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No.10094の一覧
[0] 萌え?・・・いや、むりっしょ?《ネギまエウ゛ァ憑依》[フィノ](2010/04/03 23:13)
[1] プロローグ[フィノ](2009/11/11 08:53)
[2] プロローグ 2[フィノ](2009/11/11 08:53)
[3] え・・・マジ?な第1話[フィノ](2009/08/01 22:15)
[4] 緊急指令死亡フラグを撃破せよ・・・な第2話[フィノ](2010/02/26 12:17)
[5] 現状の思考と考察・・・な第3話[フィノ](2010/02/26 12:20)
[6] チャチャゼロ・・・・ゼロ?な第4話[フィノ](2010/02/26 12:26)
[7] 良い日旅立ち・・・炎上な第5話[フィノ](2009/08/01 22:19)
[8] 学校とはとにも奇妙なところだな第06話[フィノ](2010/04/13 21:43)
[9] 人間交差点・・・・な第7話[フィノ](2009/08/28 15:17)
[10] 頭痛がおさまらないな第08話[フィノ](2009/08/01 22:21)
[11] 真実は小説よりも奇なり・・・俺のせいだがな第09話[フィノ](2010/04/13 21:44)
[12] モンスターハンター・・・待て、何故そうなるかな第10話[フィノ](2010/02/26 12:29)
[13] 復讐は我にありな第11話[フィノ](2010/02/26 12:31)
[14] 新たな一歩なのかな第12話[フィノ](2010/04/13 21:46)
[15] 肉体とは魂の牢獄なんだろうな第13話[フィノ](2010/02/26 12:36)
[16] 絶賛逃亡中?な第14話[フィノ](2010/02/26 12:37)
[17] 幕間その1 残された者、追うことを誓った者[フィノ](2010/04/13 21:48)
[18] ラオプラナな第15話[フィノ](2009/08/01 22:28)
[19] 思い交差点な第16話[フィノ](2009/08/01 22:28)
[20] 色々とな第17話[フィノ](2009/08/01 22:29)
[21] おいでませな第18話[フィノ](2009/08/01 22:30)
[22] 幕間その2 騎士と主と在り方と[フィノ](2009/08/01 22:30)
[23] 発掘も楽じゃないよな第19話[フィノ](2009/08/01 22:31)
[24] 嫌な確信が出来たな第20話[フィノ](2010/04/13 21:50)
[25] 予想しておくべきだったな第21話[フィノ](2010/04/13 21:59)
[26] あいつらも大変だったようだな第22話[フィノ](2010/04/13 22:14)
[27] 目玉だな第23話[フィノ](2010/04/13 22:35)
[28] 全て世は事も無しな第24話[フィノ](2010/04/13 22:37)
[29] 知らぬが仏、つまりは知らないと死ぬ事だな第25話[フィノ](2009/08/09 13:34)
[30] タヌキとキツネとだな第26話[フィノ](2010/04/13 22:38)
[31] 失態だな第27話[フィノ](2010/04/13 22:39)
[32] さて、どうしようかな第28話[フィノ](2009/08/24 18:15)
[33] 中々にヒドイ事をするな29話[フィノ](2009/08/28 14:04)
[34] 1と0の差かな第30話[フィノ](2009/09/07 12:08)
[35] 時間は勝手に進むものだな第31話[フィノ](2009/09/21 17:04)
[36] 英雄の横顔かな第32話[フィノ](2009/09/28 22:28)
[37] ボロボロだな第33話[フィノ](2009/10/07 00:20)
[38] 夜ももう終わりだな第34話[フィノ](2009/10/16 01:21)
[39] 事故だと思いたいな第35話[フィノ](2009/10/21 19:47)
[40] 幕間その3 曰く、チョーカッコいい男[フィノ](2009/10/29 02:12)
[41] 戦闘or日常さてどっちが疲れるかな第36話[フィノ](2009/11/04 14:11)
[42] 取り合えず叫ぼうかな第37話[フィノ](2009/11/11 13:22)
[43] 気のせいだと思っておきたかったな第38話[フィノ](2009/11/15 20:58)
[44] それぞれの思惑だな第39話[フィノ](2009/11/25 09:56)
[45] 美味しそうだな第40話[フィノ](2009/12/01 16:19)
[46] 互いの牙の間合いだな第41話[フィノ](2009/12/08 01:32)
[47] 幕間その4 仲良くなろう[フィノ](2009/12/08 20:14)
[48] 出発は明朝かな第42話[フィノ](2009/12/18 17:37)
[49] 強い訳だよな第43話[フィノ](2009/12/26 14:10)
[50] 商人・・・、なのかな第44話[フィノ](2010/01/22 01:29)
[51] ケダモノの群れだな第45話[フィノ](2010/01/08 19:08)
[52] 見たかったな第46話[フィノ](2010/01/19 00:19)
[53] 疑うな第47話[フィノ](2010/01/20 01:44)
[54] 無形の有形だな第48話[フィノ](2010/02/03 06:37)
[55] そして歩き出すだな第49話[フィノ](2010/02/03 15:55)
[56] 旅の途中だな第50話[フィノ](2010/02/17 19:39)
[57] 地味に変わってるな第51話[フィノ](2010/02/24 00:17)
[58] 到着、出会いと別れだな第52話[フィノ](2010/02/26 12:10)
[59] 幕間その5 爪痕[フィノ](2010/03/04 23:18)
[60] 難しいな第53話[フィノ](2010/03/06 23:40)
[61] 日常だな第54話[フィノ](2010/03/13 12:39)
[62] その後の半年だな第55話[フィノ](2010/03/22 14:24)
[63] 研究の日々だな第56話[フィノ](2010/04/04 18:01)
[64] すれ違う人々だな第57話[フィノ](2010/04/13 22:55)
[65] 花畑の出会いだな第58話[フィノ](2010/04/25 22:56)
[66] 幕間その6 メイド達の憂鬱[フィノ](2010/05/02 06:47)
[67] 幕間その6 メイド達の憂鬱 中篇[フィノ](2010/05/05 06:13)
[68] 幕間その6 メイド達の憂鬱 後篇[フィノ](2010/05/23 22:37)
[69] ありふれた悲劇だな第59話[フィノ](2010/06/24 21:58)
[70] それぞれの思いだな第60話[フィノ](2010/11/12 06:04)
[71] 強く・・・、なりたいな第61話[フィノ](2010/10/25 22:54)
[72] ブリーフィングだな第62話[フィノ](2010/11/12 14:41)
[73] 彼女達の戦場だな第63話[フィノ](2010/12/01 23:14)
[74] 彼の戦場だな第64話[フィノ](2011/01/26 13:43)
[75] 自身の戦いだな第65話[フィノ](2011/04/18 03:53)
[76] 狗の本分だな第66話[フィノ](2011/04/23 03:32)
[77] 対峙だな第67話[フィノ](2011/05/02 03:37)
[78] 懐かしいな第68話[フィノ](2011/07/07 22:33)
[79] 風の行方だな第69話[フィノ](2011/09/23 23:39)
[80] 彼に会いに行こうかな第70話[フィノ](2011/10/01 03:42)
[81] そんな彼との別れだな第71話[フィノ](2011/10/15 07:37)
[82] 小ネタ集 パート1[フィノ](2009/08/11 22:17)
[83] 小ネタ集 パート2[フィノ](2009/09/21 17:03)
[84] 小ネタ集 パート3[フィノ](2010/02/03 15:53)
[85] 小ネタ集 パート4[フィノ](2010/02/04 03:28)
[86] 作者のぼやき。[フィノ](2010/01/08 00:21)
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[10094] 知らぬが仏、つまりは知らないと死ぬ事だな第25話
Name: フィノ◆a5d9856f ID:3cc7fbc3 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/08/09 13:34
知らぬが仏、つまりは知らないと死ぬ事だな第25話





照りつける太陽、押し寄せる波、BGMを選ぶならウクレレでなんかの曲。
望ましいのはハワイアンナ感じ。
と、言うのも未だに俺はララスに居たりする。
まぁ、居ると言っても今はダイオラマ魔法球の中に入り浸っているのだが。
何でこんな事態になったかと言うと、キールとドクロがハネムーン旅行に行ったから。
当初の予定では、式の後旅立つ予定だったのだが、旅行中の留守番を頼まれそれを承諾した。
まぁ、留守番とってもする事がないので、狐耳はそのままに子供の姿に戻り、
ダイオラマ魔法球に篭って一時のバカンスを楽しんでいる。

「お嬢様、飲み物です。」

そう言って、冷たい飲み物を出してくれるのは、微妙に顔が赤いメイド長のロベルタ。
ちなみに、彼女のほかには10人ほどのメイドが、現在ダイオラマ魔法球の中で生活している。
それ以外の、戦闘用の本当のマリオネット的なものは20体程度は出来ているが、武器が魔法銃や剣と言った既存のものばかりである。

後は、ロベルタと言えば、ダイオラマ魔法球の外での行動は俺の糸を返して魔力を送っての簡易操作になる。
と、言うのも今の彼女の状態はコアである賢者の石はあるが、あとの2つエリクサーとホムンクルスがないため、
肉体と思考、それを伝達する血液と霊体のうち、思考と肉体のみが存在しているようなものである。
つまりは、思考を肉体に伝達するものがないために俺の糸をつかって、魔力制御で行っている。

まぁ、それはおいおいどうにかするとして、今の人格は無数の彼女達が入り混じって出来ているらしい。
それを考えると、今までいた無数の彼女達がいったい何をしていたのか非常に気になるが、
まぁ、用途がいろいろあるのだろう。

「あぁ、ありがとうマジカールメイドロベルタちゃん。そこに置いておいてくれ。」

そういうと、彼女は机の上に飲み物を置いてくれた。
当然、今の彼女には、猫耳と、鈴付きの首輪が首についている。
今、何でこんな呼び方をしているかと言うと、1つ目の罰だからである。
ちなみに、2つ目の罰は卵割10個。無論、殻の欠片が入らないようにである。
と、言うのもダイオラマ魔法球が完成して、中身を原作に似せた感じに作り、
たまには研究やらなんやらから離れようと思い、水遊びを楽しんだ後横になっているとロベルタが、

「お嬢様、マッサージなどいかがでしょう?」

と聞いてきたので、出来るならやってもらおうと思い、

「そうか、ならお願いしよう。」

と言って、腹這いに寝転んだのが運のつき。
考えてみれば、彼女達はもともと戦闘や、それを指揮した者達の集まりである。
ついでに言えば、家事もダメである。
新鮮な食材を渡したはずなのに、出てきたのが自衛隊時代に食べたレーション的なものや、
洗濯を頼むと、何も考えずに服を丸洗いしたりする。まぁ、料理は食べ慣れていたからいいとして、
服の方は、ゴスロリの服が数着ほどダメになってしまった。

まぁ、そんな感じの彼女に、特に考えずに頼んでしまった俺も悪いのだろうが、
結果的に言うと、肋骨を折られた。しかも、肺に刺さるように。
肺に血がたまり、自身の血で溺れそうなったので、流石にあわててジタバタしたが、
それを見たロベルタは、

「気持ちいいのでございますね。」

と、嬉しそうに言い、ロベルタは更にマッサージを続けて、俺は喋ろうにも口から出るのは自身の血ばかり。
そんな感じで、瀕死になっている俺を助けたのはディルムッドだった。
まぁ、今の状況はそれのお仕置き。ロベルタ自身は、最初これがどう言うお仕置きか分かっていなかったが、
懇切丁寧じっくりと教えると、このお仕置きの意味が分かってもらえ、今でも顔を赤らめている。
ちなみに、どう教えたかは秘密である。

後、ロベルタとディルムッドの仲はまずまずと言った所。
ただ、最初に出会った時にディルムッドが、

「なぁ、エヴァ彼女がロベルタか?」

と、俺の後ろからディルムッドが来たので、
それに答えるように俺もロベルタに背中を向け、

「あぁ、そうだ。新仲間になる。」

と、話していると、

バキン・・・・、

と言う音がしたので振り返って見れば、ロベルタの前のグラスがバラバラになっていて、

「チャチャゼロさん、お嬢様を呼び捨てにするとは何事ですか・・・。」

と、荒んだ目でディルムッドを見てくるというハプニングがあったりもした。
まぁ、それに関しては、俺がそう呼ぶように指示を出したと言う事で、決着がついているのでよしとしよう。
そんな感じで、今日も今日とて浜辺で水遊びをしているのだが、その際着る水着でも一悶着あった。
と言うのも、海的なものを作ったのはいいが、俺は水着を持っていない。
なので、最初はどうせ人もいないからとカボチャパンツとキャミソールで海に入ろうとしたが、海に走っていく時にディルムッドに見つかり、
目の前を通り過ぎようとした時に、後ろから脇の下に手を入れられてヒョイと持ち上げられ、

「エヴァ、頼むからそのまま海に入ろうとしないでくれ。」

と、ジト目で言われ、俺の方もそれに、

「仕方ないだろ、水着がないんだから。」

と、地面に足がつかずプラーンとした状態で返すと、ならば水着を作ればいいと言う事になり、更にそこにロベルタが参戦。
全く持っていい事が起こる気配が無いので、俺も俺で水着を作り完成したのが三つの水着。
先ず、1番目のディルムッドの水着は、

「エヴァなら、これが似合うだろう。」

そう言って出してきたのは水着は黒いビキニタイプ。ただ、尻尾の事を考えて下はローレグ使用。
泳いでいると結構危ない気がするのは、気のせいではないような気がする。
まぁ、尻尾の事を考えるとこの使用はありなのか?

2番目のロベルタが作ったのは、

「そんな肌を露出したものはよろしくありません、肌の白いお嬢様にはこちらの方がお似合いです。」

そう言って出されたのは、扶桑皇国の伝統的(?)なインナー。
軍人である美緒少佐も着ているから軍服でもあるはず・・・・。
いや、芳佳はと言うか、学校に通っていた人全員これを着ていたような・・・・・。
まぁ、何を言おうと出されたのは旧旧スク水である。現時点で旧旧がついていいのかどうなのかは別として、
形状としてはそれである。濃紺で体にぴっちり、下腹部には水抜きつきで、後ろには尻尾用の穴が開いているが、
もともとローレグ使用なのでいらないようなきもする。
後は、ご丁寧に胸の部分に『3ねん1くみ えう゛ぁ』と書いたゼッケンがつけてあった。
うん、着る勇気が出るまでちょっと待ってくれ、大体600年ぐらい。
ついでに言えば、色々と突っ込みまくりたい。

そんな2人に、何でこんな水着を作ったのかと聞くと、
ディルムッドは、

「服飾の本を見ていたら、天啓に導かれた。」

と答え、ロベルタは、

「私の中のゴースト達がささやきました。」

と答えてきた。
多分、その二つの真の正体は煩悩だろう。
そう思っていると、二人が言い合いをしだしたので、
俺は俺で作った、泥棒水着(オプションで足に鉄球型浮き輪つき。)を着て、
言い合っている2人を尻目に海に突入して事なきを得た。

まぁ、そんなこんなで今の所は大きな問題も無く、バカンスを楽しんでいる。
だが、何で俺の所には戦闘はピカ一なのに、私生活がダメダメな面子がそろうのだろうか・・・、まぁ、面白いからいいけどさ。
俺が海に入ったのに気がつくと、2人は拳で語り合った後、服の話で盛り上がって仲良くなったと言う経緯があったりする。

ちなみに、ディルムッドにはこの数年でいやと言うほど耳を触られた。
むしろ、こねくり回されたと言った方がいいかも知れない。
と、言うのもディルムッド曰く、

「エヴァの耳を触ると、俺の幸運にプラス補正が付く。
 満足するまで触ると、幸運がワンランクあがる。」

と、真顔で言ってくるのでとりあえず、ためしに触らせてみたのだが、
考えてみれば、それがどうやって上がったのかを知るすべが俺には無い。
つまりは、ディルムッドの口車に上手く乗せられている、よおな気がしないでもないのだが何とも。
ちなみに、そのことに関して突っ込むとディルムッドは

「エヴァ、こういうものは考えるんじゃない感じるんだ。」

と、まるで悟りを開いた仙人のように返された。
アーチャーが凛をいじるのと同じようなものなんだろうか、この耳を触ると言うのは。
まぁ、そんな感じで、日々精神的疲労に苦しむ中間管理職のお父さんのように、胃を痛めたりしながらも楽しくやっている。
そんな事を浜辺でつらつらと考えていると、向こうで咸卦法を練習しているディルムッドがみえる。
ちなみに、咸卦法は今の所発動は出来るようになった。苦節約10年、ようやく実った努力の結果である。
しかし、今度の問題は持続時間。現状では、咸卦法が発動してから約30秒程度で切れる。

これは本人の慣れの問題だろうが、個人的には発動時間よりも一撃の威力の方が今は欲しい。
と、言うのも咸卦法は発動しただけで使用者に疲労が蓄積される。
その事を考えるなら、発動の時間延長は使用しながら伸ばしてもらい、変わりに今の短い時間で如何に一撃を中てるか。
その一撃を当てた後で戦闘が問題なく継続出来るか、と言う所が問題の争点になる。
まぁ、そうはいっても使用者はディルムッドなので、どこをどう工夫して使っていくかは楽しみな所である。

後めぼしいと言えば、10年をめどにしていた闇の魔法も完成を見せている。
ついでに言えば、使ってみて分かったがフェイトの言うようにこれは完全に出力アップのドーピング魔法。
作った俺が言えば世話無いが、それでも使い方一つで悪手にも好手にもなる。
ちなみに、俺の闇の魔法の同調率は高い。と、言うか高すぎる。
俺は元々が凡人なのでトラウマ的な物は無いが、何が理由かと聞かれれば多分俺の思考の問題だろう。
これに関してはもう少し開発と研究を試みたいところだ。

そんな感じでバカンスを楽しみ、ハネムーンから帰ってきたドクロたちと別れ、
現在俺はオスティアと言うか、今まで荒らすだけだった魔法世界を見て回る事にして行動を起こしている。
まぁ、何故先ずオスティアかと言うと、この先で落っこちるから。これが1つ目の理由で、
2つめの理由が航空船の見物。色々なやつから血を吸ったりしていると本当にいろいろな情報が頭に入ってくる。

まぁ、その情報を俺のあまり良くない頭で考えていかないといけないので、俺が人間のままこの力を手に入れていたら、
間違いなく禿げていただろう。そんな情報を漁っていると、オスティアで航空艦隊が作成されたと言う情報が出てきた。
元々オスティアなどの浮遊島がこの世界にはあるので、今更航空兵器と言われてもピンとは来ないが、
元々魔法世界でも屈指の魔法先進国。見ていても将来的に損はないだろう。
そんな感じで今来ているわけだが、

「人の成長とは凄いものだな。アリアドネーに竜に乗って行ったと思えば、今度は機械仕掛けの魚。
 エヴァの言葉じゃないが、人は何処までいけるのだろうな。」

そう言いながら、ここにくるまでに乗っていた航空船を見ながら紅と黄の槍を背負ったローブ姿のディルムッドつぶやき、

「必要な機材と、発想、後はそれを行いたいと思う欲望がある限り、人の歩みは止まらんよ。」

そう大人で狐耳と尻尾を生やし魔法薬の煙を吐きながら俺が返し、
メイド服姿のロベルタが

「過去から衰退はしていますが、魔法の最適化は進んでいるようですね。」

と返してくる。
ちなみに、何故ロベルタが外にいるかと言うと、あの遺跡の中で眠り続けていて外の様子が分からないため。
個人的には、戦闘の時に影から呼んで戦ってもらいたかった。
掛け声は「あるるかん」あたりか、変化球で「其は、錬金術の光が落とす影」とかで呼んでもいいかと思ったが、
最終的には、そのまま「来い、ロベルタ」か、そのまま無言で影から引っ張り出す事にした。
まぁ、今は外に出ているので問題はないのだが。そんなロベルタは、現在日傘を俺の頭上にさしながらカバンを持って俺の横にいる。
ちなみに、なんだかんだで俺が一番身長が低い。まぁ、いいんだけどさ。

そんな感じで町を見ていく。個人的には、アリカのご先祖様とか、黄昏の巫女の一族とか、
会えるなら会っておきたいし、コネ的なものが作れるなら作っておきたい。
まぁ、それはもう少し先にならないと計画が成り立たないので、
現状では資金集めと各国の技術力なんかを分析しながら、見守っていた方がいいだろう。
それに、今まで俺が捕まらなかったのはゲリラ的戦法で、常にいろいろな場所で事件を起こしていたからであって、
俺が絶対に捕まらないという確証もない。
その事を考えるなら、事を起こすなら素早く、尚且つ目立たず、更にいえば、
違和感なくがもっとも望ましい。


ーsideサーヤー


俺達は昔から4人で賞金稼ぎをやっていた。
ギルドにはいろんなヤツらがいたが、1度会って2度と顔を合わせてないヤツなんザラだ。
何せ、この世界は互いの命の取り合い。あいつが死んで賞金首が生きてつかまる。
賞金首を殺して捕まえる。賞金首が死んで、捕まえようとしたヤツが死ぬ。
ここは、そんないつも死神が場っ歩しながら嬉しそうに手招きしているよな場所だ。

そんな賞金稼ぎの間での1番の話題はいつも一緒。
『真祖 エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル』死をもてあそび、死から見放された死のペテン師。
数多の魔法をその身に浴び、それでも死なずに歩き続ける『不死の魔法使い』。
人を殺せば、その死に顔を絶命するまで見続けると言う死神。
その癖に狡猾で、いつどこで事を起こすのかと言う予想もつかず、捕まえる事のできない化け物。

真祖が始めて事を起こしたのがアリアドネーでのサーカス団および、そこにいた来客者への無差別攻撃。
そして、最終的には殲滅魔法でサーカスのテントを破壊すると言う徹底振りを見せた。
奇妙なのは、サーカスのテントから人が逃げ出して、朝日が昇る頃に破壊された事だが、それは問題ではない。
その後、真祖は人形を連れ逃走し、途中で賞金稼ぎ達と交戦する。
しかし、死ぬ事の無い真祖はいつも逃走を成功させ、
結果として、雲隠れに成功した真祖は居場所を撹乱しながら事件を起こし続けている。

そして、今思えばそんな化け物に4人で挑んだ俺達もバカだったのだろう。
いや、ただでさえ凶悪な真祖がわざわざ人形をつれているのか?
その疑問を抱かなかった時点で俺達は敗北していたのだろう。
そして、真祖は逃げる者を追わないと言う噂と、女子供を殺さないと言う噂。
2つとも真実だった。悪かったのは、俺達の感だ。
あの時の悪夢は今でも夢に見る事がある。
当時、真祖が1番目撃されたのはアリアドネーとヘカテスの間辺り。
そこで俺たち4人は真祖を狩ろうとした。

パーティーのメンバーはグライス、カリス、クロラ、そして俺、サーヤ。
構成は魔法使いのカリスと、その従者である剣士グライスとクロラ。
俺も魔法使いだが、今の所従者を持つ気はない魔法剣士。
そんな気心の知れたパーティーで挑んだが、

「グライス、クロラ前を頼む。大きいのを放つから。」

「任せな『来たれ』。」

「はぁ、怖いから時間取るなよ『来たれ』。」

そう言って、2人が取り出したアーティファクトは、グライスが『闘劇舞踏会』。
これは、彼の行動を模倣するイリュージョンを出現させると言うもの。
攻撃力も本人と同じで、本人と重なって出現するため、一度の斬撃が多段ヒットする。
ただし、接近戦のみの形あるものしか模倣してくれない。

そして、クロラのアーティファクトが『彼岸の達成』。
使用すれば、一定範囲から出られなくすると言うもので、地形なんかはそのままに範囲を切り取っているようなものだ。
しかも、罠などを張っていれば、それを展開してからでもちゃんと発動できると言う使い勝手のいいもの。

そして、俺が攻撃兼クロラの護衛としてパーティーに入っている。
その時の真祖を狩る作戦は簡単で、真祖の進行先に罠を張ってクロラの『彼岸の達成』で捕まえ、
後は俺とグライスでダメージを与え弱った所をカリスが止めを刺すというもの。
真祖の再生速度は分からないが、灰にして分けて持ち帰れば大丈夫だろうと考えて、
カリスは炎系の魔法を練習して大規模なものを習得していた。
そして、戦闘に突入してからも俺達の有利はあった。

無論、有利があっても油断は出来ない。
真祖は殲滅魔法なんかも使えるうえ、他の賞金稼ぎの話によれば、接近戦もボチボチと言っていた。
だからこそ、罠を張って手数を増やした。
それに、真祖は子供と言う事を聞いていたので策を弄する老獪さを持つとは俺達は誰1人考えなかった。
現に、真祖と人形はクロラのアーティファクトに捕まり、更に発動する罠に体制を崩し、

「悪いな真祖、俺の剣の錆になってくれ!!」

ザシュッ

「グッ!」

そう言って斬りかかるグライスの剣で腕を斬り飛ばされ、

「子供を殺すのは気がひけるんだがな。」

と、疲れたようにいうクロラの魔法銃でその小さな体を撃ち抜かれたりしていた。
しかし、それでも真祖は止まらない。斬られた腕をコウモリに変え体に戻し、撃たれた傷を再生しながら、戦闘を続行。
俺も、自身の属性である水系の魔法で体を刻んだ。だが、有効と言う風には見えない。
だが、俺達はあくまで足止めで、真の狙いはカリスの魔法。
これさえ成功すれば勝利は絶対だと信じ真祖と、それのおまけの様に考えていた人形を攻撃し続ける。

そう、攻撃し続けていたのだ。
戦闘が始まってすでに半時が過ぎたのにである。
真祖が死なないと言う事は周知の事実として認識があった。
だが、この人形に関してはほとんど情報が無い。
当時あった情報は、派手な色の槍を使うと言う事ぐらいだろう。
だから、誰1人この人形が壊れようが、そうでなかろうが構わず、本命の真祖を狙っていた。

いくら真祖といえども、俺達の連携から逃げる事ができず、魔法も使えないまでに追い込まれていると勘違いして。
更にいえば、この時真祖は魔法障壁を切ってあえてダメージを受けていたのだろう。
真祖の魔力は真祖を追う者にとっては目印になるぐらい大きいのに、それでもダメージが通るのを疑いもせずに。
最初の攻撃が成功したために自身たちのほうが圧倒していると思って。
そして、

「シュルム・ライド・ドナ・ド 契約に従い 我に従え 炎の覇王! 来たれ! 浄化の炎 燃え盛る大剣
 ほとばしれよソドムを焼し 火と硫黄 罪ありし者を 死の灰に!」

カリスの詠唱は完成しつつある。
事実、アレが打ち出されれば勝敗は決すると思っていた。
だが、ここで初めて真祖が口を開いたのだ。それも、詠唱ではなく自身の連れている人形に向かって。

「チャチャゼロ、本命が出た!全てを無視してアレを潰せ!!」

そう言われるや否や両手に槍を持ち、真祖を守っていた人形はカリスの方に飛んでいった。
しかし、俺達は無駄な足掻きと思考から切り捨てた。瞬動を使おうとも距離的に人形が間に合う事はない。
そう思い、俺達も真祖の周りから撤退しだした。しかし、当の真祖はそこに佇んだまま何もしない。

「やった、勝てるぞ!!あの化け物を狩れるんだ!」

そう言ったのはグライス。

「ふぅ、これで俺達も名が挙がるな。」

相変わらず疲れたように言うのはクロラ。
そして、カリスが自身の持つ杖を前に大きく突き出しながらトリガーを引く。

「燃える天空!!!」

馳せる炎は大きく強大。
中れば間違いなく弱い魔法使いなら消し炭と化す広範囲焚焼殲滅魔法。
すでにカリスの目の前まで来ていた人形なぞ障害になるはずのない彼の取っておき。
だが、番狂わせはここからである。彼の目の前の人形が紅色の槍を振るいながら、

破魔の紅薔薇ゲイ・ジャルグ!!!!」

と叫ぶと、とたんに槍がほのかに紅く輝き、代わりにカリスの杖に集中していた魔力が霧散していく。
そして、その光景に誰1人うごけない。
確定された勝利が目の前から遠ざかるその光景。
そして、聞こえてくる死神の声と、仲間の叫び。

「早く引けばよかったものを。そうすればエヴァは追わないのに。」

そう言葉を吐いたのはカリスの前の人形。
すでにカリスに息はない。黄色の槍が彼の胸に生えて、あの状態では回復も何もあったものではない。
そして、それを見てグライス、クロラそして、俺が敵討ちに真祖を襲うしかし。

「エメト・メト・メメント・モリ 魔法の射手・連弾・障壁突破・氷の45矢」

その詠唱先ず、この中で一番弱かったクロラがその体を蜂の巣にされた。
障壁さえも突破して降り注ぐ氷の刃は当たるたびにクロラの体を削っている。

「てめぇ!死ねよ!!死んじまえよ!!!」

そう錯乱したように斬りかかるのはグライス。
切っ先は鋭く速度は速いが、今の彼の剣には冷静さは無い。
あるのは、真祖を殺すと言う一転の思いのみ。
書く言う俺もそのれは変わらない。
真祖は俺の仲間をすでに2人も屠っている。
そんな中、真祖がまた歌うように口を開く。

「襲う者には死を。逃げる者には慈悲を。死の包容は甘く切なく、烈火が如く激しさを持ち汝を蹂躙する。
 生への渇望は人の初原の欲望にして、本能と言う野獣が住まう。さて、貴様は剣を引くか、或いは撤退するかどちらだ?」

その問いに、俺とグライスは剣と魔法で答える。
取れる策は無い。あるのは復讐と言う言葉のみ。
しかし、

「死への覚悟より、生きる事の方が厳しいと言うのに。」

その言葉と共に、大技を避けられ、技後硬直状態になったグライスの心臓が刳り抜かれる。
残るは俺だけ。仲間も無く、助けを呼べる確立もなし。
魔法を使おうとも滅ぼせず、斬り刻もうがいに返さない化け物。
それでも、ここで朽ち果てようと俺にも引けない時がある。

「悪いが、俺は今までの光景を見て引けなくなった。ここで引けば俺はごみ以下に成り下がる!!」

そう言いながら、攻撃しようとするが、突如首の後ろから衝撃が走る。
辛うじて意識を残していると声が聞こえてくる。
聞こえるのは真祖と人形の話し声。

「やめろチャチャゼロ。」

「しかしだな、今ここで殺しておかないと後で何が起こるかわから無いだろ?」

「構わん、そもそもこいつは女性だ。殺す気はない。」

「っ!?・・・・、分かった。」

そう言いながら俺に聞こえてくるのは遠ざかる足跡。
待ってくれ、俺を殺してくれ。
俺に死を与えてくれ。
俺の死はお前の中にしかないんだ、その死を持ったまま何処にも行かずに、俺を殺してくれ。
俺を俺の仲間の持つ場所に・・・・・・・・・・・・・。

コンコン。

「サーヤ隊長、起きてくださ・・・・、どうかされたのですか?」

今、俺は賞金稼ぎを止めてオスティアの艦隊の隊長を務めている。
軍に志願したのは、パーティーが壊滅してすぐ。
真祖の情報が最も集まりやすいと思って、志願し魔法を研磨し、
自身の上れる高みを目指し今の地位にまで上り詰めた。
だが、俺の渇望は権力ではない。
俺の渇望は復讐であり、俺の死を持つ真祖ともう1度戦う事だ。

「懐かしい夢を見ただけだ。で、俺になんの用だ?」

「は!、紅と黄の槍を持った者の情報があがりましたので一応と。」



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