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No.6220の一覧
[0] リリカなんとかなのはお前がどうとか【習作】[てすよ](2009/03/04 23:11)
[1] テンプレ[てすよ](2009/01/30 14:16)
[2] テンプレ[てすよ](2009/02/07 08:57)
[3] テンプレ[てすよ](2009/02/12 18:17)
[4] テンプレ[てすよ](2009/02/18 20:53)
[5] テンプレ[てすよ](2009/03/17 03:01)
[6] テンプレ[てすよ](2009/03/04 23:05)
[7] オリジナル[てすよ](2009/03/17 02:59)
[8] 天ぷら[てすよ](2009/03/17 03:06)
[9] As一話目[てすよ](2009/03/17 03:07)
[10] As二話目[てすよ](2009/03/29 00:33)
[11] As三話目[てすよ](2009/04/01 02:46)
[12] As四話目[てすよ](2009/04/06 01:31)
[13] As五話目[てすよ](2009/04/12 22:20)
[14] As六話目[てすよ](2009/04/18 18:44)
[15] As七話目[てすよ](2009/05/04 23:59)
[16] As八話目[てすよ](2009/05/05 00:43)
[17] As九話目[てすよ](2009/05/16 02:15)
[18] As十話目[てすよ](2009/06/05 21:27)
[19] As十一話目[てすよ](2009/06/05 21:25)
[20] As十二話目[てすよ](2009/06/14 03:47)
[21] As十三話目[てすよ](2009/07/23 00:13)
[22] クリスマスイブ[てすよ](2011/12/24 23:56)
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[6220] As五話目
Name: てすよ◆e8efcc3b ID:356c7f70 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/04/12 22:20
時々一日が30時間だったらいいとか言う人がいますがもし本当に30時間になったら多分、なんで一日は40時間じゃないんだろうと言うと思います。
一日が40時間ならいいのに







最近父様の様子がおかしい。具体的にどこがおかしいと聞かれれば首を捻らざるを得ないがなんとなくおかしい。いうなれば使い魔と主の関係だからこそ分かるというべきか?周りから見れば何も変化はないようだが……長年連れ添った自分の目はごまかせない。

双子の姉妹であるロッテにも聞いてみたがやはりどこかしら違和感があると言っている。

心当たりはある。

つい先日、とうとう闇の書が覚醒したのだ。闇の書。無限の蒐集と転生を繰り返し人々に災厄を振りまくロストロギア。父様はこれの消滅に全てを賭けている。

エスティアを堕とす―――クライドハラオウンを殺したのは自分だ。

今でもお父様はあのことを後悔しつづけている。

これ以上の悲しみを断ち切るために、憎しみを増やさないために。

闇の書を消滅させる。

そのために自分がどうなろうとも。


アリアにとっても矛盾を感じないわけではない。

これ以上の悲しみを増やさないために自分達は幼い少女を利用している。このままうまく行けば少女は永遠に封印処理を施されることになるだろう。
そしてそれに加担した自分達もただではすまない。

よくて追放、悪ければ使い魔としての強制消滅が待っている。

「私たちが行く先は…きっと地獄だろうな……」

悲しみを増やすまいとして自分達が新たな悲しみを作り出している。それでも、それでもこれからの人たちが救われるなら。

いや、そんな難しいことは考えなくていい。

ただ自分の主が、お父様が望んでいる。使い魔はそれを果たすためだけの道具だ。

アリアは無理矢理自分を納得させるとグレアムの執務室へと急ぐのだった。







リーゼロッテもまた考えに沈んでいた。

最近の父様の様子がおかしいのだ。闇の書の監視任務、それの解除が言い渡されたのはつい先日のことである。

確かにこれまでと違い守護騎士達が覚醒するとなると監視するのは難しくなるだろう。彼らの中にはバックアップ担当の者がおり、彼女の目をかいくぐりながら監視任務を続行するというのは単独ではかなり難しい。

しかし、それでもロッテは自信があった。

確かにあの監視網をかいくぐることは並大抵のことではないが、こちらにも身体能力に長けた自分と魔法能力に優れた姉妹がいる。二人で協力すればできないことでもない。

「不確定要素、ねぇ」

父が彼女に言ったことは不確定な要素を排除する。基本的には何も手出しをするな、ということだった。

確かにデュランダルも完成間近、闇の書は覚醒し計画は順調に進んでいる。もし自分達が監視しているのがばれてそこから向こうに何かをかぎつけられたらまずいことになる。

しかし、彼女には父には別の理由があると踏んでいた。

おそらく父は彼女、八神はやてに最後の日常を味合わせてあげたかったのだと思う。

家族のいないはやてにせめて守護騎士達が家族代わりとなって一緒に生活して欲しかったのではないか。

そんな家族団欒に自分達が無粋なまねをしても仕方ない。結末は封印ということになってもそれまでの過程ではせめて彼女に幸せであって欲しいという、そんな思いがあるのだろう。

「偽善、だよね」

自分の父がしていることを見て一瞬顔に自嘲の笑みが浮かぶ。何よりも愚かなのはそれに気づきながらそれを否定できないでいる自分自身だと気づいているから。

結局甘いのだ。父様は。そしてその使い魔たる自分も。しかしそんな自分をどこか誇らしくも思う。

自分達はきっと地獄に落ちる。それだけの覚悟はしている。

別に許されたいわけじゃない。父様が望んだなら使い魔はいつもともにある。それだけだ。

そしてロッテはグレアムの執務室へと急ぐのだった。







「アリア、ロッテ大事な話がある」

突然の呼び出しに駆けつけた二人が見たものはいつになく真剣な表情の父だった。

「今日までご苦労だった。闇の書に関しては私達の活動はこれまでとする。アリア、ロッテ、通常の業務に戻りなさい」

突然の宣告。彼女達は色めき立った。

「なぜですか!闇の書の撃破は父様の悲願ではないのですか!」

たまらず反論するロッテ。隣でアリアも声こそ出さないものの表情から不満げなものが伺われる。

「もういい、もういいんだ。お前達は今日までよくやってくれた。後のことは全て任せておきなさい。もうできることなんてないんだよ」

落ち着いた声でこちらを見ながら告げるグレアム。その瞳にはどこか疲れがにじんで見えた。

「父様……」

アリアにはグレアムの心情が痛いほど理解できた。


父は全ての罪を自分ひとりが被る気でいるのだ。確かにこの事がばれれば自分達はただではすまない。しかしもし主犯がいたとしたら?使い魔は無理矢理つき合わせられているだけだとしたら?そして最後の肝心なところには何も関与していないとしたらどうなるだろうか?

自分で言うのもなんだが私達は使い魔の中でも優秀な魔道師だ。局の中にも慕うものは多いし、教導を施した相手も少なくない。そうして私たちに寄せられる同情と憐憫。恐らく私達は大した咎めもなく管理局に復帰できるだろう。――お父様への侮蔑と嘲笑を引き換えにして。



「納得できません!私たちにもやれることはあります!管理局が、闇の書がなんだというのです!そんなもの怖くもなんともありません!」

激昂するロッテを横目に見ながらアリアは冷静に思考をめぐらせる。熱くなりがちな前衛のロッテを抑えるのはいつも後衛の自分の役目だ。

本当はロッテもグレアムがなぜこんなことを言い出したか分かっている。結局父は私達に累が及ぶのを恐れている。それをロッテは甘いというかもしれないがそんな父を二人は誇りに思っているのだ。

「ロッテ、落ち着いて。お父様、それは命令でしょうか」

言わねばならないことを言うグレアムの顔は苦悶の表情だった。

「……命令だ」

「お父様!」

「分かりました。以後この件に関しては私たちは何も申しません。失礼します。ロッテ、行くわよ」

「アリア!」

いまだに納得の言っていない表情のロッテを引きずり執務室の外に出る。外に出るときグレアムの呟きは、聞こえなかった。

「すまない…」







執務室を出た二人は早速口論になっていた。

「アリア!なんであんなこと言ったのさ!」

「落ち着きなさいロッテ、貴方も分かっているでしょう?」

「分かってる。わかってるけどさぁ!」

ここまでやってきた事が全部無駄になるのが惜しいのではない。自分の愛する主と最後まで一緒にいられないことが悲しいのだ。

「父様の……馬鹿……」

自分達が頼りない存在なのか?そうではない。頼りになるからこそ自分達を遠ざけた。これからの、未来を託すために。




「昔ね、昔の話なんだけど使い魔の条件って本を読んだ事があるのよ」

「…?」

突然違う話をしだすアリアにロッテは不振気な目を寄せた。

「最も優れた使い魔の条件…ってさなんだと思う?」

「……主を……守ること?」

「それもそうなんだけどね、一番の条件は『主の本当の望みを常に叶えること』だってさ。ただ主からの指示を待つんじゃなくて『自分から』『主のために』動けるのが最上の使い魔なんだってさ」

「それって……」

長い付き合いだ。言いたいことは分かる。

「さて、お父様の今一番叶えたいことはなんでしょう?」

「アリア!」

「主の命令を無視したって、その本当の望みを叶えるのが使い魔の使命よ。ロッテ。さぁ行くわよ」

「うん!!」

常に冷静で物静かなアリア。熱くなりがちでお気楽なロッテ。二人は双子だがその性格は似ていないといわれる。

だが

結局のところ二人は似たもの姉妹なのである。







ギル・グレアムは悩んでいた。

悩みの対象は件の八神はやてのこと―――ではない。

いや、正確に言えば彼女にもかかわりがあることなのだがそれよりも大事な事が彼の頭を占めていた。

「まずい、原作が始まった」

ギル・グレアムは転生者である。こう聞けば黄色い救急車が必要だと思われるかもしれないがまって欲しい。以下に詳しく彼のこれまでの経緯を記す。

ある日、彼は死んだ。

気がついたらギル・グレアムだった。

赤ん坊じゃなくてもうジジイだった。

以上である。

そして彼は悩んでいる。このまま原作どおりに進むべきなのか独自の道を歩むべきなのか。

正直に言えばこのまま原作どおりにすればいいか、別にイギリスで隠居できれば良いし。等と考えていたのだがせっかく違う世界に来たんだからもっとうまいことできないか?と考えた。


無理だった。


このままだと犯罪者の黒幕としてフルボッコである。

唯一幸運なことは自分以外には不確定要素はなさそうということである。いや、確か猫を飼っているとかなんとかということを聞いたがリーゼの調べでは本当にただの猫らしい。まぁそれくらいならなんでもないだろうと放置した。

とりあえずリーゼ姉妹には監視を止めるようにいった。正直に言えばこのまま全部ガン無視して逃げてしまいたかったのだがそれやったらへたれだよな、と思い直した。

「どうすんべ」

別に闇の書に何の恨みもない老将は自分が生き残るとか原作に関わる関わらない以前にどうするべきかすら考えてなかった。

彼は別にリリカ~に思い入れがあるわけではない。だからストーリーがどうなろうと正直知ったこっちゃない。ぶっちゃけどうでもいい。

だから考える。適当に原作どおりやるか自分が何かやるか。そして考えた。


何もやらなきゃ良いんじゃね?


ほっとけば勝手にあの守護騎士達が蒐集してアースラだかアーガマだかがきて適当に解決してくれんじゃね?

自分達がいないことのデメリットを考える。別になさそうだ。

自分の仕事は適当にクロノにデュランダル渡して「これを使うかどうかは君次第だ」「提督…」とかやってれば良いんじゃね?

ある種完璧に他人任せであるが彼にはとても魅力的に感じた。

そして彼は使い魔を呼び出した。





最近のテンプレだとなんか転生とか憑依とかをやらないといけません。まぁ読めていた展開ですね。
多分もう彼に出番はあんまりないと思いますが。
最近忙しいです。一日12時間しか寝れなくなりました。これはまずいです。




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