このお話はめちゃんこ強い最強のオリ主が大活躍するお話です
人生に満足している人はとっとと戻ったほうがいいと思います
人生に退屈している人はとっととハローワークに行って下さい
狼の声が聞こえる。
遠く、そして悲しく、決意にあふれた声。
そしてもう一つ。
「ジュエルシード・・・すぐに手に入れるよ・・・」
声が響いて消えた。
海鳴市 商店街 夕刻
今日も今日とて学校帰りにジュエルシードの探索をする。
はやては最近俺が遅く帰ってくることに多少いぶかしんでいるようだが・・・今のところは何とかごまかしている。
流石に魔法云々の話をする訳にはいかない。もしはやてにそんな話をしたら黄色い救急車を呼ばれること請け合いだ。
「・・・ん?」
そんなことを考えて商店街にやってくるとなにやら喧騒が聞こえる。どうやら肉屋の主人と誰かが言い争っているようだ。
「だから、それはここじゃ使えないんだ、からかっているのなら別の店にいっとくれ」
「えっと、でも・・・」
どうやら金髪の少女と肉屋の主人、ゲンさんと呼ばれている、が言い争いをしているようだ。
「どうしたゲンさん、騒がしいじゃないか」
「おお、八神のところの、何、この嬢ちゃんが買い物に着たんだがね」
「?それがどうした?まさか見た目で売らないなんて野暮はすまい?」
ゲンさんは荒いがそんな狭量な人ではないはずだ。
「いや、そうじゃねぇんだ。売るのはかまわねぇんだが、カードは使えねぇときいてくれなくてよ」
なるほど、確かに個人商店でカードを使おうとしても無理な話だ。確かにスーパーやデパートではカードは便利だが、こういうところでは不便である
「これじゃ、買えないんですか?」
「そういうわけではない。ただこういう店ではカードは使えないんだ。家に一旦戻って現金を持ってくるほかない」
「えっと、でも、お金、これしかないんですけど・・・」
なんだそれは。この子の親は何を考えている?子供にカード渡して買い物に行かせる等放任がすぎる。いや、むしろ逆に過保護なのか?
「はぁ、仕方ない。ゲンさん。ここは俺が代わりに払っておく。この子に持たせてあげてくれ」
そういうとゲンさんは眉根を寄せて言った。
「かーっまた坊主のおせっかいが始まった。そうやっていつも人助けばっかしてやがる。わかった。わかったよ、俺も男だ。これからのかわいいお得意さん増やすためにも今日はサービスだ。持ってきな」
ばしばしと少女の肩を叩いて肉を包む。
「次来るときはちゃんとお金を持ってきてくれよ」
ゲンさんはにかっと笑うと少女にその包みを持たせた。
「あの、ありがとう、ございました・・・」
金髪の少女と共に歩く。
「なに、肉屋の主人も言っていただろう、単なるおせっかいだ。礼を言われるようなことじゃない」
「それでも・・・買い物ができないところだったから・・・」
「その礼ならゲンさんにいうんだな。あの人が全部やってくれたんだ」
事実俺は何もしていない。ただちょっと横から口を出しただけだ。
「あの、ちょっと聞いてもいいですか?」
「何だ?」
「あなたみたいなのは・・・この辺りでは珍しくないんですか?」
・・・・・・暗に俺のお節介を馬鹿にされてる気もするが正直に答える。確かにいろんなことに首を突っ込みたがるのは俺の悪癖かもしれないが逆にそれによって人に感謝されることもある。もちろんその逆も。
「さぁな。俺みたいな奴は珍しいといえば珍しいしどこにでもいるといえばどこにでもいる。そんなものさ」
結局人が持つ好奇心次第だろうと思う。好奇心旺盛な奴が多いか、興味を持ってそのあと人にどう関わるか、そこまでは俺にはわからない。
「それじゃ、ここではあまりこういうことに対する警戒心は薄いんですね?」
まぁスーパーやら何やらではただで物を持たせてくれるなんてことはないだろう。あれは個人の商店だからできる裏技みたいなものだ。
「まぁ場所によるが・・・少なくともこのあたりのところではああいう対応をしてくれる奴が多いだろうよ、他のところは知らんがね」
「そうですか、じゃあ、あまり神経質にならなくてもいいのかな・・・・・・?」
少女がなにやらぶつぶつ言っているがこの年頃の少女には色々あるのだろう。はやてもたまにこういう風にひとりでぶつぶつ言っている事があった。
「まぁなんにせよ、次来るときはもう少し準備をしっかりしてから来ることだ」
「え?あぁ、わかりました」
そこまで喋ると少女はふと立ち止まる。どうやらここで方角が変わるらしい。
「えっと色々ありがとうございました」
「そういうな、そういえば名前を言ってなかったな。俺の名前は八神にい。故あってこの町に住むただの男だ」
「男の人。。。だったんですか?」
「この姿を見てそれを言うかね・・・」
ちょっとショックだ。
「あ、そんなつもりじゃなくて、えっとごめんなさい。私はフェイト・テスタロッサといいます」
「テスタロッサか。やはりな・・・」
日本人ではなかったか。
一瞬少女の目が細くなった気がしたが、すぐに戻る。
「それではな、また機会があればあうこともあろう」
少女は遠見市方面に歩き俺は自宅への帰路を急いだ。
そろそろお姫様が怒り出す時間帯だ。
やれやれ、これはまたはやての説教かね・・・・・・。
アルフのためのお肉を買った帰り道、二人(?)で道を歩きます。
目の前にいるのはどう見ても猫です。この世界は魔法が存在しない世界って聞いてたけどそんなことないのかな・・・?
「あの、ありがとう、ございました・・・」
とりあえずお礼を言う。この人?がどんな人かわからないけど助けてくれたのには代わりがないんだし・・・
「なに、肉屋の主人も言っていただろう、単なるおせっかいだ。礼を言われるようなことじゃない」
やっぱり会話が成立してる。ってことはやっぱりさっきから喋っているのはこの猫なんだ・・・。
二言三言言葉を話す。良くは分からないけどもしかしたらこの世界は割と魔法がオープンになっている世界なのでは・・・?
「あなたみたいなのは・・・この辺りでは珍しくないんですか?」
もし彼みたいな存在が当たり前ならば、少々派手に探索をしても大丈夫だろう。魔法に寛容な世界なら・・・
「さぁな。俺みたいな奴は珍しいといえば珍しいしどこにでもいるといえばどこにでもいる。そんなものさ」
なるほど、使い魔は存在はしているがそこまで数は多くないということか。でも使い魔がそうぽんぽんいる世界というのもおかしいので納得する。
「それじゃ、ここではあまりこういうことに対する警戒心は薄いんですね?」
少なくとも使い魔が公に認められている世界なら、魔法が存在すると見ていいだろう。使い手が多いか少ないかは別として。
「まぁ場所によるが・・・少なくともこのあたりのところではああいう対応をしてくれる奴が多いだろうよ、他のところは知らんがね」
「そうですか、じゃあ、あまり神経質にならなくてもいいのかな・・・・・・?」
なるほど、この辺りでは魔法に対する警戒心は薄いみたいだ。確かに彼のような使い魔が出歩いても誰も疑問に思わないところを考えればそれも当然だ。
これは貴重な情報だ。あまり隠蔽工作をしなくてもいいということはジュエルシードの探索にそれだけ多くの力を割ける。
「アルフにも伝えてあげないと・・・それに母さんのいってた情報と随分違う。。。やっぱり実際に来るのとはなしで聞くだけじゃ大違いだね・・・」
この調子ではこの世界ではまだまだ齟齬があるかもしれない。ここは貴重な情報が得られたとしてあとでアルフとも相談しなければ。
これからのジュエルシード探索について考えていると不意に声をかけられる。
「まぁなんにせよ、次来るときはもう少し準備をしっかりしてから来ることだ」
!?
まさか私がジュエルシードを集めに来たことを読まれた!?
そんな馬鹿な。何も喋ってないしそんなそぶりは全く見せていない。いや、魔道師がいるのならジュエルシードが落ちてきたことに気がついているはず。。。
迂闊!
そんなところに私のような別の世界から魔道師が来たら疑われるのは必至!!
これは相手のカマかけ?それとももう正確にこっちを読みきっている?
なんとかこの場を離れないと・・・
ふと立ち止まると彼のほうも何か分かったのか立ち止まる。
「えっと色々ありがとうございました」
「そういうな、そういえば名前を言ってなかったな。俺の名前は八神にい。故あってこの町に住むただの男だ」
「男の人。。。だったんですか?」
「この姿を見てそれを言うかね・・・」
猫の性別なんて見た目で分かるわけがない。
「あ、そんなつもりじゃなくて、えっとごめんなさい。私はフェイト・テスタロッサといいます」
「テスタロッサか。やはりな・・・」
やはりこの猫は何かに気づいている。問題はどこまで感づいているかだ。私がジュエルシードを奪いに来たこと?最悪母さんの目的に至るまですべて知っている可能性がある。
これは、宣戦布告。お互いの名前を名乗りあうことにより始まる戦いの合図。
そう、これから戦いが始まるのだ。
「それではな、また機会があればあうこともあろう」
そういって一匹の猫は去っていった。
彼はこう言っているのだ。『この世界の秩序を乱すなら俺が相手になるぞ』
相手の大きさが見えない。しかしそれでも私はやるしかないのだ。それが母さんの願いだから。
オリ主といえば原作時間前にフェイトさんに会います。また性別が見た目で判断できないものです。こうしてフェイトさんはポンポン魔法を街中で連発したり海に大魔法をぶち込むようになりました。
このお話は全編シリアスです。誤解している方が多いので言っておきますが、このお話はあくまで本気で真剣に最強オリ主の話を作るとどうなるか?というのがコンセプトとしてあります。だから笑いとかそういうものは一切ありません。
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