汜水関
それは天然の要害を利用した関であり、洛陽の東側にあって、洛陽への進行を塞ぐ鉄壁の守りの一つである。
その汜水関において、今、万の兵が殺しあっていた。
ある者は射殺され、ある者は射殺し、ある者は切り殺し、ある者は切り殺され、ある者は突き殺し、ある者は突き殺されて……。
辺りには、おびただしい数の兵士と、おびただしい数の"元"兵士と。
地獄
今まで大きな戦を体験していない兵士は、今この場所をそう評するかもしれない、そんな光景。
そんな汜水関で一組の男女が、兵の叫びを背に踊りだそうとしていた。
「ふっ、オレ様が勝ったらやらせてもらうぜ、華雄ちゃん!」
「ああっ、勝てるもんなら……、勝ってみろぉぉぉ!!」
繰り出される刃と刃がぶつかり合う。
それが、踊りの始まりの合図。
二人の一騎打ちは、こうして火蓋を切った。
黄巾党を潰し、三姉妹をおいしくいただき、事後処理を済ませたオレ様達は、領地に戻っていた。
ちまちま盗賊などを潰し、平和な日々が……
なんてこともなく、、すぐさま次なる事件がおきた。
なんでも、洛陽の董卓が暴れてるからみんなで倒そうってことらしい。
最近劉備ちゃんや関羽ちゃん攻略が進んでないので、ここで一発どうにかしようっ!とか思っていたら……
「我が名は華雄!私を侮辱した罪、死をもって贖わせてやる!」
なんか、汜水関とかいう関にいた一人が突っ込んできやがった。
槍…というよりは、ハルバードっぽいのを振り回してこちらに向かって一直線だ。
キュピーン!
これはチャンスだ!
相手は、ちびーずの挑発作戦に乗って出てきた馬鹿。
容姿は……うむ、おいしくいただいてあげたくなる感じだな。
けど、それなりに強いっぽい(もちろんオレ様ほどではないだろうが)
つまり、
馬鹿を倒す→馬鹿をやる+一騎打ちに勝ってオレ様格好良い!=オレ様もてもてー!
うむ、ここで頑張らない手はないな!
こうして、オレ様は馬鹿(華雄)に向かって突き進んでいった。
「そらそらそら!!」
「よっ、とっ、たっ!」
華雄ちゃんは、常識では考えられない速度でハルバードを振り回してくる。
縦横無尽というべきか、型にとらわれず、どんな姿勢からでも一撃を放ってくる。
まあオレ様にかかれば、防御するくらいなら造作も無いがな、がはははは!
とはいえ、攻撃に転じるとなると若干面倒だ。
地味に時間を掛けて倒すことなら出来そうなんだが、いかんせん派手にやってオレ様の強さをアピールせねばならん。
鈴女に吹き矢でも吹かせるか、とも思ったんだが、関羽ちゃんがそれを見たときに鈴女を使ったことに気づく可能性がある。
となると、オレ様の評価が上がるどころか下がる可能性もあるので却下。
「うーむ……」
「考え事をしてる余裕なんて無いぞっ!そら!そら!そら!」
「だーっ!!うるさいっ!君を倒す方法を考えてるんだから少しは集中させろ!!」
と、華雄ちゃんの攻撃が止まった。
ん、どうした?
なんでそんなに感心したような顔をしてるんだ?
「ほほう。防戦一方の状態でも、最後まで勝利を諦めないか」
……考え事してるから防戦になってるだけで、別に華雄ちゃんが思ってるような状況では無いんだがな。
とはいえ、これはチャンスだ。
なんかこう、一撃でずばっと終わらせる方法は……
………
……
…
ピッキーン!
「華雄ちゃん!」
「おっ、何か思いついたかっ!?」
「このままずるずると続けても面倒だ!次の一撃で勝負を決めよう!」
大声で、周りの連中にも聞こえるように話すオレ様。
近くにいた奴らは、一時的に戦闘をやめてこっちに注目している。
この状態じゃあ、断れないよなぁ……くくく。
「その意気やよしっ!貴殿の提案に乗ってやる!」
意気揚々とオレ様の提案に乗ってきたな。
これで、次の一撃勝負が決定した。
そしてオレ様には、超必殺技のランスアタックがある。
これでオレ様の勝ちは確定だな、うん。
そしてここに最後の罠を……。
「オレ様が勝ったら、敗者として素直に言うことを聞いてもらうぜ!」
「ふっ、好きにするがいい。ただし、……勝てたらだがなぁ!」
よし、言質も取った。
これで、オレ様が勝てば和姦成立なのだー。
というわけで
「いくぜ……」
「来いっ!」
「ラーンス……」
「はぁぁぁぁぁぁぁっ…」
「アターーーーーック!!!!」
「たぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
真上から振り下ろされたオレ様のカオスと、それに合わせるかのように振られたハルバードが交錯する。
そして……
「オレ様の勝ちだっ!」
『うぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!!』
華雄ちゃんの手からハルバードは弾き飛ばされ、オレ様はカオスを天に掲げる。
周りで見ていた味方は声を上げ、オレ様の栄誉を称える。
うむ、予定通り派手に終わったな!
「ランス殿っ!」
「おお、関羽ちゃんか。見ていたか、オレ様の勇姿?」
「ええ、素晴らしい戦いでした。特に最後の一撃は、私も目を奪われてしまいました」
「がはははは!オレ様は英雄だからな!」
「華雄将軍が倒れたことで、汜水関は後一押しでしょう。これもランス殿のおかげです」
「ふっ、それじゃあ最後の締めは、関羽ちゃん、頼んだぞ。
オレ様は、華雄ちゃんが逃げないように捕まえたまま陣に連れて帰るからな」
「そうですね、分かりました。きちんと成し遂げて見せましょう」
「おう、それじゃあ頼んだぞ!」
オレ様の期待に応える為か、張り切って汜水関を攻め立てる関羽ちゃん。
華雄ちゃんを連れて帰るための口実なんだが、まあ上手くいってよかったぜ。
これで今から華雄ちゃんと……ぐふふふ。
そして肝心の華雄ちゃんだが、なんかこう、降参だ好きにしろ的な感じで座ってる。
うむ、潔くて助かるぜ。
「おぅ、華雄ちゃん。これから敗者として連行するがいいな?」
「私は負けたんだ、好きにしろ」
というわけで、縄で縛って連行した。
華雄ちゃんは、縛らなくても逃げないといっていたが、これは縛ることに意味があるのだよ、ぐふふ。
そして陣へ到着。
途中、まだ戦中だとか言ってたちびーずがいたが、一騎打ちで疲れたとかなんとか適当に誤魔化しておいた。
ついでに鈴女に誰も入ってこないように見張らせてっと。
「さて華雄ちゃん。君は、敗者として言うことを聞くと言ったな」
「ああ、私は負けたんだ。ならば、その命をどうしようと勝者の自由だろう。好きにしろ」
「うむ、では好きにさせて貰おう!」
スパパパーン!
シャキーン!
速攻で脱いで、準備万全になったオレ様のハイパー兵器を前に、呆然とした顔の華雄ちゃん。
その顔を、喜びに変えてやるぜ。ぐふふふふ。
「よーし、では服を脱がすぞー」
「……ってちょ、何故脱いでる!?というか、何故私の服を脱がしにかかってる!?」
「何故って、好きにしていいと言ったではないか。っと、縄が絡まって脱がせられないな。それ、びりびり~っと」
「ちょ、きゃぁぁぁぁ!!」
「おお、女の子っぽい悲鳴を挙げるではないか。それにおっぱいも、なかなか大きくてぐっどだー」
「あっ、いや、だから、んっ、胸をっ、触るなっ……あぁ」
「うむ、触り心地もなかなかなのだー」
「ちょっ、んっ、だからっ、なんでこんなことっ…」
「好きにしていいと言ったのは華雄ちゃんなのだ。だから、これは合意の下のプレイなのだー。
では、下のほうもびりびり~っとな。をっ、縄が食い込んでエロエロではないか」
「たっ、確かに好きにしていいとは言ったが、あっ、わっ、私はそんなつもりでっ、んっ!」
「ぐふふ、こうして縄で擦ると感じてるみたいなのだー。ほれほれほれほれー」
「あっ、んっ、そんなに擦ると、いたっ」
「とか言いながら、もう濡れてきたぞ」
「えっ、んっ、嘘っ」
「ぐふふ、体は正直ということだな。ということで、そろそろオレ様のハイパー兵器、ロックオンっ!」
「えっ、ちょっ、せめて普通に……」
「こうなったら男はもう止まらないのだ!照準良し、発射ー!!」
「あ…………アッーーーー!!!」
ご馳走様でした