いよお。また会ったな。
あ?何?初めてだって?こないだ蕎麦屋で飯食ってたろ?違う?
カカカ、細かいこと気にすんな!ハゲちまうぞ!
そんで今日は何の用事だ?
なるほどなるほど―――ふん、メンドクセェ……
12月2日 夜 海鳴市にて
高町なのはは正体不明の紅い少女―ヴィータに襲われていた。
「いきなり襲われる覚えはないよ!どこの子!!」
しかしヴィータは答えない。ただなのはに挑みかかっていくだけだ。
「話を……」
『devine』
「きいてってばぁーーーーーー!」
『buster』
業を煮やしたなのはの砲撃魔法が炸裂する。しかし桜色の魔力流はヴィータの帽子を掠めるだけで終わった。
だが、それで終わらないのがヴィータの方である。はやてから受け取った騎士服を一部とはいえ破壊され頭に血が上る。
「ッグラーフアイゼン!!カートリッジロード!」
『Explosion!』
『Raketen Form』
瞬間彼女の持つデバイスが変化。これまでのただのハンマーから更に突起物とブースターが装着される。
「ラケーテン・ハンマー!!」
ロケットに点火。遠心力と勢いを乗せてヴィータはなのはに吶喊した。
「レイジングハート!」
『protection』
「ぶちぬけーーーーーーー!」
なのははどうにかして守ろうとするがその守りはいとも簡単に破られた。
「あああああああああ!!」
アイゼンの直撃を受けビルに突っ込むなのは。その衝撃で彼女のバリアジャケットも外れてしまう。
「…命まではとらねー。黙ってればすぐに終わる」
ヴィータはアイゼンを突きつけ独白する。レイジングハートはすでにボロボロで戦闘続行は不可能である。
(こんなの……やだよ……誰か、助けて、ユーノくん、クロノ君、フェイトちゃん、やが…)
振り下ろされるアイゼン。
そして彼女は目を瞑った。
甲高い金属音が響き渡る。
なのははいつまでたってもこない衝撃に恐る恐る目を開いた。果たしてそこにいたのは、
「仲間か……!」
「…さぁな」
覆面をした一匹の猫だった。
「無事か?」
「あ、はい」
「ならば行け。外に貴様の仲間が待っているぞ」
そういわれあたりを探ると確かに知った魔力がちかづいて来るのが分かる。
「なのは!無事!?」
「フェイトちゃん!ユーノくん!」
知己の声を聞きなのはの顔が緩む。
すぐ外にはなのはの親友達の姿があった。
「てめぇ……何モンだ……管理局の魔道師か……?」
魔力の蒐集を阻止され相手に増援まで許してしまったヴィータは少々焦っていた。それでもそれを表に出すことはない。一匹ずつしとめていくしかない。カートリッジは残り2発。まずは目の前のこいつからだ。
黒い覆面に目だけが見える。スラリとした体格だが見る奴が見れば筋肉がついていると分かる。唯一見える瞳は切れ長であることだけが分かる。見たところどうとでもなる様な奴に見えて意外に隙がない。少なくとも先ほどの魔道師よりは実戦経験が豊富そうである。
目の前の猫はあっさりと答える。
「通りすがりのお節介焼きだ」
『Schwalbe Fiegen』
金属球形の魔力弾を形成。アイゼンでそれを打ち抜く。
しかしそれはあたらない。相手に簡単に回避されてしまう。
「くそっはぇぇ!魔力反応は無いのに……!」
何も魔法を使っているわけでもないのに宙に浮き、戦闘をこなす。ヴィータにとって不可解なのは相手が何も攻撃らしきことをしてこないことだった。
「退け。俺に戦闘の意思はない」
「はいそうですかって、退けるかよぉぉぉぉ!」
アイゼンを構え吶喊する。その時もう一つの声が彼女の耳に届いた。
「バルディッシュ!」
『arc saber』
金色の斬撃が飛んでくる。なのはをユーノに任せフェイトはヴィータの捕縛にやってきたのだ。
「!!障壁っ」
『Panzer Hidernis』
間一髪障壁を出してフェイトの攻撃を防ぐ。この魔道師も、強い。
(防がれた!)
(そうだ、まだ仲間がいやがった……)
三者の間に妙な緊張が流れる。誰が味方で誰が敵か、それが分からないこの場は膠着状態に陥っていた
そして一匹がおもむろに口を開いた。
「退かぬか。。。死ぬなよ?お前の主が悲しむ」
その言葉にヴィータは驚いた。こいつらが自分達の主を知っているはずがない。
「てめぇっ何でそれを!!」
「さぁな。自分で考えろ。後は任せたぞ。後ろの金色」
急に話を振られてフェイトは狼狽する。
「貴方は…何者ですか?」
「さぁな、また会うだろうよ」
そういうと一匹の猫は闇夜に消えて行った。
「消えた…この結界をどうやって?」
「くそっどこ行きやがった!」
思考を切り替える。奇しくもそれは同時だった。
(この人の仲間…ってわけでもなさそうだったね)
(こいつらの仲間…ってわけでもなさそうだったな)
何者だったかは分からない。しかも今は消えている。分かっているのは味方でも敵でもなさそうだったということ。
だから
まずは
目の前の敵を
「ぶっ飛ばす!」
「倒す!」
「あーにいちゃんおかえりー。みんなに会えたー?」
「ただいまはやて。あいつらは今日は遅くなるみたいだぞ。月村に誘われているんだろ?行ってきたらどうだ?」
「んーそうなん?シャマルに電話したらすぐ帰ってくる言うてたけど」
「あいつらはちょっと別のことに夢中になってたよ。留守番ならしていてやるから行って来い」
「あ、ちょおまって。もう少しで料理の仕込み終わるんよ」
「あいつらももうちょっと考えて動け。。。」
「それとな、にいちゃんも一緒にいくんやで。すずかちゃんに連れてくるようにいわれとるんやから」
「まて、聞いてないぞ」
「今言うたよ」
「月村め……」
「にいちゃんもすずかちゃんと友達ならはよ言うてくれればよかったのに」
「まて、クラスメートだ。友達じゃないぞ」
「そんなん言うたらあかんよー。友達は大事にせな」
「…わかったよ」
覆面をすれば大丈夫なのは基本です。テンプレどおりです。大体ASはこんな感じでお話が進んでいくことになります。なんとかオリジナルを出さずに済ませたいところです。