卯月の頃(晴れ)
先日、十番隊の隊長が変わった。
なんでも、死神になって十年で卍解覚えて隊長に推挙されたらしい。
十年で卍解とかどんだけ天才やねんとか思ってお披露目に向かうと、何時ぞや見かけた白髪少年だった。
場所は隊長格が集められたお披露目会だが、第三席の俺が居るのは六番隊には今現在副隊長が居ないからだったりする。
副隊長代理と言うことになるわけだ、三席待遇で副隊長の仕事やってますよ俺。
近い内に、何処かの隊の有能な子でも見繕って副隊長に来て貰えたらいいんだけどなぁ。
修平君とか射場さんとかどうだろう、最近、射場さんは十一番隊に行ってる時に進んで書類仕事とか手伝ってくれるようになったからな。
ま、俺が決める事じゃないからどうしようもないか。
十番隊の副隊長には爆裂おっぱい事、松本乱菊ちゃんが同時に就任した。
相変わらず実にナイスおっぱい、夜一さんの生褐色おっぱいやってなければリミットブレイクする所だった。
でも、最近、少しだけ世代交代の波が来てる気がする。
三番隊は少し前に五番隊の副隊長をしていた市丸ギン君が就任したしな。
副隊長も引退間近の三番隊と七番隊と九番隊、隊長就任で空いた五番隊、そして長く空白が続いてる六番隊にポストがある。
十一番隊もそういう意味では少し前に入れ替わったばかりだな。
こうやって、隊の面子が入れ替わってるとあの時を思い出すなぁ。
葉月の頃(くもり)
十一番隊にお邪魔した、最近は射場さんもナルシスも書類仕事頑張ってるしそろそろ手伝いは要らないかねぇ。
剣八のおっさんは他の隊に喧嘩を売るのに忙しいし、やちるちゃんもそれについてってるか他の隊に顔を出して可愛がられてるけどな。
前に山本総隊長のお茶会にいたのには驚いた、茶菓子だけ食って帰ったけどフリーダムだなぁ、和むわ。
山本総隊長で思い出した、剣八のおっさんは道場に通うの止めたらしい、礼儀とか決まりとかめんどくせぇとか言ってた。
でも、なんか知らんが鬼強くなってたんですが、霊圧下がって玄海嬢ちゃん切られる事も最近は無くなってたんだけどなぁ。
おい、玄之丞、知ってるか、剣は両手で握った方が強いんだぜとか言いながら一刀両断にされました。
久しぶりに重態です、今まで一度もお世話になった事のない四番隊にお世話になりました。
俺じゃなきゃ死んでたね、多分、切られて地面に倒れる前に昇天してた。
玉と剣と両方で防いだのに真っ二つとか、もう二度と両手持ちのおっさんとは戦いたくないです。
卯ノ花隊長、滅茶苦茶優しかったです、四番隊っていいなぁ、空気が良いし、隊長も副隊長も美人だしここに住みたい。
皐月の頃(雨)
予想通りというかなんと言うか、九番隊と七番隊の副隊長にそれぞれ修平君と射場さんが就いた。
その内、うちの副隊長になって欲しかったんだけどなぁ。
お祝いを兼ねて登山愛好友の会……もうおっぱいの会でいいや……でおっぱいおっぱいしてきた。
折角なので射場さんと修平君に副隊長任せられる良さげな人材は居ないか聞いてみた。
射場さんはハゲかナルシスがいいんじゃないかーみたいな事を言ってたが要りません。
脳筋とか同じ隊にはいらねー、超いらねー。
ナルシスは射場さんが居なくなった十一番隊から取ったりしたら十一番隊終わるからなぁ。
やちるちゃんを今から少しずつ教育して隊の仕事任せられるように仕込むのとかどうだろう?
いやいや、子供は子供らしく遊んで育つのが良いと思う、仕事を教えるといってもまだまだ先の話だなぁ。
そういう話をしてたら、ホントお前は子供には甘いのうとか射場さんが笑っておりました。
ちっさい子供は甘やかして良いんだよ、俺だって曾祖母ちゃんに大切にして貰ったんだからな、その分、他の人に返すのは当たり前だ。
こんな事(おっぱいおっぱい)やってるのに時々玄之丞さんって真面目ですねと修平君も笑ってるし。
時々じゃない、常に真面目だ、おっぱいおっぱいやってる時も、仕事してる時も、俺TUEEEEやってる時もな。
キラッと歯を光らせてみた、何故か爆笑された、はいはい、似合いませんねー、俺だってニコポとか憧れてんだよー。
いじけてると、射場さんが自分と入れ替わりに五番隊から席官として新しく入る奴がいるから面倒見てやってくれと言われた。
なんか、俺、十一番隊から出て行く人間に頼みごとされる事多い気がするなぁ、二回目だけど。
前の十一番隊隊長元気してるかね、前に様子見に行ったら今度引っ越すとか言ってたが。
とりあえず、五番隊からの新席官なら脳筋って事は無いだろう、さっさと仕事仕込んで楽になるぞ。
皐月の頃2(くもり)
脳筋でした。
ハゲとか剣八のおっさんと比べたらマシよ、自発的に判子押しくらいはやってくれるしな。
阿散井恋次って言う名のわりと実務能力は高めの少年だ。
まだ新人だし、事務仕事叩き込んだら多少は使えるようになるかねぇ。
とりあえず、今はハゲと喧嘩するのが楽しいみたいだけどな。
最近、尸魂界に居る時は週に一度は十一番隊来てるから、なんか妙に俺の机とか出来てたり、俺の机に書類山積みしてあったり、俺の机に隊の認印が置いてあったりするんだけど、本気で大丈夫か十一番隊、冗談抜きで最近心配です。
射場さんの抜けた穴はでかい、でかすぎる。
しかも、書類仕事終わった後、剣八のおっさんとかハゲとかと戦闘ばっかしてるから俺の防御スキルに一段と磨きがかかってしまった。
最近、白哉君の太刀筋とか見えてきたんだぜ、ありえねぇよ、相変わらず攻撃当たらないけどな。
努力次第で始解の千本桜なら卍解無しで防げるかもしれん……俺って成長してるなぁ、まさに(物理的に)血の滲む努力。
でも、白哉君、負けず嫌いだから防いだら意地でも当てれるように努力するからなぁ、だからといって手を抜くと怒るし。
それは兎も角、この恋次君、どっかで見たこと有るんだよな、直接じゃなくて多分書類かなんかで。
はて、多分、六番隊関係の報告書か何かじゃないかなと思うんだが、帰ったら調べてみるか。
水無月の頃(晴れ)
報告書を調べてみた、なるほど、ルキア嬢ちゃんを引き取る時に白哉君に内緒で調べさせた交友データか。
戌吊の頃からの知り合いで貴族の家に養子になった事で疎遠になった子だった。
ふむ、兄妹関係も隊内関係も最近はホント充実してるみたいだからなぁ。
贅沢言えばルキア嬢ちゃんに以前の交友関係も何とかしてやりたい所だけど。
昔も似たような事を考えた気もするが友達関係は当人同士か共通する友人じゃないと口出しは難しいからな。
とりあえず書類仕事仕込もう、その合間に機会があれば本人の気持ちも聞けるだろうよ。
神無月の頃(晴れ)
毎週恒例の十一番隊事務業務ですよっと。
山本総隊長に事務仕事できる人を派遣してくださいと茶会でお願いしたら思いっきり顔を逸らされた今日この頃。
なんか、派遣するたびに泣きながら配置換えを陳情しに来るんだとか、しらなんだわ。
どうも、俺が長期で尸魂界を離れる時に仕方なく派遣してたようです。
腕っ節が強くない人は十一番隊の下っ端に苛められて、腕っ節が強かったら剣八のおっさんの餌食なんだとか。
うん、それ無理、俺も無理だからもう行かなくて良いですかと聞いたら、総隊長命令で尸魂界に居る間は週一で出向命令とか出された。
やぶ蛇ですね、手当てはだいぶ出してもらえました、そろそろ瀞霊廷に家が建ちそうです、使う暇はないけどな。
最近、砕蜂との飲み会の酒の質がうなぎ登りです、ツマミの質もうなぎ登りです、大前田君、すまない。
十一番隊でもよく酒とか飲んでるがぶっちゃけ金は一銭も出してないがな、酒代くらい出せと大いに言いたい。
何時も通り書類整理終わって、何時も通り隊舎の裏山奥地で喧嘩……もとい訓練というよりはやっぱ喧嘩をしていた。
恋次君も結構強いね、この部隊、脳筋ばっかだがガチンコだと他の隊の平均より結構上なのは間違いないよな。
斬魄刀も直接攻撃系マンセー、鬼道系ってダサいよね、見たいな奴ばっか。
俺の斬魄刀も鬼道系?だけどさ、戦闘に関しては直接攻撃系+αみたいなもんだからそれほど風当たりは強くない。
そもそもだ、搦め手に弱くてガチンコ馬鹿ばっかだからなぁ、あっさり罠にかかって負けてる以上負け犬の遠吠えって奴だ。
文句があるなら『六杖光牢』から一瞬で脱出してみろ、力づくで。
剣八のおっさんのずるい所はそこなんだよなぁ、最近はこのおっさん、大分切り合いが出来るようになったじゃねぇかとか嬉しそうなんだが。
もう、切り合いながら使える縛道でどうこうできないと諦めてるだけなんだがね、人生諦めが肝心よ。
兎も角、この日はハゲと酒飲んでナルシスと恋次君の喧嘩を眺めてた。
そしたらハゲがルキア嬢ちゃんの話題を振ってきた。
なんか、ナルシスと喧嘩しながらチラチラ恋次君がこっちを見ている。
ははぁん、なれねぇ事してるなハゲ、にあわねぇよもっとはっきり聞け馬鹿、とか言っておいた。
そしたら、よっしゃ上等だ、何時も何時も鬼道でどうこうなるとか思うなよとか言いながら喧嘩吹っかけてきた。
ふっ、俺の防御能力と鬼道の腕を舐めるなよ、剣八のおっさんには無理だがハゲ程度簡単に俺TUEEEしてやんよ。
そう思ってた時期が俺にもありました。
このハゲ、よほど腹に据えかねてたのか卍解覚えて切りかかってきやがった。
流石に卍解使ってる奴相手に無詠唱縛道とか足止めにもなりません。
どうしようもなくて俺も卍解とか使わされました、だってよ、あんな攻撃喰らったら即死するっちゅうねん。
がっつんがっつん玄海嬢ちゃんの盾とか直接攻撃系で吹き飛ばされるとか無いわぁ。
なんかだんだん竜の模様が赤くなって威力上がってくるしさ。
結局、決着は付きませんでした、ハゲの癖に生意気な。
恋次君にはさっさと素直になって仲直りしろよ、あと、ルキア嬢ちゃん嫁に欲しいなら白哉君より強くならんとダメだと思うぜと言って置いた。
白哉君とか、総合能力的に俺より全然強いからな、勝ってるのは防御力くらいじゃね?
最近、白哉君の鬼道の腕も上がって追いつかれそうだしなぁ。
くわばらくわばら、ルキア嬢ちゃんも好きな人呼ぶのも大変だなぁ、もういっそ白哉君とくっつけばいいのに。
卍解の事は誰にも言うなよとかハゲが言うので、俺のもなーと言って帰宅した。
全く、十一番隊来ると疲れていかんなぁ、どっかに夜一さんの褐色生おっぱい落ちてねぇかなぁ。
金崎玄之丞 十一番隊の派遣を正式に命じられた頃の日記より一部抜粋。
阿散井恋次の憂鬱
俺にはひとつ後悔がある。
それはひいてはならねぇ時にビビッて引いちまった事だ。
俺はそれ以来、ただ只管自分をいじめ鍛え続けた、あの男に、朽木白哉に勝ちてぇ、その思いだけが支えだった。
席官になり、戦いじゃ一番だと評判の十一番隊の席官にもなれた。
そこで俺は奇妙な男とであった。
十一番隊でもねぇのにうちで仕事をしている六番隊の第三席、そんな意味不明な男だ。
六番隊、俺が目標とする男、朽木白哉が隊長をしてる隊の実質的なナンバー2。
そして、四大貴族である朽木白哉が唯一認めてる流魂街出身者。
弓親さんが手伝ってはいるが、実質、十一番隊の事務を重要なものだけとはいえほぼ一人でこなし、隊長である更木剣八と真剣を使って何度も立会い未だに命があるという事。
朽木白哉はこの男より尚、上に居る。
「玄之丞か、結構斬りがいがあって良いね、最近、また硬くなりやがった」
「玄ちゃん? 剣ちゃんの友達だよ、剣ちゃんが楽しそうだから私も好きだよ、お菓子も一杯くれるし」
「あ、あいつか? まぁ、つえぇな、ウチの隊長とやりあってあんだけ生き残れりゃ充分すぎらぁ。ま、人の事、ハゲハゲうるせぇけど」
「あぁ、彼かい? あれで美しかったら最高に僕のお気に入りだったんだけどねぇ。でも、生き方は美しいね、平凡な顔に生まれてもああやって美しく生きてる人間は嫌いじゃないよ」
実力こそが判断基準の十一番隊でこの評価は破格だ。
そして、この男はルキアとの交流も持ってるらしいと風の噂で聞いた。
今更、どんな顔してルキアの事を聞くって言うんだよ。
そうやって悩んでる俺に、事情を知ってる一角さんが俺が聞いてやると言ってきた。
多分、そんな事、この人には重々承知だったんだろう。
気付けば、一角さんとの戦闘が始まっていた。
そこで俺は初めて卍解と言うものを見た。
凄まじい霊圧に息をする事も忘れ、この場に居るだけで冷や汗が滝のように流れた。
しかしそいつはそんな一角さんの卍解を見て汗ひとつ流さずに避けている。
だが、何時かは捉えられる、そう思った瞬間に馬鹿でかい霊圧が一つから二つへと増えていた。
真っ黒で巨大な球体、それが一角さんの卍解を悉く遮り防いだ。
結局、霊力切れで二人してぶっ倒れるまで戦いは続いた。
「恋次君よ、うじうじ悩むくらいならさっさと仲直りしとけよ。あと、白哉君は俺より強いからな。ルキア嬢ちゃんを嫁に欲しけりゃ、白哉君に勝てるぐらい強くなった方がいいぞ。全く、貴族だなんだとめんどくせーな」
そう言って帰って行った。
べ、別に俺はルキアを嫁に貰いたくて朽木白哉に勝ちたかったわけじゃねーよ。
一角さん、弓親さんもなーんだそういうことか見たいな顔しないで下さい。
あぁ、せめて副隊長くらいにならねぇと貴族になんてまともに話しかけれねぇよ、あの人ホントすげぇや。
了
後書き
ハゲつえぇとか言われたので言い訳考えてました。
防御主体のカウンター型の主人公と直接攻撃主体のハゲ。
訓練だから致命的な破道をひかえたから無傷で引き分けとかなんとか。
だけどですね。
>玄海って嫉妬パワーで能力上下するんじゃね?
とか言われて、あまりの説得力に思わず納得した。
なので玄海嬢ちゃんのパワーはテンションと嫉妬心で上下するという能力が追加されました。