人を化物に変える。化物を従える。化物の異能―チカラ―
命を失った死者を蘇らせる異能―チカラ―
契約によりそれらの異能―チカラ―は与えられる
与えたモノも当然異能―チカラ―を持っている
そんな契約をしてあげる存在の物語
【一発ネタかな。???+気分】
瘴気が渦巻く禍々しき世界
黒い川と黒い空
燃える天空と永遠の氷河と千の雷
腐った大地、枯れ果てた樹々、汚泥の湖、廃れた建物
“魔界”
それがここの名称
そこにいる一柱の悪魔
名を“フェネクス”という
ただ、外見も、能力も悪魔なのだが
中身は一般人だった。
「ふぁ~あ、眠い」
いや、一般人というのは間違いかもしれない。何もしなくとも、腹がすかない、死なない、生き続けるようになった彼は植物に申し訳ないが、植物のごとく動かない。
初めは魔界に来てしまったと、驚き、焦り、必死に努力していた。無意味な行動が多かったけど
時間にして10時間を越える頃、腹が空かないことに神に感謝した。食えるものがなく、飲むものが危ない水しかないからである。
100時間を越える頃、眠くならくてもいいことに気が付き、喜んだ。徹夜で遊べると
500時間を越える頃、永遠と走っても疲れないことに叫んだ。全人類を超えたと
1000時間……、帰る道がわからず歩き続けた。景色が似たり寄ったりでつまらんと
5000時間……、そういや誰もいないなと気が付き、叫んだ。寂しいと
10000時間……、偶然拾った鏡を見て驚愕。オレの顔って、こんなに綺麗で格好よかった? と
50000時間……、大きなトカゲと出会う。逃げた……だって、翼があって、頭三つあるんだもん
100000時間……、再び大きなトカゲと出会う。今度は逃げれなかった。トカゲいえ正確にはドラゴンらしい、そいつの名前はアジ・ダハーカだと知る。話せる事に驚くが、魔界であることや自分の存在について教えられ驚愕する。ソロモン72柱の不死鳥フェニックスだと言われた。人型だけど……今まで、誰にも会えなかった理由も教えてもらえた。お前の存在が怖すぎたそうだ。力の桁が違うらしい。
1000000時間……、能力を使おうと努力し、数々の必殺技を会得。ゲームや漫画の知識を参考にしたため、ダハ(アジと呼んだら、魚じゃねえと。ハカと呼んだら、顔を真っ赤にしてお怒りになりました)には娯楽として喜んでもらえた。友達が少しずつできてくる。サッちゃんという悪魔に出会う。関西弁のおっさんだった。
5000000時間……、女性と出会う。食べられるという貴重な経験をする。その後は食べ返した。名前も言わずに逃げていった。ダハに聞いてみると、サキュバスの見習いでオレの格を知って怖くなって逃げたそうだ。その後、ダハと同じ事をすることになった。
10000000時間……、ドラゴンに喧嘩を売られた。適当に相手をしてみたら、馬鹿にされたので「今のはメラだ。これが余のメラゾーマ……カイザーフェニックスだ!!」と鳳凰天駆してこんがり肉にしてあげた。意外と美味しかった。
50000000時間……、人間という種族が地上を支配しているらしい。アシュタロスという悪魔をサッちゃんに紹介された。人間世界を支配してやるというおっさんだった。何でも「人を悪魔、悪魔といちいちうるさいんだよ」だった。焦げっぽくして止めさせた。以降会うたびに、怯えるようになった。
100000000時間……、現在、だらだらとやる気なしな状態である。魔界を出る方法はとっくにわかっているのだが、方法がいくつかあり……問題もある……
一つ目、自力で出ると他の悪魔(友達)が追撃してきて、また魔界に戻ることになるらしい。ここのルールだとか……抜け出しはダメ
二つ目、魔界を破壊して、地上に行くしか選択肢を残さない。天界と全面戦争になるから止めてくれとサッちゃんに懇願された。
三つ目、天使をそそのかして、魔界に攻めこませる。そこを全滅させて三界の支配を悪魔がする。当然、泣きつかれた。
最後、誰かに召喚してもらう……果てしなく無理、召喚できる人少ないではなく、召喚するとその人死んじゃうかもしれない。他のフェニックスは大丈夫らしいんだけど……オレ長生きしすぎて、無理らしい。不死鳥なのに死ぬのかって? この世には、フェニックスを食べる蜘蛛とか、ドラゴンとかいるんです。オレは性的意味以外で食われたことないけどな。
「フェネクス、久しぶり」
「ダハ、ひさしゅう~」
人型のアジ・ダハーカ、美人の女性、オレの恋人っぽいのである。服はなく大事な部分が鱗で隠れているだけの格好である。オレは魔力から服を作ったり、地上に言った友達から貰っているため、いつも服を着ている。ダハは、服って暑苦しいから嫌だと、着たところをオレでも数えるくらいしか見たことがない。
「さっきね、地上に行ける新しい方法を思いついたんだ」
「急に何だ? 何かあったのか?」
「ここの束縛みたいのがない平行世界にいけばいいんじゃない」
胸の谷間から、本を取り出す。正確に言うと、そこまで胸は大きいわけではなく。大きいけどね……異空間から取り出すとき、空間の穴を谷間で上手く隠しながら取り出したのである。
「小説読んで思いついたのか?」
「うん」
で、見事に魔界を脱出することに成功した。追ってもいない。完璧といえる結果だった。ダハがいるけど……
たどり着いた先は……