そろそろ忘れられているでしょう。
PVを確認したら75000超えていてびびりました。
完結までは絶対に行きます。
こういっておけば適当に更新停止しても文句は言われないでしょう。
「準備は良いか?」
「良くはないが……聞いてくれないのだろう?」
「すまないがこれも仕事だ。時空管理局執務官、クロノ・ハラオウン、参る!」
「やれやれ……」
「にいさん、ちょっといいですか?」
フェイトが転入し、引越しを終えて数日、フェイトは彼を呼び出した。
「何か用か?」
「実は、時空管理局の人、クロノとリンディさんっていうんだけど、が是非君に会いたいっていっているんだけど」
ここで彼は考える。時空管理局とその職員についての大まかな知識は高町らから以前聞いているが実際に会ってみたわけではない。
「ユーノやアルフも久しぶりに会いたいって言ってるし、私もちょっと頼みたい事があるから……」
「今すぐ、か?どれくらいかかる?」
「えっと、できれば今日、多分クロノやリンディさんと話しをして終わりだと思うけど」
ここで彼は思考をめぐらせる。時空管理局は巨大な組織、そして闇の書を追っている組織だ。いわば守護騎士達の敵対勢力といえる。しかし闇の書に対する情報を数多く手にしていることも事実。聞いたところによれば闇の書は破壊にしか使われることはなく、世界を何度も危機に陥れてきたらしい。これはこれまでのマスターが阿呆でなければそのことを知らなかったかもしくは自動で暴走、破壊活動をしてしまうことを表している。
しかし今のマスターであるはやてがそれを望むか?答えは否である。
ならばどうするか。結局は闇の書をいかにして暴走させないか、もしくは完成をさせないか、という二つの結論に落ち着くことになる。
なんにせよ彼にとって現在最も必要なのは闇の書の詳しい情報である。
過去の闇の書がどのように扱われ、どのようにして暴走し、そのようにして鎮圧されたのか。そればかりではなく闇の書とはいかなるデバイスなのか、そこを詳しく知らねばならない。
そのために時空管理局の人間と接触することは渡りに船だった。
(如何にして入り込むか、だな)
もしかしたら数日がかりにもなるかもしれない。そうすると家にいる少女が悲しむかもしれないが仕方ない。
「わかった。放課後お前の家に行こう」
「あ、ありがとう、リンディさんもクロノもきっと喜ぶよ」
「ところでなんで俺を呼ぶときはさん付けなんだ?」
「年上の人は敬いなさいってリニスが……」
「そうか……」
「初めまして。時空管理局時空航行船アースラ艦長のリンディ・ハラオウンです」
「八神にいだ。所属は…とくにない。見てのとおりだ」
「……じくうかんりきょく、しつむかんのクロノ・ハラオウンだ……」
「クロノ?どうしたの?」
「いえ、何でもありません、艦長……」
彼の目の前にいるのは緑髪をした妙齢の女性と黒髪黒目の少年。同じ苗字を名乗っていることから家族、親子か歳の離れた姉弟だろうと推測する。
「早速だけど色々聞きたい事があるの。答えてもらえるかしら?」
「内容次第、といったところだな。知らないものは知らないし答えられないものは答えられない」
その言葉にリンディは微笑みながら2、3度頷くと彼となのはの関係、魔道師とのつながりなどを問いただしていく。
「ひさしぶりだね。僕を覚えている?」
会話に花を咲かせているとそこに一人の少年がやってくる。ユーノ・スクライア。スクライア一族の一人であり春先の事件において活躍し、彼とも面識のある少年である。
「?誰だ?初めて会う顔だが…」
「う、ひどいな、公園とかジュエルシードの時に会ったユーノ・スクライアだよ。忘れちゃったのかい?」
苦笑しながら自分の名前と春先の事件のことを告げる。すると彼は驚いた顔で答えた。
「ユーノ…?もしかしてあのネズミか!?なるほど、存外に魔法とやらは便利なのだな……あれはネズミになっていたのか?それとも人間になる魔法があるのか?」
「一応こっちが本当の姿だよ。そうか、この姿で会うのは初めてだったよね、ゴメンゴメン」
たはは、と笑いながら頬を掻くその姿はどこか小動物を思わせる。それを見て彼は魔法を『なかなか滅茶苦茶なものだ』と評価を改める。
ユーノを交えこれまでにあったことをさらに話し合っているとこれまで何も話さなかったクロノが意を決したように立ち上がり口を開いた。
「おふざけはこのくらいで良いだろう。そろそろ正体を、本当の姿をみせたらどうだ?」
その言葉に彼は頭に疑問符を浮かべた。
「スクライア、ハラオウン艦長、こいつは何を言っているんだ?」
「とぼけるな、その姿が本当の姿とは言わせないぞ。どうせ魔法で変身してるんだろう」
「どうしたのさクロノ、らしくないよ」
「ユーノ、彼は明らかにおかしい。おそらく地球の魔道師なのだろう。何が目的だ。なのはやフェイトに近づいた目的はなんだ!?」
「……ハラオウン艦長、息子か弟か知らんがもう少しまともな思考回路を持たせるべきではないか?自分で呼んでおいて相手を不審者扱いするのはどうかと思うぞ」
「ごめんなさいね、八神君。クロノ、やめなさい。急にどうしたの?貴方らしくないわよ」
「そうだよ。彼が怪しい奴じゃないのは僕が保障する。多分なのはやフェイトに聞いても同じ事を言うよ」
「ユーノ!母さん!みんな騙されてるんだ!そいつは…」
「クロノいい加減にしなさい。八神君には善意で来ていただいているのよ。それを喧嘩腰になるとは何事ですか。クロノ執務官には退席を命じます。これはアースラ艦長としての命令です」
「ぐっしかし……」
「クロノ執務官!」
「っ了解しました」
渋々その言葉に従い席を外すクロノ。残ったのはユーノ、リンディと合わせて3人だ。
「ごめんなさいね。あの子は真面目なんだけどちょっと頭が固すぎるところがあってね」
リンディが先ほどのクロノの態度について謝罪をする。
「ま、現実との折り合いがついてないんだね。もう少し頭を柔らかくしないとこれから大変だよ」
「まぁそれほど気にしているわけではない。頭が固い、真面目ということは美徳でもあるわけだしな。それで、今度はこちらが質問をしたいのだが……」
「なのはさん達から事情は聞いているのよね。管理局としては部外者にあまり大事なことは説明できません。それでもよろしいですか?」
「もちろんだ」
「それでこれからの八神君はどうしますか?もし民間協力者として手伝っていただけるならばなのはさんやフェイトさんからも頼まれています。いくつか条件はありますが便宜を図りますが」
一頻り情報交換が終わって後、リンディはそれを切り出した。正直なところアースラが動かず管理局からの増援も望めない現在、手練の増援は喉から手が出るほど欲しい。彼女達からは『きっと手伝ってもらえる』とのお墨付きをいただいているが果たしてそれもどうなるか分からない。
彼は一つ頷くとこう切り出した。
「手伝うのはかまわんが、条件がある。まず俺はこの世界、海鳴を長時間はなれることはできない。だからこの辺りの防衛が主たる行動になる。それでいいか?」
「それは基本的にこちらに協力していただけるということでよろしいのかしら?」
「あくまで協力関係、というものかもしれないがな。こちらでできることに関しては俺もできる限り手伝おう」
条件としてはそれほど悪いものではない。確かに相手にも事情があるだろうし、この世界を離れて別の世界出ずっぱりというのもまずいだろう。しかしリンディにはもう一つ確かめなければならない事があった。
「……わかりました。それでは八神君の力を少々試させていただきたいわ。よろしいかしら?」
そう、伝聞の情報だけでは彼の実力を計ることはできない。少なくとも実際に強さをどれくらいかこの目で見てみないことには。
「……俺にここで戦ってみせろ、と?」
「ここではまずいわね。時間はあるかしら?ミッドの本局に一度来ていただきましょう」
そして冒頭に戻ることになる。
「フフフ、ここで貴様の化けの皮をはいでやる」
「生憎まだ三味線になる気は無いのでね。ごめんこうむる」
対峙する両者の間には緊張が流れている。妙な迫力を保ったものではあるが。
「じゃあ始めましょう」
そのリンディの言葉が戦闘開始の合図だった。
「すごいですね。彼」
戦闘記録をとっていたエイミィが隣に立つリンディに言う。モニターの中では現役の執務官と彼が戦っている。
「回避能力、敏捷性に関しては多分フェイトちゃんよりも上の数値叩き出してますよ」
「そう、ね。防御力に関してはわからないけどあのスピードだけで実力者ということは分かるわね」
「ま、彼ならこれくらいやってもおかしくは無いね」
一人彼の能力を知るユーノは余裕だ。
「攻撃力に関しては、ちょっと分からないですね。まだ攻撃を全くしていないので」
忙しくコンソールを動かしながら何の気なしに告げる。ここまで攻撃しているのはほぼクロノのみだ。
「攻撃、していない?」
リンディの頭に疑問符が浮かぶ。確かに愛息のクロノは執務官として優秀だしその戦闘能力も非常に高い。しかし相手は少なくともスピードにおいてはクロノをはるかに上回っている。そんな相手が一度も攻撃を仕掛けられない、仕掛けないということがありえるだろうか?
「遊ばれている?それともチャンスをうかがっている?」
その答えはすぐに出た。目の前の映像によって。
彼女が瞬きをしたのは一瞬。しかしその一瞬ですでに勝負は終わっていた。
「……え?」
「ハラオウン艦長。見てのとおり対象の無力化に成功。戦闘状況の終了を提言する」
「ちょ、ちょっと待ってね、エイミィ!何がどうなったの!!?」
「……記録、不可能でした」
「は?記録、してたんじゃないの?」
「せ、正確に言えば記録はありますけどわけが分かりません。一瞬クロノ君と彼の間に距離があったと思ったら次の瞬間にはもうクロノ君は倒れています。いくらスローにしてもわかりません。超スピードとかそういう次元のものじゃないです!」
「もっと別の恐ろしい何かってことね…」
「これでいいのか?こいつはちょっと気絶してるだけだからあと30分もすれば目覚めるだろう」
「……えぇ構わないわ。…クロノを医務室へ。ご苦労様、八神君」
もしかしたら自分達はジョーカーを手に入れたのではないか?リンディの背中には冷たい汗が流れていた。
「お疲れ様でした。八神君。民間協力者として時空管理局に協力していただくことに何の問題もありません」
正直に言えば彼女はこれが正しいかはわからない。しかし彼を野放しにすることのほうがリンディにとってはもっと恐ろしかった。…書類の改竄、いかに彼の存在をごまかすか頭が痛い。
「そうか。あぁそれともう一つ条件、というか頼みがあるのだが」
「何かしら?」
少なくとも現在の相手はこちらに敵意は無い。ならば相手の機嫌をとっておく意味でもここはある程度こちらが譲歩するべきだろう。リンディの頭にそんな打算的な思考が働く。
「なんでもいいのだが情報が欲しい。時空管理局には資料室みたいなものは無いのか?」
それを聞いてリンディの頭に今はただ資料が保管されているだけの雑多な資料室、書庫が思い出される。あまりに情報を収集しすぎたせいでだれも管理する事ができなくなったその場所を。
「わかりました。その件に関してはクロノから伝えさせます。ユーノさんが呼ばれた要件もそのことだったようですからね」
「え、僕が関係しているんですか?」
こうして彼はユーノと共に無限書庫に出入りするようになった。(クロノは渋面だったが)そのために帰りが遅くなりがちになりひとりの少女が不機嫌になったのはまた別の話である。
メアリー・スーテストなるものをを受けてみました。
結果は19点でした。
僕のお話は王道テンプレ最強ものなのにおかしいです。
おなかが空いていたからだと分かりました。
万事解決。