「それじゃあ、改めて聞いておこうかしら。ランス、貴方の目的は何?」
劉備ちゃんやちびーずが長々と何か話してる間、俺様はずっと考えていた。
英雄たる俺様の桃色の脳細胞を全力全開で使い続け、考えていたのだ。
『どうすれば、華琳とやれるか』を。
そして俺様が出した結論は、
「うむ、華琳とセーックスしにきたのだー!」
正直に俺様の欲望を伝えることだった。
華琳みたいなタイプは、下手な小細工をすると失敗しそうだしな。
回りは驚いているみたいだな。
英雄たる俺様の思考についてこれないとは、可愛そうなやつらなのだ。がはははは!
「ふふ、いいわ。正直なのは好きよ、ランス。
でもいいの?貴方の連れてきた人達は、魏・呉・公の三国同盟を望んでいるみたいだけど、貴方はそれを私に望まないのかしら?」
「何の問題も無い。華琳が俺様の女になれば、それも含めて全て解決されるからな。がはははは!」
「……それはどういう意味かしら?」
「華琳のみならず、近いうちに呉のおっぱいちゃんを俺様の女にする。
そうすると、魏・呉・公、三国全ての王は俺様の女ということになる。つまり、全部俺様の国だ。
そして、全て俺様の国だということは、戦争なんぞする必要が無いのだ。俺様のもの同士で争わせるとか、馬鹿らしいしな。
これで争いの無い世の中、平和な世の中が完成。俺様はいい女とやれてハッピー。みんなは平和になってハッピーなのだ。がはははは!」
呉のおっぱいちゃんと言ったあたりで、シャオが騒いでるようだが、俺様は気にしない。
気にして欲しければ、もうちょっとバインバインになれというものだ。
「はっぴーの意味は良く知らないけれど、なんとなく理解出来たわ。
でもね、ランス。その考え方には問題があるわ。とても簡単で、とても重要な問題が。
つまり、私や孫策がランスの女にならなければいけないということよ。
貴方は、私達をその気にさせてくれるのかしら?」
「俺様は英雄だからな。そして、俺様に不可能は無い。
それに少なくとも、華琳は俺様に真名で呼ばせる程俺様にめろめろだし、そんな質問すること自体が既に、俺様にメロメロな証では無いか。がはははは!」
「ふふふ、確かにそうなのかもしれないわね」
本当に面白そうに、華琳は笑う。
話の内容よりは、俺様と話せること、それ自体を楽しんでいるようだ。
俺様と話すことが何より楽しいとは。可愛いではないか。
俺様の格好よさは罪なのかもしれんな。がははははは!
「でも、その方法が成功したとしても、根本的な解決にならないと思うのだけれど?」
「む、何を言う。
公の連中はそもそも戦が嫌いだからわざわざ起こしたりしないし、呉の連中は話に聞く限り、自国が富む、それが目標だそうじゃないか。
であれば、わざわざ他国に喧嘩を売るなんざ疲れることはするまい。
つまりは華琳が手を出したりしない限り、大陸は平和なままなのだ。
まあ、俺様をめぐって女達の戦いが始まるかもしれないが、その時は俺様のハイパー兵器できっちり説得してやるから問題無いのだ。がはははは!」
「では、未来は?私や貴方が存命中の間はそれでいいかもしれない。
孫策や公孫賛も、わざわざ平和を乱すようなことをするような人物でないことは、私も分かっている。
でも、彼女達が亡くなったら?貴方や私が死んだ後は?
貴方という一人の英雄に頼ったような同盟だもの、簡単に瓦解するわよ。
そして、結局戦乱に戻る。
国は荒れ、ただ平和に暮らしていただけの民が死ぬ。
役人は私腹を肥やすため、昨日まで友だった者を殺すでしょう。
王族は権力を夢見て、共に国を盛り立てていこうと誓った兄弟姉妹を破滅に導く。
そして、少しばかり他人より力があって、少しばかり他人より正義感の強い人間は、大陸を変えようと立ち上がる。
平和のためと心を偽り、自らを慕ってくれた人間に死ねと命じる。
仕方が無い、そう言って、尊敬すべき敵の首を落とす。
そして英雄は、平和が好きだっただけの英雄は、誰よりも人を殺す。
敵も味方も、愛した人も憎かった相手も、家族だろうが他人だろうが関係無く、ただ一点、「平和」の為に邪魔だから、殺す。
そんなおもいをする人間を、これ以上増やす訳にはいかないのよ。」
最後の方は呟くような声だったが、天才な俺様はもちろん理解したぞ。
つまりあれだ、国が三つもあると後々面倒だから、一個に統一したほうがいい、こういうことだな。
色々言っていたようにも思うが、きっとそういうことだと思う。
だがな華琳、君は少し思い違いをしているのだよ。
「俺様が死んだ後のことなんざ知らん。後のことは、その時いる奴に任せればいいだろうが」
くくく、さすがの華琳もぽかんとしているな。
この大陸の中で、唯一俺様に少しだけ近いかなーなんて思った華琳であっても、やはり真の英雄たる俺様の思考回路にはついてこれないようだ。
まあこればっかりはしかたあるまい。俺様が英雄なのがいけないのだからな。
ということで、英雄で優しくて格好いい俺様が、丁寧に説明してやろうではないか。がはははは!
「いいか、華琳。100年先のことなんぞ、考えるだけ無駄だ。
なぜなら俺様たちは生きていないからだ。
その時にはその時の女がいて、王がいて、庶民がいて、そして俺様にはかなうはずは無いだろうが英雄がいる。
どこかの馬鹿が暴走すれば、王が対応するかもしれんし、英雄が対応するかもしれん。
そいつらは何が起きているか知っているし、対応も出来るからな。
だが、俺様たちは別だ。
未来に何が起こるかなんぞわからん。
分からんことの為に労力をさくなんぞあほらしいし、労力をさいてもそれが正しい対応になるかわからんとか、なおあほらしいわ。
結局のところ、100年後のことは、100年後の人間に任せればいいのだよ。
そうだな、それでもなお気になるというなら、あれだな、馬鹿が出にくいようなシステ……組織でも作っておけばよかろう。
俺様と子作りして、超絶天才なガキに全て任せるってのもありだと思うがな。がはははは!」
正直、未来のこととかどうでもいいわ。俺様いないし。
華琳は俺様の華麗な発言を聞いて、考え込んでしまっているようだ。
まあ、天才の俺様の発言だからな。いくら華琳が優秀でも、理解するのには少し時間がかかるだろう。
だがしかし、俺様はここで手を休めたりはしない。
ここで最後の一押しをして、華琳を落とすのだ!
「まあ、なんだかんだ言ったが、結局国のことなんて俺様に取ってはおまけなのだ、おまけ。
俺様が今日ここに来た目的は、華琳、君を俺様の女にすることだからな。
最後にもう一度あえて言おう。
華琳。お前はいい女だ。
どれくらいいい女かといえば、英雄たる俺様が公から魏までじきじきに落としに来るくらいだ。
だから華琳、俺様の女になれ」
「…………」
む、俺様の言葉を聞いて華琳が何か呟いたようだが、声が小さすぎて聞き取れなかった。
まあ、十中八九俺様の女になるという発言だな。照れすぎて小声になったのかもしれん。
だとしたら可愛いじゃないか、たっぷりとベッドの中で可愛がってやらないとな。がはははは!
「ランスさん、今日はここまでだそうですよ」
俺様がちょっと考えにふけっている間、いつの間にか解散宣言が出てたらしい。
ふむ、やっぱり恥ずかしいのかな、華琳は。
一晩置いて心の準備をし、その上で明日改めて俺様の女になろうということなんだろう。
俺様としては、さっさと今晩やってしまいたかったが、そこは俺様良い漢。
華琳が一晩時間がほしいというならくれてやろうじゃないか。
そのかわり、明日はひいひい言わしてやるがな。がはははははは!!
そうしてその日、俺様たちは、客室に連れて行かれたのだった。