11話
楽進が黄巾党の伝令を捕らえたところ、本拠地の場所が記してあったそうな。
これを逃すとまたどこかに雲隠れされる可能性が高いため決戦をするらしいです。
兵数20万で実戦力3万って。
次々に入ってくる情報を聞くかぎり、こりゃあ、本格的に張3姉妹はこの騒動に巻き込まれた可能性が高そうだなぁ。
でも殺すのかなぁ。一応名目上でも首謀者だからなぁ。
この時代、怪しいからとか確かな証拠がなくても罪を着せられ殺されていく時代だから。
一応生きて捕らえろとは言われているが、その後のことは聞いてないから、朝廷に引き渡すか、民衆の前で処刑にするか。
どちらにしても、曹操さんの考え次第ってことです。
黄巾党の陣に火が放たれています。
おもしろいほど混乱してます。
ジャーンジャーン!!
後は銅鑼をならしまくって矢を浴びせてれば、勝手に自滅してくれました。
それでも、混乱を沈めようとしている指揮官は気の毒だけど矢で射殺しました。
AMEN。
キリスト教ではないのだけど何となく言ってみました。アンデルセン神父は好きなキャラです。
張三姉妹が見つかったようです。
どうやら曹操さんは殺さない方向にするそうです。
顔が割れていないとはいえリスクを犯す必要はない。
確かに、兵を集めるのには役立つだろうが、それでもリターンよりリスクの方が高い。
曹操さんもなんだかんだで甘いなぁ、いやこの場合優しいで良いのかな?
黄巾の本隊を壊滅させたと言うことで、その褒賞を言い渡しに何進の名代として来たのは張 遼さんと陳宮、そして三国最強として一騎当千の代名詞である呂布である。
あれは無理。惇さん以外は勝ち目なし。闘うという選択肢はない。勝つのは絶対無理。あれ相手にするなら、それこそ、万の敵と対峙した方がマシです。
武の化身とはこのことを言うのかと思い知りました。
でも、それよりも重要なのは曹操さんがかなり怒っています。
そうだよなぁ。朝廷は何もしなかったくせに偉そうな態度を取り、尚かつ難癖つけたんだから曹操さんからしたらもう腸煮えくりかえってるだろう。
ああなったら一晩は経たなければ機嫌は直らないだろう。
触らぬ神に祟りなしと言うし、近づかないで置こう。
その後は、季衣と嬢ちゃんと楽進達で飲み屋を貸し切って宴会をしました。
俺の商会の店なので遅くまで騒げるのは良いですが、楽進達は飲み代を踏み倒す気満々ですよ。季衣は妹分なので俺が出しても良いですが、あの三人組は部下ってだけですから飲み代はしっかり払って貰います。まぁ、三人の給料から引けばすむことなのだが。
「わたしだってねぇ~」
嬢ちゃんは酔うと絡み酒のようです。
「あんたはねぇ、いつも誰のおかげで戦えてると思うのよ~」
「はいはい、嬢ちゃんにはいつも感謝してますよ」
まぁ、事実、補給から人員の配置までこの嬢ちゃんが取り仕切っているんだからある意味嬢ちゃんもだいぶんチートだな。
その働きぶりはさすが、王佐の才と称揚された荀文若と言えるだろう。
あるべき所に食料、武器、人員がなければ軍は成り立たない。
その判断をこの嬢ちゃんがすべて決定している。
食料の計算、武器の損傷具合、落伍兵や負傷兵の人員の減少、これらを全てを計算予測し、配置するのをこの嬢ちゃん決めているのだからまさに文官筆頭の名にはじない働きぶりである。
「なら~感謝の気持ちを示しなさいよ~!!」
んな、急にむちゃくちゃな。
いや、酔っぱらいに何を言ってもどうにもならんか。
なにか嬢ちゃんにやる物があったかな~
「じゃあ嬢ちゃんこの前異国から流れてきた物なんだが、これをやろう」
質流れ品らしく二束三文で売り出されていた物を買い取ったのだ。
その品はエメラルドの石をはめた首飾りだった。
「ふ、ふ~ん。ま、まぁこれで勘弁してあげるわ!」
かなり気に入ったらしい。頬が緩んでいるぞ嬢ちゃん。
三人組はなにやらブーブー言ってたが、お前らに借りはない上、どちらかと言ったら俺が迷惑かけられているから。
そういえば淵さんにも世話になってるから何か送らなきゃな~。
酒で良いかな。武将は基本的に体を動かすのに邪魔な物はつけたがらないからな。
基本的に食べ物を送ったりしたほうが喜ばれる。
後日談
なぜか食料を淵さんに付け届けたのだけれど不機嫌でした。
なんでさ?