えー、俺の名はオージンと申します。……呼びにくッ!
自分の名前の割にものすごく呼びにくい! マジで呼びにくいよ、この名前! と自分の名前に四苦八苦していたり。
と、まあそういうわけでして転生しました俺ことオージンです。
前世は普通の名前だったのに今世は独特なネーミングだな、オイ。それともこの世界じゃこんなのがスタンダードなのかな。
私、前世の記憶を持っておりますが、ここは俺の知る世界ではなく――
「ほら高い高い」
『high high』
「ばぶぅ」
魔法で現在高い高いされてます。いや、結構楽しいよ、これ。
てかそこのデバイス。高い高いだからって魔法名が『high high』てどういうことよ? 安直すぎるだろ。てか、その名前だと別の名になっちゃう気がするよ。因みに俺はもうそれができます。
他の赤ん坊よりはそれが早くできるんだよ、俺。
……まあ、うん、分かるよね。魔法のある異世界に来ちゃいました。
しかも母さん、それデバイスだよね。明らかに。てことは『リリカルなのは』かよ。
いや、知ってるんだけどさ。一応オタクだったから知ってたんだけどさ。
俺、原作知らないのよ。リリカルなのはの二次創作しか見たことないな、って感じなのよ。なのに転生って、神様出てこい、この野郎!!
まあぶっちゃけどうでもいいわ。
どう見ても明らかにこの世界、異世界だし。別次元だし。
つまり次元震だとかに巻き込まれない限りは無印やAsには関わりゃしないだろう。
関わるとしても多分StS編くらいからだろうな。
あれ? これフラグやばくね?
親が地球の海鳴市に移住フラグか? それとも次元震フラグか? はたまたすっげぇ才能あるから誘拐フラグで改造フラグなのか!?
ヤバい! ヤバすぎるぞ、この世界!!
てな風に思っていたけれどもぶっちゃけそんなことはなかったぜ。
いや、まだ安心できないんだどけさ。
六歳にまで成長しました。
前世の記憶があるからチート!てな感じですると親に不気味がられてしまうからという理由で自重しようとしましたが、ここの言語明らかに難しくて逆に頭悪い子フラグされちゃいました。ここの言語覚えるのに必死だったんだよね、俺。
しかも魔法式も無茶苦茶難しいし。暗記できるけど計算無理だな、コレ!
……ちくせうっ
因みにここは第12管理世界らしい。そんでもって俺はその世界にある一族≪ギルマン一族≫ってのに生まれてきたみたいだ。
まあ分かりやすくいうとスクライア一族とかル・ルシエ一族とかみたいなもんだと考えてくれれば分かりやすいと思う。
因みに年歴とか分からん。
一応新聞とかあるんだけど会話だけでも四苦八苦してんのに、文字とか無理だよ。無理。
まあ写真だけで何とか理解しようとしたけども無理だったよ(笑)
そういうわけでして現在は村の子供と遊んでます。
大人だった経験があるのに子供と遊べるか!? と思ってたんだけど意外と童心に帰れるもんなんだね。てな感じで子供たちと遊んでいました。因みに魔法使いごっこをやっていました。
マジで魔法使える人もいたんだけどね。
え? 俺?
リンカーコアなしだってよ……。普通ここはさ、リンカーコアあるもんじゃないの? とは思うけれど俺が望むのは平穏なんでなしでよかったとも思う。
あったとしたらまず間違いなく原作に巻き込まれるね。
それに俺自身、ご都合主義とかそんなのあんまり好きじゃないし。
ハッピーエンドにしてやるぜぇ、だとかなのはを嫁にしてやるぜぇ、とかフェイト・はやてを救ってやる!てな感じに思ってしまうことはあるんだけどさ。
会ったこともない人を幸せにしてやる、だとか嫁にしてやるだとか、実際そうは思わないんだよね。うん、残念なんだけど現実なんだよ、ここが。
原作見ただけだし、んなもんぶっちゃけニュース見て、ああ酷いな、くらいしか感情湧かないよ。
それになんていうかそんなのはさ、現実に彼女らじゃなくて原作の彼女らを見ているだけとしてか思えないんだよね。だからあんまりそういうの好きじゃないんだよ。うん。
それに俺が関わったせいで原作が変わっても困るんだよね。いや、良い方向に変わるんなら大丈夫なんだけどさ、逆に悪い方向にでも変わったら俺の罪悪感が半端なくヤバくなるし。
もしかすると『リリカルなのは』じゃなくて『とらハ』なのかもしれない……それはないか。
それに関わったところでリンカーコアなしの俺にできることはない!!
だから安心して原作と無関係でいられるってもんだぜ!!(キラッ)
うん、そうなんだ。怖いの嫌いなだけなんだよ、ただ。
ぶっちゃけ前世が前世だからさ。死の恐怖ってのに実感があるだけなんよ。そんなわけで死に対してトラウマがあるんです、俺。
だからこそ関わりたくないんだよ! 関わったらきっと死亡フラグ満載だしねっ☆
ごめん、きもかった。自分で言っておいてなんだけど吐いてます。
「どうしたの? オーちゃん」
「あ、うん。なんでもないよ。ファナム」
ぶっちゃけ吐いておいてなんだけどなんとか誤魔化すことに成功した。
いや、相手が子供でよかった。子供だからこそなんとか誤魔化せたんだけど。
そんなわけでしてギルマン一族の子供たちで遊び中なのです。
へへ、童心に帰っておりますぜ、旦那。
「タッチ!!」
「うお、オージン! 強ッ!」
そんなわけでして現在タッチフット中。
前世では体育の授業でやったな、これ。結構楽しいんだよ、タッチフット。
あ、因みにこれ俺が教えた奴ね。さすがに異世界にタッチフットなんてないよ。
そういうわけで俺は頭が悪いけども面白い発想をする奴だ、程度の認識ぐらいしかないわけよ。ぐすん、頭悪くなんてなんもん……。
ここの文字読めないだけだもん、読めたらなんとかできるもん……。
そんなわけでせめてスポーツぐらいは一番をとれるようにならないと。
「キャッチィィ!」
「ナイスだ、ファナム」
「て、お前絶対強化魔法使っただろ。反則だ、反則ッ!」
「反則じゃないもんね~」
それも失敗に終わりました。
クリフ(一族の男の子A)が空高く投げた球(フットボール)をファナム(一族の女の子A)がそのまま空高くキャッチ。そのままエンドゾーンで着地。
明らかに魔法使いやがったよ! 俺使えないのに、ちくせうっ!!
因みに俺が味方の時は反則とは言わずに推奨しまくってる。負けるのは大嫌いだからなっ!!(力説)
そういうわけで魔法を使われて敗北です。
因みにここではリンカーコアを持つ子供が生まれる確率はなんでも50%だとか。男だろうが女だろうが問答無用で50%らしいです。
ああ、Fランクでもいいからリンカーコアが欲しかったな、とは思う。
まあ今更どう言おうが後の祭りなんだけどさ。
そういうわけで魔法は誰かに頼んで見せてもらっている、またはなにかしてもらっている。だって魔法だもん(意味不明)
そんなこんなで平穏にギルマン一族で暮らしています。
まあでも村の手伝いがしんどいんだけどね。
小さい頃から遊びまわって体力派になったとはいえ、力仕事は嫌いです、しんどいし。
魔法使えないから余計こき使われてるし。
「おっしゃ、ばっちこーい!」
「くっそう。こうなったらフォーメーションA行くぞ! トルテ、フレイア!」
「OK、オージン」
「う、うん」
というわけでフォーメーションを駆使します。
因みにトルテもフレイアも魔法を使えます。
ぐははっ、そっちが魔法を使うってんならこっちもそれ相応も魔法合戦で相手してやろうじゃねぇかぁぁ!
「ほれほれ。パス!」
「い、いくよ。ひょい」
トルテの投げたボールが高く飛ぶ。
「あっまーい。そんなのキャッチして、ギャァァァァァ!!」
が、あまりにも高すぎてファナムくらいしか取れないボール。それを高くジャンプしてファナムがキャッチすればいきなり感電するファナム。
「ふははっ、よくやった。トルテ。おっしゃ、ファナムは潰れた。フレイア、後はお前の高速移動でタッチダウンしてやれ!」
「いえっさー、ボス!」
というわけでフレイアの高速移動でボールを拾ってそのままタッチインする。
ふふふ、なにが起こったのか説明してやろう!
ぶっちゃけトルテの魔力変換資質『電気』でボールに電気を送りこんでいたのだ。しばらくすればその電気も霧散してしまうが、電気が霧散してしまう前に触ってしまえばバリアジャケットの張っていないファナムなどあっという間に痺れて使い物にならなくなるという作戦よ!
さすが俺、ビバ俺!
「ひ、卑怯よ~」
「そっちが先にやったんだからな。なぁ、オーちゃん」
「だよなぁ、トルテ」
「え!? ぼ、僕に振らないでよ~!」
「くそっ、一番魔法の上手いファナムがやられた! よしっ、次のプレイからは魔法なしでやろうぜ!」
「くくくっ、そうはいくか。ものども、やってしまえぇぇ!」
『おおおおおおおおおおおっっっ!!』
そういうわけで魔法使いまくったバトルである。
タッチフットのいいところは魔法使えなくとも作戦立てるという役目があるということだ。
それに魔法使えなくとも隠密役というものがある。
そういうわけで魔法タッチフットが開催されたのであった。
ファナムはすぐさまに復活して、逆に魔法禁止ルールを受け入れようとしたが、さっきまで魔法禁止ルールをしようと言っていたクリフは「今更遅ェ!!」と掌返してきやがった。
ちくせう、そんなに勝ちたいのかっ!?
「オーちゃんの言うセリフじゃないだろ。同じ穴の狢」
「まぁね」
そんなこんなでギルマン一族の子供たちと一緒に遊んでいたのだった。
あー、楽しかった楽しかった……はっ、すっかり子供たちと同じになってやがる!
ほ、本当の俺はもっと精神年齢高いんだからねっ!(ツンデレ気味)
……うん、悪かった。ごめん。素直に謝るよ。
いや、天丼て言わないで。面白そうだったからやっただけだから。
うん、自分でもきもいと感じているからおろろろろろろろろ
「うおおお! また吐きやがった! マジでどうした、オーちゃん!」
「うん、ごめん。これ以上はもう無理だ。フレイア、トルテ、後は……任せた」
「お、オーちゃん!」
「お前たちには、役目が、あるだろう。俺のことは、気にせず、先に、進め、おろろろろろろろ、がくっ」
こうして俺は己が体液のたまった水たまりへと倒れ伏した。
さらば、後は――頼む。
「おおおおおおおおおおおおおおおおちゃああああああああああああんんんっっっっ!!」
「うん、うん、分かったよ。任せて、オーちゃん!」
「お、オーちゃん! オーちゃぁぁん!」
こうして我が意志は我が仲間たちに受け継がれるのだった。
「いや、本当になにやってるんだ、お前ら」
うるさい、空気嫁、KY。