大勢を救うために、小数を切り捨てなければならない。そんなことは、子供のころから気づいてた。すべてを救うのは不可能だってことも、分かってた。でも、もし。本当に、“最小限”の犠牲だけで済むのなら。悪人だけが、その切り捨てられる内に含まれるのなら。そんな方法があったら、俺は―――。