この番外編は本編とは全く関係がありません。ええ本当にこれっぽっちも、です。
流されたゆたうワカメのごとく 番外編 その1 ライダーの幸せ
~ ふくしゅう より抜粋~
_月_日
お爺様がご飯に文句を言う。骨粗鬆症のために煮干しを大量に与えてやっているのに何が不満なんだろう。
_月_日
兄さんがまたあのメディアさんのところへ行った。昨日はあんなに「桜かわいいよ」とささやいてくれたのに。別にいまさら関係を切れとは言わないのに、なんでコソコソと行くのかなあ。悪いと思うんならなんでするのかなあ。
_月_日
青い犬さんにセイバーさんが深手を負わされた。看病に行ったはずの兄さんが干からびて帰ってきた。どんな看病だったんだろう。そう訊ねたらなぜかお尻を押さえた。ほんとに何をしていたんだろう。
_月_日
兄さんは毎日自分のご飯が卵尽くしと山芋尽くしなのに飽きたという。じゃあこんどは牡蠣尽くしにしようかなあ。明日の夜が楽しみ。うふふ。
_月_日
せっかく奮発して牡蠣尽くしにしたのに、兄さんはあの寺の番犬のところへ遊びに行くという。番犬に会いに行ったはずなのに帰ってきたら女狐から吸い取られていた。女狐死ねばいいのに。
_月_日
めぎつねとかどろぼーねことかはほんとなんでいきてるんだろうそういえばたしかきょうはいつもならにいさんとふたりきりでいるひだったなそうだにいさんはあしがあるからあるいていっちゃうんだまんなかだけのこして____
__ガタガタガタガタ__
シンジが震える音だけが部屋の中に響いています。
「あら。何をしているんです?兄さん。」
ギ ギ ギ ・ ・ ・
読んでいたノートから顔を上げて、油の切れた蝶番のような音を立ててシンジが振り向きました。
「あらあらうふふ♪いけないことをしてたんですね♪もう、兄さんったら♪」
「さ、桜?いやあのこれは…今日はポストが赤かったから…あと今日の1メートルは100センチだったし…それにおはようはグッドモーニングでグーテンモルゲンなわけだから…。」
「さああっちに行きましょうね。」
ズリズリズリ
「助けてー!!」
いつもと同じ平和な風景。この幸せがずっと続けばいい。そのために私は決意を新たにする。
どうやら私のノートは読まれずにすんだようですね。
パラッ
~ライダーのノートより抜粋~
ランサー「ハッ、ハッ、どうだ俺の ゲ イ ボルクの味は」
シンジ「アッー!!突き穿たれちゃうー!」
シロウ「慎二!!大丈夫か! クソッ、ランサー!止めろ!掘るなら俺を掘れ!」
シンジ「そんな、士郎!せめてお前だけでも無事で!!」
シロウ「慎二、お前だけをそんな目に合わせられるか!!」
シンジ「士郎……」
シロウ「慎二……」
ランサー「おうおう、麗しい愛だな。だがしかしランサーさまは6人までなら同時にオッケェェェェェ」
シンジ・シロウ「「アッー!!」」
はっ。思わずひたってしまいました。
「大丈夫ですよー。キュウリはワカメと相性がいいんですから。あ、このキュウリあとでお爺様のご飯に出しちゃおうかな。」
「たーすーけーてー!酢の物になっちゃう!」
そろそろ助けてあげましょうか。
「桜、わたしも混ざります。」
今はもう遠き日々、姉妹で幸せに過ごしていた時を思い出します。
見守っていてくださいね、私は今、幸せですよ__
「ライダー、さっきのノートは何?」
「たいしたものではありませんよ。ええ、全く。」
爽やかな青空の下、間桐家の家族達は今日も元気です!
だってみんながもっとやれっていうから……
数少ない読者がどこまで耐えられるか知りたくてやった。今では反省している。
Type-moon作品の読者は評価が辛口だと期待していたのに、酷評がまだ1割に満たない、ならばこれで__と思った次第であります。
これでももっとやれと言えるものなら…もっとやります。