マシュー・バニングスの日常 第七十四話△年×月○日 高町、フェイトさん、エリオ君、3人の健康診断はまとめて同じ日にしている。 フェイトさんの健康診断するようになって、すぐに仕事詰め過ぎで過労気味であることが判明したので、リンディさんに通報、共謀して無理やり仕事を減らしてやった。 文句言われたが聞こえない。あんまりしつこく言うようならリンディさんだけでなく各所に通報してもっと完璧な包囲網を敷いた上で仕事を激減させてやろうかと脅した所、震えながら青くなって謝った。なに実際には執務官部門にはあんまツテとか無いんだけどね、だからあくまで脅しだったのだが、高町がそういう包囲網敷かれてるのを知ってるので真に受けた。素直で面白い。 エリオ君も問題無いのだが、しかし大食いの理由が分からんな。 ナカジマ姉妹みたいに消費カロリー多いのも仕様ってわけじゃないのに。 なにせフェイトさんはむしろ普通の人よりも少食なくらいだしな・・・ もしかしたら単なる偶然という可能性も確かにある。そういうふうな元から生まれつき大食いみたいな? それで別に体悪いってわけでも無いって人、珍しいけどたまにいないわけでもないしなあ。現状、別に問題無いとしか分からん、要継続調査だな。 エリオ君は結局自分の意思を通し、ミッドの学校に通うことになった。それも寄宿舎つき全寮制の結構良い学校。 フェイトさんは海鳴から通うのが無理なら、それじゃあミッドに家を買うから一緒に住もうという勢いであったのだが。 学費を全部払ってもらう上にそんなことをしてもらうわけには行かないというエリオ君の意思は固かった。 おそらく将来的には稼いで学費も返そうとか思ってるのでは無いかと思う。 そんなときがくれば果たしてどれほど大騒ぎになるか・・・フェイトさんが嘆き悲しむだろうと思うとちょっと心配だ。 しかしそういう独立心の強い性格のエリオ君であるから、これはずっとエリオ・モンディアルで通しそうだな。 そのうちエリオ・M・ハラオウンになるもんだろと思ってたが、それは無さそうな雰囲気である。 リンディさんでも説得できなかったんだろな、うん、だったら無理だ。それはそれで仕方ないんでね? 人それぞれの道があるし、フェイトさんには悪いが、彼は違う生き方を選びたいと思ってるなら、その意思を尊重すべきだろ。 午前中、朝一に二人の健康診断を終えた。 エリオ君は学校あるのでこれから登校。フェイトさん当然のようについていく。 いくら保護者とは言え、授業参観日でもないのに学校の中にまで入れるわけでも無かろうに。 それでもついていけるところまではついていく気らしい。エリオ君は諦め顔だ、うん頑張れエリオ。 さて本来なら、高町も同じ時間に来るはずだったのだが。 遅れてやがる。連絡も無い。 どうもね、近頃のあいつは様子がおかしいのだ。 って、まあ現実から目を逸らしてても仕方ない。 分かってますよ結局・・・ 姉ちゃんと桃子さんの陰謀なんだよね、あの二人の悪ノリといいますか。 近頃は、あからさまに焚きつけるみたいな、そういう言動を高町に対しても俺に対しても・・・ 姉ちゃんは家では俺に対して、なのはが良いなのはが良いぜひぜひ嫁にしてしまえ大丈夫、押し倒したら抵抗できなくなるって。 あーもう、悪いがうるさい。 さすがに近頃は、あんまりしつこいので俺が不愉快な顔とかすると・・・ 姉ちゃん、それ以上は押せなくなって、しばらく言わなくなるのだが。 ダメだね、それでもしばらくしたらまた同じこと言い出すし。 でもどうも姉ちゃんらしく無い、つまり単純に、なのはが良いとそればかり繰り返してて。 姉ちゃんが本気で俺を嵌めようとか思えば、むしろ逆にそんなこと臭わせもせずに、いきなり不可逆な罠に落とすとかしそうだが。 本質的には、ただ、八神に対してまだ腹立ててるだけみたいな? 今でも俺は八神が好きなことわかってて、それが気に入らなくてムキになって高町を推してるだけみたいな? そんな感じに過ぎないわな、あんまり本気を感じない。 ちなみに自分から言い出したクセに月村さんのことは一言も言わなくなったりしてる。 八神を俺が好きなの気に入らない、月村さんに持っていかれるのも気に入らない、高町なら色々好都合? ま、そこまで邪推するのも姉ちゃんに悪いが。とりあえず姉ちゃんはそんな感じであるが。 でも高町の方はどうなのか分からない。 単純な押し戦法しか使ってこない姉ちゃんと違い・・・桃子さんが本気出すとどうなるのか予想も出来ない。 陰に日向に意識させようと巧みな術策を、高町に対して行っているのだろうと思う。 そして高町、近頃は妙に意識するようになって・・・ 俺に前みたいな普通の友達程度の距離も? 近づくことが出来なくなって。 ぎくしゃくして、俺が診察で近づくと顔赤くして身を固まらせて、もうガチガチになってしまって。 普通に会話も出来ない。 困ったもんだ。フェイトさんと普通に話せるように戻ったと思ったら今度は高町だ。 だけど高町もだなあ・・・変に意識させられてしまってるだけなんであって。 そしてそういう感情にとことん不慣れな彼女であるから、普通以上に変になってるだけなんであって。 俺のことを好きかといえば微妙だと思うぜ? 真の気持ちは、混乱ってとこだろ。 こいつは間違いなく、俺が八神を好きだってこと分かってるし。 なぜかといえば、彼女が変になって固まってしまうたびに・・・その状態を解消して普通くらいにもってくには。 結局、その話をするしか無いからだ。 八神とは今でも直通の連絡を俺は取り合ってるとかね。(誇張表現ありだがウソでもない) 将来は嫁にするつもりだとかね。(これは本気) もちろん八神が好きなんだとかね。 多少、会話に脈絡が無くても。 そういう話を俺が持ち出すと、高町はとたんに冷静に、普通に戻ってくれる。 そんで診察も済むという感じになるのだが。 そうしてまた高町、家に戻るだろ。 そしたら桃子さんの煽りが入って。 また普通じゃない状態になってしまって、俺の所に来ると。 そこからまた普通に戻すため、俺は八神が好きだって話を繰り返し。 もしかしたら八神に言った以上に、高町には、俺が八神を好きだって言いまくってるような気がするぜ。 しかしそろそろ限界だな。 桃子さんに真剣に抗議して、そういう煽りはやめてくれと言おう。 実際こうして健康診断にも遅れてくるくらいで、つまり俺たちそれぞれの仕事への妨害にすらなってきてるし。 1時間、何も言わずに待ったのだが。 さすがに遅すぎるぞ、レイジングハートに直通連絡。 コール音がしばらく続く。 もしもまた仕事に夢中になって健康診断忘れたとかなら容赦せん、しばらく休ませてやる。 だが、そうじゃないなら、はて・・・どうしたら良いのかな・・・ 桃子さんとかユーノとか、そして高町自身とも。 きちんと一回、話し合う必要があるのか、やっぱり・・・☆ ☆ ☆ 高町桃子は、なのはに対しては負い目がある。 幼い頃に孤独にしてしまってそれが魔法への過度の依存をもたらし、そして大怪我してしまった。 母親として言い訳できない大失敗。もっと早くからきちんと踏み込んで話をしていればそんなことにはならなかったのに。 だから同じ失敗は絶対に繰り返せない。 おせっかいでも、なのはに鬱陶しいと思われても、押し付けがましくても。 でも母親なのだから、変に遠慮してはいけないのだ。 なのはに、素直にならせなくてはいけない。 なのはは家族に愛情を求めることが出来ない過度に遠慮した心理に陥り、魔法に仕事に依存して大怪我した。 今では幸い、家族に対しての遠慮というのは無くなっている。自分とも何でも話し合えるようになってると思う。 しかし「遠慮する心」みたいのは無くなってはいない。 自分の感情に対して素直ではないという傾向が、やはりある。 なのはは自分の感情を抑えるという行為に・・・慣れてしまっているのだ。 義務を優先し仕事を優先し、決まっていることに従うということを優先する。 なのはは頭脳・理性面ではともかく感情・情緒面では明らかに未発達で年相応にも達していない。 頭はともかく、心は過度に子供っぽいのだ。 そこを成長させるには、やはり意識させ自覚させるべきだろう。 ゆえに桃子は、嫌がるなのはを捕まえては恋愛の話を振る。 まずユーノが、なのはを好きだという話を振ってみた。そんなこと桃子には当然お見通しである。 ところがなのははそれも認めない。友達だと言い張る、彼は自分にそんな感情は持ってないと逃げる。 桃子の見る所、恐らくユーノは最初からなのはのことが好きだ。一目ぼれに近いのでは。しかし数年は自覚していなかった。自覚したのは、なのはが入院したとき。それまで顔見知り程度で別に気にもしてなかったマシューがなのはに急接近したことに恐らく嫉妬心を感じて、そこではじめて好きだと分かったのだろう。そこで好きだと分かったからすぐに告白とは行かなかったのだが、それも仕方ない、本気の告白など人間そう簡単に出来るものではないのだ。それにマシューの場合、すぐに、はやてと結婚しそうな勢いだったということもある。マシューとはやてが一緒になってしまえば自動的にライバルは消える、そしてそうなるとしか思えなかった、だから大丈夫だと安心していたのだろう、ユーノは。今はその油断を後悔してかなり焦っているのではないか? しかしそれでもユーノはすぐに告白とか出来ない。出来ない理由も簡単、なのはの気持ちが不明だから。 不明というか不安定、まだまだそこのところは子供で、そもそもはっきりしていないし考えてさえいないし。 いや意識しないようにしてるフシがあるというのが正確か。 恐らく、今、ユーノがなのはに好きだと言っても、なのはは・・・友達だと言って逃げるのではないか? 実の母親の目から見てもそう思える。なのはは恋愛感情を持つことを怖がっている。 それではダメだ。別にマシューのことを好きになれとかユーノの気持ちを受け入れろとか言うつもりは無いが。 それを考えないようにして曖昧なまま逃げてはダメだろう。 だから桃子は、なのはと顔を合わせると嫌がってるのを承知でまた恋愛の話を振る。 あまりしつこく言われるのでなのはは近頃、桃子の顔を見ると逃げ腰になるくらいだ。 だが各方面から情報を集めると成果はあがっているらしい。 近頃なのはは、マシューの前に出るとガチガチになってしまうとか、ユーノ相手でもこれまでみたいに気軽に話せなくなったとか。 異性であることを意識して気軽に近づけない状態、普通なら小学校高学年か遅くても中学生でなる状態では無いか? 高校生になってはじめてそういう状態になった、遅いが別に問題ないだろう、そういう意識を全く持たないほうが問題である。 特に女の子なのだから、異性に対してそういう意味で無警戒だと周囲に無用の混乱を起こすものだし。 親友のフェイトなどもその辺の意識に大いに問題がある、リンディと母親同士で話し合って互いにグチを言うことも。 リンディと桃子は実はその点では結託している。この際マシュー君には悪いが、娘たちの情操教育のダシになってもらおうと・・・ なに、どちらかが上手くいったならそれはそれで良い。彼なら問題ないし。 しかしどうせ紆余曲折はあっても、はやてが持って行くのではというのも二人共通の見解。 別にそれでよい、重要なのは娘たちが心の成長をすること。 だから今日も桃子は、なのはを捕まえては「本当にマシュー君のこと好きじゃないの?」としつこく尋ねる。 もちろん娘の答えも決まってる「そんなことは無い」。 本当に、そんなことは無いのなら。 ねえ、なのは、例えば・・・ユーノ君には、軽く抱きついて、ちゅーとかできる? できるかな・・・なんとか・・・ それじゃ、マシュー君に、軽く抱きついてちゅーとか できるわけないでしょ!!! あれ? どうして? 二人ともただの友達なんでしょ? 違うもん、だってマシュー君は、はやてちゃんが好きで、はやてちゃんを好きで、だから私は・・・・・・ ☆ ☆ ☆ もうヤだ。 お母さんは鬼だ。 せっかく友達として楽しく過ごしてきたのに。 変に意識させて。 ユーノ君とも前みたいに気軽に喋れなくなったし。 マシュー君の前に出ると体が固まっちゃうし。 いつまでも子供のままじゃいられない。 子供の頃の乗りで男女関係なく友達として楽しく過ごしていたいと思っていても。 それじゃ済まないって、言ってることは分かるけど・・・ 今日は健康診断の日。 フェイトちゃんとエリオ君と一緒の日にしてもらって本当に助かった。 一人きりでマシュー君の所に行くとか・・・ハードル高すぎる。 朝ごはんの時、お母さんはまたしつこく繰り返す。「ユーノ君は私を好き」で、「私はマシュー君を好きな疑いがある」って。 だから何でそんなこと思うのかって。 横から見てると、そう思わざるを得ないって。 私がマシュー君を好きとか無いってば・・・ ユーノ君が私を・・・ヤだ、わかんない。 友達としてなら話は簡単、私は二人とも好きだし? ユーノ君は自然にほんわかした感じで好きだし、マシュー君はちょっと苦手だけど何だかんだ言っても好きだし。 でも友達だし。それでいいじゃない? なんでダメなの? お兄ちゃんはもうすぐ忍さんと結婚するからその手の話の対象には出来ないとして。 そうだお姉ちゃん! お姉ちゃんの世話を焼けばいいじゃない! 私じゃなくてさ。 え? そういうふうに分かってないから、私の世話を焼かざるを得ないんだって? どういうこと? お姉ちゃんは実は、男女としてお兄ちゃんのことが好きだった・・・って! ウソでしょ!? 兄妹じゃない! ああでも前に聞いたけど、実はお姉ちゃんは正確には従姉妹で・・・ お父さんの妹さんの娘なんだって、でも小さい頃からずっと一緒で兄妹として育ってきた二人で、実の兄妹同然でしょ? そんな単純に割り切れるものじゃない、それでも好きだった、それが兄は今度正式に他人のものになってしまうから。 今のお姉ちゃんは傷心状態で、二人の結婚式を見てしばらく気持ちの整理がつくまではその手の話はできない? それが・・・ほんとなら・・・そうかもって思うけど・・・ そういうことも全然分かってないから、私は子供過ぎるって? それはそうかもしれないけど! でもそれで誰かに迷惑かけた?! ユーノ君は、私の気持ちが見えなくて悶々として悩んでるって・・・それはお母さんの推測でしょ! 本当かどうかなんて分からないじゃない! もういい! 今日は健康診断だから! 遅れられないの! 急がないと、フェイトちゃんとエリオ君よりも先に済ませてもらわないと。 焦って転移、まずミッドの中央ポートに飛んで、そこからバスで病院に向かう。 飛んでいくのはもちろんこんな私用ではダメだし、タクシーを簡単に使う気にもならない私は小市民。 十分、時間に余裕はあった、間に合うはずだったのに。 本局病院の近くに何故かこんな時間にユーノ君発見! なんで? ユーノ君もそろそろ勤務時間、病院の側とか普通いないでしょ? 風邪でも引いたのかな、でも病院に入っていくわけでも無い、バス停あたりで人待ち風情。 バスがとまる、ユーノ君は乗ってこない、私は降りなきゃ・・・ 降りなきゃ・・・ ダメだいきなり顔会わせるのが何故かきつい。 マシュー君と会わなきゃいけないって覚悟は決めてきたけどユーノ君まで追加注文とか、いきなり無理だし! 心の準備が・・・もう、なんでこんな状態に・・・普通に挨拶すればすむ話・・・ 多分、今日、私が健康診断の日だって知っててちょっと会いたかっただけとかそれだけの話だよ、そういうこと前もあったし。 だからいつも通りに挨拶していつも通りに雑談して・・・ でも私はバスの椅子に深く座って窓から顔を隠して、ユーノ君に見つからないようにして。 そのまま停留所を通り過ぎてしまった。 次の停留所で、降りよう、そして迂回しながら徒歩で戻ってきて・・・大丈夫、間に合う。 人影や物陰に隠れながら戻ってくる、ユーノ君、病院正面玄関付近に陣取って動かない! もう! なんで邪魔するの! 理不尽に腹を立てながら私は別の入り口に回ろうかと思ったんだけど。 ユーノ君、正面玄関から病院内に入った? そして受付カウンター付近に位置を移して・・・そこで待機? ああん! もう! そこにいられたら私も一回受け付けの人に話してマシュー君に連絡してもらわなきゃダメだから。 絶対に捕まっちゃうじゃない! なんでそんなことするの! どいてよ! うぅー・・・と正面玄関の外の植え込みの陰から涙目でユーノ君を睨む私。 じりじりと下がって、間違っても見つからない位置まで来て、改めて自分の胸に手を当てて考える。 負けちゃダメだよ、高町なのは! お母さんの陰謀になんて負けちゃダメ! そうだよ、ユーノ君も、マシュー君も、ただの友達なんだから! 友達、友達、友達、だから平気、平気、平気、なんでもない、なんでもない、なんでもない・・・・・・ ユーノ君は昔からずっと男女として本気で私のことが好きだったとか・・・・・・ 私は実は昔からマシュー君を意識してたんだけど、はやてちゃんに遠慮してたんだとか・・・・・・ そんなことは無い、絶対無い、友達、平気、なんでもない・・・・・・ よし行こう! でもちょっと待って! 5分だけ深呼吸して落ち着こう、顔が赤くなったりしないように! では行こう! だけどちょっと待って! 軽く屈伸でもして、気分を変えよう! じゃあ行こう! うんちょっと待って! 我ながらバカなことを繰り返してたと思います。 病院の近くを通り過ぎる人たちが、不審人物を見るような目で私を見ていたのではないかと思います。 そのうちついに、レイジングハートにマシュー君から直通コールが! とっさに道端でディスプレイ開いてしまう私。 なにやってるんだコラ!って言われて、ごめんなさいマシュー君!って大声で謝っちゃう私。 その声を聞いて後ろからユーノ君がいつの間にか近づいてきて、あぁ少し遅れたんだ、どうしたのなのはって言ってきて。 前にディスプレイ上の不機嫌そうなマシュー君。 後ろに至近距離に心配そうな顔のユーノ君。 うぅ、うん、ちょっと遅れて、ごめんなさいと、しどろもどろに言葉を返す。 通話画面上の私の背景に写る本局病院を見て、なんだもう来てるのか、早く来いよと言ってマシュー君は通話を切る。 急がなきゃ!って私はユーノ君にゴメンね後でって言いながら病院内に駆け込もうとするんだけど。 ちょっと待ってって私の手を取るユーノ君。 いきなり手を握られて、それも前だったら平気だったのに、なんか咄嗟に振り払っちゃう私。 あ・・・ユーノ君、そんなことされて少し傷ついた感じに・・・ ご、ごめんなさいってまたしどろもどろに謝るんだけど。 いや急に悪かったよってユーノ君も謝って、健康診断、一時間もかからないよね、その後、少しいい?って。 な、なんなんだろう、別に今日は午前中は空いてるから、いいんだけど、でも変に意識してしまって。 とりあえず曖昧に頷いてしまう私、じゃあ一緒にマシューのところまで行こう、外で待ってるからって。 ふらふらと地に足がついてないみたいな状態でマシュー君の所に行く。 なんだ単なる遅刻か?って言われてうんごめんなさいってまた繰り返して別に健康診断自体はあっさりと済む。 終わって廊下に出る、ユーノ君がそこに待ち構えてて。 マシュー君が、あれ? ユーノどうした?って。 うん、今度さ、クロノとエイミィさんが結婚するじゃない、結婚祝いを一緒に選ばない?ってなのはに相談しようと・・・って。 そか、そういう用事だったんだ、うんそれは別にいいんだけど。 ダメだどうしても変だ私普通にならない、ごめんちょっとお化粧室に!って逃げ出す私。 なのはがバタバタとトイレに逃げ込んだ後。 残された男二人、なんとなく顔を見合す。「なあユーノ」「なんだいマシュー」「高町、あれはどう見ても」「うん、やっと異性として意識はしてくれるようになったかな」「良かったなあ、頑張れ、押せよ?」「マシューたちが別れたからこういう状態になったってのが少し複雑なんだけどね」「大丈夫だって俺は八神を嫁にすると決めてるから(月村さんの可能性からは当面目を逸らして、少なくとも)高町は無いし」「とりあえず完治したら押し倒す権利を留保してるとか言ってたっけ?」「おう、そうなったらもう容赦せずヤってやる。そのためにも・・・」「僕に出来る協力はするよ。だから君も協力頼むよ?」「ああ」 なのはは少し平常心を回復して戻ってきた。 ユーノは、そのなのはをとりあえず病院の入り口付近のラウンジに誘う。 手をふって見送るマシュー。「そういえばクロノたちの結婚祝い、俺も考えないとなぁ・・・」 そう呟きながらマシューは診察室のドアをバタンと閉めた。(あとがき) 「おせっかいな企み(2)」。なのは絶賛混乱中。 しかしもう高校生なんだからそういう意識持たないほうがおかしいという桃子さんは正しいと思う。 原作では19でものほほんとしてたがそれは不自然だしかえって良くない状態だと思うのです。 幼少期~中学生時代にフェイトへの接触を頑張ってて、なのはとでは無くフェイトと各種イベントを起こしていれば。 「臨時授業参観?」のイベントが起きる可能性がありました。エリオ可愛さに暴走するフェイトと振り回されるエリオ・マシュー。 この場合、なのはがここまで意識してない状態になるので普通に遅れず検診にも来ていた、と。 はやてとは現状、頑張って接触を試みてもせいぜい3ヶ月に1度しか会えず。 しかも会っても、こちらに治療イベントなどの進展が無ければ、なにも変わりません。 ゆえにはやて狙いでも焦らずに、今は無理に接触しようとする必要はありません。 あまり無理して会うと月村さんの話とか持ち出されて、かえってはやての傷心度アップするかも? もしや、すずかVSはやて、というのが本当の争いになってしまうのだろうか・・・・・・ 次回はクロノの結婚式かな。 クロノのところの双子はsts時代に3歳くらいらしいので。 そろそろ結婚しないと間に合わない。 問題は、その結婚式には、すずかは来るのか?ってあたりでしょうか。 来られたら全部持っていかれそうで怖い。はやて・なのは、二人がかりでも敵いそうも無い・・・