<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


No.7384の一覧
[0] 戦国ランス 現実→転生 オリ主、オリ有り 【習作】 第6話うp[てすと](2009/04/01 19:54)
[1] 第1話「え?戦国時代の日本じゃなくてJAPAN?」[てすと](2009/03/15 23:53)
[2] 第2話「まさか死亡フラグが建ったキャラに転生するなんて・・・」[てすと](2009/03/16 14:53)
[3] 第3話「まずは死亡フラグの回避が先決です」[てすと](2009/03/16 14:52)
[4] 閑話1 ~妹から見た兄~[てすと](2009/04/01 15:48)
[5] 第4話「あと少しで原作開始」[てすと](2009/03/26 12:54)
[6] 第5話「意外なところで出会うもんだ」[てすと](2009/03/28 18:42)
[7] 第6話 「あれ?なんでこんな事になってるんだっけ・・・」[てすと](2009/04/01 20:07)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[7384] 第6話 「あれ?なんでこんな事になってるんだっけ・・・」
Name: てすと◆851f9a6e ID:e1742470 前を表示する
Date: 2009/04/01 20:07
まだ日も昇りきっていない時刻。
濃い霧が立ち込める中、大勢の人の気配がする陣。

緊張感が徐々に高まる陣の中でそんなことを呟いてみる。
周りは皆忙しげに走りまわったり、じっと精神を集中させている物もいる。

ふと視線をあげると存在そのものが陣の中で間違っているようなものが見える。
どこかのんびりしたような様子の男が陣の中央の椅子に腰掛けている。
その横では忙しそうにわたわたしている高価そうな着物を着た小柄な女の子。

ここがイクサが始まる前の陣の中でなければ、そこまで違和感はなかったのかもしれない。
しかし、ここは陣の中であり戦が始まろうとしている真っ最中である。
なんというか雰囲気ぶちこわしだった色々と。

「あぁ・・・本当に戦が始まるんだねぇ。」

男がまるで他人事のように呟く。
陣の真ん中にいるということは、男は常識でいくと総大将。
その身にまとう雰囲気と優しげな表情からは、今から殺し合いしようとしているものの顔には見えない。
隠しているのか、本当になにも考えていないのか。

端から見ればよくわからない風である。

「兄上、なにを暢気な・・・」

男の言葉を聞いて立ち止まりながら、綺麗な着物を着た小柄な少女が突っ込みをいれる。
その愛らしい顔立ちから、あと数年もすれば美人になるだろうとわかる。

「それに、そのような普段着で。せめて鎖帷子ぐらいお召しください。」

半ば諦めながらの言葉であったが、それは少女が兄の身を案じていることが伝わる。

「うんうん。わかったよ、コウ。」

妹の優しい心遣いに顔を綻ばせながら答える兄。
そっと少女の頭に手をのせ、慈しむように優しく撫でる。

<ぽんぽん なでなで>

兄の横でかわいらしく頬を膨らませながら怒っていた少女の顔がほころぶ。

「も、もう!緊張感がありません、兄上!」

急にハッとした表情になり、慌てて突っ込みをいれる少女。
どうやら兄の撫でスキルはかなり高いレベルのようだ。

「うんうん。よしよし。」

そんな妹の様子をほほえましげに見つめながら兄が応える。
どうやらこの兄、妹で遊ぶ・・・もとい弄るのが趣味のようである。

「人の話を聞いてください!」

妹はそんな兄の様子に気づいたのか、可愛らしい声で注意する。
しかし、ちょうど陣の中に人が入ってきたためスルーされてしまう。
陣の中に入ってきたのは、JAPANの軽鎧を着込んだ右肩に刀をかけた若い少し大柄な女武者だった。髪は紫色で凛々しい顔立ち。男勝りであるのがうかがえた。

「信長様。よろしいですか?」

「うん。なんだいお乱。」

妹をいじっていた時とは打って変わって真剣な表情で聞く信長と呼ばれた男。
その眼差しは、今までの調子がまるで嘘だったかのように感じられるほど力に満ちていた。

「偵察兵が戻って参りました。」

淡々と説明する女武者。その様子は冷徹というわけではなく、その報告をうける信長という男を信頼しているからこその態度であるということがうかがえる。
お乱と呼ばれた女武者乱丸は、そのまま報告を続ける。

「久保田法眼の陣が、全面に展開。総数は約800。
正面に久保田亜月、平沼元の軍が、配置済みとの事です。」

淡々と報告が告げられる。
報告を聞いていた男は少し悲しげな表情をしていた。

「そっか・・・本気なんだな・・・」

男は軽く返すが、本気で残念がっていることが表情と口調からにじみ出ていた。

「本気でなければここまでしません。」

「うん・・・それもそうだね。」

どこか遠くを見るように呟く信長。
そこに今まで信長の横に控えていた、ひょろりとした男が前に進み出る。

「信長様、この光秀にもう一度、久保田法眼の説得をさせて下さい。」

光秀と名乗ったこの男こそ、この信長率いる織田軍の軍師である明智光秀その人であった。
信長、香、乱丸の前に進み出る光秀。

「今は、織田家内部で内乱なんぞしている時ではありませぬ。
この戦、他国を喜ばすだけで我が方に利はありませぬ。」

こんこんと信長に理由を説明する光秀。
その時光秀の背後から、大きな影がぬっと現れた。

「そんな事はわかっている。
だけど売られた喧嘩は買わなくちゃ、男がすたるだろう。」

そう言い放つ影の正体。大きな槍を担いだ大男であり、その風貌はどこか熊を思わせた。
この人こそが織田家の忠臣の1人柴田勝家である。

「そんな単純なことではない。」

嗜めるように言葉を放つ乱丸。

「光秀殿もご存知だろう?
久保田の背後についている者の事を。」

そう言葉を続けて光秀を見る乱丸。
光秀は心当たりがあるのか言葉に詰まってしまった。

「足利・・・か・・・」

信長がポツリと呟く。

「むう、久保田のめ。男らしくない。」

そそのかされたことが面白くないのか、鼻息を荒くしながら勝家が言い放つ。

「まあ・・・なんでも利用しようという積極性と合理性は、誉めたいところかなぁ。」

どこか他人事のように呟く信長。

「またそのような事を。」

乱丸が間髪いれずに注意する。

「いや・・・本気でそう思うから・・・。」

どこ吹く風といった風に応える信長。
その言葉を聞いて勝家は泣きながら情けないと嘆いていた。

「裏切り者さえ悪く言う事のないJAPAN一寛大なお館様に、楯突くなど・・・」

心底くやしそうな様子で勝家が呟く。

「しかし、信長様。
奴とて裏切りたくて裏切ったのではないかもしれません。
ですから、いきなり戦わず、まずは話し合いを・・・」
「ええい!女々しいぞ、光秀!」

それでも尚話し合いを提案する光秀に対し勝家が言い放った。

「久保田に足利が近づいていたのは、
前々から分かっていたことだ。
どちらがどちらを利用するつもりでいるのか知らぬが、
織田転覆を謀っているのは、紛う方なき事実。
庇い立ては無用だ、光秀。」

さりげなく光秀に止めを刺す乱丸。
光秀はまだ唸っていたがさすがにもう話し合いを提案するつもりはないようだった。

「まあ・・・このような事、機会がなければ
起こりえぬものではあったがな・・・。」

どこか諦めたような表情をしながら乱丸が呟く。
陣の中に気まずい空気が立ち込めていると、
そこに霧の向こうから陣の中央に近づいてくる者が2人。

周囲の者がまとっている甲冑とは違う種類の甲冑の金具の音。

信長に「おう」と言いながら入ってくる緑の服の上に大陸鎧を着込んだ男が陣の中央にやってくる。

「おかえり、ランス。」

信長が声をかけると、ちょうどその時ランスの後ろからもう一人の人物が顔を出した。
ピンクのもこもこヘアーを結い上げて着物を着たランスの付き人、シィルだった。
息も絶え絶えでどこかバテたような様子である。

「シィルさんもおかえりなさい。山道は大変だったでしょ?」

へとへとになっているシィルに香は気遣いながら、水の入った竹のコップを差し出した。

「あ、ありがとうございます。香姫様。」

シィルは礼を言いながらそれを受け取る。

「はい、ランスさんも。」

「うむ、ご苦労。」

ランスは大仰にうなずきながら水を受け取り、それを飲む。
水を飲み終えたランスの様子を見て信長が口を開く。

「で、どう?俺の軍隊は。」

「うむ、グッドだ。思ったより訓練されているではないか。」

上機嫌にランスは応える。

「まあ、JAPANは戦の時代だからね。一応、備えはしてあるよ。」

ハハハと笑いながらそういう信長。
ランスはその様子をみて気になったことを口にしてみた。

「しかし、軽装だな。強度は大丈夫なのか?」

少し疑うようにランスが尋ねる。

「俺からすれば、橋の向こうの人たちは重装備すぎるなぁ。」

「ふん。これぐらいがちょうどいいのだ。」

信長の言葉に胸を張りながら答えるランス。
橋の向こうの大陸の東にあるリーザスでは、JAPANで使用されている鎧よりも重装備なのだ。
大陸の北の方にあるヘルマンには重歩兵もおり、その装甲の厚さはリーザスよりも厚い。
そんな鎧を見たことがあるランスにとってJAPANの甲冑は少し頼りなさげに見えてしまったのだ。

「さて、どうするかな。」

ランスが考え込むように言う。

「君の好きに。尾張は君に任せたんだから。」

かなりすごいことをあっさりという信長。

「うむ、そうだな。
俺様がこの国の影番様だからな。
では好きにさせてもらうとするか。

というか、いいのか?
あいつ、元はお前の部下だろ?」

「うん・・・そうだけどね。
こーいう時に謀反を起こすという事は、
別の理由でもいつかやっちゃうんじゃないかなぁと思うんだ。
だから、しかたないかな。」

どこか抜けているようで、的を得た事を言う信長。
その信長の言葉にうんうんと頷くランス。

「わかった。ではやるぞ!」

ランスは大きく声を上げ陣から出て行く。
勝家は応!と掛け声をあげてその後ろから続く、
その後ろでは光秀がまだぶつぶつ呟いていたが、勝家に両頬をつぶされタコのような顔にされていた。
その傍では無言の乱丸。
勝家がそのことについて尋ねると、やはり昔の仲間と戦うのはあまり嬉しくなさそうだった。

「がははははは!!お天道さんが昇ったら総攻撃だ!
いくぞ、者ども!とーーーー!!!」

がはははと大きな笑い声をあげながら上機嫌で陣を出ようとするランス。

「気をつけてねー。」

「あっ・・・ご武運を!!」

信長と香の言葉を聞いて更に機嫌を良くしながら、陣を出ようとするランス。
そこに今まで陣の隅で座り込んでいた男から声がかかった。

「夕飯までには帰ってくるのよー!ママ待ってますからねー!」

どうみても20を完璧にすぎたお兄さん、というかもう少しでおっさんの仲間入りといった風貌の男が手を振りながらランスを見送る。

その言葉を聞いてピクリと反応したランスは急に陣に向き直り、早足でその男の下へ向かった。

「アホかー!貴様もついてこんかー!!!」

手に魔剣カオスを構え、その剣の腹の部分でしたたかに男の頭をひっぱたく。
気持ちが良くなる程の快音を響かせるとひっぱたかれた男は涙目になりながら訴えてきた。

「いてぇじゃねぇか!ちょっとしたお茶目だろ!!ここまでするかフツー!?」

あまりの音に駆け寄ってきた香姫に痛いの痛いのとんでいけーとか言われながら頭を撫でられているこの男は山本二十一という男であった。
ひょんなことからランスと一緒になり、成り行きで尾張の反乱軍鎮圧にまでひっぱりまわされていた。

「だいたい俺は手伝うとはいってねーぞ・・・。なんで反乱軍鎮圧なんか・・・」

ぶつぶつ呟きながらふてくされる男。まだ頭が痛いのだろう。
涙目になりながら頭をさすっている。ぶっちゃけかっこわるい。
それを慰める香姫との構図にいれると、どっちが大人なのかわからなくなるぐらい子供ガキっぽい男だった。

「お前つよいから俺様が楽するためだ。」

涙目の二十一ハタカズを当然とばかりに見つめながら応えるランス。
こんな調子でここまで引っ張りまわされているようで二十一という男は「またかよ・・・」といいながらいじけて地面に「の」の字を書いていた。
その横では必死に香姫が励ましている。


ぶつぶつとまるで危ない人のように呟きながら二十一ハタカズは心の中で溜息を吐いた。

(なんでこういう事になっちゃうかなー・・・。はやく俺は帰りたいのにいつの間にかずるずると道ずれにされてね?なんでこんな事になっちゃったんだろ・・・?)

思い返されるこれまでの道中の旅、彼はランスに引っ張りまわされた。
ランスがやりたい放題したい放題だったので、彼の付き人であるシィルと一緒に様々な後始末をさせられた記憶が蘇る。

(うぅっ。そういえばこうなった事の発端はあの茶屋にいったことが原因だよな・・・)

この事態を引き起こす事になった茶屋での出来事を思い出しながら、二十一は心の中でさめざめと泣いた。


実はその時陣の中央では、

「・・・とはいうものの・・・ランスは本当に強いのかな?」

「さあ・・・知りません。」

「負けた時はどうしようかねぇ。」

「もう、兄上!」

なんてやり取りがあってたりするが、それは誰にも聞かれることはなかったという。











あとがき

導入部分がおわらない・・・
ほとんどオリジナル要素がかけなかった(´・ω・`)
とりあえずキャラの性質とか分かりやすいようにわざと入れたんだけど
これでよかったものか・・・?

とりあえずこれでキャラのイメージが固まってくれればなぁ・・・と思います。


前を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.028516054153442