時は小学4年生の夏。
服や小物、果ては学校の教科書まではやてちゃんの家に常備していて、気付けば4ヶ月くらい高町の家に行ってません。
居る場所は知らせてあるけど、携帯に電話どころかメールすら来ないのは何なんだろう。
いっそ八神なのはって名乗ろうかな…なのは・テスタロッサでもいいかもしれないの。
「全く、親として問題だね」
「大変なんだな…」
そんな話を、しばらく前から泊まりに来ているジェイルさんとチンクさんに話していました。
最近は仕事がある程度落ち着いたおかげで、こっちでも出来る仕事しかないみたいです。
たまにプレシアさんが手伝ってて覗き見してみたけど…正直、何が何だかわかりませんでした。
「あ、そうだ。これ、さっき作った新作ケーキなの。味見してもらっていい?」
「む、頂くよ」
「なのはのケーキは美味しいからな。楽しみだ」
2人の持つフォークが三角形のショートケーキ型に作った新作の端に差し込まれて、切り離されたケーキが2人の口の中に運ばれる。
さぁ、どうなの…?
「これは…!?」
「抹茶ケーキ…しかしこの口当たりは…」
ふふふ、出来る限りスポンジやクリームの舌触りを滑らかにしてみたの。
結果は大成功みたいで、ジェイルさんは満面の笑みでパクパクとケーキを食べている。
「ふぅ、おかわりはあるかい?」
「残念ながら…でも、そんなに気に入ってくれたんですか」
「もし宜しければ私の分はドクターが食べて…も…」
あれ、ジェイルさんとチンクさんの動きが止まった?
ど、どうしたのかな?
「い、今…」
え?
「今、区切ったり突っかかったりせずに、自然にドクターと言えて無かったかい!?」
「はい…ドクター…ドクター!言えます!言えました!」
あ、そういえば区切ったりしなきゃ言えなかったんだっけ?
ということは…詳しくは知らないけど、チンクちゃんは世界の変態補正に打ち勝ったの!?
「やったぞ!流石チンクだ!私の希望だ!!」
「はい!やれました!ありがとうございます!"あにぃ"!」
その後3日間、2人は部屋から出てくることはありませんでした。
…でも、あにぃって…