~鈴女さんの場合~
『1週目』
白蓮と色々話をしてみたところ、この国には『忍者』のような概念は無いらしいでござる。
市井に紛れて情報を集める『草』のような存在はいるようでござるが、『忍者』のように闇から闇に情報を集める存在はいないようでござる。
そこで、拙者が『忍者』を組織することになったでござる。
なんでも、今後JAPANのような戦乱の時代が来るかもしれないということらしいでござる。
ということで、拙者は今、忍者の素質がありそうな人材を探しているのでござるが……
「なかなかいないでござるなぁ……」
忍者は職業として特殊であるゆえ、中々見合った人間が見つからないのでござる。
拙者式の忍者候補捜索方法は
「………ポイッとな」
シュッ(←クナイが飛ぶ音)
サクッ(←クナイが刺さる音)
「いっでえええええええええええええ!!」
「はぁ、また駄目でござったか……」
忍者には、機器探知能力が必須であるゆえ、
いきなり飛んで来るクナイを避けられるかどうかを判断したり
「………(じー)」←物陰からメッさ見てる
「ん……?」
「どうした、いきなり後ろを振り返ったりして?」
「いや、なんか見られてる気がして……」
「(今気付いた人は使えそうでござるねぇ……)」
物陰から、こっそり覗いてる拙者に気付くかどうか(もちろん、気配はそれなりに出してるでござるよ?)などでござる。
拙者のやり方があってるかどうかとかは、正直よく分からないでござるが、きっと大丈夫な気がするでござる。
『2週目』
とりあえず一週間人集めをしてみたところ、50人程めぼしが付いたでござる。
で、今その人達を集めたところなのでござるが、どうにも感触が悪いでござる。
まぁ、いきなり『忍者になろう!』とか言われても、そもそも忍者が分からないから反応のしようが無いのも当然でござるか。
という訳で、少しデモンストレーションをやろうと思うでござる。
分 身 の 術
『忍者になるとこんなことも出来るでござる』×いっぱい
え~と、他には……
隠 れ 身 の 術
『こういう風に一瞬にして隠れるようになれるでござる』×いっぱい(全員隠れて)
さて、何人かは凄くびっくりしてくれたでござるが……、どれくらい忍者になってくれるでござるかねぇ……
あそうだ、マリアに忍者道具作ってもらわないといけないでござるなぁ……
『3週目』
「まずは形から入るでござるよ」
「「分かったでござるっ!」」
先週の人集めの結果、20人も残ったので、今週から訓練開始でござる。
人に教えたことはないでござるが、拙者JAPAN一のくのいち故、なんとかなるでござろう。
とりあえずは、忍者っぽくみえるように、言葉から教えていく予定でござる。
マリアに頼んでいた忍者道具が届いたでござる。なんか予定外のものが色々あるので、後でちゃんと確認してみるでござる
『4週目』
毎日毎日、みんな真面目に訓練してるでござる。
ひたすら、正規兵の数倍きついメニューをこなしてるのは、国への愛か、はたまた忍者への憧れかわからないでござがるが。
それでもやっぱり訓練が厳しすぎたのか、何人か見るからに脱落しそうな人達がいたので、どうしようか考えたでござる。
そして、マリアに頼んでいた忍者道具の確認をしている時に、ピンと来たでござる。
「熱き魂、正義の味方!ニンレンジャーレッド!」
「青き炎は静かに燃える!ニンレンジャーブルー!」
「淡き光は、アナタを癒す!ニンレンジャーピンク!」
「大地の色が、アナタを包む!ニンレンジャーグリーン!」
「黄色い色は、食欲の色……ニンレンジャーイエロー……」
『5人揃って、忍者戦隊ニンレンジャー!』×4
「なんで俺だけ食欲とか、わけわかんねえよ……」
伊賀のじーちゃん達をぱくって、格好いい仮面かぶせてみたでござる。
結果はご覧の通り。まぁ、一人あれなのはしょうがないでござる。まともなのが考えられなかったのでござるよ。
ちなみに、拙者は司令官的な立ち位置のブラックでござるよ?
こうして、拙者達は、下忍程度の実力とはいえ、忍者の部隊を作ることに成功したのでござる。
今度マリアに、全員分のニンレンジャーマスクと衣装を作ってもらうことにしようと思うでござるよ。
~アールコートさんの場合~
『1週目』
あ、あの……。私は正直何をすればいいのか分かりません。
政務はウルザさんがやってますし、訓練は星さんが行っています。
マリアさんや、鈴女さんのお手伝いは出来ませんし……。
ランスさんは、そもそも見つかりません。忙しいのでしょうか?
私、何をすればいいのでしょう……?
『2週目』
「ふふふ、参りましたよ、アールコート殿。まさかあそこから逆転されるとは」
「え、えと……。その、勝っちゃってすいません……」
「何をおっしゃる。私もまだまだだということが分かりました故。いい勉強になりました」
気付いたら、星さんと将棋なるものをしてました。
私達の世界に会った、軍棋と似たような感じの遊びでした。
こ、こういうのだったらそれなりに頑張れるんだけどな……。
「そうだ、アールコート殿、貴殿は将軍職であると聞きました。宜しければ、兵の調練を手伝っていただけませんかな?」
「え……あの、その……。わ、私には……無理……です」
「何をおっしゃる。この趙子龍、将棋にはいささか自信がありました。しかし貴女はその私を破ったのだ。
貴女に無理であるならが、私には不可能ということになってしまうではありませんか」
「えと……あの、私……」
「自信を持たれよ、アールコート殿。貴女には、素晴らしい力がある。宜しければその力、我々に貸していただけませんか?」
星さんは、真剣な表情でした。どうにも、本気で私なんかの力を信じてくれているみたいです。
人に認められるのはちょっと嬉しいです。今度、星さんのお仕事を手伝ってみようと思います。
『3週目』
星さんのお手伝いをして、兵の調練をしました。
兵隊さんたちは、最初は怖かったです。なんか、男の人って感じが怖かったです。
でも、私の指示をちゃんと聞いてくれました。いい人ばかりだったと思います。
調練自体も、星さんに褒められました。
それで、お礼として一緒にお酒を飲みました。
初めてだったので、ドキドキしながら飲みました。
凄く、大人の味がしました。私には、ちょっと早いのかも知れません。
星さんとは、お酒を飲みながら沢山お話をしました。
この世界での、戦の方法などを色々教えてもらいました。
そこで、いくつか気になった点があったので質問してみました。
星さんが真剣に考えて、答えてくれたので嬉しかったです。
特に、私が考えた攻城兵器を褒めてくれたのが嬉しかったです。太鼓判も押してもらいました。
私にも出来ることはあるようです。
皆さんのお役に立てるように、もっと頑張ろうと思います。
まずは、星さんにも褒めてもらった攻城兵器について、マリアさんに提案してみようと思います。
マリアさんは優しいので、あんまり怖くないけど緊張します。
でも、頑張りたいと思います。
『4週目』
マリアさんに頼んだ、攻城兵器が完成しました。
マリアさんに頼む時はやっぱり緊張したけど、頑張ってよかったです。完成した物を見ると、そう思います。
それと、マリアさんにお茶会に誘ってもらえました。
ご褒美なのかな?頑張ってよかったと思います。
最近、私でも役に立てることがある、ということを信じられるようになりました。
ここの人達が優しいから、というのが強いかもしれません。
でも、みなさんの信頼に答えられるように、少しずつ頑張ってみようと思います。
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もう一回続くらしい
PS・星が原作でやってたのって、将棋だよな、囲碁じゃないよな……?