5話目くらいだと思います。
今回もテンプレどおりの展開を目指して頑張ります。
君達はなぜこのお話を読むのか僕には良く分かりません。
最後に言っておきますが、このお話に笑いとかギャグとか求める人はそんなものはないので読まないほうがいいと思います。
「はぁ・・・」
一人ユーノはため息をついた。
時刻は夜。すでにあたりは暗くなっている。家族が心配するといけないから、となのはは先に家に帰らせ、現在は一人でジュエルシードを探している。しかし、今日は収穫がないのでそろそろ単独でのジュエルシード探索も打ち切り帰ろうか、といったところである。
高町なのはと知り合い、ジュエルシードを集め始めて幾数日。順調にジュエルシードは集まっているといえる。
現在のジュエルシードの数は六つ。これはなのはが魔法に稀有の才能があり、さらに現地に他の協力者がいることを差し引いても良いペース、いや驚異的なペースという事ができる。
では、なぜ彼はため息をついているのだろうか。
「確かにジュエルシードは集まった・・・でも・・・本当にこのままでいいんだろうか?」
高町なのはもそうであるが彼もまた考えすぎる人種、悪く言えば子供らしくない子供である。そこにこのため息は起因していた。
ユーノは考える。ジュエルシードは確かに集まっている。恐らくこのペースで行けば遅くとも一月かそこらですべて集まるだろう。
しかし、それに比例するようになのはの負担は大きくなっている。
先日あった人間が始めてジュエルシードを発動させてしまった折、なのはは疲労困憊状態だった。
それも当然である。昼は学校に行き、夕方はジュエルシードの探索、そしてジュエルシードが見つかれば夜には封印に向かう。他にも友達づきあいや塾に行くなどなどやる事が大量にある。そんな状態で普通の小学三年生かそれ以下の体力しかないなのはの疲労はどれほどのものだろうか
もし、あの時僕がジュエルシードに気づいていれば、もし、あの時僕がレイジングハートをうまく使いこなせていれば、もし、あの時僕が船に来る襲撃を予想できていたならば、もし、もし、、、
ユーノは考える。歴史にもしはない。考古学を専攻し、遺跡発掘を生業とするユーノはそのことをよく知っている。しかしユーノは考えてしまう。もしあの時僕がもう少しうまく立ち回れていたら・・・。
「なのはにここまでの決意をさせることにも、負担をかけることにならなかったかもしれない・・・」
頭ではきちんと理解している。
現実問題としてあれは仕方のないことだったのだ。誰にも予想できないものだったのだ。
当然それらはユーノのせいではない、事故だったのだ、と人は言うのだろう。
しかしそれがなのはに負担を強いていい理由にはならない。
力があれば、注意力があれば、もう少しだけでも僕に力があれば・・・
そこまで考えてふともう一人?の協力者を思い出す。
多くの言葉を交わしたわけではないが芯が通っており、皮肉屋だが親切(本人は「単なるお節介だ、と嘯いていたが)そして何よりも勇気と力を持つ彼のことを
「こんなところで何をしている」
「うわぁ!!」
ユーノは考えていた相手が急に目の前に現れて驚いた。
「どうした?豆が鳩鉄砲食らった様な顔しているぞ」
「や、八神、くん?」
「こうしてサシで話すのは初めてだな。ユーノ。。。スクライアでよかったか?」
「あ、あぁ」
タイミングよく登場した彼にユーノは心臓が飛び出そうだった。
「それで、何をしている?」
「えっと、ジュエルシードの捜索を・・・」
「?高町はどうした・・・っとこんな時間に外を歩いているほうが危ないか」
自分で納得いったのかククッと喉を鳴らす。
「や、八神君は何を?」
「何お前と同じだよ。このあたりの見回り兼ジュエルシードの捜索、だ」
考えてみれば当たり前のことである。彼は毎日このあたりを歩いているのだから
「それで、ジュエルシードの捜索といいつつこんなところでぼうっとしているお前は何をしていた?」
「・・・見ていたんですか」
「まぁな。ため息をつくと幸せが逃げるぞ。話ぐらいは聞いてやる」
「・・・あなたには関係ないです。これは僕の問題ですから」
目の前には自分が欲した力を持つ存在。ユーノはつい棘のある態度をとってしまう。
すると、ふぅと一息つき、
「そうか、ならばそれはどうでもいい。ところでどうしてジュエルシードはここらへんにばら撒かれたんだ?俺は高町からの又聞きでしか事情を聞いていない。ここであったのも何かの縁だ。本人から直接事情を聞きたいのだが?」
ユーノはうっとつまる。今まさにそれに関することを考えていたことだからだ。
「さて、とっとと事情を話したらどうだ?まさか協力者にも事情を話せない、とはいうまいな?」
ユーノは諦めてため息を一つ。これまでの事情を話すことにした。
「良かったじゃないか」
洗いざらい自分の心情をぶちまけて言われた一言がこれである。
「良いって・・・何が?」
「事故でジュエルシードが散らばって、手伝い感覚だった高町が自分の意思で集めることを決めたんだろう?良かったじゃないか。これでお前の感じるプレッシャーは減るだろう?お人よしは利用できていいな」
この言葉にユーノは頭に血が上っていくのを自覚した。
「なのはを利用なんてしていません!訂正してください!!」
「だが傍目から言わせてもらえばそう見えるぞ。高町のお人よし、この場合は責任感?まぁなんでもいい、につけこんであいつをいいように利用している。そう見える」
「違います!僕はそんなんじゃなくて・・・」
「なくて?」
ここでユーノは詰まった。僕はなのはを利用しているのか?違う、そんなこと考えていない!じゃあどうしたいんだ?
ボクハナノハヲドウシタイ・・・・・・
「答えられないだろう?」
「あなたに・・・あなたに何が分かるって言うんですか!!」
ここに来てユーノは激昂した。行き場のない焦燥、怒り、そういったものが彼から冷静な思考を奪って行った。
「わからんな。こんなところで立ち止まる奴のことなど知りたくもない」
ばっさりと切り捨てられる。
「あの時ああできたらよかった。こうできたらよかった。そんなことばかり考えてちっとも前に進もうとしない奴のいうことなど知りたくもない」
「あなたに・・・力があるあなたに・・・!」
「何をしてもかまわない。ただ立ち止まるな。進め。転んでも男なら死ぬときも前のめりだ」
唄うように告げる。
「失敗したらどうするんですか!失敗するくらいなら動かない方ががマシですよ」
そういうユーノにふふんと鼻で笑うと
「じゃあ次は失敗しないようにしこたま気をつけるさ」
「そんなのは、力のある人の言い分ですよ・・・」
力がないから失敗するのだ。そして自分にはその力がないのだ。
「なら力をつけろ。立ち止まる前に力をつけろ。足りない力をつけろ。俺が言った前に進むとはそういう意味でもある」
「・・・ずるいですね」
「だが、真理だ」
「さて、もう一度聞くぞ。ユーノ。お前は高町をどうしたい?」
「僕は、、、僕は、、、」
最初はただの素質のある女の子だった。
でも一緒に生活するようになって、彼女のいいところも悪いところも見て、
「僕は、彼女とジュエルシードを集めます!彼女が自分で集めたいというのなら、僕は彼女の力になります!!僕にできることは小さいかもしれないけど、僕は、僕は自分のためにも、彼女のためにもジュエルシードを集めます!」
「そうか、ならば俺もそれを手伝おう。誰かのためにでも自分のためにでもいい。歩みを止めなければ新しいものが見える。それはきっとお前を強くしてくれるよ。
大事なことはどうするか、ではない。自分がどうしたいか、だ」
「さて、少々おしゃべりがすぎたな。俺はそろそろ同居人が心配するので家に帰らせてもらう」
「僕の答えが正しいかは分からないけど、僕は、僕の道を歩こうと思います」
「それでいい。お前も遅くならないうちに帰れよ。あれで高町はなかなか心配性だ」
そういって彼は去って行った。
そして気づいた。
「猫に慰められた・・・」
ユーノははますます落ち込んだ。
フェレットに言われたくない。
テンプレ通りに行くなら原作キャラにお説教です。今回はユーノくんにお説教してみました。因みに僕はユーノくんは結構好きですよ。一期ではあんなに活躍してるのにね。これで原作は3羽くらいまで終了です。次はみんな大好きフェイトさんの出番が来ます。ちゃんとテンプレどおりです。