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No.6955の一覧
[0] ††恋姫無双演義††短編集【*最新話を2つ追加しました】[きらら](2013/09/14 17:23)
[1] 短編 水滸伝と恋姫の小ネタ[きらら](2009/06/25 20:54)
[2] 短編 水滸伝と恋姫の小ネタ(その2)[きらら](2009/03/14 12:53)
[3] 短編 銀英伝と恋姫の小ネタ[きらら](2009/03/04 14:15)
[4] 20年後[きらら](2009/03/26 21:40)
[5] 関平こと紗羅のMelancholy[きらら](2010/02/09 22:38)
[6] オリキャラ(転生系)VS外伝ヒロイン[きらら](2009/07/11 16:30)
[7] 普通の恋愛[きらら](2009/07/17 22:37)
[8] ゼロ魔との小ネタ[きらら](2009/07/24 22:54)
[9] これは孔明の発明だ[きらら](2009/09/22 14:40)
[10] 裏設定・今更ながらネタばらし(修正UP・クロス元『涼宮ハルヒ』)[きらら](2010/02/10 10:22)
[11] オムニバス・超短編の寄せ鍋(追加有り)[きらら](2010/02/24 21:04)
[12] 2月14日?(続き)1ヶ月後[きらら](2010/02/23 23:24)
[13] 胡蝶の夢[きらら](2010/02/18 22:14)
[14] 黄叙の成人[きらら](2010/02/23 23:25)
[15] Re:黄叙の成人~『雑談板』からインスパイアを受けさせて頂きました~[きらら](2010/12/03 21:26)
[16] 荊州侵掠[きらら](2010/02/23 23:25)
[17] 10年ループ[きらら](2010/02/27 08:52)
[18] クロス短編『ゼロの使い魔』続かない[きらら](2010/04/22 22:08)
[19] 阿斗ちゃんは天の落とし子[きらら](2010/04/02 23:40)
[20] オムニバス・超短編の寄せ鍋(その2)支離滅裂[きらら](2010/04/07 21:37)
[21] 超短編の寄せ鍋(その3)[きらら](2010/04/24 22:21)
[22] その時代の家族[きらら](2010/05/04 16:32)
[23] 小ネタの拾い話(追加有)[きらら](2010/05/08 23:45)
[24] 恋姫の世界よ、ようこそ![きらら](2010/06/08 21:11)
[25] 目指せ?ワールドカップ??[きらら](2010/06/27 12:57)
[26] 乙女大乱[きらら](2010/05/22 14:44)
[27] 小ネタの拾い話+乙女大乱ネタ[きらら](2010/06/08 22:46)
[28] 乙女大乱ネタ(その2)[きらら](2010/06/15 21:33)
[29] 乙女大乱・祝!終劇[きらら](2010/06/22 22:03)
[30] 銀英伝と恋姫の小ネタ(その2)[きらら](2013/09/14 17:10)
[31] 夢は?を駆け巡る[きらら](2010/06/22 22:10)
[32] 巡り回る人の諸行 受け継がれる歴史[きらら](2010/10/11 18:53)
[33] 今更ながらですがオリジナルキャラクターの1覧[きらら](2010/06/18 21:54)
[42] 『真名問答』+『片翼兵士』(*最新話その1)[きらら](2013/09/14 17:13)
[43] 聖杯戦争(*最新話その2)『Fate/』シリーズとのクロスオーバー[きらら](2013/09/14 17:16)
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[6955] 夢は?を駆け巡る
Name: きらら◆729e20ad ID:c5df10ff 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/06/22 22:10
「かずピー。ダブルデート行かへんか?」
あのな、及川。俺はお前を映画に誘ったつもりなんだがな。

「男2人で映画なんて、何オモロいんや?お互いカノ持ちやんか」
それはそうなんだがな…女の子連れで見に行く様な映画じゃない場合もあるだろう。

「あ~あ、この「三国志」オタが~。ええやろ、この映画で妥協してやるわ。ただし、お前が責任持てよ」
おい、何の責任だ。
「俺の彼女までキッチリ楽しませる責任や」
何で俺が。いや、そもそも俺は「この」映画を見に行こうと言ったんじゃない。人の話を聞け。

「ええわ。ええわ。やっと出来た彼女に、自分の趣味を理解して欲しいんやろ」
だから、俺は「レッド・クリフ」なんかに及川を誘っているんじゃない。
大体、俺自身、気持ちの整理が付いていないんだ。こんな映画は生々し過ぎる。

「何が生々しいって。まあ、ハリウッドらしい超大作やしなあ」
だから、勝手に納得するな!

………。

……。

…そして、当日。
案の定だ。上映が始まっていくらも経たないうちに、俺の隣では涙ぐみ始めている。コイツは刺激が強過ぎる。

今は、劉備軍の退却戦の場面だ。
「スクリーン」の中では、“趙雲子竜”が大立ち回りだ。
背に赤子を負って、曹操軍の敵中を突破して行く。
ついに、再会した主君“劉備”に、守ってきた幼君“阿斗”を差し出す場面まで来ると、俺に抱きついて大号泣だ。
BGMにすら匹敵する程の大号泣を、劇場内に響かせてしまった。

「ぐす…ごめんなさい…ふえん」
まだ泣き止まない「俺の彼女」を、何とか映画館から連れ出し「聖フランチェスカ学園」直営のカフェレストラン「黎明館」まで連れ戻していた。

「いや、桃香にあんな映画を見せた俺たちがいけないんだ。すまない」

―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―

「よせ。やめろ何が起こるのか分からんぞ。俺たちにも「正史」にも分からん。何をしようとしているか、貴様には分かっているのか」

「俺は信じる。この「世界」は、この世界で生きている桃香たちのものなんだ。それを取り戻す」
もう1度。桃香とうなずき合う。
「1、2のチェスト――!!!」
北郷一刀と桃香がほとんど同時に振り下ろした、雌雄一対の名剣に打たれ4つに割れた銅鏡が跳ね飛んだ。

白い光が爆発して、すべてを包み込んでいった。

………。

……。

…白光が消えた時、そこは『聖フランチェスカ学園』だった。

……      ……      ……      ……      ……

何の、かんのと言っても「この」世界は平和で豊かで便利だ。
「三国」時代の戦乱の世の中から見れば、それこそ「天の国」に他ならない。
帰って来て実感出来た。“それ”がどんなに貴重かを。

そんな幸福な世界で、1番大切な桃香と生きている。
俺自身のエゴから言えば、これ以上無い幸福の筈なのに……

……俺は、どうしたいんだ。

「貴方はどうしたいの?一刀ちゃん」

―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―

「ご主人様…ご主人様?お目を覚まして下さい」
その声に目を開き、突っ伏していた顔を上げた。どうやら、うたた寝していたみたいだ。

目の前に居る桃香は『フランチェスカ』の制服姿ではない。いや「天の国」のどの服装でも無い。そして、胸には阿斗を抱いていた。

桃香と阿斗だけでは無い。愛紗や鈴々、朱里、雛里たちも、華琳や雪蓮たちも居る。

(…そうだ。俺はあの時…)

―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―

白光がすべてを包み込んだ時、北郷一刀の脳内に“謎の美女”の呼び掛けが響いていた。

(…貴方はどうしたいの?一刀ちゃん…)
(…どうしたいだって?俺は桃香たちを守りたいんだ…)
(…それで好いのね…)

まるで走馬灯の様に、桃香と暮らす『聖フランチェスカ学園』での一刀の生活が、脳内を駆け巡った。
(…一刀ちゃん本人の幸せor不幸せなら、こっちの方が幸せかもよん。それに少なくとも1番大切な桃香ちゃんだけは幸せに出来るわよん…)
(…桃香が本当に幸せだと思うか?劉備としての使命を放棄させて。妹たちや仲間たちや多くの人々を、阿斗まで見捨てさせて…)
(…貴方は、そう思うのねん…)
(…俺は「この」世界で劉備として、一生懸命生きている桃香を幸せにしたいんだ…)
(…それで好いのねん…)

………。

……。

…何も起こっていないかの様だった。白光が1瞬、爆発した後は1見して。

北郷一刀と桃香は、雌雄一対の名剣を構えたまま「間抜け面」とすらいいたい顔を見合わせていた。

「貴様。後悔していないな」
「何を後悔するんだ。この「世界」を、桃香たちの世界を守れたんだろう。何も起こっていないみたいに見えるって事は」
「しかし、貴方からすれば『聖フランチェスカ学園』のあった、あの「世界」を消したのも同然ですよ」
「まさか、本当にフランチェスカが無くなったのか」かすかに動揺する一刀だったが。
「向こう側の「世界」は世界で存在しているでしょうねん」ニコニコし続ける貂蝉。
「もしかしたら「この」世界の“後世”にも『聖フランチェスカ学園』が設立されるかもねん」

……少しだけ迷って、しかし北郷一刀は言い切った。
「それならいいさ」
「あら、向こう側では、一刀ちゃんは失踪したまま戻って来れないのよ」
「俺には戻れるところがある。桃香たちと一緒に戻れる。それでいい」

―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―   ―

うたた寝から「現実」に戻って来た処へ語りかけて来た。
「疲れてるのかな?流石に準備が大変だったか」曹仲徳は恋人の手を引いていた。
「いや、これからは先輩ぶった口もきけないですな。皇帝陛下」
「そんな。これからも宜しく頼みますよ、先輩」

そう、ここは帝都「北宮」
いよいよ数日以内には「天の御遣い」が皇帝に即位する。

(…これからも宜しくな。桃香…)
蜀王にして「新」皇帝の第1妃でもある劉備玄徳。
そして、北郷一刀にとっては、いつまでも最愛の恋人である桃香。
その桃香が劉備として生きる「この」世界で、一刀は共に生きて行く。


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