華雄の軍がラオウ軍の前衛部隊と衝突した。
その時にはラオウは本陣におり、前衛部隊には曹操、桃香、白蓮等の
挑発していた武将の面々が並んでいた。
因みに、卵が投げられ当たった場面は見ていない為、華雄が何故
前髪の辺りがテカテカしているのか分かっていない。
怒っているのは挑発に乗った為と分かっているのだが…
「殺す殺す子r簾殺す殺す固陋!!!!!」
「口が上手く回っていないわね…」
「大成功だけど…なんかやばくないか?」
曹操・白蓮が暢気に話しをする、その間にも前衛部隊は苦戦を強いられていた。
曹操達が直接指揮しているためそれなりに防げているが…
華雄の天をも貫くような怒気を当てられた華雄の兵士達は士気が半端無く上がっていた。
「朱里ちゃ―ん…効果が思わぬ方向で失敗にむかってなーい?」
「……これほどまでに怒るとは、余程孫策さんのお母様に負けた事を
指摘されたことを怒っているようですね」
朱里達には卵の件が分かっていません。
「く…黄巾の時とは敵の実力が段違いの強さだ」
「挑発が効き過ぎたらしいな」
「怒りっぽすぎなのだ―」
関羽達には卵(ry
「春蘭…これ、やばくないか?」
「挑発作戦は失敗だったか…」
一刀達にも(ry
「前線が崩壊しそうだな」
「…行きますか?」
本陣の方で状況を見るラオウ…本陣に居る理由は曹操に
総大将は本陣でどっしりと構えるものよと言われたからである。
「ここまで崩壊してしまえば、直にここまで兵士がやってくるだろう…」
「…」
「それが少しばかり早くなるだけの事…小夜、出るぞ」
小夜に意見し、黒龍に乗るラオウ…その後ろにチョコンと
小夜が座る…
「本陣の兵たちよ…敵の攻撃は想像以上に苛烈だ…このままでは
崩壊するだろう…だが、この俺が敵を殲滅しに動けば
たちまちの内に状況は覆る…勇敢な兵たちよ!
我に続け――――!!!!!!」
ラオウ軍最強の二人が、今…前線に君臨しようとしていた。
「ラオウ様が…?」
「北斗が出るのね…確かにこの劣勢は予想外だから賢明かもしれないわね」
「そうだな」
「え?この劣勢が覆るの?」
「どういう事じゃ?」
桃香達の意見の意味が呑み込めずキョトンとする孫策と袁術…
この二人はまだラオウの無s…戦いぶりを見ていないので、
首を傾げるだけだ。
そこまで前人未到の強さを持つとは思っていないのだろう。
門破壊の件は軽い冗談だと思っていたからだ。
「見れば分かるわよ」
そして、ラオウが曹操達の横を通り過ぎ…敵を攻撃し始めて
ようやく、曹操達の言葉の意味を袁術達は知ることとなった。
「北斗剛掌波!!!」
「極星十字拳…」
戦場を縦横無尽に駆け回り董卓の兵士を次々と葬っていく二人…いや、それは
黒龍も同じで何とか懐に潜り込んだ兵を蹴り上げ、または踏みつけて蹂躙していく。
それはまさに地獄だった。
ぶつかり合った序盤こそラオウの軍勢が不利だったが……ラオウと小夜の二人が前線で
このような蹂躙劇を繰り広げているうちにあっという間に戦局は覆された。
「えーい!何をしている軟弱者!敵はたった二人だぞ!?」
「二人ってレベルじゃないです!むしろ万の軍勢を相手にしてるようなものですよ!?」
愛紗達はその兵の言う事に全面的に合意した。
ラオウだけでもとんでもない戦闘力を持っているのに、小夜まで
かなりの戦闘力を持っていたのだ。
しかも、小夜に至ってはあまりに早すぎて何が起こっているのか理解できない。
ラオウの剛拳は目立つ恐怖に対して小夜の速さは未知の恐怖。
姿が消えたと思ったら既に自分は死んでいたという事が実際に起こっているのだ。
踏み込みの速さは尋常ではない。
「うぬが華雄か」
「…っ」
華雄の前に堂々と立ち塞がるラオウ…既にラオウと小夜の二名によって
指揮系統はほぼ壊滅状態に陥り、残り数千名しか残されていなかった。
もはや、全滅といっても過言ではない。
「私も武人だ……せめて貴様の頸を貰うぞ…降りて戦え!」
そう言って鉾をラオウに対して向ける。
だが、ラオウは降りない…小夜はラオウの近くに待機し二人の様子を見る。
華雄の兵士達は愛紗ら率いる軍勢と戦っていて動けない。
「この俺を降ろすには貴様の腕では不可能だ」
「な!?愚弄するか!!」
「俺はこの場より動かぬ…掛かって来るがいい」
「嘗めるな――――!!!!!」
勢いよく跳躍し、ラオウの頭上にて鉾を直線上に振るう。
だが…無数の拳に阻まれ、華雄は地へと片足を付いて落とされた。
すぐにラオウを見ると…手綱から手を離していなかった。
「ど、どういう事だ…」
「貴様が見たのは我が闘気、一流の武芸者は闘気を纏うことが出来る。
貴様はその闘気に負けたのだ」
「な…」
闘気による防壁。
この防壁を抜けようと思ったらかなりの実力を持たねば抜くことは不可能。
今、この場においてはシュウと小夜の二名しかその障壁を抜くことは出来ない。
「小夜よ…任せる」
「…わかりました」
そう言い放ち、小夜は一直線に踏み込み、構えを取らせる事無く華雄を打ち倒した。
傍目から見れば死んだように見えるが、実際は鳩尾を殴りつけて気絶させただけだ。
「か、華雄将軍が負けた…」
「に、逃げろ―――!!!」
残った敵の兵士達は次々と逃げ去っていき、戦局は完全にラオウの勢力の勝利となった。
そのまま、ラオウは汜水関の中へと堂々と入っていった。
その後ろに華雄を抱えた小夜が続き、曹操達が続いて入った。
因みに、袁紹側の勢力は戦いが終わったことに気が付かず数時間経ったところで
ようやく、戦闘の終了に気が付き、汜水関の中へと慌てて入り込んだのだった。
「総大将である私を無視して堂々入関なんていい度胸じゃありませんの?」
怒り有頂天の袁紹、二つに分かれた両軍の代表者が集って会議をしている。
ラオウ側にはラオウと小夜の二人しか居ない……参加しないのは言わずもがなである。
「…敵の工作兵が居ないかを調べてた…」
「まあ、そうですの…とにかくご苦労でしたわね。ほぼ損害無しで
終結させた事には感心せざるを得ないですわ」
そう言って高笑いをする、正直うんざりする相手だ。
これが世紀末の世であれば真っ先に殺していることだろう。
「それで提案なのですが、次の虎牢関は我が軍が先陣を勤めますから
しっかりと休んでなさいな」
それは一概に、これ以上活躍をされたら正直鬱陶しいので、次は
私に活躍の場を持たせろということだ。
口にしなくてもその態度が物語っている。
ラオウは少し考える振りをした後…
「そうさせて貰おう」
「では、今日の会議はここまで…曹操さん達に次は参加するよう言って置いてくださいな
総副将さん」
会議はお開きとなった、袁紹が居なくなった事を確認すると、
ラオウは机を叩き割った。
「…ラオウ様、落ち着いて…」
「もう落ち着いた…ところでお前は何を作っておる」
「…虎」
叩き割った机の破片を少し掬い取り、南斗聖拳の斬撃を駆使して
彫刻を彫っていた…明らかに無駄遣いにしか見えない。
「…これも、修行」
「そうか…ところで、そこの貴様はいつまで盗み聞きをする気だ」
「おやおや、ばれてしまいましたか」
そう言って、スッと現れて来る一人の男…挙動から見て、
何らかの拳法を使っているのは明らかだ。
「うぬは」
「失礼、私の姓は孫音、字は紀…真名は崇と申します」
「…彼は北斗神拳伝承者候補の一人」
「ふ…逃げ出した者の一人か」
「ぐ…逃げ出したのではなく、私が見限ったのですよ」
そう言いながらも額に浮かぶ青筋は隠れてはいない。
相当の負けず嫌いのようだが…
「うぬは鍛錬をしてはおらぬな」
「鍛錬など、その様なもの凡人のすることだ」
「ほう…?」
「真の天才とは努力をせずとも実力が付いてくるものだ…この美しさすらも」
そう言って前髪をかきあげる。
袁紹とは違った意味で腹立たしい輩だ。
「ここには何をしに来た」
「北斗神拳を使う者の様子見さ…なるほど、豪快さはピカイチだね。
美しく無いが」
そういいながら、颯爽と部屋を去っていく。
ラオウは再び割れた机を闘気を篭めて殴りつけた。
粉々になった。
これでは、もう彫刻は造れない、とふうと息を付き、小夜は
手元の虎を仕上げに掛かっていた。
そして、ラオウは自身の陣営の天幕に戻り、呼びつけた瑞佳・紅柳に祟の事を聞いた。
すると二人は息ぴったりに
「「ただの気障な野郎だ!!!」」
怒って言った。
聞くところによると、練習をサボってばかりいて他の門下生を
いじめたおす事を趣味としているという。
自我自賛ぶりは紅柳に匹敵するが、相手を完全に貶めるという点で
その部分は乖離していた。
「そうか…うぬらもそれほどまでに不快に感じるか」
「孫策に使えているらしいが、やれやれ見る眼はあるが
なんで登用したのかさっぱり分からん」
「まったくだな」
その後も祟の愚痴を延々と繰り返し、気が付けば夜明けごろになり
寝不足の状態で会議に出席したのは別の話。
ラオウと小夜が平然としていたのも別の話である。
NG:1
「卵を投げつけてきた輩はドイツだ!!!!」
華雄が激しく憤怒しながら聞きにくる…
ラオウ達は迷わずはるか後方に居る袁紹を指差した。
「アイツか―――――!!!!!!!!!!!」
そのまま兵を率いて突進する。
ラオウ達の軍は丁寧に道を譲った。
「さて、このまま汜水関に入るぞ」
「そうね、兵の数で勝ってる袁紹が負けるなんて無いでしょうね」
「わらわが一番乗りでよいか?」
そして、袁術が一番に入りその後ろをラオウ達が続いた。
白蓮が……
「これでいいんだろうか…」
そう言いながらもちゃっかりとラオウ達のあとに入っていった。
袁紹の軍が大分損害を受けたのは別の話。
悲しいことにその後の戦局に大きなズレは生じなかった。
:これは酷いなー
NG:2
「そうか…ところで、そこの貴様はいつまで盗み聞きをする気だ」
「いやー、ばれちまったか」
そう言って、スッと現れて来る一人の男…挙動から見て、
何らかの拳法を使っているのは明らかだ。
爽やかさを持った青年のようだ…何故か小夜がラオウの背に隠れているが
「うぬは」
「オッスおら、姓は孫○、字は空、真名はカカ○ットってんだ。宜しくな」
:ギャー董卓軍逃げて―――!!!!もう遅いか