「えー、前回、あまりの出番の少なさに少々不満を抱いた私クラエスですが-、」「ねー、クラエス-。誰と話してるの?」「まさか最終章突入寸前にこのような出来事が起こるとは夢にも思いませんでした」「ねーってばあ」「ブリジットという名の少女、超超番外編、ガンスリ劇場始まって以来の珍事」「くらえすー?」「まさかの、ブリジットと二人きりのデートで御座います」 以下クラエス独白。 くっ、私としたことが抜かったわ。まさかもう一年と半分以上も昔に冗談で、もしくはカマかけのつもりでブリジットに告げた提案がまさか最終章突入寸前に適うなんて。何が「デートしましょう」よ。無理に決まってるじゃない。私は実践派ではなく完全妄想派。トリエラやエルザの欲棒、もとい欲望が純粋無垢なブリジットを貫いていく背徳感、またはアルフォドさんがブリジットを様々な人々にNTRされていく絶望感を楽しんでいたのに、私自身がそのステージに立った今、何をしたら良いのかさっぱりわからないわ。これはええとあれなの? 今すぐブリジットを押し倒してひん剥いて、あんあん言わせたら勝ちなの? それとも椿の花を落としたらいいの? もしくは私受けブリジット責め? そうよ。それよ。普段は猫を装っているブリジットがどう猛なオオカミに変身する瞬間、これだけでご飯三杯は堅いわ。あとはあれね、ブリジットを椅子に縛り付けられたエルザの目の前であひんあひん言わせるのもそそるわね。ブリジットと過ごした春色の日々を思い浮かべながら、私にブリジットをNTRされていく絶望感。百合寝取りというのもポイントが高いわ。でもこの場合、トリエラはどういった立場になるのかしら。はっ、まさかの黒幕。そうよ。それよ。自分が愛したブリジットが複数の女達の手によって開発、もとい調教されていく課程を楽しむことの出来る真性のマゾヒストがトリエラなのよ! 自分の所有物をぐちゃぐちゃにされていく課程で彼女は興奮を覚えるの。ふっふっふ。良いわ。凄く良い。私は私が恐ろしいわ。あれ、でもちょっと待って。ブリジットを散々○○してきた私だけど、コスチュームを弄くったことは全くないわ。これは駄目よ。ブリジットオタ失格じゃない。あわわわわ、とにかく何かコスチュームチェンジしないと! あ、そうだ! 私のメガネを掛けさせたらどうかしら? そうこれこれ! メガネッ子ブリジット! いやああああ、何コレ! 自分の想像の範囲だけどこれは駄目! 破壊力が高すぎる! あああああああ、どうにか、どうにか平静を保たないと! どうしよう! どうしましょう! ただでさえ綺麗系と可愛い系の中立の危うい顔立ちをしているブリジットがさらに凶悪になってしまった! 私は何という物をこの世に産みだしてしまったの? ああ、神よ。この内に渦巻く欲望を解放させて! …………ふう、少し落ち着いたわ。じゃあ次ね、次、次はあれよ。裸Yシャツに黒いハイソックスのブリジットよ。ベッドの上で座り込みながらこちらを見つめてくるの。……ぐふっ。やばいわ。これはやばい。今すぐ押し倒してブリジットの口に手を突っ込んで舌を鷲づかみにしてべろべろしたい眼球舐めたい。ああ、いけない娘ねブリジット。あなたは私をここまで狂わせてしまうの。今すぐその顔面を舐め尽くしてあげるわ。穴という穴から私という存在を注ぎ込んであげる。あなたを私色に染めるの。あなたが悪いのよブリジット私は何も悪くないもう何も怖くないああブリジット、頂きます。 以上クラエス独白。「ねえ、クラエス。さっきからどうしたの? 顔色悪いよ? 体調でも悪い?」 以下再びクラエス独白。 ああ、私としたことが。こんなに優しいブリジットに何をしようとしたの? だめよだめなのよ。クラエス。ブリジットは禁断の果実。囓った瞬間にエデンから追放されてしまうわ。ああ! でも私の中の蛇が囓ってしまうどころかむしゃぶりついてしまえと囁いているぅー! むしゃぶりつきたいぺろぺろした。ああ、ブリジット。あなたはどんな味がするの。美味しいの? そう、きっと美味しいのよ。ああ、ぺろぺろぺろくんかくんかくんか。ブリジットがこちらを覗き込んできて……ああ、柑橘系の良い匂いがする! …………ん? あれ、どうしてかしら。私夢でも観ているのかしら。ブリジットの口元から少しだけ煙草の匂いがするわ。待て、落ち着くのよ、クラエス。落ち着きなさい。煙草の銘柄を考えては駄目よ。駄目なんだから。ああ、しかもその銘柄を吸っている人物の顔を思い浮かべたら駄目なの! 何よ、ブリジットにこれだけ煙草の匂いを擦りつけるなんてどれだけ熱いキスをしたら匂いが移るのよ! あわわわわ、しかも意識したら口元どころかブリジットの全身からかすかな匂いがする! いやあああああ! 首元にあるあの赤い痕は何!? 何なのよ!? もしかして本編で何かあったの!? ついに担当官と義体の壁を越えてしまったの!? ああ、そういえば原作の原作も……。 以上クラエス独白。「あれ、クラエス。急に立ち上がってどうしたの?」「ああ、ブリジット。少しね、用事思い出しちゃったわ。私、アルフォドを殺さないと」「はっ? え、ちょっと、何!? 待ってってばクラエス! クラエス-!!」