07/~あほのこたち~事後処理を終えて、大方の現場検証も終えて、ようやくフェイトは一息ついた。もちろん今にも飛び出したい気持ちでいっぱいだったが、しかし何の確証もないのに飛び出すなんて、そんな事は大人のフェイトにはできない。フェイトはもう大人なのだ。使い魔は「何時までも子供だね」というが、フェイトだって成長している。やって良い事といけないことくらいはきちんと弁えているのである。「あの、テスタロッ」「なに?」その瞳は冷たかった。鋭く尖っていた。眉根はどうしようもないほどに寄っていたし、誰がどう考えても不機嫌だった。「いえ、あの、……こちらの調査は、ほとんど終わりましたので……」「そう」「は、はい」フェイトに残務終了の知らせを持ってきた男がいやに可哀想になるが、しかしフェイトは知っていたのだ。この男が、誰が報告に行くかと仲間内でジャンケンをしているのを! 何ということだろうか。フェイトはまさかそこまで恐れられていて、怖がられていて、嫌われているなんて、そんな事思ってもみなかった。涙をガマンしていたらこんな顔になってしまって、それがまた誤解を与えている事に気が付いているのに、フェイトにはどうしようもなかった。ずる、と一度だけ鼻水を啜り、お疲れ様と残してその場を去る。もう帰って不貞寝してやると心に誓い、しかしその前に是が非でも確認せねばならないことがあるのだ。フェイトは先ほどまで列車があって、崖があった場所まで飛んだ。今は何にもなくて、とにかく何にもない。「アルフ」「はいよ」「……見た?」「うんにゃ」「で、でもさ……」「うん」「だ、だよね?」「だろうねぇ」「え、えと、その……」「ディフェ───」「ああ待って待って!」すぅはぁすぅはぁ。フェイトは四回深呼吸した。一回目の深呼吸で呼吸を整え、二回目で心臓の調子を元に戻し、三回目で心に予防線を張って、四回目で覚悟完了。「よし!」「……あれ、誰なんだろうねぇ、フェイト?」「に、ににに、にに兄さんだよっ!! 兄さんに決まってるよ! だってあんな馬鹿なことして! 私と一緒の魔力光だし! また私がこんなっ、電車消して崖えぐって、無茶苦茶な事したって噂されてるけど! 全然気にならない全然気にならない!」フェイトは二度も三度も首を振り、エコモードのアルフを抱きしめた。やったやったと飛び跳ねた。とりあえず、確証はないけれど、とりあえず何だか生きているようなそうでないような、でも、0パーセントじゃない。もしかしたら、ご、ごごご50パーセント、いやいや、30パーセントくらいにしておこう。そうしないと外れたときにまた傷ついてしまうから30パーセントくらいにして、その30パーセント分喜ぼう。フェイトは30パーセント分の喜びを表現した。とりあえずアルフを抱きしめて顔をぐりぐりした。アルフにたくさんキスをした。人型に戻ってもらってまでキスをした。アルフの股間がじんわり濡れていたけどキスをした。起動させっぱなしだったバルディッシュをぶんぶん振り回した。だよねだよねとバルディッシュに聞いた。イエッサーイエッサーとバルディッシュは言ってくれた。魔力が漏れ出して電気変換した。ぱちぱちと花火みたいで、とても綺麗だった。アルフが痺れてあばばばと言った。とにかく嬉しかった。「やっっっ、っっったぁぁあああああ!!! かも知れないよアルフ!!」予防線を張るのは忘れない。「そうだねぇ……ホント、そうだ……」アルフも泣き出して、鼻水を垂らしていたけど、とにかく、嬉しかったのだ。二人はばんざーい(かもしれない)ばんざーい(かもしれない)と両手を振って、そしてその奇行は色々な局員に、当たり前だがバッチリと目撃されていた。「は、破壊の跡を喜んでいるぞ!」「なんという破壊神……、彼女は死神なんかじゃなかったんだ! いろんなものをぶち壊したくてたまらない、破壊神だったんだよ!」「な、なんだってー!!」ばんざーい(かもしれない)しているフェイトたちには、もちろん聞こえていなかった。。。。。。眼鏡をかけている彼は、子供の頃から眼鏡をかけていた。小さな小さなころからあだ名はメガネだった。それは彼の、何にでも生真面目に取り組むその性格も手伝ったのだろうが、とにかく彼は小さなころからメガネと呼ばれていたのだ。生まれついての視力の悪さから眼鏡をしていて、からかわれる様にメガネといわれるのが彼は嫌いだった。目が悪くて、そのことで親を恨んだことだってある。眼鏡は新しくなっても彼はメガネと呼ばれ続けた。彼は世間一般的に言うならば頭がよかった。だからこんな子供みたいな悪口(?)で腹を立てることはなかったが、それでも気分がいいものではなかった。周りの人間が全員ガキに見える。小さなころから彼は大人びていたし、大人の考えを持っていた。彼は母に頼んだ。飛び級をしたい。まわりのレベルが低すぎる。母はいい顔をしなかったが、そうしないと眼鏡を叩き割るぞと脅した。すると母は笑いながら「ようし、じゃあ高校いってきなさい」と言った。魔法学校の生活は、とても楽しいものだった。だれもメガネとは呼ばずに、グリフィスと呼んだ。嬉しかった。勉強のレベルだって自分にあっていたし、子供ながらに自分はよく出来るほうだということに気がついた。しかし、ちょうど彼が魔法学校に入学してふた月がまわったころだった。またも飛び級の生徒を迎えると言う。同じクラスに、あと二人も。そのことに対して、彼は何も思わなかった。なぜなら高等学校程度の学力、無理をすれば結構覚えられるもんだから。そんな考えだった。入学してきた二人は、凄かった。とにかく凄かった。何が凄いかと言われれば、全部凄かった。友達になりたくて、しかし二人はいつも一緒に居た。金色のほうに近づくともう片方は、嫌な顔はしなかったが、なんだかちょっと不機嫌そう。ああ、共依存関係にあるのかな、と自分よりも年上なのにちょっと馬鹿にした。けれども、実力は認めていたし、純粋に凄いと思っているのも事実。結局仲良くなれずに、数週間が経った。そして金色が、なんとなんと、AAランクの教員を打倒した。凄い。凄い凄い! 友達になりたい!しかし、だがしかしメガネと呼ばれた。またそれか。もうちょっと大人かと思っていたが、金色はメガネと呼び続けた。グリフィスが嫌だというと「古今東西伝統的なあだ名じゃないか!」。そう言っていた。しだいに、ちょっとずつ、グリフィスは眼鏡が嫌いではなくなった。メガネと呼ばれるのは、これは僕の個性なのかもしれない。そう思い始めた。相変わらず金色たちはベタベタしてて、付き合っているんじゃないか? ついにそんな噂まで流れ始めた。だけどメガネはまったく気にしなかった。友達になれれば、それでいい。入学当初から近づけなかった距離は、少しづつ短くなっていった。金色は凄い。熱い。有限実行。カッコよかった。メガネは武装隊に入ることを決意した。いや違う。武装隊には以前から入りたかったけれど、ここまで強い思いではなかった。局員になれれば……。もしかしたらその程度だったのかもしれない。だからメガネは努力した。たくさんたくさん努力した。金色と同じ授業をとったし、そして迷惑をかけて、しかし彼の役に立ったこともあった! 嬉しかった。ただ嬉しかった。僕にだって。そんな思いがメガネの中で強く芽吹いた。局員試験を受けた。もちろん武装隊。だが落ちた。メガネは試験に落ちた。なんという事だろうか。落ちてしまった。そしてその理由が、眼鏡だった。眼鏡だったのだ。メガネは生まれついて視力が悪かった。だから眼鏡をしていた。外してしまうと冗談ではなく「メガネメガネ」してしまうほどにメガネはメガネだったのだ。親を恨んだ。誰かのせいにしていないと、とてもじゃないがまともで居られないような気がした。そしてメガネは、自殺を考えた。この世界には、選ばれた者と選ばれない者が居るのだと幼心で理解した。眼鏡ごしにメガネは地面をみた。校舎の屋上に立って、メガネは眼鏡ごしに地面を見たのだ。落ちれば死ぬ。もちろん理解していた。馬鹿なことをやっている自覚もあった。けれども、メガネの心は眼鏡をかけないでも見えるくらいにひどく荒れていた。そのとき、扉が開いた。金色と、片割れだった。相変わらずベタベタしているなと思った。金色は自分にあっていることを見つけろといった。お前の部隊運営、指揮理論がよかったとヒントまでくれた。メガネは眼鏡の奥にある瞳から涙をこぼした。だって、金色は最後にこう言ってくれたのだ。「グリフィス」。彼から聞いた、初めての名前だった。金色はグリフィスのことをメガネメガネと呼んでいたくせに、こんな時だけグリフィスと呼んだ。グリフィスは屋上に取り残されて、しばらく嗚咽を漏らし続けた。部隊の運営と指揮。グリフィスは自分にあっていることを見つけた。身体を苛めるよりも、確かに楽しかったのだ。時は流れて。こちらロングアーチ。機動六課の運営、指揮全般を担当する。部隊長が所用で出かけており、その間にガジェットが出現。フェイトに市街地飛行許可を与え、ガジェットを破壊するのに最適な方法を見つけ出す。部隊長八神はやてがちょうどよく帰ってきて、サーチャーが何かを拾った。グリフィスは、この時ばかりはメガネに戻って眼鏡を拭いた。見間違いかと思ったのだ。眼鏡を装着し、武装隊を目指していたメガネではなく、部隊運営、指揮に力を入れたグリフィスに戻る。モニターに、それこそ視線で人を殺せるほどの威力を込めてかじりついて、金色を幻視した。そして。「───ディフェクトさあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!」彼は吼えた。。。。。。隊舎全体を揺るがすような咆哮を聞いても、はやてはいたって冷静だった。というよりも、現実感がないと言ったほうがいいのかもしれない。とにかく呆けた様子で、ぽやぽやとしながらグリフィスに仕事を押し付け、お腹痛いお腹痛いといって逃げてきた。グリフィス一人でも十分にこなせる残務なので任せても問題はないだろう。問題があるのは、彼が言ったディフェクトさん、である。「いけないいけない。私ったらいけないわ」普段は使わない標準語になるくらいには、はやては混乱していた。とりあえず廊下をぐるぐると歩き回って、何となく目に付いたソファで三点倒立をしてみた。「……」頭に血が上ってくる。「……」顔が赤くなってくる。「あの、部隊長?」「なんやー?」職員の一人が恐る恐るといった調子で話しかけてきた。はやてはいつもどおりにこやかな笑みを浮かべながら振り向いた。いつも通りのはずなのに、職員の顔はちょっと残念そう。ああどうしたんだろうかと思って、そういえば三点倒立をしていることに気がついた。「……下着、見えてますよ」「どないやねん!」はやては謎の言葉を残してその場を颯爽と後にした。混乱しているのが自分で分かるほどに混乱している。この混乱は、どうだろうか、ディフェクトに初めて唇を奪われた時くらいかもしれない。あの時は女の子同士かと思っていて、ノーカウントだったのだが、それは彼のホースで幻だと悟った。十年も前のことなのによく覚えているなと自分自身感心して、よし、そろそろ混乱するのはいいのではないだろうか? と自分の頭をぽかぽか殴った。ふぅ、と息をついて。「ディフェっちゃんやんか! なんや! 何で生きとんの! あかんあかん! あかぁん! ヤバイ、めっちゃ嬉しい! おぎゃあ言うて生まれてきたときと同じくらい嬉しい! 生まれた! いま生まれた!」はやては何となく二度目の誕生日を迎えてしまった。見紛う事無く、アレはディフェクトだった。間違いない。なんと言ってもこの私、八神はやてが言うのだから間違いない、と脳裏で二人目の人格が生まれそうになるのを必死で止めて、生きているんだなと思った。すると膝の調子がおかしくなって、力がどんどん抜けていってしまう。おろろ、と小さく呟きながら廊下の壁に手をやって、もうすぐそこが自室だということに気がついた。うん。休もう。多分今の私は頭がおかしい。冷静な部分が、失礼なことに はやてをそう判断して、はやては自室の扉を開いた。ベッドに倒れこむように横になって、とりあえず枕を引き寄せて、「寝れるかアホー!」満面の笑みで枕をぶん投げた。あははと笑いながらベッドを殴りつけて、そして泣き出した。「なんや……、なんやぁ……」なんや。知らんそんなもん。はやては久しぶりに泣いた。思えば、なかなか涙を流したことのない子供だったなと自分を評価した。だけど、今回この時こればっかりは我慢できそうになかった。水分補給しないと死んでしまうのではないかと思うほどに涙は溢れてくる。自分自身で驚くほどに。人間はこんなにも涙を流すことができるのかと驚くほどに。はやてはディフェクトが死んだときも、こんな涙を流すことはなかったのだ。アレはもしかして、死んだことを受け止めていなかったのではなくて、どこかで生きていると思っていたからなのかもしれない。感極まった。まさしくこの事をいうような気がする。「ああもうっ、生きとんやったら連絡ぐらいしたらええのに……んもう、んもう……」へら、とまた笑顔に変わって。「ほんま、ほんまよかった……」へにゃ、と泣き顔に変わる。一人で二面相ばかりをぐるぐると往復して、気がつけば一時間余りがすぎていた。ようやく冷静になった頭でこれはまずいと思った。部隊長が、まだ隊員が帰ってきていないのに仕事を放棄するなど、あってはいけないことだ。実際のところ、どこの部隊でも起きていることだが、しかしだからこそ はやてはそういう事のないようにと考えていたのだ。ぶんぶんと首を振って、出直さなければならないと自身を鼓舞。鏡を覗いて、まずはあまりにもひどい顔を洗おうと思った。「ふぅ……、よし。生きとる。今はそれでよし」放り投げた枕を拾って、はやてはまた部隊長になった。。。。。。そしてひよこストライカーズ達は帰ってきた。ばたばたとうるさく回るヘリのローターにウンザリしながら四人は自室へと向かう。報告書は明後日までに提出。通常、すぐにでも取り掛かるところだが、自身の余りの不甲斐なさからスバルはそれをできないでいた。二段ベッドの上からティアナを見れば、彼女ははぁ、はぁ、と時折ため息をつきながらもきちんと端末をいじくっている。報告書を書いているのだ。スバルはその辺りがティアナの凄いところだと思う。スバルはどちらかというと、本能で生きるタイプだ。今はやりたくないなと思えば、もちろん後回しにするし、期限ギリギリになってしまうことも珍しくない。しかしティアナは違う。やらなければならないことはすぐにやる。スバルとは違い、理性で生きている。すごいなぁと感心しながら、スバルはベッドの上からティアナの可愛いつむじを眺め、口を開いた。「ん~、ティアー、ちょっとくらい休もうよー。せっかく明日はお休みなのに……」「そのお休みを潰したくないから今やってんでしょ。あんた、泣きみても知らないからね?」「ティアのマネっこするからいいもーん」「私まで怒られるでしょ!」ティアナが机の上にあったヌイグルミを投げてきて、スバルはそれを難なくかわした。ティアナにへらりと笑いかけると、彼女はぶるぶると肩を震わせて。「んがー!」二段ベッドの上へと突撃をかましてきた。ぽかぽかぽかぽか。ティアナの拳がスバルの頭を何度か叩き、それでもへらへら笑っているスバルに呆れたのか、隣に倒れこんでくる。もういい、もういいもん、と呟いているのが、スバルにとってはとても愛らしいのである。「頑張りすぎはよくないんだよ、何にでも」「……何かどっかで聞いたようなセリフね」ティアナはスバルから奪った枕に顔を埋めてもごもごと。何を思い出しているのかは分からないが、自分以外にもちゃんと言ってくれる人は居るんだな、と少しだけの安心。理性が強すぎるティアナは、少しだけ無理をしすぎる。それは訓練校時代もそうで、スバルは教官からその事でティアナをしっかりと見てやれと言われたのを思い出した。「……あ」「うん?」思考の海に入り込もうとしていたところを強制浮上させられ、スバルは疑問を掲げた。「そういえば、アイツもそんなこと言ってたわ」「アイツ?」「石田よ石田」「ああ、私のこと助けてくれた人? どんな人だった? ちゃんとお礼言いたかったな」「あんたはすぐ懐くからよしときなさい。まともなヤツじゃなかったわよ」「へぇ。珍しいね、ティアがそんなこと言うなんて」「だってもう無茶苦茶なんだもん。あんたはいいわよね。見てないし、報告書もわりと楽に書ける」「む。次はちゃんと最後まで起きてる!」「あはっ、何よ、怒ったの?」「そんなことないもーん」「ごめんごめん、機嫌直しなさいよ」そういってティアナは頬をむにむにと突付いてきた。スバルはわざとらしく頬を膨らませて、もっと私に構えとアピール。しかしティアナがよしよし、と頭を撫でてくれると、どうしようもなく顔は緩んでいくのだ。ああ、本当に、どうしようもないティアコンだなぁと自分で思う。「それでそれで、どんな人だったの?」「ん、とね……、背中から角……いや、羽かな? とにかくそんなのが生えてて、右手は見たことのないデバイスに覆われてた。こう、右の首筋のところに……何て言ったらいいのかな、ライン・パターンの刺青みたいな線が入ってたわね。あごのトコ位まできてて、一本は右目のしたまで届いて、横に伸びてたわ。あれ絶対不良よ、不良。ヤンキーよ。髪の毛長くて、それは綺麗だったんだけど、自分のこと俺とか言うの。喋り方も下品な感じだったし、何か、ついついもったいないって思っちゃったわね。……それでね、なんと、驚くべき事に!」ティアナはもったいぶったように言うが、しかしスバルはその先を知っていた。間違いない。きっと、間違いない。「……フェイト隊長と、同じ顔……とか?」ピンチのときに来てくれるのは、女神様だって、スバルの中では決まっているのだ。「あら? 何よ、知ってた?」「ティア……」「なによ」「嗚呼ティアナ」「だからなに?」「ティアナ・ランスタァ!!」「ああもううっさい!! だからなによ!!」「それ! 女神様だよ! ティアがいつも馬鹿にしてた、私の女神様!」何かもう、色々とバレバレである。。。。。。「ごめん」「訳を聞こうか?」「バレたわ」「そ」「怒んないの?」「まね。どうせこうなるんじゃないかなぁ、なんて思ってた。君、考えなしだし」つ、冷たいじゃないかユーノ。何時になくクールじゃないかユーノ。こんなことならまだガミガミ怒られたほうがマシなのに!「はぁ、もうちょっと独り占めできると思ってたのにな……」「ん、何を?」「君を」「……え、と。……ええと、うん、何だろうか。なんて言って欲しい?」「なんて言いたい?」「俺は君の魅力にメロメロメロメさ、ユーノ」「ボクもだよ、ディフェクト」太陽のようにとは表現できない。向日葵でもなくて、もっと静かで、柔らかくて。だからユーノは水面に浮かぶ月のように微笑んだ。なんだこれユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。ユーノ可愛い。『私の・マスターは・もう・駄目かも・わからんね』・バレまくりですよ主人公。