「さて…では送り届けに向かうぞ」
「兵士を連れて行かないで本当に良いのか?」
白蓮がラオウに話しかける、送り届けるのに向かっている一行は
ラオウ・小夜・白蓮・桃香。
一応兵士も居るがそれは精鋭中の精鋭であるラオウ親衛隊。
「構わぬ、此度はただ送り届けに向かうだけだからな」
「兵隊さんを連れて行くのは本当に一応の処置だよ…この人数でも
かなりの戦力だけど」
ラオウ親衛隊の人数は千二百、三人がかりで愛紗クラスの武将を苦戦させる
腕前を持つ者ばかりである。
…それでもラオウを苦戦させる事すら出来ないのだからラオウの実力は
最早計測不能の領域に入っている。
「あぁー…むしろこの人数の方が動きやすいと言う意味では良いのかな?」
「武将もなるべくなら俺と小夜だけで行きたかったが…
璃々の相手をする者が居ないのでな」
子供の扱いに慣れている者が必要だったため桃香を呼んだのだ。
白蓮が来た理由も似たようなものである。
「劉備お姉ちゃーん、早くー」
「あ、待って璃々ちゃん」
馬に乗ろうとしている璃々を抱えて馬に乗る桃香。
白蓮も溜息を吐きつつ馬に乗る。
そして、ラオウの送り届け作戦軍は出立した。
「まだ見つからないの!?」
「お、落ち着いてください黄忠様…全力をつくして探して」
「いい訳は良いから早く捜しなさい!!!」
温厚な黄忠が声高く怒鳴り声を上げていた…無理も無い、愛娘が一日消えてしまっていたからだ。
それに近くには侵攻しているラオウの軍勢がある。
評判こそ桃香の影響で悪いものではないのだが、ラオウの噂がとんでもなく凶悪なものばかりだった為、
心配しているのだ…もっとも、その噂を流したのは袁紹である為信憑性は無いのだが、
娘を心配するあまりそのような判断すらつかない状況だった。
「黄忠様、あんなに取り乱して…」
「仕方ねーよ、たった一人の娘さんだぜ?」
「俺だって心配する、誰だってそうだろ?」
兵士達は黄忠の半ば八つ当たりに近い行動も気にした様子も無く作業に入るために
各隊に伝える…そして…
「黄忠様!!!」
「何!」
「北斗の軍勢が!!!」
騒然となった…黄忠も一端の武将…民を守るために、六万の軍勢を
篭城させて迎撃する態勢を整えるよう指示を出した。
「御免なさいね…璃々」
実の娘よりも民の安全を考える…民の意識は既に劉備を歓迎するような
雰囲気になっているが、簡単には降伏をするわけにはいかない…。
黄忠は弓を握り…戦場に立つべく部屋を後にした。
「見えたか…」
「あらら…臨戦態勢を整えちゃってるね…」
桃香が門の上に居る兵士の雰囲気を察知して溜息をつく…
使者を送ろうかどうか考えていると、ラオウが前に前進していた。
その状態で桃香にわずかに目配せをする。
「え?進むの?」
「桃香、今の目配せで分かったのか?」
「危険だけど、下手な使者を送るよりマシ」
侵攻しているように思われている部隊から使者を送ってもその使者の命が危険だろう。
それなら、一番強い者が使者として向かえば被害は無くなる。
本来の用件を果たした後で即座に撤収すれば良いだけだ。
桃香の近くに小夜が行く…護衛のつもりらしい。
「行くよ…白蓮ちゃん頼むね」
「死なないでよ、といっても矢も効きそうに無いけどラオウ様は」
桃香と小夜は璃々を連れて黒龍の近くに寄って行き、ズンズンと
城へと向かって進んで行った。
「黄忠様、北斗が…」
「大将自ら来るとは…!」
黄忠は弓の使い手であり達人クラス…それ故に近づいてくるラオウの近くに
愛娘の璃々が居たのを発見した。
もしかしたら…
「脅しのつもり…ですかね」
「……許せない…」
近くに居た弓兵も璃々の存在に気がつき、黄忠に尋ねる。
黄忠は怒りを露にして…
「ノコノコと来た事を後悔しなさい!!」
そう言い放って、矢をラオウの心臓に向けて撃ち放った。
「…」
指二本で飛んできた矢を掴む。
そして矢を投げ捨て、ある程度前進して黄忠の見える位置に立つ。
「黄忠よ!聞こえておるか!!!」
黄忠のところに届くように巨大な声を発する。
近くに居た小夜達はとばっちりを喰らい耳を押さえている、璃々は
目を回して気絶してしまった。
「俺はうぬの娘を送り届けに来ただけだ!」
「…本当ですか?」
「あぁ、本当だ!!」
会話しているようになっているのは、ラオウが読唇術を使っているからだ。
黄忠は自分の声が聞こえたのかと驚いていたが、ラオウの眼…そして桃香の
表情を見て信頼し、数名の兵を引き連れて城門へと出た。
「始めまして、黄忠です」
「北斗だ…そら、桃香」
「はい…璃々ちゃん、お母さんだよ」
「お母さーん」
璃々が母親の姿を認めて駆け寄っていく…黄忠は璃々を抱きかかえ
涙を流しながら娘の無事を喜んだ。
しばらくその状況が続いていたため、ラオウ達はその間待つ事となった。
NG:1 鬱エンド直行的な選択
「ノコノコと来た事を後悔しなさい!!」
そう言い放って、矢をラオウの心臓に向けて撃ち放った。
「…」
指二本で飛んできた矢を掴む。
そしてそのまま飛んできた方向へと返した。
その矢はそのまま黄忠の心臓へと突き刺さった。
「きゃあ!」
「ぬお!いつもの癖で反射してしまった!」
「お母さ――――ん!!!」
その後、璃々はラオウの命を常に狙うようになった
:奥義って怖いね
NG:2コマンド入力失敗
「ノコノコと来た事を後悔しなさい!!」
そう言い放って、矢をラオウの心臓に向けて撃ち放った。
「…」
指二本で飛んできた矢を掴み…損ねた。
そのままラオウの心臓に突き刺さる。
「ぐはぁ」
「ラオウ様!!!」
桃香が悲痛な叫びを上げ、近寄っていく、ラオウはそれを片手で
制し、矢を抜きさって心臓の辺りの筋肉を集中させた。
そして、どうにか致命傷にはならずにすんだ。
:コマンド入力失敗した、テヘ…ちょ、こっちにくr(天将奔烈!!!