超・番外編……というかNG-SS
『ギル様ご乱心』
士「いくぞ英雄王……武器の貯蔵は十分か?」
ギ「クッ……抜かしたな、雑種!」
(ゲート・オブ・バビロン、オープン)
士「ん? アレ、なにげにショボくないか、ギルガメッシュの攻撃」
確かにさまざまな宝具が飛んで来る。飛んでは来るのだが……たとえるなら、
五月雨というか、雨だれ? とても豪雨や嵐にたとえられるような迫力のある
物量ではない。
妖「ええ、人類最古の英雄にして、古今のすべての宝具の原型を持つ者とは思えませんね」
咲「出し惜しみしてるのかしら?」
凛「じつは、意外に貧乏性?」
桜「ゲートのどこかが詰まってるとか」
ア「ちょっと、桜、水道管じゃないんだから……」
ギ「う、うるさいぞ、雑種ども! 我の…我の、GOBがこうなったのは、
貴様の義母親(アサシン)のせいではないか、雑種!!」
士「―ハァ?」
半泣き状態のギルガメッシュが語ったところによると、前回の聖杯戦争の
最終決戦では、ギルが打ち続けた宝具を紫さんがスキマで飲み込み続ける、
という展開になったらしい。いかに数千、数万の宝具の原型を持つ英雄王と
言えど、四次元ポケットさながらに物を収納しておける紫さん相手では分が
悪かったらしい。もっとも、紫さんのスキマを利用した断層攻撃も、ギルの
乖離剣とやらで相殺されたため、双方手詰まりに陥ったらしいが。
ギ「返せ! ドロボー! 我の宝具を返せよ~!」
その時のショックを思い出したのか、幼児退行している英雄王。
どうやら、紫さん、飲み込んだ宝具一部は打ち返したものの、残りは全部
ガメてしまったらしい。
ん? そういや、ウチの倉にころがっていた、いろいろな武器防具の類いは
ガラクタだとばかり思ってたけど、もしかして……。
こうして、聖杯戦争の最終決戦は、思いがけない形で、幕を閉じたのだった。
<どっとはらい>
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……いや、冗談ですよ?
「東方聖杯」本編は、こういうことにはなりませんから。
17話が思うように進まないので、ちょっとした息抜きを書いてみただけです。