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No.10094の一覧
[0] 萌え?・・・いや、むりっしょ?《ネギまエウ゛ァ憑依》[フィノ](2010/04/03 23:13)
[1] プロローグ[フィノ](2009/11/11 08:53)
[2] プロローグ 2[フィノ](2009/11/11 08:53)
[3] え・・・マジ?な第1話[フィノ](2009/08/01 22:15)
[4] 緊急指令死亡フラグを撃破せよ・・・な第2話[フィノ](2010/02/26 12:17)
[5] 現状の思考と考察・・・な第3話[フィノ](2010/02/26 12:20)
[6] チャチャゼロ・・・・ゼロ?な第4話[フィノ](2010/02/26 12:26)
[7] 良い日旅立ち・・・炎上な第5話[フィノ](2009/08/01 22:19)
[8] 学校とはとにも奇妙なところだな第06話[フィノ](2010/04/13 21:43)
[9] 人間交差点・・・・な第7話[フィノ](2009/08/28 15:17)
[10] 頭痛がおさまらないな第08話[フィノ](2009/08/01 22:21)
[11] 真実は小説よりも奇なり・・・俺のせいだがな第09話[フィノ](2010/04/13 21:44)
[12] モンスターハンター・・・待て、何故そうなるかな第10話[フィノ](2010/02/26 12:29)
[13] 復讐は我にありな第11話[フィノ](2010/02/26 12:31)
[14] 新たな一歩なのかな第12話[フィノ](2010/04/13 21:46)
[15] 肉体とは魂の牢獄なんだろうな第13話[フィノ](2010/02/26 12:36)
[16] 絶賛逃亡中?な第14話[フィノ](2010/02/26 12:37)
[17] 幕間その1 残された者、追うことを誓った者[フィノ](2010/04/13 21:48)
[18] ラオプラナな第15話[フィノ](2009/08/01 22:28)
[19] 思い交差点な第16話[フィノ](2009/08/01 22:28)
[20] 色々とな第17話[フィノ](2009/08/01 22:29)
[21] おいでませな第18話[フィノ](2009/08/01 22:30)
[22] 幕間その2 騎士と主と在り方と[フィノ](2009/08/01 22:30)
[23] 発掘も楽じゃないよな第19話[フィノ](2009/08/01 22:31)
[24] 嫌な確信が出来たな第20話[フィノ](2010/04/13 21:50)
[25] 予想しておくべきだったな第21話[フィノ](2010/04/13 21:59)
[26] あいつらも大変だったようだな第22話[フィノ](2010/04/13 22:14)
[27] 目玉だな第23話[フィノ](2010/04/13 22:35)
[28] 全て世は事も無しな第24話[フィノ](2010/04/13 22:37)
[29] 知らぬが仏、つまりは知らないと死ぬ事だな第25話[フィノ](2009/08/09 13:34)
[30] タヌキとキツネとだな第26話[フィノ](2010/04/13 22:38)
[31] 失態だな第27話[フィノ](2010/04/13 22:39)
[32] さて、どうしようかな第28話[フィノ](2009/08/24 18:15)
[33] 中々にヒドイ事をするな29話[フィノ](2009/08/28 14:04)
[34] 1と0の差かな第30話[フィノ](2009/09/07 12:08)
[35] 時間は勝手に進むものだな第31話[フィノ](2009/09/21 17:04)
[36] 英雄の横顔かな第32話[フィノ](2009/09/28 22:28)
[37] ボロボロだな第33話[フィノ](2009/10/07 00:20)
[38] 夜ももう終わりだな第34話[フィノ](2009/10/16 01:21)
[39] 事故だと思いたいな第35話[フィノ](2009/10/21 19:47)
[40] 幕間その3 曰く、チョーカッコいい男[フィノ](2009/10/29 02:12)
[41] 戦闘or日常さてどっちが疲れるかな第36話[フィノ](2009/11/04 14:11)
[42] 取り合えず叫ぼうかな第37話[フィノ](2009/11/11 13:22)
[43] 気のせいだと思っておきたかったな第38話[フィノ](2009/11/15 20:58)
[44] それぞれの思惑だな第39話[フィノ](2009/11/25 09:56)
[45] 美味しそうだな第40話[フィノ](2009/12/01 16:19)
[46] 互いの牙の間合いだな第41話[フィノ](2009/12/08 01:32)
[47] 幕間その4 仲良くなろう[フィノ](2009/12/08 20:14)
[48] 出発は明朝かな第42話[フィノ](2009/12/18 17:37)
[49] 強い訳だよな第43話[フィノ](2009/12/26 14:10)
[50] 商人・・・、なのかな第44話[フィノ](2010/01/22 01:29)
[51] ケダモノの群れだな第45話[フィノ](2010/01/08 19:08)
[52] 見たかったな第46話[フィノ](2010/01/19 00:19)
[53] 疑うな第47話[フィノ](2010/01/20 01:44)
[54] 無形の有形だな第48話[フィノ](2010/02/03 06:37)
[55] そして歩き出すだな第49話[フィノ](2010/02/03 15:55)
[56] 旅の途中だな第50話[フィノ](2010/02/17 19:39)
[57] 地味に変わってるな第51話[フィノ](2010/02/24 00:17)
[58] 到着、出会いと別れだな第52話[フィノ](2010/02/26 12:10)
[59] 幕間その5 爪痕[フィノ](2010/03/04 23:18)
[60] 難しいな第53話[フィノ](2010/03/06 23:40)
[61] 日常だな第54話[フィノ](2010/03/13 12:39)
[62] その後の半年だな第55話[フィノ](2010/03/22 14:24)
[63] 研究の日々だな第56話[フィノ](2010/04/04 18:01)
[64] すれ違う人々だな第57話[フィノ](2010/04/13 22:55)
[65] 花畑の出会いだな第58話[フィノ](2010/04/25 22:56)
[66] 幕間その6 メイド達の憂鬱[フィノ](2010/05/02 06:47)
[67] 幕間その6 メイド達の憂鬱 中篇[フィノ](2010/05/05 06:13)
[68] 幕間その6 メイド達の憂鬱 後篇[フィノ](2010/05/23 22:37)
[69] ありふれた悲劇だな第59話[フィノ](2010/06/24 21:58)
[70] それぞれの思いだな第60話[フィノ](2010/11/12 06:04)
[71] 強く・・・、なりたいな第61話[フィノ](2010/10/25 22:54)
[72] ブリーフィングだな第62話[フィノ](2010/11/12 14:41)
[73] 彼女達の戦場だな第63話[フィノ](2010/12/01 23:14)
[74] 彼の戦場だな第64話[フィノ](2011/01/26 13:43)
[75] 自身の戦いだな第65話[フィノ](2011/04/18 03:53)
[76] 狗の本分だな第66話[フィノ](2011/04/23 03:32)
[77] 対峙だな第67話[フィノ](2011/05/02 03:37)
[78] 懐かしいな第68話[フィノ](2011/07/07 22:33)
[79] 風の行方だな第69話[フィノ](2011/09/23 23:39)
[80] 彼に会いに行こうかな第70話[フィノ](2011/10/01 03:42)
[81] そんな彼との別れだな第71話[フィノ](2011/10/15 07:37)
[82] 小ネタ集 パート1[フィノ](2009/08/11 22:17)
[83] 小ネタ集 パート2[フィノ](2009/09/21 17:03)
[84] 小ネタ集 パート3[フィノ](2010/02/03 15:53)
[85] 小ネタ集 パート4[フィノ](2010/02/04 03:28)
[86] 作者のぼやき。[フィノ](2010/01/08 00:21)
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[10094] 真実は小説よりも奇なり・・・俺のせいだがな第09話
Name: フィノ◆a5d9856f ID:8813959a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/04/13 21:44
真実は小説よりも奇なり・・・俺のせいだがな第09話




ーsideディルムッドー

 オレの主は普通では無いと思う。吸血鬼の真祖という時点で普通では無いのだが、そうでは無くまず、考え方や行動が年相応では無いのだ。
彼女と2年間一緒に暮らしていて、彼女の身体は少しも成長しない。だが、中身は別だ。そもそも、彼女への不信感は昔からあった。
初めて召喚されて出会った月の綺麗な晩。彼女はオレが欲しい物を的確に提示した上で、自身の要求を通すと言う交渉を行い。
その後、自身と、自身にそれまで仕えていた者の事を考えて屋敷を燃やした。
しかも、闇雲に燃やすのではなく、きっちりと目的を持ちその後の行動方針を持って。

 しかし、そこで不審に思うのは彼女の年齢。彼女はあの時10歳になったばかりだと言った。それであれだけの判断が下せるだろうか?
しかも、ただ判断を下せば良いと言うモノではなく、いきなり吸血鬼にされ、親を殺され、さらには拷問にあっていたという状態でだ。
普通なら、混乱や絶望といったものに捕らわれても仕方が無い。だが、彼女はその素振りさえ見せない。
最初はこれも吸血鬼ゆえの能力かと思った、彼女は血を飲む事で相手の知識を得る事が出来るから、それを利用しているのかと。
だが、屋敷を出てから彼女は今まで一滴も血を啜ってはいない。
一度彼女になんで血を吸わないかと聞いた事があった、それに対して彼女は、

「知識が有っても経験が無ければ意味を成さない。特に、今は復讐を誓い修行の身だ。
 彼我の戦力差だけを見れば私が勝っているのは一目瞭然。魔力にしろ、筋力にしろ、第六感にしろ、それに吸血鬼特有のスキル。
 それだけ見ても勝ってはいるが、それだけでは足りない。相手には私には無い最大の武器が有る。

 それは知識と経験だ。私を吸血鬼にするだけの知識があり、それを行った経験がる。
 その一点がお互いの戦力差を五分以下にする。相手を知り己を知れば百戦危うからず、しかし、相手は私の事なぞ知り尽くしているのだよ。
 それに、今吸血鬼という事実が周りにばれるのは不味い。なまじ人とは違う物はそれだけで差別される。
 最終的にバレルにしても、今はまだその時ではない。」

普通、子供なら憎い相手がいる場合その相手をすぐさま追うだろう。
しかも、吸血鬼の真祖という破格のスペックを見ても追わない手は無いし、大人でもすぐに駆け出すだろう。
しかし、彼女はそれをしない。復讐を誓い、自身を研磨し、その狂気を鋭いナイフのように日々研ぎ続ける。
だが、けしてその復讐を掲げる日々の中でも笑いを忘れず、安らぎを忘れず、余裕を持とうとタバコを吸い自身を休める事も忘れない。
それだけの事が簡単に出来るだろうか?オレはそうは考えないし考えられない。

 そして、体術。俺は初めて彼女と会った時、彼女はフリフリのドレスを着ていた。
それに、こっちに来てからも外に出る際はそれを着ている。さらに、彼女は自身の事を貴族だといっていた。
なので、体術の心得が有ると言っても簡単なものだと思っていた。それに、彼女は魔法使いタイプを選択している。
これだけ見ても、体術が使えないと思っていた。しかし、それもブラフだったのかもしれない。
オレが飛行できるようになり、彼女から木製の槍を貰った頃、彼女が気分転換に模擬戦をやろうと俺に言ってきた。
さすがに、一回目は断ったが彼女の『私は死なない』の言葉で相手をすることになった。

 そして俺は思った、俺は彼女を侮っていたのだと。
最初に彼女は俺に向かい手加減は要らない事、飛行術式になれる為に飛んでおく事などを言って、俺もそれを与えてもいいハンデだと思った。
そして、彼女と対峙してその考えを改めた。俺が持つのは槍、彼女が持つのは何時も吸っているキセルというパイプ。
無論、彼女のキセルは錬金術や魔法で強化されているため折れる事は無い。そして、彼女はオレと対峙してからずっとオレを視ている。
ただ、全体を見るのではなく、目、肩、肘、膝、そして、手に持つ槍の穂先。つまり、オレの攻撃時に必ず動く部位。
胴体なんぞまったく持って注目していない。その上、槍で突けば、刃をキセルで流し、枝を手で取ろうとする。
隙を作って見せれば飛び込むでなく、あえてリズムを崩す、自分で作った隙以外は見向きもしない。はっきり言って厄介の一言。

 熱くなってくれるのならば楽でいい、隙を見て仕掛けるならばカウンターを取ればいい。
だが、それらを一切しようとせず、自身の戦闘を前に押し出し、それを呑ませようとする。
これがただの人間なら、多分それをされても簡単に倒せただろう。だが、彼女は違う。人でなき吸血鬼。
それに、この方法を取るには決定的に時間が足りなさ過ぎる。簡単に言えば、この方法は泥臭い戦闘方法だ。
ひたすらの修練の先で手に入れられる一つの理想。だが、それでもまだ荒い。理想の形まで至りきれていないし、本当の殺気を知らないのだろう。
だからこそ、今のオレでも倒せたのだろう。だが、だからこそおかしい。
十になったばかりの貴族の少女がそんな泥臭さを知っているのが。

そして、今の旅行。なぜ彼女は彼らの事を知っているのだろう。
しかも、その行き先を暗示するような質問をオレにして。
オレは彼女に忠誠を誓った。だが、それでも彼女の事を知らない、彼女は自身の事をあまり語らないから。
でも、この旅行で彼女に聞いてみようと思う。君はいったい今までその瞳に何を写してきたのかと。


ーside俺ー


俺とディルムッドは何でも入る鞄を持ち旧世界に来ている。
目的はもちろんジルとジャンヌ。しかし、あの情報誌を見てからいろいろと準備をした。
年齢詐称薬を作ったり、足りない技術で人形を作ってみたり後は認識阻害魔法やら何やらかんやら。
まぁ、お金に関してはエヴァの家から持ってきた財宝のおかげでまったくもって問題がないのだが、いかんせん時間がなさ過ぎる。
あの情報誌を見て、処刑まで1~2週間を見て準備していたのだが、旧世界へ行くための観測に時間を食われて、
なかなか思うようには行かなかった。まぁ、それでも大半は形になったからよしとしよう。

ちなみに、旧世界ということで今はリングをはずして魔力全快。姿は子供のままだがね、ディルムッドは無論人の姿である。
ついでに言えば、俺がディルムッドに英雄の話をしてから難しい顔をする事が増えた。
まぁ、生きていれば考え事の一つや二つ出来て当たり前なのでスルーしている。

しかし、なんと言うか戦後という事も手伝ってか町は汚いし、裏路地には死体はごろごろ転がってるし変な臭いもするしで最悪である。
これなら伝染病なんか流行っても仕方が無い。そんな事を考えながら移動して、ルーアンに到着。幸いまだ処刑は行われていないようだ。
この時代の処刑は一種の娯楽でもあるので、行われていればさぞ人が集まり罵倒雑言の嵐だろう。
そんな事を考えながら、ジャンヌが捕まっている拘留所などを下見していたら日が暮れたので宿で休息をとる。

「後数日もすれば処刑も行われるだろう。それまでは、こっちでしか出来ない魔力全快での修行をするのも良いだろう。」

そういって、部屋のベッドに座り、キセルで薬を吸いながらディルムッドに言ってやる。
流石に精神世界と現実世界では勝手が違う事もあるだろう。
俺も魔法の練習をしたいが、流石にジャンヌの前に処刑されるのはごめんこうむりたい。だが、生きている聖人の血には興味がある。
趣向品にするにしても、錬金術の材料にするにしても、こういう物は有る時に手に入れておくのが定石だ。
そのために、増血剤の用意やら転送用に術式やらを急ピッチで練習したのだから。

「なぁ、エヴァ少し話をしないか?」

部屋が静かで、外の物音がBGMのけだるい空間で薬の煙をボーっと見ながら、行動方針を模索していた所にディルムッドが話しかけてきた。
最近増えた小難しい顔のままである。別にその顔が嫌いなわけではないが、優男のしかめツラと言うのはなんとも見ていて居心地が悪い。

「何だ改まって?別にいくらでも話はしてやるが、題目は何だ?」

「・・・・、『エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル』という少女についてだ。」

それを聞いた瞬間、俺はついに来たかと思った。
考えてみれば分かると思うが、俺は自身の行動で一度も十歳の少女然とした行動をとっていない。
それに、それ以外の面にしても、おおよそ貴族の少女が取るとは思えない行動をしている。
ディルムッドがその事を聞いてくる事が無ければ、俺も話さなかっただろうが、その事を聞かれれば答えるしかない。
言って見ればこれは忠義に対する礼だ。

「いいだろう我が騎士よ。いったい何が聞きたい?」

「主の成り立ちと経験について。主の今までの行動はいくらなんでも十歳の貴族の少女では無い、逸脱しすぎているんだ。
 俺は主に忠義を誓っているその上で、我が主の事を知りたい。」

なるほど、こいつも良く視ている。流石は英雄という事か、物事の本質を突くいい質問だ。
さて、ならば話そうか俺の荒唐無稽にも程が過ぎる俺の体験を。

「いいだろう。話してやるとも、この場で話す事は真実だとゲッシュしてもいい。」

そして俺は話した。名前も思い出せない俺に起こった事、エヴァに起こっていた事、そして闇の中での事。
ディルムッドは終始俺の言葉を静かに聴いていた。そして話し終わると質問してきた。
まぁ、性別に関しては話てないのだがね、それは些細な事だろう。
姿、形なぞ吸血鬼には問題ない。

「・・・・、主は無理やり今の状況に置かれたと言う事ですか?」

「いや、それは無い。確かに最初は無理やりだったかもしれないが、今はそれ以上にこの世界を楽しんでいる。
 少なくとも私は私の足で歩いている。 それでも不満が有るなら私の前から去れ。」

今まで聞いた事を頭で理解しようとでもしているのだろう、目を閉じて無表情に天を仰いでいる。
俺としてはコイツがいなくなるのは惜しいが、これを話して俺の前から去る事を選択するというなら仕方の無い事だ。
そう思い、もうどれくらいの時が過ぎただろう。ゆらゆらとキセルから昇っていた煙はいつしか消えている。
そして、ディルムッドが目を開け、片膝を付き俺の目を見て話す。

「私が、我が主の元を離れる訳がありません。貴女が自身の足で歩いているのなら、私はその道の先にある障害を取り払いましょう。
 貴女が躓き怪我をするような事が起こったなら、誰よりも先に駆けつけその傷を癒しましょう。
 フィアナ騎士団の騎士ディルムッド・オディナはそのすべてを主の忠義のために捧げます。」

そう言って頭をたれる。
騎士の礼節なんぞ知らんが、こいつは俺にその礼節をもって接しているならば、主としておかしくない行動を取ろう。
そう思ってディルムッドの前まで行き、キセルを手に持って言葉を紡ぐ。

「そうか。ならば先ず、キサマはもうフィアナ騎士団の騎士ではなく、
 たった今この時この場よりエヴァンジェリン・A・K・マクダウェルの騎士として行動しろ。」

そうして、両の肩をキセルで叩いてやる。

「はっ、その任この時この場よりわが身が朽ち果てるまで拝命いたします。」

そう言って、顔を上げ互いに笑いあう。俺も気づかなかったが、コイツにはなんだかんだで精神的に助けられていたのだろう。
久々に見たコイツの笑顔はなかなかに綺麗だった。

笑いあった後、俺はキセルに薬を詰め吸いながら思い返した。
最初の闇、あれは一体なんだったのだろう。少なくとも、彼女は俺というよりは闇に食べられたような気がする。
そして、俺は目覚めればエヴァになっていた。

あの空間を表すなら・・・・、根源なのだろうか?両シキつまり、遠野と両義は一度死んで生き返り根源に通じた。
俺は死んで別の形で今を生きている。未来永劫きっと朽ち果てる事の無いこの身体で。
まぁ、そのあたりも探るとしよう。そんな事を考えていると、ディルムッドが後ろから抱きしめてきた。

「・・・、一体何のつもりだ?私の身体にでも欲情したか?」

「いや、そうじゃない。ただ、俺の主がココにいる事を感じたかった。」

「そうか。」

抱きついたまま好きにさせてやっていると、スッとやつの腕が伸び俺の加えていたキセルを俺の口から奪い、いきなり吸い出した。

「・・・・、キサマ何をしている?」

「いや、エヴァがいつも吸っているからそんなにいいモノなのかと思ってね。しかし、これはまたなんとも。」

そう笑いながらイスに座りキセルを俺に返す。俺もそれを受け取りベッドに座る。

「はぁ、まったく。」

そういってまたキセルで煙を吸い出す。考えるのはこれからの事、ジャンヌとジルをどうするかだ。
救える方法もあるし、見殺しにする事も出来る。一番いいのは、歴史を変えずに助ける事だろう。
ついでにここで恩を売っておくと何かいい事が有るかも知れない。
まぁ、しないならしないでもかまいわしないんだが、

「おいチャチャゼロ、キサマは二人の英雄を助けたいと思うか?」

そう聞くと、少し考えた後、

「俺としては助けれるものなら助けたいかな、少なくとも二人とも騎士で、国のために尽くしたんだろ?」

なるほど、コイツは二人のどちらかを自身に重ねたか。まぁ、それなら助けるとするか。
ついでに、血を採決できればよし、ジルから財産の半分でもせしめれればなおよし。
金は少なくとも邪魔にはならないし、事を起こすなら必要になる。

「ならば行動を起こそう。クックックッ・・・、なに、悪魔との契約だ不法な料金の代わりに望む事はしてやろう。」

「悪だなエヴァ。」

「今更だなチャチャゼロ、キサマにも分かるようになる。行くぞ!」

やる事はいくつか有る。まず一つに、ジャンヌの救出。これについては、昼間に場所把握しているから問題ない。
二つめ、ジルの意思の確認。ジルがジャンヌを求めていないのなら、彼に彼女を合わせる理由がない。
まぁ、求めているだろうと思うから、これは形式上の確認だ。
三つめに、ジャンヌにもう戦場に立たないという誓いを立てさせる事。
いまさら、大規模な戦争の旗持ちなんてやって貰ってもまた大量に人が死ぬし、今はもうそんな事をする必要性がない。
最低限やらせるのはこれだけだろう。後は、こちらがどれだけ有利に立てるかだ。


ーsideジルー


「おぉ、神よ。なぜ貴方は私達を見捨てたもうたか。」

長い戦争がもう時期終結というさなか、私が最も敬愛していた聖少女様が敵の手に落ちてしまった。
何故だ、一体何故なのだ!私たちは貴方の導くままに戦い、導かれるように輝かしい勝利を収めてきた・・・・、なのに何故今なのだ!
その上、彼女は異端と罵られ火刑にかかろうとしている。あれほどまでに勇敢に戦いフランスの為に尽くし、神のために身を捧げたのに何故だ!
あまつさえ、助け出そうにも兵は居らず、王と顧問官達は今の状況を見ても一切兵を出そうともしない。
何故だ、何故だ!何故だ!!何故なんだ!!!!権力が欲しいのか?金が欲しいのか?
馬鹿らしいそんな物、聖少女様の前では泥の塊に過ぎんと言う事が分からないのか?

「神よ、貴方がそのつもりならば私はもうかキサマヲアガメナイ。
 この身が朽ち果てるまで、キサマヲ呪い続け、アクマトノ取引にも応じよう。」


ーside俺ー


「・・・、エヴァあれが本当に英雄なのか?どう見ても危ない人にしか見えんのだが。」

「あぁ、あれで合ってる。あの狂いっぷりは間違いなく本物だ。
 しかも、彼女の処刑を聞いて聖処女から聖少女といっているのだから何とも。」

現在俺とディルムッドはジルの居城であるマシュクール城に来ている。
そして、こっそりジルを見ようかと思って、出くわしたのがこの状況。いや、なんと言うかイッちゃってるね。
なまじ顔が普通に美形だから、よりイッちゃってる感倍増だ。まぁ、だからこそ付け込める隙があるとも言うのだがね。
まったく持って好都合だ。ついでに言えば、この時代の処刑の際には処女を殺すといけないと言う決まりがあり、
ついでに、彼女が人の娘である事を知らしめるため陵辱される。

「さてと、ヤクザな交渉でもしに行くか。」

「いったい何を貰う気なんだエヴァは?」

「簡単なものだ、カネだよカネ。ゴールドの方が嬉しいが、まぁ、貰える物は統べて貰うとしよう。」

実際、今のジルには莫大な遺産がある。それを代価にお好きな聖少女様が手に入るのだから安いものだろう。
それに、このままジルに財産があればまた戦争を始めかねん。心なしかディルムッドが呆れているような気がするが、
生きて行く上では色々といるのだよ。そんな事を言いながら転送魔法を準備する。行き先はもちろんジルの目の前。
全身をすっぽりと丈の長いローブで隠し、口元だけ見えるようにしてキャスタールックの出来上がり。

「交渉の場に着いて来るか?」

「いや、止めておこうヘタに行くややこしくなりそうだ。」

「そうか、ではちょっと行ってくる。」


ーsideジルー


狂おしい程までに神を憎み始めていた私の前に悪魔が舞い降りた。
見た目は小さな子供ぐらいだろう、だが、目の前の存在は人の枠では当てはまらないと、戦場で鍛えた感が言っている。
あれは危険だと、あれと交渉してはならないと。だが、それほどまでに頭で分かっているのに、目の前の存在から目が話せない。
そして、それが口を開き喋り出した。脳を蕩かす様な甘美な声で甘い甘い悪魔のささやきを。

「神を憎みし元帥よ。そなたの言葉に答え願いを叶えよう。代価はそなたの財産すべて。
 それが飲めるのならば、ここにキサマ自身の血を持って契約としよう。」

そういって差し出されたのは、一枚の羊皮の用紙。これに私の血を持って印を押せば願いが叶うのだろうか?
あの聖少女様が手に入るのだろうか?それならば、是が非でもない。金などいくら積んでも勿体無いなどとは思わない。
私はその用紙を自身の手にとって目の前の悪魔に声をかける。

「悪魔よ、貴方は本当に約束を違える事は無いか?」

私に言葉を聞くと、目の前の悪魔が微笑んだ。
無論ローブで顔は見えないが、それでも笑っている事が幻視できる。

「血の契約とは、我等が最も尊重する物。それを破る事は無い。」

それを聞いた私は、すぐさま用紙に自身の血で契約を結んだ。
それを書き上げた後、悪魔に渡し契約成立となった。
そして、悪魔が去り際に、

「娘はここに連れてくるとしよう。
 連れてくる日取りは処刑の日、代価の支払いもその時だが、万が一用意されていなければ全てを灰燼に帰すと思え。」

そういって、影の中に消えていった。私は契約してしまった悪魔と。ならば、用意するしかないだろう私の全財産を。
カネなど、今の地位にいればいくらでも手に入る。その事を考えればこの取引はけして悪くは無いはずだ。

「フフフ、フハハハハハ・・・、帰ってくる、あの清らかなる聖少女様が私の元に返ってくる。
 あぁ、神よキサマはまったく持って使い物にならないクズだ。もう私はキサマの事を信じない。これからは、悪魔を信じるとしよう。」


ーside俺ー


なんか、イケナイ道に一人叩き落したような気がするが、まぁ、元が元だから問題ないだろう。
そんな事より、これからの行動が大変だ。今のジルの城からルーアンに戻り、一芝居うたなくてはならない。題目は天使と聖少女だろう。
ジャンヌ・ダルクの伝説に火刑にあっても心臓が焼け残ったという伝説がある。
とりあえず、これを再現するとともにジャンヌの身代わり人形も用意しなくてはならないが、幸いな事に人形はすでに準備してある。
後は入れ替えるタイミングの問題か。

「おい、チャチャゼロ後で台本を渡すから目を通しておけ。」

「なんだかややこしい事になりそうだな。まぁ、君が望むなら楽しむとしよう。」

そんな事を話しながら、文字どおり飛んで帰って来たのはルーアン。
大至急で台本をでっち上げてディルムッドに渡し、俺は俺で人形やら何やらの準備に入る。
処刑の日までわずかしかない、出来る限りの手は打ってやるだけの事はやろう。あ、ここだけの話ジャンヌの血ゲットしました。
吸うのではなく採血で。量は2リットル位抜いたけど、増血剤のおかげで割かし元気っぽいです。まぁ、登場する時があの格好と名前ならね。
ついでに、ジャンヌ・ダルクという名前も奪い完璧。ただ例外として、ジルの前ではジャンヌを名乗ってもいいと言う事にして。
そうじゃないと、下手すると殺されかねん。


ーそして、処刑の日の当日ー


上空約600メーター、この位置なら地上の人からばれないだろうと空のド真ん中にディルムッドと陣取っている。
ちなみに、俺の姿は年齢詐称薬で約19歳ぐらいまで上げている。着ている服は白いローブだが、背中に氷の羽を生やして天使っぽくしている。
ついでに、手にはそこら辺で買った剣を持ってミカエルの出来上がり。

いろいろな説があるが、ジャンヌにミカエルなら問題はないだろう、彼女に信託をもたらしたのがミカエルと言う説があるくらいだし。
ディルムッドには、羽を生やしてやる事は出来なかったが、代わりに宝具を持ってもらって威厳を増してもらった。
ここまですると、ほかの魔法使いたちに気づかれそうだが、実際に俺の本体もディルムッドの本体も見せていないので、追うのは困難だろう。

「始まったみたいだなエヴァ」

地上には火刑用の十字架を中心に多くの人が集まり、口々に罵声や恨み辛みを発している。
究極的に見て英雄も人殺しも大差は無い、ただ、あるのはいつどこで殺したかという事だろう。
戦争中の言葉で一人殺せば殺人者、十人殺せば大量殺人、百人殺せば英雄というのがある。
ようはそれだけだ、英雄のように数多の血を浴びれば、それだけ怨嗟の声が増え、いつしかそれに取り殺される。
それに、英雄であるためには一度も負けない事が絶対条件だ。もし負けてしまえば、今眼下に見える彼女のようになるだろうから。
正義と悪との定義で、いつも強い方が正義として成り立つのは、簡単な話し、数の暴力の賜物だろう。
負けてしまえばそれだけ多くのモノを失う。そして、それを取り戻そうと足掻きいつの間にか悪に落とされる。

「滑稽な事だな。勝手に戦い勝手に死んで、それでも前を目指そうとした彼女の結果がこれか。」

「気に食わないのか?」

「いや、そういう問題ではない。根本的に考えが違うから話にすらならん。さて、そろそろ始めるか。」

そのかけ声と共に、広場の真ん中に急降下。今現在ジャンヌは張りつけになって天に向かい祈りを叫んでいる。
心の中でため息が出る。少なくとも、神は祈りを捧げた位では手を差し伸べないと言うのに。
いくら、今磔になっているのが人形ジャンヌだとしても哀れすぎる。人形と入れ替えたのは採血の時だが、
その際、彼女の血を飲んで彼女の行動パターンを読み取り、今目の前のジャンヌ人形に魔法でトレースさせている。
だからこそ、目の前の人形は忠実に彼女を演じてくれている。

「神よ、すべての子らの父よ。私を救いたまえ、私は貴方の神託により王太子を戴冠させ、
 オルレアンを解放し、フランスの勝利も目前と言うのに。」

ジャンヌの祈りは人々の嘲笑を買い、そのせいでさらに野次が飛ぶ。とっとと終わらせようこんなくだらない茶番劇。
そう思い、優雅に広場の真ん中に降り立つ。背中にある氷の羽を羽ばたく様に扱って小さな動作にも気を配りながら宣言する。
こんな羽が生やせるのも、魔力操作を練習したおかげだろう。

「わが名はミカエル、この者に神託を与えし大天使長。聞けよ民衆。この者の裁きは我々が行う。
 何人たりともその意見を覆す事はならない。これはメタトロン様の意向でもある。」

そういい、集まっている民衆を見回す。辺りでは、突然の光景に地に座すもの。
頭をたれ崇める者など、さまざまだ。ここで下手な事を言う輩がいたら火よ灯れで火達磨にしている所だが、
幸い登場の仕方からして演出したおかげでそんな奴はいない。まぁ、いきなり空から羽を生やした人間が降ってきて、
あまつさえ天使だと名乗れば正常な判断をそぐには十分だろう。

「すべての事柄は私が預かろう。裁きを下し、浄化を行い、この穢れた世界から魂の開放を行い、神のおわす所までこの者の魂を運ぶとしよう。
 大天使長よ、浄化を行い奇跡をこの場に示せ。」

ディルムッドが威厳たっぷりに黄色い短槍を使い俺に向かって指示する。
ディルムッド両の手には彼の宝具が握られ、さらに、俺が過剰供給とも言えるまでの魔力を流し込んでいるおかげでオーラっぽいのが見える。

「あぁ、天使様。私は神のおわす所に登る事が出来るのですね、私の魂はこの時浄化されるのですね。すべてを貴方様に任せます。」

さて、後はとっととこの人形を燃やし、心臓を拾って暇するとしよう。
宿で眠りの霧を使って寝かしているジャンヌも、後どれくらい寝ていられるか。

「裁きはわが剣に、安息は死の後に、神託に従い戦いし娘よ。もう、汝に下す神託は無い。魂の休息を。」

そういい終わると同時に、すでに詠唱を完了していた火よ灯れを使い火柱を上げ人形を焼く。
ちなみに、この人形は木製なのでよく燃える。心臓だけを陶器で作り後は灰にしてしまえば証拠隠滅完了。
これだけの人が人形をジャンヌとして見た上にそれが浄化されたのだからもう、ジャンヌは社会的に死んだ事になる。
もう彼女が戦場に立つ事はないだろう。実際の彼女にも今と同じような事を言い、すでに神託に左右されないようになっている。
すべて焼き終わり残った心臓をディルムッドに捧げながら口を開く。

「すべてが終わり、この焼け残りし心臓が聖者の証。メタトロン様この者を聖者の列に加えてくだされ。」

そういうと、ディルムッドが心臓を受け取り口を開く。その声はどこまでも厳かだ。

「しかと聞き届けた。この者を聖者の列に加えよう。聞けよ民衆、この者は神の名の下に聖者の列に加わった。
 何人たりともこれを覆す事を許さん。では、もう旅立とう。この者の魂を神へ捧げるために。」

ディルムッドがそう言うと、俺は氷の羽を広げ空に飛び立つ。ディルムッドも心臓を持って付いてきている。
とりあえず、上空2000メーターぐらいまで上がれば大丈夫だろう。

「ふぅ、終わったなエヴァ。なかなかに面白い見ものだったじゃないか。」

「私には三流劇にしか見えんよ。デウス・エクス・マキナもいい所だ。本来なら、神による救済など起こりはしない。」

そんな事を言いながら宿に帰り心臓を鞄に収める。さて、後は寝ているジャンヌをつれてジルの所に行き報酬を頂くとしよう。
そして、ジャンヌを担いでジルの居城であるマシュクール城へ。

正直、ジルにジャンヌを渡していいか悩む所が有るが、お互い戦場で背中を預けた中だ、そうそう酷い事にはならんだろう。
なったらなったで、そこまでは流石に保障はもてない。もちろんジルの前に登場する時はキャスタールック。
薬の効果も切れたのだろう元の身体に戻っている。

「さて、行ってくる。キサマは鞄を持って先に行き片っ端から詰めだせ。」

「了解、まぁ、正当な報酬だな契約もあるし。」

そういうと、影のゲートを使い二人して城の中に入る。


ーsideジルー


今日は一日まったく持って落ち着く事が出来ない。今日は私の聖少女様が帰ってくるのだ。そう、とうとう彼女が帰ってくるのだ。
聖少女様の為に美味しい食事も用意した。悪魔のために、全財産をすべて地下にまとめて用意した。
これでもう憂いはない、後は来るのを待つばかりだ。あぁ、まだかまだかまだか・・・・、早く聖少女様に会いたい。
そう思い、時刻はもう夕暮れあたりは夜の灯りが降りてきているのだろう。すでに部屋は薄暗く、数本の蝋燭のみが灯っている。
そして、気がつけばその影から這い出て来たかのように、数日前に現れた悪魔が何かを担いで佇んでいた。

「元帥よ、約束の品だ。」

そういって、担いでいたものを床に置く。
そして、その担いでいたものが人だとわかり、顔を見た瞬間自身の感情が止められなくなる。

「聖少女様・・・、聖少女様!聖少女様だ!!帰ってきた私の聖少女様が帰ってきた!
 あぁ、なんという事だ、神にも出来なかった奇跡たった今悪魔の手で起きた。ははは、神よ、やはりキサマはクズだ。」

一刻も早く聖少女様に触れたいと、駆け出そうとした時、悪魔が手を前に出し止まれの姿勢をとる。
一体なんだと言うのだ、目の前には聖少女様がいるのに。

「代価を・・・、いったいどこに準備してある?」

「あぁ、そんな事か、地下にまとめて全部置いてある。好きに持っていけ!」

「そうか、ならそうするとしよう。」

そういうと、悪魔は闇に飲まれ消えていった。残されたのは私と聖少女様の二人だけ。
あぁ、これからはけして貴女を放しませんよ聖少女様。


ーside俺ー


とりあえず、やることは終わったし、後は金を詰めるだけ。しかし、流石はジル・ド・レイ財産の桁が違う。
エヴァの城も凄かったが、こいつの財産はそれよりもすごい。地下にあると言うので、見に来たが部屋全体が金で埋め尽くされている。
そう思い見回していると、先に詰めていたディルムッドが現れ、二人で金を詰めて、どうにか詰め終わった。

「ふぅ、流石に疲れたな。エヴァ、これからどうする?」

「いったん宿に帰って休んでから帰るかな。授業を休むのもよくない。」

そういって、ジルの城を後にし、休息の後新世界に帰る。
しかし、この時に気づいておくべきだったのであろう。
俺を追う影がゆっくりと、だが確実に迫っている事を。


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