【誘拐事案】拘置所被告殺人・考察&まとめスレ223【交渉中】253:◆MsSuccubus [sage]:20XX/09/01(日) 07:48:32.42 ID:MMMMMMMM おはよう、スレ住民諸君。召喚者だ。 今回の書き込みは2レス。 いつものように、私から諸君宛の書き込みと、『サキュバス』からの伝言だ。例の如く、こちらの書き込み中は、出来れば書き込みを控えてほしい。 まず、私から1点目。 公に知られ、またここのスレタイにもなっているが、私達の手によって誘拐事案が発生中だ。この事案は現在も継続中だ、と、ここに宣言しておく。 今日は夏休み最終日だが、明日の新学期からも事案が継続する事が確定した、とも。 元々2学期が終わるまでにはカタを付けようと思っていたのだから、想定の範囲内だ。 それから、2点目。 内容は公表しないが、誘拐以後、私達と警察との間で意志疎通の機会はあった。 私達の要求により、警察は誘拐事案の詳細を今の時点で何も語っていない。そして、事案がひと段落つくまでは、警察は何も語らない。 前述の通り2学期中には、何があったのかが世間に明らかになるだろう。 私から言える事も、私は徹頭徹尾『サキュバス』のために動いている、ということだけだ。 『サキュバス』のために必要だと判断したから、誘拐という行為を選んでいる。その私の行動方針を、警察は把握している、ということも。 さて、次のレスは『サキュバス』からの伝言だ。255:◆MsSuccubus [sage]:20XX/09/01(日) 07:48:32.42 ID:MMMMMMMM ◆Moto/.Prof様 突然ですが、以下の問に解答をお願いします。 問1.元の世界での魔術で身を立てている者の装束について。必須であるものは何かを答えよ。 問2.上記問1の装束の色の規制について。装束の内、色の規制があるのは何と何か。また、所属と色の関係を出来うる限り多く列挙せよ。 問3.上記問1の装束の色の規制について。色の濃淡が示す意味を答えよ。 問4.分析魔術による寿命解析の原則について。 生物の寿命が分析可能or不可能な場合に触れつつ、その原則を示せ。 問1~問3は、そちらの経歴から考えて即答可能と思います。問4については、解答はなかなか厳しいでしょうか? なお、私の件に関して警察等への協力は控えてほしいという要望は、引き続き守って頂きますようお願い致します。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 9月1日 午前11時48分 賢橋町2丁目 路上「ふぅ……」「なんだ、溜息吐いて」 不意に粟倉 葉の口から出てきた溜息を、右横を歩く夫は聞き咎めてきた。苦笑いを顔に出しつつ、葉は言葉を返す。「ちょっと、疲れたから。昔のことを思い出すのって、文章を読むのとはまた頭の使い方が違ったみたい」 長く学者を続けていて、現職が弁護士。特段、頭を使う仕事が苦というわけではない。それが苦手ならそもそも学者という職を選んでいない。 ただ、今朝から行った作業は、頭脳労働とはいえ、普段やるようなものとは少々毛色が違った。 深く深く記憶を掘り下げて、何とか思い出すべきことを思い出そうとする、そんな作業。「そうか。無理する必要は無かっただろうに。葉」「……本当、私がこだわっただけだけね」 ちょっと呆れた夫の指摘に、苦笑、再び。 思い出すべき記憶は、無理に思い出そうとせず、あやふやなままでも良かったろう。どうしても正確に思い出したいと執着したのは、まさしく自分の意地だ。 今朝、掲示板にあった召喚者達の書き込み。その後半部は、葉に向けられた『サキュバス』の問いかけだった。その内容は全部で4つ。 問1~3までは、すぐさま即答出来る内容。ただし先方が書き込んだ通り、最後の問4だけは、葉としては正確な解答が出来るものかがかなり怪しい。 問われたのは、何てことはない、魔術原論の基礎に出て来る話だ。分析系が得意な笛の民のお嬢さんならば、常識のように知っていてもおかしくない事柄の質問。 あの子が目指していたらしい魔術系の官吏というのも、種族的に考えて分析系魔術絡みの確率が最も高い。仮にそういう系統の志望だったならば、なおさら知っている事だろう。 ただ、こちらは破壊系と呪詛系が得意な巫女だった。あの世界の種族すら違う。10代半ばの頃、神殿の講堂で一度学んだだけの知識を、急に質問された構図。 若い頃に作った手持ちの”資料”にも記述が無い問いで、……うろ覚えでも何とか思い出せたが、正直、内容に自信が無い。 ともあれ、思い出すために頭は十分に使った。外の空気を吸って、頭を冷やして、ついでに昼御飯は久々に地下鉄の駅近くの牛丼屋で済ませて。 その後確かな記憶を思い出せなければそのまま書き込もう、という。そんな、日曜の、お昼時。「先生!? 東都大学を辞められた民法の粟倉先生ですよね?」 目当ての牛丼屋の近くまで進んだ頃、左前方からの若い男性の声が、葉を呼びかけた。夫共々、声の方を見る。 ポロシャツににジーンズ姿の、肩から鞄を下げた、……多分20代か。自分達夫婦と比べれば随分と若い男性だ。 ――誰だろう、見覚えが無い。「あの、覚えていませんか? 先生が定年退職された時、僕、最前列で粟倉先生の最後の講義聞いていたんですが……」 長く奉職していた東都大学を定年退職したのは、一昨年のことだ。 その当時の学生の中にこんな顔は居ただろうか、葉は思い出そうとする。――ダメだ、思い出せない。「あー、ごめんなさいね。えっと、お名前何だったかしら、あなた」 小さく頭を下げる。本当に思い出せないのだから仕方あるまい。 東都大学のOBかあるいは現学生か、どちらとも知れないその若者はハハハと笑った。「いやー、思い出せないなら仕方ないです。学年に何百人もいましたから。それじゃあ、失礼しますね」 会釈した彼は、そのまま葉の横を通って後方に去って行き、……数秒後、 不意打ちが来た。「死ね!」 斜め後ろからの衝撃で頭がブレた。思考する間もなく、ザクザクという音と、背中からの熱い感覚がほとばしる。「――……!!」 罵声。 聞き取れない男の野太い罵声。夫だろうか、あるいはあの男性なのだろうか。 薄茶色の中の、赤。 ああ、地面の舗装と自分の血か。倒れているのだ。口からダラダラと出血しながら。 顔を上げる。ぼやけた視界の真ん中で、誰かが誰かともつれ合う姿が見える……。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~【解答】拘置所被告殺人・考察&まとめスレ239【待機中】591:VIPにかわりましてHIDEがお送りします[sage]:20XX/09/01(日) 11:58:07.28 ID:NNNNNNNN 速報 地下鉄賢橋駅近くの路上 俺の目の前で通り魔発生 刺されたのはこのスレで上がってた異世界人候補の弁護士っぽい 救急車でたった今搬送された592:VIPにかわりましてHIDEがお送りします[sage]:20XX/09/01(日) 11:58:59.01 ID:OOOOOOOO >>591 なぬ!? 詳細寄越せよ! できればトリ付けて!623:VIPにかわりましてHIDEがお送りします[sage]:20XX/09/01(日) 12:04:59.00 ID:NNNNNNNN >>592 トリ付けないけど出来るだけ詳しく説明するわ 地下鉄の賢橋駅の出入り口そばのコンビニで、俺、立ち読みしてたのよ たまたま顔を上げたら、コンビニのガラス越しの道路で、年配の女性が刺された ちょっとトラウマになったかもしれん 俺、その男と目が合ったわ、どうも頭の逝ってた若いアンちゃんが犯人 「ざまあみろ異世界人め」とかすげぇ声でわめいてた その場で旦那さんに取り押さえられてたけどな つうか旦那さんここで出てた弁護士さんだよな? 多分 旦那さんが奥さんの名前を何度も何度も呼んでた 本人かどうか厳密には知らんけど、被害者が話題の教授に似てて、「ヨウ」さんっぽい名前なのは間違いないと思う~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 9月1日 午後12時9分 召喚者の屋敷 地下大広間 掲示板をチェックしていたタイミングが良かった、と、紅子は率直に思う。 昼食前に掲示板を確認し画面を開いた瞬間、自称通り魔を目撃した人物による詳細な書き込みが、ピンポイントで目に飛び込んできたのだ。 元からローブ姿だった。仮面を着用し、ざっとSNSを調べてから掲示板の内容を紙に印刷し、『彼女』が居る地下室に駆け降りるまで、掛かった時間は数分。今、紅子の息は若干荒い。【取り急ぎ掲示板以外にも他に色々見てみたけれど、賢橋で人が刺されて救急車出動、犯人確保済みなのは間違いなさそうよ 現在進行形で現地から呟いている人が他に居た。とんでもないタイミングでとんでもない事が起こるのね】 信じられないという顔で書き込みを読んでいる『彼女』を横に、紅子は筆談用ノートパソコンのキーを叩く。 通り魔の発生は、報道機関のサイトには出ていなかった。ただSNSで実況されて拡散されているだけの段階だ。事件そのものは本当であるようだから、いずれニュースにはなるだろう。 警察への情報提示のつもりで今朝方こちらが粟倉 葉(=◆Moto/.Prof)に問い掛け、あちらの解答を待っていたタイミングでの通り魔情報という流れ。 なお、粟倉本人の通り魔被害の真偽はどうあれ、掲示板上に◆Moto/.Prof名義の解答は未だ無い。 真横の『彼女』を見る。 仮面を着けていない『毛利 蘭』の顔は、驚愕と不安に染まった表情で、長く思案しているようだ。考え込む時間は紅子の体感でかなり長め。 ……やがて決心した顔で、キーボードへのタイピングを始めた。【あるじ、この話が本当かどうか分かりませんが、もし本当だとして 今後もしそれで本人が亡くなられたなら、その時は、通り魔を呪い死なせる許可は頂けますか?】 呪詛系/加護系の魔術は、紅子も『彼女』も、使うことはできる。ただし遠隔で誰かを標的にできるのは、単に身体なり心なりを傷つけるだけの単純な呪詛のみ。 加護の要素なり、複雑な発動条件なりを少しでも入れると、付与する相手に直に向き合わなければ効果が無い。 逆に言えば、ただ通り魔の心なり身体なりを徹底的に壊すだけならば、この屋敷からでも出来る。紅子が『彼女』にOKを出しさえすれば。【今は保留ね 真実そういう流れになったとしても、貴女が魔力不足になるリスクが恐ろしい それに、サキュバスしか関係のない因縁なのだから、蘭が融合した状態では殺しの許可は出せない。誰かに加護を与えるならともかく、殺しは駄目 蘭の方の精神が、おそらくとんでもないことになる】 元太誘拐の実行時ですら結構ギリギリだったのだ。通り魔とはいえ誰かを呪い殺すのは、『女子高生』の倫理観では精神的な負担が半端なく重いだろう。 『サキュバス』の怒りの感情だけを考慮して殺害許可を出すのは無謀だ。殺した時点で『彼女』のメンタルが壊れかねない。 仮面の下の目で『彼女』の顔を見る。……心底納得した模様。こちらに大きな頷きを見せてくる。 呪い殺すのどうのという話は一旦保留。同じテーマのまま方向性を変えよう。【それで、本当に粟倉さん本人が刺されていたとして、私達はどうするべきと思う? 私の魔力は今そこまで余裕は無いわ。魔術をいくつも連発させるのは無理 でも、この教授がもし死んだりしたら、今度はサキュバスのメンタル的にはキツいでしょうね】 つくづく面倒なタイミングでの通り魔情報だった。きのうの拉致を伴う刑事との協議と、今朝の書き込みのために魔力を結構消費してしまっている。 紅子の場合、『彼女』とは違って、魔力は時間と共に自然回復する。が、現在の体内の残余魔力量が少ないのはまた別の問題。 現在の魔力は、ギリギリ警視庁捜査本部の情報探査を1回行えるくらい。 それを明日は行わないとして、今日使える魔術は良いとこ2つ。今後2~3日の体調不良を覚悟で3つ。それ以上は、……きっと今後の作業自体に支障が出る。【やるべきことをまず列挙しましょうか、あるじ。それから優先順位を考えましょう まず先生の現状確認は必須です。本当に刺されたのか、本当ならば容態がどうなのか見なければならない それから、こちらで確認していた異世界資料が今どこに有るのか、粟倉家から余所に渡り得る前に確保するべきかもしれません】 ――あの粟倉夫婦の家には、そういえば、“あの世界”について書かれた資料があるんだったわね。 『彼女』の文字で、ようやく紅子は存在自体を思い出した。 粟倉 葉という名を知り、住所を知った頃、彼女の周りの異世界関係の物について調べるように分析魔術を掛けて、それで引っ掛かった資料類。 全て、作成された日時がだいぶ昔らしい物だった。新しいものでも作成日は30年以上前。大体が作成後40年の大台に乗っていた。 こちらとしては資料があるという事だけ把握して中身は精査していないが、ただ資料の存在と場所だけは検知していた。……そんなシロモノ達。 確かに『彼女』が打ち込んだ内容はもっともだ。今気にかけるべきことには違いない。 では、他にやるべきことは無いか、紅子は文字を打つ。【もし粟倉さんが死んでなかったとして、本人に治癒や加護を与えることも、検討材料かしら 今見る限り、死に至った場合、貴女のメンタルがややキツいことになりそうだけど 出来うることなら、やるべきでしょうね】 ……ホゥ、と、息があった。 『サキュバス』がこちらに向けている感情は、――ああ、召喚者だから分かる。この思考を言葉に直すならば、安堵か、感謝か。 『彼女』は、顔を伏せてただキーボードに手を載せる。【でも、あるじの魔力が限られているのですから、私の思う優先順位は、】 そこで一旦文は切れる。 長い長い思考の時間を挟んで、文字は打たれた。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~【通り魔】拘置所被告殺人・考察&まとめスレ251【確保済】92:配偶者◆Moto/.Prof [sage]:20XX/09/01(日) 21:04:54.17 ID:KKKKKKKK こんばんは。召喚者さん、サキュバスさん。私は◆Moto/.Prof本人ではなく、◆Moto/.Profの配偶者です。 トリップキーを事前に夫婦で共有してしていたため、このトリップで書き込んでいます。 ◆Moto/.Profは、本日、突発的に、生命が極めて危うい状態になりました。 詳細は伏せますが、現在、意識が回復する見通しが立っていません。私のみ入院先から先ほど一時帰宅し、自宅の端末からこうして代理で書き込んでいます。 私は、この世界で生きる者としておそらく唯一、配偶者の記憶の件を昔から知っていました。 他に近親者の何人かが事情を知っていたようですが、私が知る限り全員が既に没しています。全員、私より年上の、◆Moto/.Profの血縁者でした。 ◆Moto/.Profは、意識不明になる前に、サキュバスさんの問題の解答を残していました。ここにその解答を書き込ませて頂きます。 問1.元の世界での魔術で身を立てている者の装束について。必須であるものは何かを答えよ。 解答1.手袋、杖、仮面、フードの付いた上着。全ての職で、これだけは共通の装束である。99:配偶者◆Moto/.Prof [sage]:20XX/09/01(日) 21:05:32.48 ID:KKKKKKKK 問2.上記問1の装束の色の規制について。装束の内、色の規制があるのは何と何か。また、所属と色の関係を出来うる限り多く列挙せよ。 解答2.仮面と上着に色の規制がある。 神殿に属する者は青。王・王族は緑。軍に属する者は黄。官吏は赤。左記のどれにも属さない者は、灰か黒か紺のいずれか。 なお、何らかの理由で収監されている者・罰されている最中の者は、元の所属に関わらず全く染色の無い上着を着る。 所属の変遷があった時は、上着と仮面の、縁取(ふちど)りの色で示す。 例えば、元軍人で退職後は在野の者となった時は、灰or黒or紺の上着に黄色を縁取る。 ◆Moto/.Profもかつてはそうだった。元々神殿の者で軍に移ったので、青く縁取った黄色の上着を羽織っていた。 問3.上記問1の装束の色の規制について。色の濃淡が示す意味を答えよ。 解答3.身分の上下関係を示す。濃い色ほど身分が上。逆に薄い色ほど身分が下。 問4.分析魔術による寿命解析の原則について。生物の寿命が分析可能or不可能な場合に触れつつ、その原則を示せ。 解答4.原則として、生物の寿命は分析魔術では判断できない。この点は、◆Moto/.Profでも明言出来ることだったという。 分析魔術で判断できる例外は、確か、以下の3点のみ。 (例外の数は確か3つだったと思う。内容についてはあまり自信が無いとのこと) 1.魔術的な事由によって、寿命が定められた 2.万人が認めるほど明確に、死去する直前である 3.分析対象の生物が、異なる世界の者である なお、3点目に関しては、その異世界の生物の魂に、他者の魂が一切混ざっていない事が求められる。混ざった場合は寿命の分析は不可となる。 ◆Moto/.Profの解答は以上です。107:配偶者◆Moto/.Prof [sage]:20XX/09/01(日) 21:06:07.23 ID:KKKKKKKK ところで◆Moto/.Profは、異世界について、記憶を元に大量の資料を作成していました。 棚ひとつ丸々使うほどの分量の、音声記録(ほぼ全部カセットテープ)とノート類です。 この世界に転移したばかりの頃に、元の世界を忘れないために作ったのだと聞いています。 帰宅してすぐに気付いたのですが、それら資料類が棚ごと自宅から消えています。 ◆Moto/.Profの危機を察知したあなた方が、うちに忍び込んで棚を持ち出したのではないですか? 誰が盗んだのか分かりませんが、窃盗犯があなた方であるならば、変な言い回しかもしれませんが、最も悪くない構図だとは思います。 親告罪扱いにならないケースだと承知の上であえて言います。 仮に犯人があなた方だったとしたら、私には、窃盗行為に関して、あなた方への処罰感情は浮かびようがないのです。 サキュバスさんと故郷について語り合える日が来ることを、◆Moto/.Profは心から待ち望んでいたからです。 ◆Moto/.Profは、サキュバスさんの生存を願っており、そちらの要望通り、手持ちの資料を警察等に渡しはしないという決意を固めていました。 私も、配偶者としてその願いに賛同しています。 私には、警察に提供できるような異世界の魔術の知識は一切ありません。 資料が家の中でそのままだったら、私はその取扱いについてきっと困惑していたでしょう。 ◆Moto/.Profが意識を回復する時が来るまで、配偶者の希望通りに、誰ひとり資料に触れさせない方法を必死で思案しただろうと思います。 あの資料が全てあなた達の管理下に置かれるとすれば、◆Moto/.Profにとっても、あなた達にとっても、好ましい事なのでしょうね。 いつか、◆Moto/.Profが、サキュバスさんと語り合える日が来ることを願ってやみません。 それでは、失礼いたします。※4月23日 初出 4月24日 シーン追加しました。追投稿の作業途中でここのサイトのエラーに引っ掛かって悪戦苦闘していました。お見苦しい所をご覧になっていた方がいらっしゃったら申し訳ないです。 作中で9月1日が日曜日扱いですが、カレンダーは(元々の安価スレが始まった年である)2013年準拠ということでお願いします。 第4部がとんでもなく長くなったので、一旦〆る事にしました。全4部のつもりでしたが全5部になります。次エピローグなので、お決まりのコナンサイドです。 登場人物紹介の挿入、IF話の移動、この部のタイトル変更とか、色々作業した後で、第5部プロローグになります。 この第4部の新タイトルは、『罪に染めた/染まった彼女の話+死に掛けそうな誰かの話』となります。で、現第4部タイトルを第5部に持って行きます。 更新頻度がアレでも、完結には突き進みます。今後ともよろしくお願いします。用語補足(窃盗と親告罪):粟倉(夫)による掲示板への書き込みで、『親告罪扱いにならないケースだと承知の上で~』という記述がありますが、この点について補足です。『親告罪』とは、被害に遭った人からの刑事告訴がなければ、刑事裁判にはならない罪のことを言います。そうでない犯罪は『非親告罪』です。『親告罪』の分かりやすい例としては名誉棄損が挙げられます。これは名誉を傷つけられた本人が訴えければ刑事裁判になりません。『非親告罪』の分かりやすい例は殺人でしょうか。殺された本人は訴えようが無いですし、警察は殺人のことを知った時点で捜査を始める形になりますよね。窃盗は、この点やや特殊な犯罪です。まず、被害者の、配偶者or直系血族or同居の親族が窃盗を行った場合、その罪について刑は免除されます。また、それ以外の親族が窃盗を行った場合、親告罪扱いとなり、被害者が刑事告訴しなければ刑事裁判になりません。ただし、作中では、盗んだと思われる側(=サキュバスと召喚者)は、盗まれた側(=粟倉夫妻)と一切親族関係は有りません。粟倉(夫)が告訴しようがしまいが犯罪となってしまう訳で、それでもなお粟倉(夫)は、盗んだ側に処罰感情は無いと明言した訳です。