれたティファニアらによって倒されてしまう。 討伐された彼らの死体は残らず、光の粒子となって世界に解けて消えたという。 ――「ルイズ、ああ、ようやく会えた……」◆ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 平行世界との衝突によるハルケギニアの消滅を避けるため、自らと混沌を生贄に世界を守る防壁を築く。 邪神戦役における功績は正当に評価され、聖人として列せられたほか、その名声はブリミルに匹敵するとも云われるまで高まった。 概念と化した彼女は、いつまでもハルケギニアを見守っている。 ――「久しぶりね、サイト。私の愛しい人」2013.05.04 初投稿